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61/68 契約各論（典型契約）→債権

民法の契約各論に規定されている13の典型契約は，どのように類型化されているのでしょうか？ 13の典型契約を木構造で示してみます。 典型契約は財産権を移転する契約と，財産権を移転しない契約とに二分されます。財産権を移転する契約のうち，移転した財産権を返還しなくてよい契約のうち，無償の契約は何でしょうか? それは，贈与契約です。 それでは，財産権を移転する契約であり，その財産権を返還する必要もなく，有償の契約は何でしょうか？ それは，売買契約です。 財産権を移転しても，期日がきたら返還しなければならない契約は何でしょうか? それは，消費貸借契約です。 次に，財産権を移転しない契約に移ります。 　物を利用する契約で，無償の契約は何でしょうか? それは，使用貸借契約です。 物を利用する契約で，有償の契約は何でしょうか? それは，賃貸借です。 次に，役務の提供契約に移ります。 　役務提供契約のうち，最も基本となる契約は何でしょうか? それは，一定期間の労務の提供の対価として報酬を請求できる契約としての雇用契約です。 役務提供契約のうち，単に労務を提供するだけでなく，仕事の完成まで約束する契約は何でしょうか? それは，請負契約です。 役務提供契約のうち，専門家に事務処理を依頼する契約は何でしょうか? それは，委任契約です。委任契約においては，受任者は，最高度の注意を払って事務処理をしなければなりませんが，結果の達成までは約束しない点に特色があります。弁護士に訴訟代理人を依頼しても，訴訟に負けることはあります。医者にかかっても，病気が治らないこともあります。しかし，受任者が最高度の注意を払って事務を処理した場合には，受任者の責任を問うことはできません。 役務提供契約のうち，事業を営む契約は何でしょうか? それは，組合契約です。 役務提供契約のうち，終身にわたって，年金を受給する契約は何でしょうか? それは，終身定期金契約です。 最後に，紛争を平和的に解決することを約束する契約は何契約でしょうか? それは，和解契約です。