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20/26 Ⅳb 連帯債務の構造相互保証理論による解明

【テロップ】
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【ノート】
保証の本質が理解できるようになると,わが国の民法学において,ほとんどの学者が誤りに陥っている連帯債務の本質も容易に理解できるようになります。■ なぜなら,わが国のほとんどの学者がきちんと理解できていない,連帯債務の本質とその構造を明らかにする理論である相互保証理論についても,容易に理解できるようになるからです。 ■従来の通説では見ることができなかった連帯債務の本質と構造が,相互保証理論によって明らかになります。 ★従来の通説は,連帯債務とは,連帯債務全額について,それぞれの連帯債務者が全額について,別個独立の債務を負うものであると考えてきました。 ★通説は,個々の連帯債務者がどれだけの負担部分を有しているかについては,必要に応じて考慮するのであって,個々の連帯債務の性質は,均一であり,例えば,Y1 が300万円を借り,Y2が200万円を借り,Y3が100万円を借りて,債務者全体で連帯債務を負うとした場合には,すべての連帯債務者が600万円の均一の連帯債務を負担すると考えてきました。 ■そのように考えると,連帯債務者の一人が連帯債務の全額を支払うと,別個独立であるはずの連帯債務がなぜ,すべて消滅するのか?という疑問に答えることができません。 ■また,保証とは異なる別個独立の債務を弁済しているにもかかわらず,弁済をした連帯債務者が他の連帯債務者に求償できるのは,なぜなのでしょうか? ■これらの疑問点に,通説は,論理一貫した説明をすることができませんでした。■ ★これに対して,相互保証理論は,連帯債務の構造を明らかにしています。 ■つまり,連帯債務を内部構造に立ち入って,本来の債務である負担部分と,相互に連帯債務を負う保証部分との,結合だと考えるのです。■ ★そうすると,通説によっておおわれていたごまかしのベールがはがされ,連帯債務者▲Y1 の連帯債務の内部構造は,以下のように明確となります。■ ★連帯債務者▲Y1 は,自分の固有の債務である300万円を負担部分として支払う債務を負います。■ ★Y1 は,他の連帯債務者Y2 の負担部分200万円について,連帯保証をしています。■ ★▲Y1 は,他の連帯債務者Y3 の負担部分100万円について,連帯保証をしています。■ ★結果として,▲Y1 は,負担部分300万円,保証部分300万円の合計600万円の連帯債務を負担します。 ★連帯債務者▲Y2 の連帯債務の内部構造も,同様にして,以下のように明確となります。■ ★▲Y2 は,自分の固有の債務である200万円を負担部分として支払う債務を負います。■ ★▲Y2 は,他の連帯債務者Y1 の負担部分300万円について,連帯保証をしています。■ ★▲Y2 は,他の連帯債務者Y3 の負担部分100万円について,連帯保証をしています。■ ★結果として,▲Y2 は,負担部分200万円,保証部分400万円の合計600万円の連帯債務を負担します。 ★第14に,連帯債務者▲Y3 の連帯債務の内部構造も,同様にして,以下のように明確となります。■ ★連帯債務者▲Y3 は,自分の固有の債務である100万円を負担部分として支払う債務を負います。■ ★▲Y3 は,他の連帯債務者Y1 の負担部分300万円について,連帯保証をしています。■ ★▲Y3 は,他の連帯債務者Y2 の負担部分200万円について,連帯保証をしています。■ ★結果として,▲Y3 は,負担部分100万円,保証部分500万円の合計600万円の連帯債務を負担します。 ■このように,連帯債務の構造を本来の債務である負担部分と他の連帯債務者に対する連帯保証部分とに分けて考えることによって,つぎに述べるように,連帯債務者の一人に無効や取消が生じた場合とか,連帯債務者の一人が連帯債務の全額を弁済した場合の結果について,連帯債務の債務的性質と,保証的性質を総合して,矛盾なく一貫した説明をすることができるのです。■