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41/64 適格消費者団体の差止請求権(2/5)消費者契約法の構造

【テロップ】
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【ノート】
消費者契約法1条で示された,消費者契約法の全体像を体系的に図示することにしましょう。 消費者契約法は,消費者と事業者間の情報力の格差および交渉力の格差を埋めるために,消費者に対して,民法が与えているよりも強力な武器(消費者取消権,消費者無効主張権,適格消費者団体による差止請求権)を与えているのですが,その出発点は,消費者に対する事業者の責務を規定している消費者契約法▲第3条にあります。 ■消費者契約法▲第3条については,さきに,事業者のコンプライアンスの箇所で説明しました。 ■たしかに,消費者契約法▲第3条は,条文の見出しが「事業者及び消費者の努力」とされているため,一般には,事業者の努力目標を掲げたに過ぎないと解されています。 ■しかし,消費者契約法第3条1項▲第2ブンが規定している,消費者に必要な情報を提供するという義務に反して,事実と異なることを告げたり,不確実な事項について断定的な判断をしたりした場合に,消費者契約法▲第4条の消費者取消権が生じるのだと考えることができます。 ■また,消費者契約法第3条1項▲第1ブンが規定している,契約条項を明確,かつ,平易なものとすることという義務に反して,消費者の権利を不明確でわかりにくくする消費者契約条項について,「作成者不利原則」,および,その延長線上に,消費者契約法第8条から第10条の「消費者無効主張権」が生じていると考えることができます。 ■さらに,以上の消費者の権利を確保し,消費者被害を未然に防止するために,適格消費者団体にそれぞれの場合に対応して,差止請求権が与えられていると解するならば,消費者契約法の全体は,消費者契約法第3条を基点として体系的に理解することができると思われます。