WhatIsLaw2015
6/31 実践では,逆向き推論が決め手となる
【テロップ】
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【ノート】
法学部から目を転じて,医学部の学習方法を見てみましょう。■ この写真は,NHKで毎週木曜日,午後10時から10時50分まで放送されている,病名推理番組, 総合診療医「ドクター・ゼネラル」の一場面です。 この番組では,患者の病状から,病名を解明し,診療方法を確定するまでのプロセスを見せてくれます。■ 国家試験に合格した研修医が,ビデオを見て,病名を推理しますが,最初の見立ては,全て外れです。これでは,患者を救済できません。それは,なぜなのでしょうか?■ 研修医たちは,総合診療医のアドバイスを受けながら,可能性のある病名を全てチェックし,除外すべきものを除外して,正解にたどり着くことができるようになります。 ■法学部の教育でも,同じことが言えます。 ■普通の大学の法学部では,条文の意味や,それがどのような場面で使われるのかを,事例や判例に即して講義がなされます。 ■しかし,それだけでは,単位を取得して,法学部を卒業したとしても,実際の役には立ちません。 ■事件を見たり,聞いたりして,その事件について,たくさんある法律の中のどの条文が適用されるのかを見抜けるようにならなければ,法学部で勉強したことが社会で役に立つことはないのです。 ■もしも,皆さんが,法学部に入って,法律をマスターしようと思うのであれば,この番組の研修医と同じように,普通の学習(すなわち,条文から事実を結び付ける学習)と並行して,逆向きの学習(すなわち,事実から適用されるべき条文を探索する学習)を積み重ねる必要があるのです。