10SetOff1
19/22 相殺の担保的機能(3/5)

【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。



【ノート】
ソウサイの担保的機能に関する学説の紹介の続きです。■ ■無制限説は,両債権ともに弁済期にない時点で,差押えがなされたときでも,かつ,自働債権の弁済期がジュドウ債権の弁済期よりも後に到来する場合でも,ソウサイをもって差押えに対抗することができるという説です。 ■その理由は,形式的には,民法511条(支払いの差し止めを受けた債権をジュドウ債権とするソウサイの禁止)を反対解釈することができるからであるというものです。 ■実質的な理由は,貸金債権と預金債権との間に,取引上の牽連関係がある場合には,弁済期の先後にかかわらず,ソウサイへの合理的な期待は,保護に値するからです。■ ■ソウサイの担保的機能の学説のまとめとして,自働債権とジュドウ債権の弁済期の先後関係について,鳥瞰しておきましょう。■ 第1のソウサイ適状説においては,自働債権とジュドウ債権の弁済期の先後関係は,結果に無関係でした。■ 第2の修正ソウサイ適状説,および,第3の制限説においては,自働債権の弁済期がジュドウ債権の弁済期よりも先に到来することが,絶対に必要でした。 ■なぜなら,ジュドウ債権は,期限の利益を放棄できるため,時期を問いませんが,自働債権は期限の利益を放棄できるのは,ソウサイ権者ではないため,弁済期が先に到来することが必要だからです。■ 第4の無制限説は,自働債権とジュドウ債権の弁済期の先後関係を問題にしません。この点は,実は,第1のソウサイ適状説と同じなのです。 矢印の方向をよくみて,全ての説の関係を整理しておくとよいでしょう。