TracficAccident&PLver2
53/64 貸剥しと「期限の利益の喪失」 (2/2)池井戸潤『空飛ぶタイヤ』(下)講談社文庫(2013)第8章第6節
【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。
【ノート】
引き続き,池井戸潤『空飛ぶタイヤ』講談社文庫(2013)第8章(不経済的選択)からの引用です。 ■赤松運送の大型トラックが脱リンにより死亡事故を起こしたことにより,取引銀行からカシハガシを受ける場面です。 ■前回と同様,今回も,請求によって期限の利益を喪失させて,期限を到来させることができるかどうかの問題を扱います。 ■今回も,掛け合いの文章を読んだあとに,質問をします。 ■皆さんは,質問のつど,ビデオを一時停止し,自分で考え,答えてみてから,つぎに進むようにしてください。 ■では,最初の掛け合いの文章を読みます。■ 赤松▲「これはカシハガシじゃないですか,支店長」■ 「お宅の返済が滞ったことは一度もない。曲がりなりにも長年取引をしてきた経緯もある。今まで事あるごとに協力してきたのに,逆境になった途端に債権回収だなんて,恩をアダで返すような話じゃないんですか」■ 田坂▲「いま銀行ではコンプライアンスに関しては非常に厳しいんですよ」■ 「さらに業績悪化ともなれば,融資打ち切り,債権回収の運びになったとしても当然だし,責任の一切合切は御社にあるとしかいいようがない」■ 小茂田(課長代理)「一応,請求書を発送させていただきます」■ 赤松▲「請求書だと?」■ 小茂田▲「ええ。ウチの融資を速やかに返済していただきたい旨の内容の手紙を郵送しますから,よろしくお願いします」■ ■以上の掛け合いをもとにして,以下の質問に答えてください。 ■ポケット六法を持っているヒトは,巻末の資料編の銀行取引約定書▲第5条▲第2項を見てください。 ■第1に,田坂支店長の主張に対する赤松社長の反論は,何でしょうか? ■第2に,赤松社長の反論のうち,適切な反論とは認められないものは何でしょうか? ■第3に,赤松社長の反論のうち,適切な反論と認められるものは,なんでしょうか? ■第4に,赤松社長に代わって,田坂支店長に適切な反論をしてみてください。 ■最後に,つぎの展開を考えて,赤松社長が,言わない方がよい反論は何かを考えてみましょう。