06StipulationAutrui
42/95 債務引受の根拠規定は存在する民法514条,537条との組み合わせ

【テロップ】
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【ノート】
民法514条(債務者の交代による更改)は,以下のように規定しています。■ 債務者の交替による更改は,債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。ただし,更改前の債務者の意思に反するときは,この限りでない。 ■この規定は,債権者・新債務者間の契約で債務者の交替を契約することができることだけを明らかにし,そのほかの方法については規定していません。■ しかし,民法514条の基礎となった旧民法財産編496条には,このほかに,債務者と旧債務者の合意と債権者の承認による債務引受の規定が用意されていました。■ 現行法には明文の規定はないのですが,旧民法の精神を生かすために,現行法の第三者のためにする契約を活用するならば,現行法の不備を補うものとして,現行民法537条が大きな役割を果たしうることになります。 ■この点,わが国の判例が,第三者のためにする契約によって,債務引受をすることができることを明らかにしている点も重要です。■ つまり,民法537条(第三者のためにする契約)を利用するならば,■ 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したとき, ■すなわち,要約者である債務者と,ダクヤクシャである新債務者との間の第三者のためにする契約によって,受益者である債権者のために,新債務者が債務を引くける契約を締結すれば, ■民法537条第1項によって,受益者である「第三者は,債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。」と規定されているのですから, ■民法537条は,わが国には明文の規定がないとされている債務引受について,民法514条と民法537条とを活用することによって,全ての形態の債務引受を実現することができることになります。■ しかも,民法537条2項は,「前項の場合において,第三者の権利は,その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。」と規定しているのですから, ■受益者の利益だけが実現される並存的な債務引受の場合には,債権者の受益の意思表示は必要ないのですが, ■受益者の不利益にもなりうる免責的債務引受の場合には,債権者の受益の意思表示を必要とすることによって,不測の問題を未然に解決することができます。 ■民法改正案によって,債務引受の規定が 創設されることになりましたが,以上の考察によって,現行民法の解釈によって,すでに,債務引受の骨格は出来上がっていることを理解することができると思います。■