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17/39 他人物の引渡による弁済(2/4)解除と同時履行の抗弁

【テロップ】
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【ノート】
民法475条(弁済として引き渡した物の取戻し)の続きです。■ 第1に,他人物による弁済が効力を生じない場合の 弁済者と弁済受領者との二者間の関係について検討します。■ 弁済者が他人物の権利を弁済受領者に移転することができない場合には,民法561条等によって,契約は解除されることになります。■ その場合,一方で,弁済受領者は,民法475条によって,更に有効な弁済を求めることができるのに対して,■ 他方で,弁済者は,解除にともなう原状回復として,民法545条によって目的物の返還を求めることができます。■ この場合,両者の権利が衝突しますが,民法546条の類推によって,有効な弁済請求と目的物の返還請求は,同時履行(民法533条)の関係に立つため,引き換え給付によって問題が解決されます。■ これに対して,第2に,真の所有者が,物権に基づいて返還請求をしてきた場合の三者関係,すなわち,■ 他人物の所有者が,所有権に基づいて,目的物の返還を求めてきた場合には,同時履行の抗弁権(民法533条)では,所有者に対抗できないため,問題の解決が困難になります。■ 弁済者からの返還請求に対しても,また,所有者からの返還請求に対しても,更に有効な弁済を受けるまでは返還請求に応じないとすることができるのは,民法295条のリュウチ権だけです。■ このように考えると,民法475条の存在意義が,理解できるようになります。■ つまり,民法475条の意味は,弁済受領者に対して,リュウチ権の抗弁を与えていることであることが分かります。 ■現行民法においては,リュウチ権は,民法295条~302条までに,まとめて規定されることになったのですが,実は,このように,その他の箇所においても,リュウチ権を認める条文が存在するのです。 ■リュウチ権が民法295条~302条以外にも規定されている例として,盗品又は遺失物の回復に関する民法194条があります。この規定も,リュウチ権を認めた規定だとされていますので,復習をしておきましょう。