CriticRevisionObligatios2015
26/32 Ⅲ-2-1. わかりやすいとは何か?(1/5)原則を追加するとわかりやすくなるか?

【テロップ】
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【ノート】
現行法は,簡略を旨とし,「言わなくても わかることは,書かない」という建前で起草されているため,原則を書かずに例外だけが書かれているという場合があります。 ★[司法書士連合会・ビジネスはこう変わる(2015/7)12頁の以下の記述を見てみましょう。■ ★現行民法は,条文自体がわかりにくいという指摘がなされています。■ ★たとえば,現行民法474条では,「債務の弁済は,第三者もすることができる。」と規定されています。■ ★お金の貸し借りで,借主である債務者は当然にお金を返す義務を負いますが,これは当然ということで規定が設けられておらず,いきなり第三者が弁済できる旨が規定されています。■ ★そこで,新しい民法〔改正案473条〕では,「債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは,その債権は消滅する」という,前提となるルールを明らかにすることで,よりわかりやすいものにしようとしています。 ■確かに,この書籍が指摘しているように,例外だけが規定されている場合に,原則を付加するとわかりやすくなることが多いのです。 ■しかし,例外が原則を一部変更するものである以上,原則がどの範囲で適用され,どの範囲では適用できなくなるのかをわかるようにしないと,かえってわかりにくくなってしまうおそれがあります。 ■改正案473条の場合についても,連帯債務の場合には,連帯債務者が債権者に対して連帯債務の全額を弁済をしても,負担部分を超える弁済については,連帯債務者の求償権を確保するために,債権は消滅せず,連帯債務者に債権が移転します(民法500条以下)。 ■つまり,改正案473条(弁済)が「債務の弁済をしたときはその債権は消滅する」としているのは,連帯債務と保証債務に関しては,「債権は消滅しない」ので,誤りだということになります。 ■したがって,連帯債務者については,例外があることを示すか,改正案474条(第三者の弁済)の第三者に,保証債務者,連帯債務者が含まれることを規定するか,何らかの手当てをしておかないと,かえって混乱が生じ,わかりにくくなってしまいます。