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妊娠中の女性の自己決定権優先の原則

Top priority of women right of self-determination during the pregnancy

作成:2016年7月24日
明治学院大学法学部教授 加賀山 茂



Ⅰ 問題提起


1. 問題の所在

最近の生殖補助医療に関する議論に参加してみて,以下の3点に気づかされた。

  1. 生殖補助医療においては,子を望む夫婦の利害をはじめ,子の福祉,医療を実施する医師の利害,社会の利害が複雑に絡み合っており,それらの利害関係を調整するには,利害関係人が納得できる優先順位を含めた法原理の創設が求められている(事実認識)
  2. 親族法における男女不平等の規定(嫡出の否認・承認)及び男女不平等の解釈(母の認知を認めないとする解釈)を放置しながら,生殖補助医療についての解釈論を積み重ねても,総合的な問題解決を実現することはおぼつかない(従来から気になっている点の再確認)。
  3. 生殖補助医療における主体は,医師でも,夫でも,出生すべき子でもなく,「子を産むことを決意した女性」であり,したがって,受精から子の出生の瞬間までの間に限っては,社会的法益よりも,夫の法益よりも,胎児の法益よりも,「妊娠した女の法益(母体の保護,自己決定権)」が優先すると解すべきである(「妊娠中の女性の自己決定権の優先の原則」の発想)。

もちろん,妊娠期間の前と妊娠期間終了後,すなわち,子の懐胎に至るまで,および,それが完結して子が出生(誕生)してからは,すべての人の法の下の平等,個人の尊厳と,両性の本質的平等の観点が重視されなければならない。特に,子の福祉は,重要な問題である。

2. 仮説としての「妊娠中の女性の自己決定権優先の原則」

それにもかかわらず,妊娠期間(子の懐胎から出生までの間)については,妊娠した女性だけが,生命を育み出生させることができる唯一の存在であることを考慮するならば,妊娠の継続,妊娠の中絶を含めて,女性の自己決定権がいかなる権利よりも優先されなければならないと考えるべきではないだろうか。

このことは,わが国における少子化の現状を鑑みるならば,女性が子を産むことの決意する際の最大の障害となっていると思われる「不安」,すなわち,妊娠・出産に要する費用を用意できるか,妊娠中・出産後の子育てを含めて配偶者による十分な協力が得られるか,出産後の経済的な支援が十分に得られるかどうかなどの不安ばかりでなく,望まない妊娠や母体が危険となった場合に人工妊娠中絶が可能かという不安を解消するためにも重要な意味を有すると思われる。

妊娠期間中の妊婦の自己決定権(幸福追求権)を尊重したうえで,社会が,必要最小限の費用を支援し,育児費用の一部を援助するならば,たとえ,配偶者からの全面的な協力が得られない場合でも,女性が子を産み育てるインセンティブを高めることができるように思われる。

確かに,犯罪行為に対する社会のコントロールは及ぶべきであるが,夫の利益はもちろんのこと,胎児の利益といえども,妊婦の利益には,常に劣後するように法律関係を構成し解釈すべきだと思われる。すなわち,妊娠の継続,および,中止については,妊娠した女性の自己決定権がすべての権利に優先すると解すべきであろう。

 時の
経過 
 精子提供  卵子提供 受精  妊娠期間  出生
 状況  ・夫(AIH)
 ・AID
 ・妻
 ・代理母
 ・体内
 ・体外
・胎芽→胎児  子の福祉
 原理  ・個人の尊厳,両性の本質的平等    ・女の利益(自己決定権)がすべてに優先する。男,胎児,社会の利益はそれに劣後する。
 ・女の内部では,卵子の提供者よりも,子宮の提供者(代理母)の権利が優先する(民法330条1項2文(後の保存は先の保存に優先する)参照)。
 個人の尊厳,両性の本質的平等

生殖補助医療における問題の一分野である代理母の議論において,「子宮を産む道具(機械)として利用することは認められない」という見解が主張されている。その見解はまさに正当であり,代理母が出生した子の引渡を拒絶した場合には,代理母の利益が依頼主の利益よりも優先されるべきである。そうであるならば,通常の婚姻の場合であっても,夫を含めて,「妻の子宮を産む道具とみなすことは許されない」と考えるべきであろう。妊娠期間中においては,妊娠した女性の自己決定権こそが,胎児や夫の権利や社会の利益よりも優先されるべきであろう。

以上の点を考慮しつつ,法曹における男性偏重主義からの脱却,および,妊娠期間中の自己決定権の尊重,並びに,民法における男女不平等の規定とその改正の必要性について論じることにする。


Ⅱ 家制度以来の夫偏重の考え方から脱却できない最高裁の裁判官


1. 現行民法の規定および現行民法の解釈における夫の優越の原則

夫である男は,精子を提供する役割を担うのが通常であるが,社会は男には甘い。自分で精子を提供できない場合でも,AIDと嫡出推定,嫡出承認の組み合わせによって,妻が産んだ子の父となることができる。自分で精子を提供できる場合でも,子の出生が夫の精子ではなく,他の男の精子を使ったとわかれば,嫡出の否認もできる。要するに,男は,やりたい放題ができる。

性同一障害が認められて,生物的な女が法律上の男となった場合には,たとえ,自らの精子を提供できる可能性がゼロの場合であっても,最高裁の法廷意見によれば,その男は,嫡出推定によって,配偶者である妻が産んだ子の父となることができる([羽生・性同一障害と民法772条(2015)]参照)。このことは,「女ならだめだが,男なら何でもあり」と言うに等しいように思われる。

最二判平25・12・10民集67巻9号1847頁
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子は,民法772条の規定により夫の子と推定されるのであり,夫が妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に実質的に同条の推定を受けないということはできない。(補足意見及び反対意見がある。)

これに対して,女は,たとえ自分の卵子を提供したとしても,最高裁判決によれば,受精卵の養育と分娩を経ることなしには,母とは認められない。このことは,「腹を痛めない女は,母になれない」と言うに等しいように思われる。

最二判平19・3・23民集61巻2号619頁(代理母による実子の出生届不受理事件)
女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合においても,出生した子の母は,その子を懐胎し出産した女性であり,出生した子とその子を懐胎,出産していない女性との間には,その女性が卵子を提供していたとしても,母子関係の成立は認められない。(補足意見がある。)

つまり,最高裁判決によれば,男は,自分の精子を提供しなくても,嫡出推定・嫡出承認によって父となることができるばかりでなく,自分の精子を提供していれば,認知によって,父となることができる。これに対して,妻は,卵子を提供したとしても,懐胎と分娩を経なければ,認知によって母となることはできない。

しかしながら,民法の条文自体は,以下のように,父と母とを平等に扱い,父も母も認知ができると規定している(民法779条)。

第779条(認知)
嫡出でない子は,その父又は母がこれを認知することができる。

それにもかかわらず,最高裁が母の認知を認めないのであるから,わが国の最高裁判所が,いかに男女差別に鈍感であるかがわかる。

なお,本稿では,代理母が妊娠した後の女性の自己決定の権利を取り扱うため,代理母を制度的に認めるべきかどうかについては直接には論じない。妊娠前の利害対立を調整する際には,広い意味での合意形成の考え方に基づくことが必要であり,したがって,女性の自己決定権だけが優先されるわけではなく,配偶子の提供者,代理母の依頼者,代理母,社会の利益を同等に考慮した上で,有効,無効,条件付き承認等の判断がなされなければならない(これらの問題を総合的に考察したものとして,[大野・代理出産(2009)],[小林・生殖医療はヒトを幸せにするのか(2014)]参照。また,後に述べるように,凍結精子による懐胎の問題([西・凍結精子による懐胎(2015)32-39頁])についても同様の考慮が必要である)。

ところで,上記の代理母による実子の出生届不受理事件(向井亜紀さん事件)の場合には,代理母によって出生した子は,原告夫婦の嫡出子ではないと認定されている。そうであるならば,この事件の場合,出生した子は,民法789条2項の準正によって,原告夫婦の実子としての嫡出子となると考えるのが,民法2条(解釈基準)に従った解釈方法であろう。

第789条(準正)
①父が認知した子は,その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。
②婚姻中父母が認知した子は,その認知の時から,嫡出子の身分を取得する。
③前2項の規定は,子が既に死亡していた場合について準用する。

それにもかかわらず,最高裁は,父母が精子と卵子を提供した場合の代理母によって出生した子が父母の実子であることを否定している。このことは,男は精子を提供できなくても,父となること認め,精子を提供していれば,認知によって父となることができるのに対して,女は,認知ができず,たとえ,卵子を提供しても,分娩までしなければ,母となれないということを意味するのであり,司法による極めつきの男女差別といわなければならない。

このように考えると,最高裁の裁判官は,民法2条(解釈の基準:この法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として,解釈しなければならない)をわきまえておらず,その結果,民法779条(認知)や民法789条(準正)の規定を無視していることが明らかであり,わが国の最高裁判所には,男女平等の視点が欠落しているといわざるをえない。

2. 現行民法における子の「出自を知る権利」との不整合

ところで,通説・判例は,代理母が子を出産した場合でも,その子は,依頼者の養子としては認めているのだから,それでもよいのではないかとの反論がなされている。確かに,近年の世界的な潮流においても,代理懐胎により子をもうけた場合,生まれた子の母は代理懐胎者とするのが判例および近時の立法提案の立場であり,また,依頼者夫婦との親子関係を養子縁組により確立する裁判例や立法提案もあるのが現状である[幡野・代理懐胎と親子関係(2015)25頁]とされている。

しかしながら,現代においては,子の「出自を知る権利」が尊重されるべきことを考慮するならば,その子の産みの親(遺伝的な親)が誰であるか,育ての親が誰であるかは,子に開示すべき段階に入っていると考えるべきであろう([小池・AIDにおける子の出自を知る権利(2015)40-46頁]参照)。

したがって,遺伝的な関係がない者の間で実子関係を認めたり,遺伝的な親子関係があるにもかかわらず,実子関係を否定したりすることは,「出自を知る権利」の下では,破綻することが目に見えている。なぜなら,嘘は更なる嘘を,誤魔化しは更なる誤魔化しを呼ぶことになり,際限のない嘘の上塗りを重ねることになって,結局,法に対する市民の信頼を失墜させることは,これまでの経験から明らかだからである。

嫡出子には,養子も含まれるが,実子と養子との違いは,遺伝子によって判別されるべきである。民法772条による嫡出の推定(実子関係の推定)は,あくまで,その場しのぎの推定に過ぎず,証明の期間が限定されるべきであるとはいえ,遺伝子情報によって覆されうると考えるべきである(民法786条参照)。

第786条(認知に対する反対の事実の主張)
子その他の利害関係人は,認知に対して反対の事実を主張することができる。

したがって,代理母の問題に関しては,第1に,父母の精子と卵子を利用して出生した子は,後に述べるように,代理母が依頼主への引渡しを拒絶した場合には,代理母が養母となり,したがって,精子と卵子の提供者としての父母は,出生した実子を代理母に完全養子として手放すことを強制されると考えるべきである。これに対して,第2に,代理母の卵子を利用して出生した子は,代理母が実の母であり,その場合の中で,依頼主の夫の精子を利用した場合には,子は,父の実子(いわゆる婚外子)であり,第三者の精子を利用した場合と同様に,依頼主は養親となることができると考えるべきである。

少なくとも,そのような前提(妊娠した女性の自己決定権の優先の原則)の下でのみ,代理母の契約は有効であり,しかも,代理母が最後まで任意に契約を履行した場合にのみ,依頼主である配偶者は,子を実子として届け出ることが可能となると考えるべきであろう。そして,もしも,(代理母が履行を拒絶しているにもかかわらず,実子としての出生届が受理された場合には,それは,養子縁組届とみなされるべきであろう(無効行為の転換の理論の拡張)。


Ⅲ 妊娠中の女性の自己決定権優先の原則


妊娠期間中の権利関係は,法益が交錯する複雑な様相を呈する。その場合に,誰の利益を優先するかについて,明確な基準がなければ,錯綜する利害を調整することは困難である。

妊娠期間中の法律関係は,受精卵を胎児として成長させ,出生に至るプロセスを遂行できる妊婦だけである。したがって,妊娠期間中の法律関係は,「妊娠した女性の権利」を最優先する必要がある。

1. 母体保護法第14条とその問題点

受精卵を育てるかどうか,胎児を育てるかどうか,出生させるかどうかは,そのプロセスごとに,妊婦の自己決定に委ねられるべきである。受精卵を育てることを拒絶すれば,医師による人工中絶を求めることができる。配偶者がいる場合には,母体保護法第14条1項は,配偶者の同意を必要としているが,理論的には配偶者の同意は必要ではない([三輪・中絶と女性の自己決定権(2002)219頁])。同法14条2項が,配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者がなくなったときは,本人の同意だけで足りるとしているのが,その根拠の一つである。夫(配偶者)は,妻(妊婦)の意向を尊重すべきであり,同条文の規定とは異なり,夫(配偶者)の同意は不要というべきであろう。

母体保護法 第14条(医師の認定による人工妊娠中絶)
①都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
 一  妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
 二  暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの
②前項の同意は、配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者がなくなったときには本人の同意だけで足りる。

2. 妊娠中の女性の権利優越の原則に基づく母体保護法第14条の改正の提案

妊娠した女性の権利を考える場合には,考えたくないかもしれないが,第1に,男の最も恥ずべき行為としての強姦から議論を始め,第2に,夫が妊娠後に死亡した場合を考察し,第3に,配偶者又は本人の経済力が乏しい場合へと議論を展開していくのがよいと思われる。

第1点については,強姦されて,意にそまない妊娠をした場合には,妊娠した女性の権利(自己決定権)が最優先されるべきであり,配偶者の同意は必要でないと思われる。

確かに,母体保護法第14条第1項第2号は,配偶者の同意を得ることを要件としているが,たとえ配偶者が同意しなくても,本人が望めば,人工妊娠中絶を認めるべきであろう。配偶者の同意は,強姦の確認の意味を有するに過ぎないと考えるべきだからである。したがって,立法論的には,母体保護法第14条第1項の「本人及び配偶者の同意」は,「本人の同意」へと変更すべきである。

第2点については,母体保護法第14条第2項は,上記の修正を行えば不要となるが,念のために,論じておく。

まず,配偶者が妊娠後に亡くなった場合であるが,二人で協力して子育てをするつもりが,一人で子育てをすることしかできなくなった場合には,妊娠した女性の自己決定権が尊重されるべきである。この場合の考慮事項は,母体保護だけではありえない。妊娠した女性にとって,妊娠を継続する前提として,生まれるべき子が愛する人(配偶者)の子であること,配偶者が子育てに協力してくれること,配偶者から経済的な支援が得られることを条件とすることを否定すべきではない。民法752条(同居,協力及び扶助義務)が,婚姻の効力として協力・扶助義務を規定していることからも,これらの効力が失われた場合には,母体保護とは無関係に,妊娠した女性の権利(自己決定権)が尊重されるべきである。

次に,以上のことは,配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないときについても,同様に考えることができる。

第3点については,配偶者又は本人の経済力が乏しく,妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合(母体保護法第14条第1項)について考察する。

この規定(母体保護法第14条第1項第1号)が,わが国において,人工妊娠中絶の濫用,または,中絶天国という悪評を生じさせていることは事実である。しかし,妊娠期間中の法律関係において,妊娠を継続するか継続しないかを決定する主体は,妊娠した女性であることを再度確認する必要がある。女の子宮を「産む機械」とさせないためにも,妊娠を継続するか,継続しないかを決定できるのは,妊娠した女だけである。このことは,婚姻契約の存否とは無関係に妥当すると考えるべきである。

母体保護法第14条第1項第1号には該当しないが,例えば,ある男が,莫大な財産の相続税を軽減するという目的のために実子の数を増したいと考えて,女と婚姻して妊娠させた場合にも,その目的(税金対策のために子宮を道具として使うこと)を知った妻が妊娠の継続を拒絶することは認められるべきであろう。

このように考えると,妊娠期間中の法律関係の主体は,妊娠した女性であり,その自己決定権が,犯罪の構成要件に該当しない限り,最大限の尊重に値することが明らかとなったと思われる。

もっとも,妊娠中の女性の権利を最優先に考えるとすると,濫用が問題とならないかとの危惧が生じるかもしれない。例えば,凍結精子による懐胎も自由になるのではないかとの危惧が生じるかもしれない([小林・生殖医療はヒトを幸せにするのか(2014)],[西・凍結精子による懐胎(2015)32-39頁]参照)。しかし,この問題は,妊娠前の選択の問題であり,本稿で扱う,妊娠期間中の女性の自己決定の問題ではない。つまり,凍結精子による懐胎については,代理母を認めるべきかどうかという判断と同様に,精子の提供者,社会の利益が凍結精子を利用する女性の権利と同等の価値をもって考慮されなければならないのであり,凍結精子の利用が許された範囲で,妊娠が始まった場合には,本稿で扱ったように,妊娠中の女性の権利が最優先されるとともに,生まれてくる子の出自を知る権利が尊重されなければならないと考える。


Ⅳ 民法に残る嫡出子と嫡出でない子の不平等の規定の改正


1. 嫡出子と嫡出でない子の区別の不要性

民法は,法律婚から生まれた子である「嫡出子」と,法律婚以外から生まれた子である「嫡出でない子」を区別している(民法790条(子の氏))。

第791条(子の氏の変更)
①子が父又は母と氏を異にする場合には,子は,家庭裁判所の許可を得て,戸籍法の定めるところにより届け出ることによって,その父又は母の氏を称することができる。
②父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には,子は,父母の婚姻中に限り,前項の許可を得ないで,戸籍法の定めるところにより届け出ることによって,その父母の氏を称することができる。
③子が15歳未満であるときは,その法定代理人が,これに代わって,前2項の行為をすることができる。
④前3項の規定により氏を改めた未成年の子は,成年に達した時から1年以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって,従前の氏に復することができる。

しかし,子の氏の問題は,家庭裁判所の許可を得て(民法790条1項),または,家庭裁判所の許可を得ずに(民法790条2項,5項)に氏を変更できるため,大きな問題は生じない。

嫡出子と嫡出でない子の効果の違いは,法定相続分の違いであり,嫡出でない子の法定相分は,嫡出子の半分であった(民法旧900条)。しかし,平成25(2013)年9月4日の最高裁大法廷決定によって,「民法第900条第4号但し書きのうち,嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする部分は憲法違反である」との判断が下された。これを受けて,平成25(2013)年12月5日,民法の一部を改正する法律が成立し,嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になった(平成25(2013)年12月11日公布・施行)。

第900条(法定相続分)
同順位の相続人が数人あるときは,その相続分は,次の各号の定めるところによる。
 一 子及び配偶者が相続人であるときは,子の相続分及び配偶者の相続分は,各2分の1とする。
 二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは,配偶者の相続分は,3分の2とし,直系尊属の相続分は,3分の1とする。
 三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは,配偶者の相続分は,4分の3とし,兄弟姉妹の相続分は,4分の1とする。
 四 子,直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは,各自の相続分は,相等しいものとする。ただし,嫡出でない子の相続分は,嫡出である子の相続分の2分の1とし,父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は,父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

このようにして,2013年12月6日以降は,嫡出子であることと嫡出でない子であることの実質的な効力の違いであった相続分の違いが解消されたのであるから,現在においては,嫡出子と嫡出でない子とを区別する実益も解消されたといってよい([二宮=棚村=水野=窪田「親子法のあり方」(2015)14-16頁]参照)。

2. 嫡出推定から父子関係推定へ

そのような観点から現行法の体系を見直してみると,現行民法が「嫡出」の用語を用いている場合というのは,法律婚上の夫婦の実子(民法772条(嫡出の推定)~778条),または,その養子(民法809条)という意味で使われていることがわかる。

しかし,「嫡出」の推定という用語法は,婚姻関係にある夫婦とその下で生まれた子との間の実親子関係を推定するものであり,実子にも養子にも当てはまることになってしまう。したがって,実子かどうかを特定できないあいまいな「嫡出の推定」という用語を用いる必要性はなく,嫡出という概念は,夫婦と子との間の実親子関係,または,養親子関係というように,実子と養子とを区別する用語によって読み替えられるべきである。

もっとも,実子と養子とを同列に考えるという視点からは,嫡出子という用語自体は有用であるかもしれない。しかし,民法制定以来,2013年の最高裁の大法廷決定を契機として民法900条第4号の但し書き部分が削除されるまでは,嫡出子と嫡出でない子の間の差別は長きにわたって存続していたのであり,嫡出子と嫡出でない子の差別を解消することが,より重要である。したがって,子の区別は,子の「出自を知る権利」を配慮して,「出生による実子」と「契約による養子」とを区別するにとどめ,嫡出子と嫡出でない子の間の区別は除去することが重要であると思われる。

そのように考えると,現行民法において「嫡出」という用語が用いられている条文は,すべて,実子若しくは実親子関係,養子又は養親子関係という明確な用語によって,読み替えることが可能となることがわかる。

しかも,その読み替えに際して,男女差別を廃するような読み替えを行うと,該当条文は,以下のように,男女差別がなく,しかも,内容が明確であり,子の「出自を知る権利」にも資する条文へと生まれ変わることが分かる。

第772条(嫡出の推定)
①妻が婚姻中に懐胎した子は,夫の子と推定する。
②婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定する。

第772条(実親子関係の推定)改正(加賀山)私案
①妻が婚姻中に懐胎した子は,夫の実と推定する。
②婚姻の成立の日から280日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から280日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定する。

もっとも,この条文は,内縁や事実婚の場合には,実子関係の推定規定としては利用できないだけでなく,法律婚においても,いわゆる「でき婚」の場合にも,嫡出子としての出生届を認める現状においては,ほとんど意味を失っている。 したがって,民法772条2項の規定は,婚姻の成立の日を憲法第24条第1項に合わせて,婚姻の合意の日(プロポーズが受け入れられた日)からとするか,同棲の日からとするか,いずれかの日と解釈することが必要であろう。

3. 現行民法における男女不平等既定の改正の必要性

先にも述べたように,現行民法は,嫡出の推定,嫡出の承認において,夫の権利と妻の権利を不当に差別しており,両性の本質的平等の見地に立ち返って,「夫は」という規定を「夫又は妻は」へと改正すべきである。

また,現行民法は,認知について,男女を平等に扱っているにもかかわらず,通説・判例は,分娩の事実を尊重するあまり,妻の認知を無視するに至っており,民法2条に従って,解釈の変更が必要である。

第774条(嫡出の否認)
第772条〔嫡出の推定〕の場合において,夫は,子が嫡出であることを否認することができる。

第774条(実親子関係の否認)改正(加賀山)私案
第772条〔実親子関係の推定〕の場合において,夫又は妻は,子が夫婦の実子であることを否認することができる。

第775条(嫡出否認の訴え)
前条の規定による否認権は,子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは,家庭裁判所は,特別代理人を選任しなければならない。

第775条(実親子関係否認の訴え)改正(加賀山)私案
前条の規定による否認権は,子又は親権を行う母又は夫に対する実親子関係否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは,家庭裁判所は,特別代理人を選任しなければならない。

第776条(嫡出の承認)
夫は,子の出生後において,その嫡出であることを承認したときは,その否認権を失う。

第776条(実親子関係の承認)改正(加賀山)私案
又は妻は,子の出生後において,その実親子関係を承認したときは,その否認権を失う。

男女平等の観点からは,このような改正がなされるべきであるが,否認と承認とは,単に肯定と否定の関係にあるだけなので,嫡出の否認の制度があれば,嫡出承認の制度は不要であり,理論的には,民法776条を削除することが可能である([木村・認知無効の取消し(2015)76頁参照])。

第777条(嫡出否認の訴えの出訴期間1)
嫡出否認の訴えは,夫が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない。

第777条(実親子関係否認の訴えの出訴期間1)改正(加賀山)私案
実親子関係否認の訴えは,夫又は妻が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない。

第778条〔嫡出否認の訴えの出訴期間2〕
夫が成年被後見人であるときは,前条の期間は,後見開始の審判の取消しがあった後夫が子の出生を知った時から起算する。

第778条〔実親子関係否認の訴えの出訴期間2〕改正(加賀山)私案
又は妻が成年被後見人であるときは,前条の期間は,後見開始の審判の取消しがあった後夫又は妻が子の出生を知った時から起算する。

第779条(認知)
嫡出でない子は,その父又は母がこれを認知することができる。

第779条(認知)改正(加賀山)私案
夫婦の実親子関係が推定されない子は,その父又は母がこれを認知することができる。

第789条(準正)
①父が認知した子は,その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。
②婚姻中父母が認知した子は,その認知の時から,嫡出子の身分を取得する。
③前2項の規定は,子が既に死亡していた場合について準用する。

第789条(準正)改正(加賀山)私案
①父又は母が認知した子は,その父母の婚姻によって夫婦の実子の身分を取得する。
②婚姻中父母が認知した子は,その認知の時から,夫婦の実子の身分を取得する。
③前2項の規定は,子が既に死亡していた場合について準用する。

第790条(子の氏)
①嫡出子は,父母の氏を称する。ただし,子の出生前に父母が離婚したときは,離婚の際における父母の氏を称する。
②嫡出でない子は,母の氏を称する。

第790条(子の氏)改正(加賀山)私案
①夫婦の実子は,父母の氏を称する。ただし,子の出生前に父母が離婚したときは,離婚の際における父母の氏を称する。
夫婦の実親子関係が推定されない子は,母の氏を称する。

第795条(配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組)
配偶者のある者が未成年者を養子とするには,配偶者とともにしなければならない。ただし,配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は,この限りでない。

第795条(配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組)改正(加賀山)私案
配偶者のある者が未成年者を養子とするには,配偶者とともにしなければならない。ただし,配偶者の実子である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は,この限りでない。

第809条(嫡出子の身分の取得)
養子は,縁組の日から,養親の嫡出子の身分を取得する。

第809条(夫婦の養子の身分の取得)改正(加賀山)私案
養子は,縁組の日から,養親の養子の身分を取得する。
②養子は,その性質に反しない限りで,実子と同一の権利義務を有する

第817条の3(養親の夫婦共同縁組)
①養親となる者は,配偶者のある者でなければならない。 ②夫婦の一方は,他の一方が養親とならないときは,養親となることができない。ただし,夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は,この限りでない。

第817条の3(養親の夫婦共同縁組)改正(加賀山)私案
①養親となる者は,配偶者のある者であることを要しない
②夫婦の一方は,他の一方が養親とならないときは,養親となることができない。ただし,夫婦の一方が他の一方の実子である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は,この限りでない。


Ⅴ 結論および今後の展望


1. 結論

A. 民法2条(解釈の基準)に従った解釈の必要性

生殖補助医療が進展している現代においては,例えば,AIDにおいては,法律婚上の父と遺伝子上の父との分離が生じる。さらに,代理母については,サロゲートマザー(人工授精型)の場合には,法律上の父と遺伝子上の父の分離,さらに,法律上の母(代理母)と契約上の母(依頼主)との分離が生じるし,ホストマザー(体外受精型)の場合には,父の分離の問題は生じないものの,法律上の母(代理母)と遺伝子上の母(依頼主)との分離が生じる。 このような現状においては,生殖補助医療に関する法の不備によって,利害関係者は,困難な問題に直面する。子の出自を知る権利を尊重するならば,実子関係は,遺伝子上の親子,法律上の親子関係は,民法の定めるところによる(民法2条に従って解釈することを含む)ということにならざるをえない。

例えば,AIDの場合には,生まれてくる子は,ドナーの実子であり,法律上の父は,民法の規定によって定めることにすべきである。厳格な要件の下に認められるべき代理出産の場合についても,生まれてくる子は,配偶子の提供者の実子であり,法律上の母は,通説・判例の解釈に従い,第1義的には代理母であるが,代理母が契約通りに任意に子の引渡を行えば,依頼主が法律上の母となると考えるべきである。この場合の現行法の解釈は,母による認知(民法780条)と準正(民法789条2項)の組合せによる。

現行民法の規定,および,通説・判例による解釈の問題点は,民法2条に従っていないことにある。たとえば,男であるパートナーは,自分の精子を提供してもしなくても,いずれの場合でも,嫡出の推定(民法772条),民法774条(嫡出否認),民法776条(嫡出の承認),779条(認知)を駆使すれば,法律上の父となることができる。ところが,女であるパートナーは,たとえ卵子を提供したとしても,分娩の事実がない限り,男のパートナーが使えるすべての法的手段を利用することができない。これが,不当な男女差別でなくて何であろうか。いずれの規定も,以下に述べる修正を行わない限り,憲法に違反して無効と考えるべきであろう。

男だけが使える上記の民法上の制度(法律上の推定,嫡出の否認,嫡出の承認,認知の制度)は,現代においては,男女差別の規定となっているばかりでなく,いずれも,機能不全に陥っており,以下に述べるように条文の改正,または,解釈の変更が必要である。

第1に,民法772条(嫡出の推定)は,相続において嫡出子と嫡出でない子の区別がなくなった現在において,「嫡出の推定」ではなく,「父子関係の推定」と改められるべきである。しかも,「婚姻の成立の日から200日を経過した後」という要件も,妊娠してから婚姻届を出す人が増加している現状においては,ほとんど無意味となっている上に,200日には,科学的な根拠がない。また,「婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内」という要件についても,300日の科学的根拠がない上に,婚姻の成立から200日という計算と平仄が合っていないために,妻の再婚機関の禁止(民法733条)という,男女差別の条文を生み出す原因になっている。このように,民法772条は,どの点をとっても,改正が必要である。

第2に,民法774条(嫡出の否認)も,男女差別の規定であり,「夫は,…できる。」は,「夫又は妻は,…できる」と改正すべきである。

第3に,民法776条(嫡出の承認)も,男女差別の規定であり,「夫は,…失う」は,「夫又は妻は,…失う」と改正されるか,嫡出の否認の規定があれば十分であるとして,削除されるべきである。上記の第2と第3の改正によって,科学的な根拠なしに濫用されてきた民法772条(嫡出の推定)が,妻によっても覆すことができる法律上の推定に過ぎないことが明らかとなることが重要である。

第4に,民法779条(認知)は,条文の文言を尊重し,厳格な要件の下でみとめられるべき代理出産(ホストマザー方式)の場合に,卵子を提供したことを根拠にして,分娩をしない妻が認知する場合にも適用されるよう,最高裁の解釈(最二判平19・3・23民集61巻2号619頁(代理母による実子の出生届不受理事件))の変更をすることが必要である。

B. 妊娠中の女性の自己決定権優先の原則

妊娠期間(子の懐胎から出生までの間)については,懐胎(妊娠)した女性だけが,生命を育み出生させることができる唯一の存在であることを考慮するならば,妊娠の継続,妊娠の中絶を含めて,女性の母体の保護を前提にして,女性の自己決定権が何よりも優先されなければならない。そして,女性の内部では,卵子の提供者よりも,子宮の提供者(代理母)の権利が優先すると考えるべきである(民法330条1項2文参照)。

また,妊娠中は,妊娠した女性の母体の保護および自己決定権が何よりも尊重されるべきであるから,母体保護法第14条第1項の「本人及び配偶者の同意」は,「本人の同意」へと修正されるべきであり,第2項は,確認規定に過ぎず,理論上は不要となる。

2. 今後の課題

生殖補助医療は,子を産み育てたいと願う婚姻カップルが有する幸福追求を科学的にサポートする制度であり,わが国で進行している少子化の問題を解決するものの一つとして,尊重すべきである。そのためにも,民法,および,その解釈は,民法2条に規定されている「個人の尊厳と両性の本質的な平等」に立ち返って行う必要がある。結論で示した上記の提言は,いずれも,民法2条の基本原則に立ち返ったものに過ぎない。

本稿では,妊娠以後,特に,生殖補助医療が実施された後の女性の権利の優先的な地位を明らかにすることに焦点を当てて論じた。このため,その前提となる,生殖補助医療の有効要件を明らかにすることは,今後の課題である([大野・代理出産(2009)],[小林・生殖医療はヒトを幸せにするのか(2014)]が参考になる])。今後は,生殖補助医療の利害関係者である,妊娠の主体となる女性(代理母を含む),配偶子(精子・卵子)のドナー,遺伝的なつながりのない子どもを育てるパートナー,生まれてくる子どもたち,医師,社会の利益を考慮しつつ,厳格な実施要件を定める方法と立法上の提言を行うための研究を行うことにしたい。


参考文献


[江口・妊娠中絶の生命倫理(2011)]
 江口 聡(編・監訳)『妊娠中絶の生命倫理-哲学者たちは何を議論したか』勁草書房(2011/10/11)

[大野・代理出産(2009)]
 大野 和基『代理出産―生殖ビジネスと命の尊厳 』集英社新書(2009/5/15)

[木村・認知無効の取消し(2015)]
 木村 敦子「任意認知者による認知無効の取消し」法律時報87巻11号(2015/11)71-78頁

[小池・AIDにおける子の出自を知る権利(2015)]
 小池 泰「AIDにおける子の出自を知る権利」法律時報87巻11号(2015/11)40-46頁

[小林・生殖医療はヒトを幸せにするのか(2014)]
 小林 亜津子『生殖医療はヒトを幸せにするのか-生命倫理から考える』光文社新書(2014/3/18)

[齋藤他・母体保護法(2002)]
 斎藤 有紀子=大久保 美保=甲斐 克則=市野川 容孝= 岡田 靖雄=加藤 真規子『母体保護法とわたしたち』明石書店(2002/9/9)

[角田・性と法律(2013)]
 角田 由紀子『性と法律 ―変わったこと・変えたいこと』岩波新書(2013/12/21)

[西・凍結精子による懐胎(2015)]
 西 希代子「凍結精子による懐胎」法律時報87巻11号(2015/11)32-39頁

[二宮=棚村=水野=窪田・親子法のあり方(2015)]
 二宮周平=棚村政行=水野紀子=窪間充見「[座談会]親子法のあり方を求めて」法律時報87巻11号(2015/11)4-24頁

[ノーグレン・中絶と避妊の政治学(2008)]
 ティアナ ノーグレン(岩本 美砂子他 (訳))『中絶と避妊の政治学―戦後日本のリプロダクション政策』青木書店(2008/08)

[幡野・代理懐胎と親子関係(2015)]
 幡野 弘樹「代理懐胎と親子関係-ヨーロッパ人権裁判所判決とフランス法を参照しつつ」法律時報87巻11号(2015/11)24-31頁

[羽生・性同一障害と民法772条(2015)]
 羽生 香織「性同一性障害を理由とする性別の変更と民法772条」法律時報87巻11号(2015/11)63-70頁

[三輪・中絶と女性の自己決定権(2002)211-224頁]
 三輪 和恵「人工妊娠中絶と女性の自己決定権-女性の身体の自由のための選択権をめぐって」[齋藤・母体保護法とわたくしたち(2002)211-224頁]

[山根・産む産まないは女の権利か(2004)]
 山根 純佳『産む産まないは女の権利か―フェミニズムとリベラリズム』勁草書房(2004/8)

[米本他・優生学と人間社会(2000)]
 米本 昌平=ぬで島 次郎=松原 洋=市野川 容孝『優生学と人間社会』 講談社現代新書(2000/7/19)


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