LegalInference2016
7/34 Ⅱ 法律家の思考方法

【テロップ】
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【ノート】
第2部では,法律家の思考方法について考察します。■ ★第1に,従来は,法律家は,「判決三段論法」にしたがって推論していると考えられてきました。■ ★しかし,三段論法は,大前提として,例外や矛盾がある命題を扱うことができません。■ ★そこで,第2に,現在では,法律家は,アイラック(IRAC)という思考法をとって物事を考えていると考えられるようになっています。■ ★アイラックとは,(1) 問題となっている争点は何か,(2) 問題を解決できるルールや仮説は何か,(3) そのルールや仮説は問題を合理的に解決できるか,反対の立場に立った場合にはどうか,双方の視点から議論を重ねて,■ (4) 双方が納得する結論を導くことができるルールや原理を発見するという,問題解決の思考方法です。■ アイラック(IRAC)の中で,最も,困難な問題が,議論の方法ですので,ここでは,その問題を解決するため,■ ★第3に,トゥールミンの図式に従って議論するという方法を紹介します。■ ★トゥールミンの議論の図式は,一方の当事者が,まず,データを示した,主張を行い,主張を正当化する根拠を示すというところから,議論をスタートさせます。■ ★相手方は,これに対して,データの誤りを指摘して,議論の誤りを突くこともできますし,データを認めた上で,その根拠に反論することもできます。■ ★トゥールミンの図式に従って議論を重ね,問題を解決するのに合理手なルールとか原理が見つかると,双方ともに納得する結論を導くことができます。■