LegalInference2016
6/34 法による紛争解決のプロセスとは❓
【テロップ】
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【ノート】
法による紛争解決は,どのようなプロセスを経て実現されるのでしょうか?■ 裁判官の象徴である法の女神であるテミスの像を見ながら,そのプロセスを見てみましょう。■ ★第1に,裁判官は,争いの原因となっている事実が何かを探求します。■ ★その方法は,テミスが持っている弁論を見ればわかります。■ すなわち,原告と被告の双方の「主張(言い分)」を良く聞いて,その言い分の重さを「衡平」を意味する「天秤」で量るというものです。■ ★テミスが目隠しをしているのは,顔や身なりで判断するという偏見を避けるためだけではありません。「弁論するときは,下を向いて書面を読むのではなく,相手の顔を見て語りかけなさい。弁論に裏付けられていない書面は採用しませんよ。」というテミスの方針(弁論主義)を示しています。■ ★第2に,裁判官は,原告が主張した事実に適合した法律の条文を探し出します。■ ★テミスの足元にあるのが法律書であり,わが国においては,憲法と法律とがそれに当たります。■ そのような法規範を事実に適用することによって,仮の結論を導きます。■ さらに,被告が主張した事実に適合した法律の条文を発見し,それを事実に適用することによって,もう一つの仮の結論を導きます。これらの二つの結論を比較検討しながら,具体的に妥当な結論は何かを検討します。■ ★第3に,裁判官は,発見した事実に最も適合するルールを適用して,判決を下します。■ ★どちらが勝訴したかは,天秤の傾きで判断されます。■ ★この判決に当事者が従わないときは,司法権力が,判決を強制的に執行します。■