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37/64 コンプライアンスの主要課題としての消費者の権利の実現(消費者基法第2条1項)
【テロップ】
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【ノート】
ステークホルダーのなかでも重要な地位を占めるにいたっている消費者の観点からすると,コンプライアンスは,消費者の権利を実現するものとして,捉えることができます。 ■それでは,「消費者の権利」とは,どのような権利でしょうか? 消費者の権利としては,アメリカの大統領であったケネディが提唱した四つの権利が有名です。 ■それによれば,消費者の権利とは,(1) 安全を求める権利,(2) 選ぶ権利,(3) 知らされる権利,(4)意見が反映される権利の四つの権利です。 ■確かに,この四つの権利は,明確で覚えやすいものとなっています。しかし,(1)安全を求める権利も,(2) 選ぶ権利も,(3)知らされる権利が前提となっていますし,安全でなければ,選ぶ権利は名ばかりのものになってしまいます。 ■つまり,の四つの権利は,学術的な分類にはなっていないということになります。 ■そこで,全国の消費者条例を主導した東京都の条例は,Kennedyの四つの権利を重複関係を取り除き,以下のように,学術的にも耐えうる分類を行いました。 ■(1) 生命及び健康を害されない権利,(2) 不当な取引条件を強制されない権利,(3) 必要な知識及び判断力を習得し,主体的に行動するため,消費者教育を受ける権利,(4) 適正な表示を行わせる権利,(5) 必要な情報を速やかに提供させる権利,(6) 事業者によって不当に受けた被害から,公正かつ速やかに救済される権利,という六つの権利です。 ■この権利の分類は,学術的にも正確な分類となっており,のちに,消費者基本法▲第1項において,ほぼ,そのままの形で吸収されるのですが,六つの権利の関係がわかりにくいという問題点があります。 ■そこで,私は,この六つの権利をわかりやすく,二ぶん法と三分法を使って,体系化することにしました。 ■六つの権利を,目的と手段の二つに分けます。 ■目的の権利は,第1の人格権を害されない権利と,第2の財産権を害されない権利に分類します。 ■手段の権利は,情報を求める権利と被害の迅速な救済を求める権利(第6の権利)の二つに分けます。 ■最後に,情報を求める権利は,これを,第1に,少尉者教育を受ける権利,第2に,適正な一般的な表示を行わせる権利,第3に,必要な情報の提供を求める権利の3つに分類します。 ■以上で,消費者の権利の体系的な分類が完成します。