07Payment1
35/39 民法478条に関する判例(5/5)キャッシュカード機能付・通帳の盗難事例

【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。



【ノート】
民法478条に関する代表的な判例紹介の続きです。■ ■最高裁は,従来は,金融資本主義の中核的役割を果たしてきた銀行を保護するために,銀行に有利な判決を下してきました。 ■しかし,資本主義が成熟した現在においては,銀行を保護するよりも,消費者を保護することが重要であり,そのことを通じて,資本主義を継続的に発展させることができることが理解されるようになってきました。 ■遅ればせながらも,最高裁は,以下の判決に代表されるように,消費者を保護することを通じてシステムを設計し,運用する銀行の責任を強化するようになりつつあります。■ 最高裁第三小法廷▲平成15年4月8日判決▲民事判例集57巻4号337頁は,以下のような事実に関して,画期的な判決を下しています。 事案の概要は以下の通りです。 ■被害者は、暗証番号を車両の自動車登録番号の4桁の数字と同じ数字とし,ツウチョウをダッシュボードに入れたままにしていて盗まれ,預金を勝手に引き出されたため,銀行に過失があるとして,被害者が,預金の返還を求めました。 ■判決の要旨は以下の通りです。 第1に,無権限者が預金ツウチョウ又はキャッシュカードを使用し暗証番号を入力して現金自動入出機から預金の払戻しを受けた場合に銀行が無過失であるというためには,銀行において,上記方法により預金の払戻しが受けられる旨を預金者に明示すること等を含め,現金自動入出機を利用した預金の払戻しシステムの設置管理の全体について,可能な限度で,無権限者による払戻しを排除し得るよう,注意義務を尽くしていたことを要する。■ 第2に,預金ツウチョウを使用し暗証番号を入力すれば,現金自動入出機から預金の払戻しを受けられるシステムになっているのに,銀行がそのことを預金規定等に規定して,預金者に明示することを怠っていたなど,判示の事実関係のもとでは,銀行は,真正な預金ツウチョウが使用され,入力された暗証番号が届出暗証番号と一致することが機 械的に確認された場合であっても,無権限者が現金自動入出機から預金の払戻しを受けたことについて過失がある。 ■ATMを利用した場合,マシンの過失を云々することはできません。 ■本判決は,マシンを設計・導入・運用する銀行のシステム責任を明らかにした点で,大きな意義を有しています。