CriticRevisionObligatios2015
30/32 Ⅲ-2-4. わかりやすいとは何か(5/5)問題の箇所を削除すればわかりやすくなるか?

【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。



【ノート】
問題が生じている条文の一部を削除することに関連して,裁判官に対して明確な判断基準を示すことの重要性について, ★改正案420条を例にとって検討します。 ★現行法は以下のように規定しています。 ■第420条(賠償額の予定) ■第1項▲当事者は,債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において,裁判所は,その額を増減することができない。 ■この規定は,解約をされることを承知の上で,法外な賠償額の取り決めをし,粗悪な商品やサービスを提供する悪質業者によって悪用され,多くの被害例を発生させてきました。したがって,この条文を改正することについて,今回の民法(債権関係)改正にとって,唯一といってよい立法事実があったことになります。 ★改正案420条は以下の通りです。 ★第420条(賠償額の予定) ■第1項▲当事者は,債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。 ■この規定は,問題箇所を削除しただけであるため,裁判官は賠償額の定めが不当であると判断した場合に,第1に,契約自由の原則に従い,従来どおり,賠償額の予定を増減できないのか,第2に,制約が削除されたのだから,減額はできるが,立法の趣旨に従い,増額はできないと考えるのか,第3に,制約がなくなったのだから,減額はもちろん,例えば,大企業が中小企業に対して過小の賠償額の予定をした場合には増額もできると考えるべきか,先に述べたように,改正案が成立する前の現段階で,すでに学説が対立するという状況が生じています。 ■そこで,そのような対立を未然に防止するために,改正案の修正案を作成してみましょう。 ■以下に示す例は,第3の立場に立って,改正案の修正私案を作成したものです。■ ★改正案の修正私案(加賀山)■ ★第420条(賠償額の予定) ■第1項▲当事者は,債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。 ■この場合において,その賠償額の予定が,平均的損害又は通常生ずべき損害と比較して過大又は過小である場合には,裁判所は当事者が予見できる通常生ずべき損害の範囲までその額を増減することができる。 ■この私案にとらわれずに,これまで主張されている説の中から,自らが支持したいと思う説を選択し,その説が間違いなく適用されるような改正案の修正私案を作成してみましょう。