VideoLastLecture2017
13/26 対抗不能の一般理論の構築

【テロップ】
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【ノート】
以上の議論を,対抗不能の一般理論としてまとめておくことにしましょう。■ ★第1の登場人物は,当事者Aです。■ ★第2に,相手方Bが登場します。■ ★第3に,当事者Aと相手方Bとの間で法律行為が締結されます。■ ★その結果,相手方Bに信頼に値する概観が生まれます。■ ★Bにこのような外観が生じたのには,当事者Aに,過失(すなわち,広い意味での帰責性)があったからです。■ ★第4に,第三者Cが登場します。■ ★この第三者Cが,Bの外観を信じて,AB間の法律行為と矛盾する法律行為をBC間で締結します。■ ★その際,第三者は,その権利を保護するに値する権利保護資格要件(例えば,登記などの対抗要件)を獲得したとします。■ ★そのような権利保護資格要件を備えた第三者Cは,AB間の法律行為の一部を否認することができます。■ ★AB間の法律行為は,有効なまま,その効力の一部が否認されるのです。■ ★つまり,対抗不能の一般的な意味とは,■ ★有効な法律行為について,その外観を信頼した第三者によって,法律効果の一部(例えば,物権的効力のみ)が否認されたり,取消し・無効となった法律行為について,有効な外観を信じた第三者によって,取消しや無効の遡及効が否定されることなのです。■