06StipulationAutrui
28/95 第三者のためにする契約民法539条の理解(6/6)

【テロップ】
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【ノート】
大審院▲昭和9年5月25日判決▲民事判例集▲13巻829頁の結論は, ダクヤクシャが援用できる抗弁は,制限される場合もある,というものです。 ■もっとも, 大審院▲昭和9年5月25日▲判決の控訴審は,以下のように,民法539条の文言どおり,補償関係の抗弁は,受益者に対抗できるというものでした。■ 丙のためにする預金契約が,その契約上,当事者,あい通じてなしたる虚偽の意思表示による無効のものなりと言うがごとき,契約自体にキインする抗弁は,たとえ,その契約の利益をうくべき丙が善意なるときといえども,債務者たる乙銀行は,これをもって 丙に対抗し得べきことは,民法第539条の規定により疑いなき所にして,同法第94条第2項は適用の余地なきものとかいせざるべからず。 ■しかし, 大審院▲昭和9年5月25日▲判決▲民事判例集▲13巻829頁のハンシは,以下のように,民法539条の文言にもかかわらず,対抗できない抗弁もあるというものです。■ ゲンインは,コウは,丙に対し弁済すべき▲金1,900百円の調達に窮したる結果,乙銀行舞鶴支店に至り,自分より丙の当座預金尻に1,900円の「入金を なしたるごとき形式を装いて,その入金通知をなし呉れたきむね,懇請し」たるをもって,「同支店員は,これを承引し,なんらのジツ取引に基かずして 右のごとき入金通知をなし」たりと判断するのみにて,丙の善意と否とは これを確定すること無く,上告人の本訴請求を棄却したり。■ コウ(要約者)が銀行乙(ダクヤクシャ)と通謀し,コウより丙(受益者)に支払うべき金額を丙の預金中に受入れたる旨を丙に対し 虚偽の通知を なしたる場合においては,丙の善意なる限り,乙銀行はガイ金額を丙に払戻すべき義務あるものとす。 ■民法94条の無効のように,無効そのものが,善意の第三者に対抗できないとしている場合には,無効の抗弁自体が,制限を受けているのですから,それを民法539条によって援用する場合にも,その抗弁自体の制限の影響を受けざるを得ないと考えるべきでしょう。■