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17/26 民法613条の直接訴権の弁済(その2)

【テロップ】
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【ノート】
それでは,第2に,直接訴権の発生にもかかわらず,賃借人Bが,賃貸人に弁済した場合を考えてみましょう。■ ★賃借人Bが賃貸人Aに弁済すると, ★直接訴権の発生によって連帯保証へと転化した保証人としての弁済であるので,民法459条以下によって求償権が生じます。この求償権を担保するために,民法501条によって,直接訴権は,賃貸人Aから,賃借人Bに移転・復帰します。■ ★このことは,完全直接訴権としての交通事故の被害者の保険会社に対する直接訴権の条文である自賠法15条を振り返ってみると,納得がいくと思います。■ Aの直接訴権の発生によって,いったんは,禁止されたBのCに対する弁済は,BがAに代位弁済することによって,Bに移転・復帰するため,晴れて,Bは,Cに対して権利を行使することが許されるのです。■ わが国の学説が,民法613条2項の深い意味を理解できないのは,わが国の民法学は,保証の意味も,連帯債務の意味も全く理解していないからです。■ 人的担保といわれる保証と連帯債務を理解するためには,これまで見てきたように,債務者による弁済と,保証人による弁済とが,まったく異なる結果を生じることを理解することがその第一歩になります。■ ところが,わが国の民法学説は,このことを理解せずにおびただしい教科書や解説書において,間違った考え方を垂れ流しており,ほとんどすべての法学部の学生が,人的担保も,物的担保も理解できず,大の苦手とするという,異常な事態を生じさせています。■