WhatIsLaw2015
22/31 解釈方法論(4/7)公園に「車馬通行止め」
【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。
【ノート】
第4問です。■ 人が通りかかったとします。公園にはいれるでしょうか?■ 正解は,「通ることができる」です。■ その根拠は,やはり,「車馬 通行止め」でなければなりません。練習問題では,これだけがルールだからです。 ■しかし,このルールには,「人間」のことは書かれていません。どうすればよいのでしょうか? よく考えてみれば,「車馬 通行止め」という掲示は,「人間」のために書かれています。 ■子供にとって危険な大型の乗り物は通ってはいけないが,「人間」は通ってよいいというのは,実は,「暗黙の前提」なのです。■ このような解釈は,法律学では「反対解釈」と呼んでいます。■ この解釈は,ルールの結論部分と反対の結論を導いているので,一般論としては,危険な解釈でもあります。 ■白と書いてあるのに,黒だ という結論を出すのですから,「白を黒といい含める」とか,「黒を白といい含める」というように,悪徳弁護士を非難する場合に使われる常套文言です。 ■しかし,数学や論理学で考えてみれば,この反対解釈も,正当化できます。 ■これまでの解釈方法を集合論で考えてみましょう。 ■これまでの議論をふりかえってみると,「車」,または,「馬」は「通行禁止」という命題について, ■「馬の概念を牛とかの大型動物」にまで拡大する一方で,「おもちゃについては,その概念を縮小」し,人については,「補集合」として,反対の結論を出したに過ぎません。■ つまり,法の解釈は,「集合論」として考えると,とても分かりやすく,納得のいく考え方なのです。 ■これまでの法律学は,文章だけで勝負し,図を用いることが少なかったために,難しいと考えられてきたのです。 ■しかし,この模擬授業のように,集合論の図を使って考えると,法律学の難しい議論も,多くの場合は,簡単に理解できるようになります。 ■私は,このことを,法律学における「集合論革命」だと呼んでいます。■ そうです。法解釈論は集合論なのです。 ■以上の四つの解釈が,法解釈の基本的な類型です。 ■これだけで,法律の解釈はほぼすべて理解できるのですが,そのほかに,二つの解釈がありますから,この際,この二つの解釈も学んでおくことにしましょう。