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13/25 三者間相殺のまとめ(Aが相殺権者)

【テロップ】
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【ノート】
三者間ソウサイの全ての類型について,詳しく学んできました。 ■最後に,まとめを兼ねて,全ての類型について,その典型例となる条文が言えるかどうか,さらに,二者間ソウサイを暗示する補助線を自分の力で引くことができるかどうか,チャレンジしてみましょう。 ■Aがソウサイ権者であるとして,債権者から債務者への矢印で,三者間ソウサイの全てを列挙すると,■ ★第1類型は,C→A→B■ ★第2類型は,A→B→C■ ★第3類型は,B→C→A▲という3つの類型に分類されます。 ■そこで,それぞれの類型の名前と,その代表例となる条文を列挙してみてください。■ ★第1類型は,明文の規定がある,債権譲渡抗弁型ですね。 ■現行法の何条と改正案の何条がこの第1類型に該当しますか?条文を列挙してみてください。 ★現行民法468条2項,および,■ ★改正案の469条ですね。 ■では,第1類型を図示します。補助線をどこに入れるかに着目して見てください。 ★債権の譲り受け人Cが債務者Aに債権の履行を請求してきた場合, ■債務者Aは,債権譲渡人に対して有していた債権をもってソウサイし,債権の譲り渡し人に対抗することができます。 ■この第1類型の場合,二当事者間ソウサイをヒントにして理解するとすれば,どのような補助線を引くとよいのでしょうか?■ ★債権の譲り受け人CのAに対する債権は,実は,譲渡前は,債権の譲渡人BのAに対する債権だったのですから,補助線として,以前の債権を点線の矢印で表現するとよいのですね。 ■そうすると,C→Aの債権がもともとは,B→Aの債権だったので,そこで,ソウサイ適状などの,ソウサイに対する合理的な期待が存在すれば,■ ★そのソウサイをもって, ★Cに対抗できるというわけでしたね。 ■ ★つぎの第2類型は,明文の規定が欠けていますが,学説が認めている保証人ソウサイ型ですね。もちろん,この応用形としての,連帯債務者ソウサイ型といってもかまいません。 ■現行法の何条と改正案の何条がこの第2類型に該当しますか?条文を列挙してみてください。 ★民法457条2項(保証人の自己の債権によるソウサイ),および,■ ★民法436条(連帯債務者の一人の債権によるソウサイ)ですね。 ■では,第2類型を図示します。補助線をどこに入れるかに着目して見てください。 ★Aが保証人であり,債権者Bの債務者Cの債権について,保証していたとします。 ■債権者Bが保証人Aに債務の履行を求めてきた場合,保証人Aは,自己が債権者Bに対して有している債権を自働債権とし,債権者Bの債務者Cに対する債権をジュドウ債権としてソウサイし,債権者Aに対抗することができます。 ■この第2類型の場合,二当事者間ソウサイをヒントにして理解するとすれば,どのような補助線を引くとよいのでしょうか。■ ★補助線として,債権者BのAに対する履行請求を補助線の矢印で表現するとよいのですね。■ ★そうすると,問題が形式的には,二者間ソウサイとして理解できるけれども,BからAに向けられているように見えるジュドウ債権をよく観察してみると,それは,実は,債権者Bの債務者Cに対する債権であるので,その実質は,三者間ソウサイであることが理解できるというわけでしたね。 ■ ★最後の第3類型は,形式的な規定はあるけれども,実質的な規定には,ソウサイという用語が使われていない錯誤弁済ソウサイ型ですね。もちろん,形式的な条文を使って,保証人ソウサイ援用型といってもかまいません。 ■現行法の何条と改正案の何条がこの第3類型に該当しますか?条文を列挙してみてください。 ★民法457条2項(債務者の債権によるソウサイの援用),および,■ ★民法479条(受領する権限のない者に対する弁済)ですね。 ■では,第3類型を図示します。補助線をどこに入れるかに着目して見てください。 ★Bが債権者であり,Cがその債務者ですが,Cが債権者を間違えて,第三者であるAに対して錯誤弁済をしたとします。 ■錯誤弁済なので,Cは,弁済は無効であるとして,不当利得に基づく返還債権を有しています。この場合に,第三者Aの弁済によってBが利益を得ている場合には,第三者Aは,債権者Bの債務者Cに対する債権を自働債権とし,債務者Cの第三者Aに対する不当利得返還請求権をジュドウ債権としてソウサイし,債務者Cに対抗することができます。 ■この第3類型の場合,二当事者間ソウサイをヒントにして理解するとすれば,どのような補助線を引くとよいのでしょうか。■ ★補助線として,第三者Aから債権者B利益の移転を補助線の矢印で表現するとよいのですね。■ ★そうすると,第三者による弁済と同様に,債権者Bの債務者Cに対する債権が移転するので,A・C間のソウサイの問題として理解できるけれども,■ ★その実質は,三者間ソウサイであることが理解できるというわけでしたね。 ■以上で,三者間ソウサイのまとめとします。 ■一度で理解できなければ,このページや,個別の類型のページに戻って,繰り返しビデオを見ると,理解が深まるでしょう。