14Fusion
13/15 混同と弁済と差押えとの関係

【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。



【ノート】
先に述べたように,最高裁▲第三小法廷▲平成24年9月4日判決▲判例時報2171号42頁は,賃借人が,賃貸物件を購入したため,賃貸人(A)と賃借人(Y)との地位が混同によって消滅した場合について,それ以前に,賃貸人の債権者(X)が,賃料債権を差押えた場合であっても,その「差押債権者(X)は,第三債務者である賃借人(Y)から,当該譲渡後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることができない。」と判示しました。 ★ここで,民法438条(連帯債務者の1人との間の混同)が,連帯債務者の一人と債権者との間に混同があった場合について, ★その連帯債務者は,弁済をしたものとみなす,と規定していることを思い起こしましょう。■ ★さらに,民法481条(支払の差止めを受けた第三債務者の弁済)が,以下のように規定していることをも思い出しましょう。■ ★民法481条1項■支払の差止めを受けた第三債務者が自己の債権者に弁済をしたときは,差押債権者は,その受けた損害の限度において更に弁済をすべき旨を第三債務者に請求することができる。 ■すなわち,本件の場合,差押債権者は,その後に第三債務者である賃借人が債権者に弁済をした場合に,第三債務者である賃借人に,さらに弁済をすることを請求できるのですが,第三債務者である賃借人は,すでに,混同によって賃貸借が終了し,賃借人としての地位を失っています。 ■このようにして,混同の場合には,みなし弁済がなされてしまうと考えると,弁済を差し止めたはずの差押債権者であっても,手の打ちようがないということになります。 ■もっとも,本件の場合,第三債務者である賃借人(Y)が,本件賃貸物件を買い受けており,Xとしては,Yに対する差押えが効力を有しなくなることに,納得ができないという思いはよく理解できます。 ■しかし,第三者による根抵当権も抹消されているため,民法420条ただし書きが使えないのですから,Xの請求が認められなかったのは,仕方のないところでしょう。