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20/21 民法511条の解釈の図解(図3)

【テロップ】
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【ノート】
民法612条に関する最高裁の判決の法理が,明文の規定に反しているように見えるにもかかわらず,学説及びその後の判例によって支持されているのと同様,民法511条においても,一定の場合には,差押え後に取得した債権を自働債権としてソウサイをすることが許されると思われます。  ■そのことを,民法612条の解釈の場合と同様の考え方によって理解することにしましょう。 ★民法511条の条文の裏にある,根本原理とは,ソウサイに担保的機能が生じるのは,自働債権とジュドウ債権とのあいだに牽連関係がある場合には,牽連関係のある債権同士は,同時に履行され同時に消滅するべきであり,この期待は合理的であって,保護に値するという,根本原理です。■ ★これに該当する事実,例えば,自働債権とが受働債権とが「ひとつの取引から生じている」とか,「目的と手段との関係」にあるなどの密接な関係,すなわち,「ケンレン関係」がある場合には, ★これが,本当のソウサイの担保的機能のヨウケンですので,ソウサイ権者は,ソウサイをもって,差押え債権者や破産管財ニンに対抗することができます。■ ★これ以外は,補集合であって,差押えを持って対抗できない領域です。■ ★例えば,この真の担保的機能のヨウケンの外にある点を取って考えてみましょう。■ ★その点が,民法511条の反対解釈としてソウサイができるヨウケンに該当しているとしましょう。■ ★民法511条の反対解釈のヨウケンに該当しているので,通常は,それが,担保的機能を有すると推定されます。■ ★もしも,民法511条の反対解釈のヨウケンとともに,牽連関係のヨウケンを満たす点であれば, ★もちろん,ソウサイは担保的機能を有します。■ ■しかし,今,問題としている点は,民法511条の反対解釈のヨウケンを満たしてはいますが,牽連関係の要件を満たしていない点なので, ■もしも,債権者等が,「両債権には牽連性がない」との証明に成功した場合には,原則に戻って,■ ★ソウサイをもって対抗ができないのです。■ ★最高裁▲第二小法廷▲平成24年5月28日判決▲民事判例集▲66巻7号3123頁は,このこと,および,反対に,両債権に牽連性がある場合には,たとえ,差押え後に取得した債権を自働債権としてソウサイすることができることを,以下のように簡潔に表現しています。すなわち, ■「破産手続開始前に債務者である破産者の委託を受けて保証契約を締結し,手続開始後に弁済をして求償権を取得した場合には,これを自働債権とするソウサイに対する期待は保護されるべきであり,管財ニンに対抗できる。」 ■この判決の法理が,民法改正案第511条の取り込まれています。改正案をよく読んで,判例との関係を整理しておきましょう。