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14/39 弁済の主体

【テロップ】
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【ノート】
弁済の「各論」に入ります。 ■最初は,弁済の主体です。■ つまり,誰が弁済できるか?という問題です。■ 当然に弁済をすることが期待されている「債務者」本人については現行民法には規定がありません。 ■(このため,民法(債権関係)改正案では,第473条によって,債務者が弁済できることを規定することにしています。ただし,その条文には誤りがありますので,次に詳しく説明します)。■ 現行民法は,第474条において,「第三者」も弁済ができることのみを規定しています。■ 現行民法の解釈として,誰が弁済することができるのかを表にまとめて示すと,以下のようになります。 ■債務者は,当然に,弁済ができます。ただし,保証人が債務者に入るかどうか?については,争いがあります。通説は,保証人を債務者としています。 ■しかし,保証人が債務を弁済した場合には,保証人の求償権を確保するために,民法500条以下の弁済による代位の規定が適用されて,債権は保証人へと移転するだけなので,債権は消滅しません。 ■つまり,保証人による債務の弁済の場合には,例外的に弁済は債権の消滅原因とはいえなくなるという大問題が生じます。 ■もっとも,例外を極力認めないとする私の考え方(加賀山説)では,保証人は,債務者ではなく,弁済について,正当な利害関係を有する「第三者」として分類しているので,例外は生じません。 ■なぜなら,正当な利害関係を有する「第三者」による弁済は,債権を消滅させず,民法500条以下によって,弁済による代位という法定の債権移転が生じるのであり,保証人による弁済,物上保証人による弁済,負担部分を超えて弁済する連帯債務者の弁済について,例外なしに説明することが可能になるからです。 ■これに対して,通説による場合には,債務者の弁済は,原則として債権の消滅をもたらすが,債務者の弁済であっても,保証人の弁済の場合には,全額について債権の消滅をもたらさず,連帯債務者の場合には,負担部分に応じた一定割合において,債権の消滅をもたらさないという,複雑な例外規定を設けて,説明をしなければなりません。 ■最後に正当な利害関係を有しない第三者,例えば,債権者の友人,親戚などによる弁済については,民法474条2項によって,債務者の意思に反して弁済することはできません。■