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23/26 Ⅳc 担保物権の本質物権ではなく,債権の優先弁済権である

【テロップ】
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【ノート】
人的担保について,保証責任と連帯債務という通説が最も苦手としている問題点について理解を深めることができたと思われるので,最後に,物的担保についても,その本質を理解しておくことにしましょう。■ 物的担保の本質を理解するのに先立って,財産法に分類されている物権と債権という二つの権利の違いについて考えます。■ ★物権とは,ヒトがモノを支配する権利であり,具体的には,モノを使用,収益,処分のすべて,または,いずれかを行うことのできる権利です。 ★債権とは,ある人(債権者)が他の人(債務者)に対して,あることをすること(作為)または,あることをしないこと(不作為),すなわち,給付を要求する権利です。■ ★債権は,ヒトと人とに関する権利ですが,人には財産として物が帰属しています。 ★したがって,債務者が債務を任意に履行しない場合,例えば,金銭債務を支払わない場合には,債権者は,債務者のすべての財産に対して強制執行をして,財産を処分し,売却代金から債権額を回収することができます。■ ★このように考えると,債権も担保物権と同様に,債務者の財産を換価処分することができることになり,債権と担保物権との区別は微妙になります。■ ★つまり,担保物権は,その他の物権とは異なり,債権に近い性質を有していることがわかります。■ ★担保物権と一般債権との違いは,債権が他の債権者と平等の権利を有する,すなわち,弁済はすべての債権の債権額に基づいて按分比例されるのに対して,■ 担保物権の場合には,他の債権者に先立って,優先弁済を受けるという点が異なるということになります。■