10SetOff1
17/22 相殺の担保的機能(3/5)

【テロップ】
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【ノート】
ソウサイの担保的機能に関する学説の紹介の続きです。■ 第3の制限説は,両債権ともに弁済期にない時点で,差押えがなされたときでも,自働債権の弁済期がジュドウ債権の弁済期よりもさきに到来する場合には,ソウサイをもって差押えに対抗することができるという説です。 ■その理由は,ジュドウ債権は,ソウサイ権者が期限の利益を放棄すれば,いつでも,弁済期が到来するので,自働債権がジュドウ債権よりも先に到来する場合には,ソウサイによって債務が消滅するという期待が,保護に値するからです。 ■それでは,最後に,第4の無制限説について検討します。 ■無制限説は,両債権ともに弁済期が到来していないときに,ジュドウ債権が差押えられ,かつ,自働債権の弁済期が,ジュドウ債権の弁済期よりも後に到来する場合であっても,ソウサイをもって差押えに対抗できるという説です。 ■その理由は,形式的には,民法511条(支払いの差し止めを受けた債権をジュドウ債権とするソウサイの禁止)を▲反対解釈することができるからであるというものです。 ■この点については,制限説に立つ学説から,「ジュドウ債権が差し押えられて,差押え債権者の支払いに応じるべきにもかかわらず,ジュドウ債権の弁済期が到来するまで支払いを拒絶しながら,ジュドウ債権の弁済期が到来したとたんに,ソウサイをするのは,信義則に反する」という批判があります。 ■しかし,預金者の資力が低下し,貸金の回収に不安が生じた場合には,不安の抗弁の法理にのっとって,相殺権者が弁済を拒絶することに,相当の理由があります。 ■特に,貸金債権と預金債権との間に,取引上の牽連関係がある場合には,弁済期の先後にかかわらず,ソウサイへの合理的な期待は,保護に値するといえます。 ■それでは,無制限説によると,自働債権とジュドウ債権の弁済期の順序がどのような場合にも,ソウサイが可能となるのか? 順番に注意して答えて下さい。