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54/64 銀行取引約定書(1/5)
【テロップ】
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【ノート】
池井戸潤『空飛ぶタイヤ』講談社文庫(2013)第8章(不経済的選択)第6節〔カシハガシと期限の利益の喪失〕,および,第7節〔債権回収の最強の手段としてのソウサイ〕は,実は,銀行取引約定書▲第5条,および,第7条を下敷きにしています。 ■したがって,この経済小説を良く理解するためには,銀行取引約定書について,理解する必要があるのです。 銀行取引約定書とは何でしょうか?■ 全国銀行協会(全銀協)の作成による「銀行取引約定書(ひな型)」は,銀行取引のルールとして利用されてきたのですが,独占禁止法に違反する恐れがあることから,2000年(平成12年)4月18日に廃止されました。■ それ以降は,各銀行は,独自の銀行取引約定書を作成し,利用しています。■ しかし,廃止されたとはいえ,全銀協の銀行取引約定書は,各銀行が独自に銀行取引約定書を作成する上で,一定の影響を与えており,現在においても,銀行取引約定書の概略(取引の相手方には,厳しい責任を負わせるが,銀行は一切の債務を負わないという銀行取引約定書の性質)を知る上で,有益です。■ 例えば,有斐閣の『ポケット六法』の巻末の資料には,参考例として,全銀協の銀行取引約定書の全文が掲載されていますので,銀行取引の指針としての銀行取引約定書について,その5条と7条とを詳しく検討しておくことにしましょう。