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5/26 自賠法16条の直接訴権

【テロップ】
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【ノート】
★民法613条の直接訴権は,聞いたことがないという人でも,交通事故の場合の被害者の保険会社に対する保険金の直接請求(自賠法16条)であれば,聞いたことがある人は,かなり多いと思います。■ ★自動車の保有者は,交通事故で責任を負わされる場合に備えて, ★保険会社との間で, ★自動車損害賠償保険契約を締結します。 ★被保険者が保有する車によって自動車事故が発生すると,被害者は, ★自賠法3条に基づいて,加害者に対して,損害賠償請求権(α債権)を取得します。■ ★同時に,被保険者には,保険会社に対する保険金請求権(β債権)が発生します。■ ★このβ債権は,自賠法16条によって,交通事故の発生と同時に,即座に,被害者に移転します。■ ★したがって,加害者は,被保険者であるにもかかわらず,保険金を請求できなくなります。■ 被保険者が保険金を請求できるようになるのは,被害者が保険金を受け取るよりも前に,加害者が被害者に損害賠償をした場合に限られます(自賠法15条)■ このような交通事故の被害者の保険会社に対する保険金の直接請求(自賠法16条)の制度も,民法613条の直接訴権も,いずれもフランスで発達した直接訴権の制度をわが国が取り入れたものであり,その根幹は同じものです。■ 二つの制度の違いは,つぎに述べるように,民法613条の直接訴権(不完全直接訴権)が,債権者の請求によって,はじめて,β債権が債権者に移転するのに対して,自賠法16条の直接訴権(完全直接訴権)は,事故の発生と同時に,β債権が債権者に移転する点にあります。■