13Novation
5/16 更改に対する偏見(1/4)日常用語での問題

【テロップ】
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【ノート】
更改は,プロ野球選手の更改契約など,日常生活ではポピュラーな用語ですが,法律家の間では,不当な評価しか与えられていません。 ■その理由は,わが国の民法の学説が,大正期移行,ドイツ民法の学説に支配されるようになったからです。 ■ドイツ民法には,更改の概念がありません。更改の機能のうち,債務の目的の変更は,ダイブツ弁済とされ,債務者の交替による更改は,債務引受とされ,債権者の交替による更改は,債権譲渡とされているからです。 ■このような背景知識をもって,わが国の学説を眺めると,更改契約に低い評価しか与えられていない理由が理解できます。■ ★例えば,民法の代表的な注釈書のひとつであるワガツマ=有泉『コンメンタール民法』(2013)947頁は,更改について,以下のように記述しています。■ ★日常用語において,従来の条件を再検討したうえで契約を更新することを更改と呼ぶ例がみられるが,(たとえば,プロ野球選手の契約更改),これは,民法が定める更改とは違う概念〔更新〕である。■ ★しかし,これは,根拠のない偏見であり,日常用語を見下す学者の傲慢の一例であると,私は考えています。■ ★プロ野球選手の契約更改は,主として年俸をめぐる争いであり,年俸は,まさに,契約の要素(給付の内容)に他ならないからです。■ ★したがって,「契約更改」の交渉で年俸を変更することは,通説とは異なりますが,まさに,民法上の更改(民法513条)そのものであると考えるべきでしょう。