WhatIsLaw2015
23/31 解釈方法論(5/7)つり橋に「車馬通行止め」

【テロップ】
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【ノート】
第5問です。ここでは,問題の背景状況を変化させて,「車馬 通行止め」の掲示が,公園ではなく,つり橋の入り口に書かれているとします。■ 体重が200kgをこえる相撲取りが通りかかったとします。つり橋を通れるでしょうか? ■実は,このつり橋は,100kg以上の重さには耐えられないために,「車馬 通行止め」と書かれていたのです。この場合,200kgもある相撲取りを通行させてよいでしょうか?■ 正解は,「通ることができない」です。■ ■しかし,解釈としては,非常に困難です。■ なぜなら,通行禁止にできるのは,「車か馬」だけだからです。 ■第2問のように,牛ならば,馬の概念を拡張することによって,なんとか解決することができました。 ■しかし,人間の場合には,まさか,「車」や「馬」の概念の中に,「人間」を入れてしまうことはできないでしょう。■ そこで,つり橋の入り口にかかった「車馬 通行止め」の趣旨を考えてみます。 ■そうすると,このルールの趣旨は,つり橋の強度をこえるような「100kg以上のものは通行を禁止する」ということだと理解できます。 ■このように,ルールの背景にある趣旨にさかのぼって判断する解釈のことを, 法律学では,類推解釈と呼んでいます。