CriticRevisionObligatios2015
21/32 Ⅱ-5. 原始的不能・特定物ドグマからの解放(2/3)→(1/3)

【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。



【ノート】
★今回の民法(債権関係)改正の問題点のひとつは,先に述べたように,歴史的な重要な文言を「無神経に」削除していることにあります。 ★改正案は,現行法410条1項に存在していた「初めから不能であるもの又は後に至って不能となったものがあるときは」を「不能のものがある場合において」へと変更し,現行法が,「原始的不能」と「後発的不能」とを区別せずに,債務不履行として扱っていたという歴史的事実を抹消しようとしています。■ ★しかも,法制審でこの改正に携わった委員が,改正案の解説書において,以下のような記述をしているのは,大きな問題です。■ ★たとえば,[潮見・改正案の概要(2015/8)52頁]は,「本条によれば,選択債権の目的とされた給付のうちのあるものについて,給付不能(後発的不能のみならず,原始的不能も含む)が,「選択権を有する者の過失」により生じたときは,債権は,その残存するものについて存在する。」としています。 ■自分たちで削除しておきながら,解説書では,それを復活させているのですから,信義則に反する行為というべきでしょう。■ ★原始的一部不能について,債務不履行として規定している現行法565条を削除しようとしていることも,今回の改正案の問題点として,見直しが必要だと思われます。 ■このような重要な条文を上書きによって削除することは,歴史的に貴重な文献をホゴにするという危険な行為だからです。