06StipulationAutrui
87/95 第三者のためにする契約の応用例(3/3)誤振込事件の解決

【テロップ】
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【ノート】
ご振込み事件に関するリーディング・ケースとされる最高裁▲平成8年判決は,その後の判例によって引用され,確立した最高裁の判決となっています。 ■しかし,最高裁▲平成8年判決に対して,刑事事件においては,最高裁▲平成15年判決(すなわち,最高裁▲第二小法廷▲平成15年3月12日▲判決▲刑事判例集57巻3号322頁)は,ご振込みの受取人が,ご振込みであることを知りつつ振込金を受け取ることは,第1に,詐欺罪に当たることを明らかにするとともに,第2に,銀行に対して,信義則上,一定の場合には,組戻しをする義務が生じることを明らかにしています。 ■そこで,ご振込み事件を組戻しを使って,根本的に解決する方法を検討してみることにしましょう。■ ご振込みの依頼人Xは,ご振込みの組戻しを,仕向銀行(A銀行コウ支店)に依頼します。タダではなく,最高裁▲平成8年判決も認めているように,振込み依頼人のご振込み受取人に対する不当利得返還請求権をもって,被仕向銀行の譲渡することによってその処理を行うように仕向銀行に依頼することになります。■ そうすると,最高裁▲平成15年判決によって認められているように,信義則上,組戻しをする義務を有するA銀行乙支店は,仕向銀行であるA銀行コウ支店との間で,組戻し引受けを行うことによって,預金債権は,ご振込み依頼人の元に組戻されます。■ さらに,A銀行コウ支店に組み戻された預金債権は,正しい振込み依頼に基づいて,無事にXの債権者へと移転することになります。 ■その場合,Yは,A銀行乙支店に対して,預金債権に代わる填補賠償,または,不当利得返還請求をするかもしれませんが,A銀行乙支店の組戻し行為は信義則に基づく適法行為ですし,もしも,その請求が認められるとしても,先に,Xから得た不当利得返還請求権で,ソウサイすることが可能です。 ■以上の方法は,かなり高度な法律構成を使用していますので,もしも,以上の理論を理解することが困難であると感じる人は,もっと単純な方法で,組戻しを実現する方法を考えてみるとよいでしょう。■