VideoLastLecture2017
11/26 否認と対抗不能との関係(2/3)民法177条(不動産物権変動の対抗要件)の意味

【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。



【ノート】
このようにして発見された,「対抗不能」と「否認」との間の変換法則を使って,物権変動の対抗要件の問題に関する否認説を検証してみることにしましょう。■ ★民法177条の条文を単純化すると,「Yの行為は」,「Xに」,「対抗することができない」と表現することができます。■ ★「Xに」という目的語を,主語に持ってきて, ★「Xは」とします。■ ★「Yの行為は」という主語を目的語に持ってきて, ★「Yの行為を」とします。■ ★「対抗することができない」という述語を位置を変えずに持ってきて, ★述語の内容を,「否認することができる」と変更します。■ これで,「対抗することができない」と「否認することができる」とは,民法37条の場合だけでなく,民法177条の場合にも妥当することが明らかとなりました。■ このことを,条文に即して,検証してみましょう。■ ★民法177条の用語法である,「第1買主(Y)の物権行為(A)は,先に登記を得た第2買主(X)に,対抗できない。」は, ★否認という用語を使って,「先に登記を得た第2買主(X)は,第1買主(Y)の物権行為(A)を,否認できる。」と書き換えることができます。 ★対抗不能における目的語が,否認における主語に置き換わっており, ★対抗不能における主語が,否認における目的語に置き換わっており, ★対抗不能における述語が,述語のまま,その内容が,「対抗することができない」から,「否認することができる」へと置き換わっています。 つまり,民法37条の場合だけでなく,民法177条の場合においても,「対抗不能」と「否認」との間の変換法則が正しく機能していることがわかります。■ このようにして,民法における「対抗不能」という問題は,すべての場合において,「否認することができる」と置き換える作業を通じて,法律行為のうちのどの部分が否認されるのかを深く考えることができるようになりました。■ すなわち,民法177条の場合には,第一売買契約の有効性を保ったまま,物権行為だけが否認されるとか,民法94条2項や民法96条3項の場合には,無効とか取消の遡及的効力だけが否認されるため,無効であるとか,取り消すという意思表示の時点から,将来に向かってのみ,復帰的な物権変動が生じるというように,対抗不能に関する様々な問題を論理的に解明できるようになったのです。■