WhatIsLaw2015
5/31 法学部で何を学ぶのか?法学をマスターするための到達目標

【テロップ】
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【ノート】
法学部では,社会のルールとしての法律を学ぶのですが,その学び方には,二つの方法があります。 ■このことは,今まで,誰も指摘したことがありません。皆さんが,日本で,初めて聞くことになるので,注意して聞いてください。■ 第一は,普通の学び方です。■ 第二は,普通とは逆の学び方です。普通とは違う,この「逆向きの学習」ができるようになってこそ,実践に通用する社会人となることができます。 ■二つの学習方法は,英語の学習に喩えて言えば,英文和訳と,和文英訳の関係と似ているといえるでしょう。 ■いくら,英語を読んだり,聞いたりして,英語が理解できるようになっても,それでは不十分です。 ■自分の考え方を英語で話したり,書いたりできるようにならないと,世界には通用しません。 ■それと同じことで,法律の条文を 法律辞典を引いたり,注釈書を読んで理解できるようになってもそれだけでは不十分です。 ■それとは逆に,実際の事実を前にして,その事実に適用できる法律とその条文を的確に指摘できるようになることが大切なのです。 ■そうはいっても,まず大切なのは,普通の学習方法です。■ まずは,法律の条文の意味を理解し,その条文がどのような場面で使われるのか,その条文については,どのような判決があるのかについて,まじめに勉強しなければなりません。■ ■しかし,そのような勉強で終わっただけでは,社会で役に立つ人にはなれません。■ 逆向きの学習方法とは,実際の事件や事実に対して,その事実に適用される条文を見つけ出し,その条文を事件に適用してみて,一応のあたりをつけることができなければなりません。 ■しかも,それで満足せずに,今度は,反対の結論を導くことのできる条文を探し出し,反対の結論をぶつけ合ってみることが大切です。 ■その上で,どちらの条文を適用するのが,具体的に妥当な解決を導くことができるかを議論し,最終的な結論を導き出せるような能力を育成するための学習と練習をする必要があります。■ これが,法科大学院の学習方法であり,これからは,法学部の学習においても,取り入れるべき大切な方法なのです。