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12/26 否認と対抗不能との関係(3/3)破産法160条(否認権),民法424条(取消し)の意味
【テロップ】
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【ノート】
★これまでの検討結果によって,対抗不能と否認とは,相互に書き換えが可能であることが明らかになりました。■ この考え方を使うと,さらに,破産法上の否認権(破産法160条以下)も,また,小破産といわれている民法上の詐害行為取消権(民法424条~426条)も,債権者を害する債務者と受益者間の詐害行為が,破産管財人とか,債権者に対抗できなくなる問題と考えることが可能になります。■ ★すなわち,「破産管財人(X)は,債務者(Y)の詐害行為(A)を,否認することができる。」という意味は, ★「債務者(Y)の詐害行為(A)は,破産管財人(X)に,対抗することができない。」と置き換えることができるのであり, ★その置き換えが,対抗不能と否認との置き換え原則に, ★正確に従っていることがわかります。■ ★つまり,破産法上の否認権の否認の意味も,また,詐害行為取消権における「取消し」という意味も,実は,ともに否認の意味であり,その内容は,債務者と受益者や転得者が,債権者を害する行為をしても,債権者には対抗できないという意味であることが明らかになります。■ ★このようにして,民法の対抗問題は,否認という用語を通じて,民法総則,物権,債権,親族,相続のみならず,破産法についても,等しく通用する重要な概念であることが理解できると思います。■