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38/64 コンプライアンスのチェックリスト松本恒雄編著『消費者からみたコンプライアンス経営』商事法務(2007)13-15頁
【テロップ】
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【ノート】
コンプライアンスを実現するためには,組織のメンバーが遵守すべき自主行動基準を作成しなければなりません(消費者基本法▲第5条▲第2項を参照してください)。 ■もっとも,自主行動基準は,作りさえすればよい,というものではなく,その内容が重要です。 ■自主行動基準を作成する際には,以下のようなチェックリストを用意し,自主行動基準の内容が,組織のメンバーばかりでなく,広く,ステークホルダーの信頼を得ることができるものとなっているかどうかをチェックしましょう。 第1に,行動基準は策定され,配布されているかどうか? 第2に,自主行動基準が社会に公開されているかどうか? 第3に,創業の精神,企業使命,経営理念等が明確に表明されているかどうか? 第4に,コンプライアンスの経営の実践が経営トップのメッセージとして,「経営戦略として重要である」ことが明示されているかどうか? 第5に,消費者対応の主要項目に対する基本方針が明示されているかどうか? 第6に,法令等を遵守する方針が明示されているかどうか? 第7に,利潤追求と法令遵守との関係において,法令遵守を優先する旨が明記されているかどうか? 第8に,企業の社会的責任を遂行することが明確に表明されているかどうか? 第9に,さまざまなステークホルダー(顧客,消費者,従業員,株主・投資家,地域社会)に対し,バランスと調和のある配慮がなされているかどうか? 第10に,従業員の人権尊重,職場環境の整備等について規定があるかどうか? 第11に,質問,照会,相談,報告等に,連絡先や照会先が明示されているかどうか? 第12に,罰則規定が明示されているかどうか? ■以上の点をチェックすることによって,組織が作成した自主行動基準が,組織のメンバーの独りよがりではなく,社会的責任を果たす組織であることをアピールすることができるものになるでしょう。 ■もちろん,社会の信頼を得ることができるかどうかは,それに実践が伴うことが前提となります。