06StipulationAutrui
35/95 債務引受を第三者のためにする契約として理解する際の注意点

【テロップ】
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【ノート】
債務引受に関しては,債務引受けと履行引受けを区別するのが判例の考え方です。■ そして,「第三者のためにする契約」においては,受益者は,ダクヤクシャに対して権利を取得するのであるから,履行引受けだけの場合には,それは,「第三者のためにする契約」には当たらないとしています。■ 大審院▲昭和11年7月4日判決▲民事判例集15巻1304頁を見てみましょう。 ■この判決は,以下のように判示しています。■ 債務者と その履行を引き受けたる者との間の契約において,特に,第三者たる債権者をして,直接その引受をなしたるものに対し,履行の請求権を 取得せしむることを約したる場合に あらざる限り,ガイ契約は第三者のためにする契約なりということをえざるものとす。■ つまり,判例は,「債務引受」ではなく,「履行引受」だけなら,「第三者のためにする契約」ではないと考えています。■ 大審院▲大正4年7月16日判決▲民事判決録21輯1227頁を見てみましょう。 ■この判決は,以下のように判示しています。 契約当事者が第三者をして 権利を 取得せしむる意思なくして,単にその一方が 相手方の第三者に対する債務を弁済すべきことを 約したるにとどまるときは,その効力は第三者のために生ぜず。■ したがって,第三者が受益の意思表示をなすも,これにより,その第三者は,右当事者の一方に対し,直接に給付を請求する権利を取得するものにあらず。■ ■しかし,保証契約の内容について,保証人の責任を 債務者に代わって履行を肩代わりする履行責任の引受けだと考える「加賀山説」に立つ場合には,債権者は,保証人に対して権利を取得しますから,保証委託契約を「第三者のためにする契約」と考えることが可能となります。■ ■ところで,民法(債権関係)改正案は,債務引受けについて,のちに述べるように,「第三者のためにする契約」によることを明文で認めるに至っています。 ■したがって,債務引受けばかりでなく,履行引受けの場合についても,「第三者のためにする契約」によることが認められ,ひいては,「第三者のためにする契約」による保証委託契約,すなわち,履行引受け契約こそが,真の保証契約であるとの加賀山説が認められるようになるのも,時間の問題 であると,私は考えています。■