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第5回 追及効の実現

作成:2010年9月24日

明治学院大学法科大学院教授 加賀山 茂


□ 第5回 追及効の実現 □

債権は,当事者間でのみその効力を有するというように相対的であるのに対して,物権は,排他的な支配権であり,誰に対しても主張できる対世権であると考えられてきた。したがって,物が第三者に譲渡されたような場合に,その物に対する権利を主張できること,すなわち,追及効は,物権の特質であり,債権にはない性質であるとされてきた。例えば,抵当権者が債務者に対する債務名義なしに,第三者に譲渡された抵当不動産に対して追及できるのは,抵当権が物権だからであると考えられてきた。しかし,物権とされる先取特権については,追及効が否定されている[民法333条]。留置権や動産質権も,占有を失うと,第三者への追及ができなくなる([民法302条],[民法352条])。反対に,賃借権のように,債権であっても,登記をすると,第三者に対して追及効を有する場合がある[605条]。

ここでは,債権の体外的効力とされている詐害行為取消権が,受益者・転得者の悪意を要件として,債権に追及効を与える制度であること,抵当権が登記(すべての人を悪意とする仕組み)を通じて,追及効を有しているのと連続していること,受益者・転得者は,抵当権の場合の第三取得者と類似の立場に立つに至ることを明らかにする。


第2節 詐害行為取消権(追及効の実現)


1 詐害行為取消権の位置づけ


債権の相対性を貫くと,債権の掴取力は,債務者の責任財産に限定されるはずである。しかし,債務者が債権者を害することを知って(害意),その責任財産を逸失させた場合には,債権者は,受益者・転得者が悪意である限り,債務者が逸失させた財産に対して,どこまでも追及し,債権の掴取力を及ぼすことができる[民法424-426条]。

このことは,抵当権者が,登記があることを条件に,目的不動産の第三取得者に対して,どこまでも追及できるのと同様である。現行民法に詐害行為取消権(債権者取消権ともいう)[民法424-426条]が存在することによって,これまで,物権に特有の現象として説明されてきた追及効は,決して,物権に特有の効力ではなく,債権の掴取力も,追及効を持つ場合があることがわかる(詐害行為取消権[民法424-426条]=債権の追及効)。

もっとも,債権の掴取力が追及効を持つのは,債務者に害意があり,かつ,受益者・転得者が悪意の場合に限定される。これに対して,物権とされる抵当権の場合には,登記さえあれば第三取得者の善意・悪意とは無関係に追及効が生じるのであるから,詐害行為取消権による追及効と抵当権の追及効とは次元が異なるようにも見える。しかし,抵当権が登記されている場合には,抵当権が登記されている物件を取得する第三者(第三取得者)は,抵当権の存在を知ることができる。そうすると,抵当権の追及効も,物権だから当然に生じるというわけではなく,登記を通じて,第三取得者の悪意が推定されているからに過ぎないと考えることも可能である。

このように考えると,詐害行為取消権による債権の追及効が,債務者の害意を要件とし,受益者・取得者が悪意であることによって成り立っているのと,物権であるとされている抵当権の追及効が,抵当権の登記を要件とし,第三取得者の悪意の推定によって成り立っている(登記があっても,第三取得者が抵当目的物を善意で時効取得した場合には,追及効も消滅する[民法397条]。*第5章第5節9C参照)のと,大差がないともいえる。

詐害行為取消権の追及効と抵当権の追及効とをパラレルに考えることができるようになると,抵当権の場合に,追及を受ける第三取得者が物上保証人と同じ立場に立たされるのと同様,追及を受ける悪意の受益者・転得者も,同様にして,物上保証人と同じ立場に立たされることになることがわかる。したがって,いずれの場合も,目的財産の取得者は,前主に対して追奪担保責任([民法568条]または[民法562条])を追及できることも理解できる(詐害行為取消権[民法424-426条]=債務と責任との分離)。

このようにして,詐害行為取消権についての深い理解が得られると,抵当権を学習する際にも,抵当権が設定された物件の第三取得者の法的地位についての理解が容易となる。そればかりでなく,詐害行為の取消しにおける「取消し」の意味が,破産法上の「否認権」[破産法160-176条]に通じることが理解できるばかりでなく,対抗問題における否認権説における「否認」(例えば,[民法37条5項]にある「否認」は,対抗不能と同じ意味である)と同じであることも理解できるようになる(詐害行為取消権[民法424-426条]=責任財産の逸失の対抗不能)。

このようにして,詐害行為取消権を題材として,追及効のプロセスを@債務と責任の分離,A詐害行為取消権(否認権)の行使,B責任分離の対抗不能というように理解を進めていくと,不動産二重譲渡の対抗問題と,詐害行為取消権における対抗不能説との共通性も理解できようになり,最終的には,民法の中で,理解が最も困難といわれている「対抗不能の一般理論」(詳しくは,[加賀山・対抗不能の一般理論(1986)6頁以下参照]) をマスターすることも可能となるのである。


2 詐害行為取消権の法的性質


A. 詐害行為取消権の構造

詐害行為取消権は,ローマ法のパウルスの訴権(actio Pauliana)の系統を引く,フランス民法典1167条(action paulienne)をわが国の民法が継受したものである。パウルスの訴権(旧民法では,これを廃罷(はいひ)訴権としていた)とは,債権者が自己の債権を保全するため,債権の一般的担保を構成する債務者の財産(patrimoine)を不当に減少させる債務者の詐害行為を取り消す裁判上でのみ行使しうる権利,すなわち,訴権であるとされている。

*図21 詐害行為取消権の法的性質(債権に与えられた追及効)

わが国の民法は,これを詐害行為取消権としている[民法424条〜426条]。しかし,ここでいう「取消し」とは,通常の「取消し」とは以下の点で異なっている。

第1に,制限行為能力者(未成年者,成年被後見人,被保佐人,被補助人)の法律行為の取消し(民法5条以下),瑕疵ある意思表示(詐欺・強迫による意思表示)の取消し(民法96条)の場合には,取消しができるのは,当事者の一方,または,その承継人であって,決して第三者ではない。ところが,詐害行為取消権の場合に取消しを行うのは,当事者の一方ではなく,第三者である債権者である。したがって,この問題は,単純な取消しの問題ではないことが明らかである。フランスでは,この権利(パウルスの訴権)は,第三者の権利であるため,当事者間の詐害行為が第三者である債権者に対抗できない問題(対抗不能の問題)であると解されている(*表14参照)。

すなわち,債権者は詐害行為を取消しによって無効とする必要はなく,詐害行為の効果のうちの,債権者を害する部分(責任財産の逸失)のみを対抗できないとできればそれでよい。つまり,債権者は,債務者の責任財産に対して掴取力を有しているのであり,たとえ,詐害行為によって債務者の責任財産が受益者や転得者へと移転しても,それを名目上のものに過ぎないとみなし,詐害行為によっても債務者の財産は逸失していないとして(責任移転の対抗不能),それらの者に対して直接に掴取力を及ぼすことができればよい。債権者を保護するためには,それ以上の保護(詐害行為自体を取消しによって無効とするすること)を必要としないのである。

*表14 法律行為の取消し(無効)と詐害行為取消しとの異同
大分類 中分類 典型例 第三者対抗力 根拠条文
無効な法律行為 法律行為の取消し 制限行為能力者の法律行為 第三者に対抗できる 民法5条以下
強迫による意思表示 民法96条3項の反対解釈
詐欺による意思表示 善意の第三者に対抗できない 民法96条3項
法律行為の無効 公序良俗違反 第三者に対抗できる 民法90条
通謀虚偽表示 善意の第三者に対抗できない 民法94条2項
無権代理 善意・無過失の第三者に対抗できない
→表見代理
民法109条,110条,112条
有効な法律行為 不動産の二重譲渡 不動産の売買 登記を具備した第三者に対抗できない 民法177条
責任財産の逸失 詐害行為 債権者に対抗できない 民法424条

第2に,詐害行為の「取消し」によっても,詐害行為自体が無効になるわけではなく,先に述べたように,詐害行為自体は有効のままである。詐害行為取消しとは,名前は「取消し」となっているが,旧民法で「廃罷訴権」(対抗不能訴権)とされていたものを現行民法に取り入れる際に,わかりやすい言葉に改めようとして,かえって誤解を招く「取消し」という用語法を選択したために混乱が生じているのである(詐害行為取消権の最近の学説の中には,「廃罷訴権」の名称を復活させるべきだとするものもあるほどである[佐藤・詐害行為取消権(2001)419頁])。

B. 詐害行為取消権と不動産二重譲渡との比較

そこで,詐害行為取消権にいう「取消し」が本来の取消しではなく,詐害行為が第三者である債権者に対抗できなくなるという意味を理解するために,詐害行為取消権(詐害行為対抗不能訴権)と,対抗問題の典型例である二重譲渡の対抗問題とを対比してみよう。

詐害行為取消権と不動産の二重譲渡の対抗問題とは,一方は債権の問題であり,他方は,物権の問題ではあるが,対抗問題という観点から見ると,両者は非常によく似ている。登記を先に得た第2買主を債権者と考え,売主を債務者と考え,登記を怠った第1買主を受益者と考えると,その関係が明瞭となる。不動産の二重譲渡において,登記を先に得た第2買主は,第1売買が有効であるにもかかわらず,第1売買の所有権の移転の効果を否認することができる結果,第1買主は第2買主に対抗できなくなる(民法177条)のと同じである。第1買主は,売買契約が有効であるにもかかわらず,所有権の移転を受けないのであるから,売主に対して,追奪担保責任を追及できる。詐害行為取消権の場合も同様である。すなわち,詐害行為それ自体は有効であるが,受益者・転得者は,債権者によって強制執行を受けることを受忍せざるを得ず,結局,所有権を剥奪される。そして,転得者は受益者に,受益者は債務者に対して追奪担保責任を追及できる。

*図22 詐害行為取消権と否認 *図23 不動産二重譲渡と対抗問題と否認

このように考えると詐害行為取消権の意味は,詐害行為全体を取り消すことではなく,詐害行為自体は有効であるが,債権者を保護するために,詐害行為による財産の移転にもかかわらず,債務者の責任財産は逸失していないとみなし,名目上は受益者,転得者の財産へと移転している財産に対して,債権者が目的物に対して強制執行を実現できるという制度にほかならないことが理解できる。フランス民法典において,詐害行為取消権とは,当事者間では有効な詐害行為が第三者である債権者に対抗できなくなる制度であると説明されているのは,以上のことを意味する。また,このことは,詐害行為による名目的な財産移転について,債権者を保護するために,責任財産の移転を無効とするドイツの責任無効の制度とも共通点を有する。

詐害行為取消権の名前に惑わされ,これを債権者が詐害行為を取り消して無効とし,目的物を債務者に返還させるものと考えてはならない。債務者は訴訟当事者とはならず,詐害行為取消訴訟の既判力は債務者には及ばないのであるから,債務者は受益者や転得者に移転した財産の返還を請求する権利も有しないし,返還を受ける義務もない。詐害行為は有効であり,それにもかかわらず,債権者の強制執行によって目的財産を追奪された受益者・転得者は,債務者に対して売主の担保責任を追及することができるのである。

C. 詐害行為取消権の追及効と受益者・転得者の立場

詐害行為取消権の法的性質が詐害行為の債権者への対抗不能の問題であること,債権者は,受益者・転得者に対して,譲渡された目的物に対して追及効を有することが明らかとなった。

*図24 詐害行為取消権における受益者・転得者の地位

このことは,一方で,債権の掴取力の強化を意味するが,他方で,詐害行為の受益者・転得者の地位を危うくさせることを意味する。なぜなら,詐害行為によって目的物を取得した受益者・転得者は,債権者による強制執行を受忍せざるを得ないことになり,債務者に対して売主としての責任を追及できるにしても,いわゆる物上保証人の地位に甘んじなければならないことになるからである。

D. 相対的取消しと対抗不能との関係

対抗不能と相対取消しといわれているものとの比較をしてみると,変形規則となっており,同じことの言い換えに過ぎないことに気づくことができる。対抗不能(Yは,Aを具備しないと,Bをもって,Xに対抗することができない)は,否定形であり,一種の受動態である。これに対して,相対的取消しとか,否認権(Xは,Aを具備すると,Bにつき,Yの権利を否認できる)といわれているものは,肯定形であり,一種の能動態である。

*図25 対抗不能と否認との書換え原則

不動産の二重譲渡を2つの形で述べて見て,それを比較してみよう。

詐害行為取消権についても,2つの形で書くことができるので,比較してみよう。

このように比較してみると,フランス法起源の詐害行為取消権がフランスにおいて,対抗不能訴権であるとされていることがよく理解できると思われる。


3 詐害行為取消権に関する学説の展開


詐害行為取消権に関する学説は,取消しの意味を通常の法律行為の取消しと同様に考えるという単純な考え方から始まって,債務者を被告とする必要がないことから,逸失財産を回復させることだけを目標とする請求権説を経て,債務者の責任財産からの逸失を債権者に対抗できないとして,債権者に目的財産の追及効を認めるという,対抗不能の考え方へと進化してきたといえよう。その流れを表にまとめたのが,以下の*表15である。

*表15 詐害行為取消権に関する学説一覧
取消の意味 相手方 取消の効果 実効性の確保
債権者・債務者間 債務者・受益者間 債権者・受益者間
形成権説 詐害行為を債権者が取り消す 債務者と受益者の双方 詐害行為は無効 詐害行為は無効 詐害行為は無効 債権者は,転得者に対して,債権者代位権に基づいて目的物の返還を求める給付訴訟を提起しなければならない。
請求権説 逸失財産の取戻しを請求できる権利 受益者のみ 詐害行為は有効 詐害行為は有効 詐害行為は有効 債権者は,受益者だけを被告として訴えを提起できる。しかし,債務者には何らの影響も与えないことになるため,登記名義を債務者に回復させたり,動産の占有を債務者に移転させたりすることを強制できないはずで,「取消し」によって,総債権者のために逸失財産を回復して,強制執行を可能にすることを説明できない。
折衷説
(相対的取消)
債権者が詐害行為を取り消すとともに,債権者が転得者に対して逸失財産の取戻しを請求できる権利 受益者のみ 詐害行為は有効? 詐害行為は有効 詐害行為は無効
責任説 責任財産の移転の取り消しを訴求する(責任無効を求める取消訴訟) 債務者と受益者 詐害行為は有効 詐害行為は有効・責任無効 詐害行為は有効・責任無効 債務者に対する債権の満足のために,受益者または転得者の手中にある詐害行為の目的物に対して強制執行をすることができる旨の判決(執行認容判決)を債務名義として,強制執行を行わなければならない。
訴権説・対抗不能説 債務者の責任財産から逸失したという効果のみが債権者に対抗できない 受益者 詐害行為は有効だが,責任移転の効力が否認される(対抗不能) 詐害行為は有効 詐害行為は有効だが,責任移転の効力が否認される(対抗不能) 債権者は,受益者または転得者へと移転した財産に対して,債務者に対する債務名義でもって(訴権説)または債務名義も必要とせず(債権者代位権の場合と同じ=加賀山説),詐害行為取消権の要件が充足されていることを証明するだけで,受益者または転得者を訴えることによって,債権の強制履行を実現することができる。

詐害行為取消権の学説史は,わが国における学説がドイツ法とフランス法にどのように影響されてきたかを知る上で興味深い例を提供している。また,解釈のあり方も,文言解釈から制度の趣旨を生かした解釈まで,さまざまな解釈が出揃っており,1つの条文の解釈をどのようにすべきかを考える上でも重要な問題を提起している。それぞれの学説について詳しい検討したものとして,[佐藤・詐害行為取消権(2001)]がある。


4 詐害行為取消権に関する判例の展開


A. 詐害行為取消権の性質(逸失財産の取り戻しのための相対的取消し)

詐害行為取消権は,フランス民法起源の制度であり,旧民法においては,取消権とは異なることが,「廃罷(はいひ)訴権」という言葉で示されていた。このことを熟知していた現行民法成立直後の判例〈大判明44・3・27民録17輯117頁〉は,民法424条の詐害行為取消権の取消しの意味が,通常の法律行為の取消しとは異なることを,以下のように,明確に認識していた。

1. 民法第424条に規定する詐害行為廃罷訴権は,債権者を害することを知りて為したる債務者の法律行為を取消し債務者の財産上の地位を其法律行為を為したる以前の原状に復し,以て債権者をして其債権の正当なる弁済を受くることを得せしめて其担保を確保するを目的とするは,此訴権の性質上明確一点の疑を容れざる所なり。

2. 詐害行為の廃罷は民法が法律行為の取消なる語辞を用ゐたるに拘はらず,一般法律行為の取消と其性質を異にし,之が効力は相対的にして何人にも対抗すべき絶対的のものに非ず。

3. 債権者が債務者の財産を譲受けたる受益者又は転得者に対して訴を提起し之に対する関係に於て法律行為を取消したるときは,該財産の回復又は之に代るべき賠償を得ることに因り其担保権を確保するに足るを以て,特に債務者に対して訴を提起し其法律行為の取消を求むるの要なきものとす。

4. 債務者の財産が受益者の手を経て転得者の有に帰したる場合に債権者が受益者に対して廃罷訴権を行使し法律行為を取消して賠償を求むると転得者に対して同一訴権を行使し直接に該財産を回復するとは全く其自由の権内に在るものとす。

*図26 大判明44・3・27民録17輯117頁
民法判例百選U第14事件

以上が,大判明44・3・27民録17輯117頁における判例の考え方であり,これが,強固な判例理論としてわが国の実務をリードしてきた。もっとも,現行民法の「取消」という用語法に引きずられて,詐害行為取消権の意味を,債務者の詐害行為の責任移転の効力が債権者に対抗できなくなることであるという意味ではなく,「相対的取消し」であるとの結論に落ち着いている点が惜しまれる。なぜなら,この考え方には,以下の2つの問題点があるからである。

第1は,判例は,詐害行為取消しにおける「取消し」を相対的な取消しとするが,その意味があいまいである。取消しによって債務者・受益者間の契約はどうなるのか。取消しを主張できるのは,法律行為の当事者ではなく第三者である債権者のみであるが,債権者の取消しによって法律行為はやはり無効となるのか(相対的無効),それとも,取消しによっても依然として有効であるのか(有効な契約の債権者に対する対抗不能),いずれかが明らかではない。

第2に,詐害行為の取消しによって債権者が転得者に対して請求できることは何かが明らかではない。特に,詐害行為取消権の効果は,債務者に及ばないという判例理論によると,詐害行為の取消しによっても,債務者は目的物の受取りを拒絶することができることになり,このことに,目的物の直接の明渡しや登記請求を否定する判例理論(〈最大判昭53・10・5民集32巻7号1332頁〉など)が結びつくと,取消しによって債務者の財産を債務者に復帰させるという判例理論の中核部分が実現不能となってしまう。

このような問題点を回避するためには,本書のように,詐害行為取消権の意味を,債権者を害することを知ってなされた責任財産の移転の効力を債権者は否認することができると解するのがよい。すなわち,詐害行為の責任移転の効力は債権者に対抗できないと解し,債権者は,悪意の受益者,または,悪意の転得者の財産に対して,債務者の債権の範囲内で,転得者の名義になっている債務者の責任財産に対して強制執行ができると解するのが妥当である。

このように考えると,大判明44・3・27民録17輯117頁の事案と,問題解決の方向は,以下のように明確となる。

1. Xと債務者Y1との関係について:XはY1に対して債務不履行に基づく救済手段(強制履行,損害賠償,解除)を行使しうるが,Y1は無資力となっていることが多く,本件のように,重要な責任財産である山林がY2,Aへと譲渡された場合には,債務不履行では,十分な救済を期待できそうにない。

2. XとY2との関係について:目的物はすでにAへと譲渡されており,XはY2には,もはや追及力を有しない。したがって,不法行為に基づいて,Y2に対して損害賠償を請求することができるだけである。

3. XとAとの関係について:詐害行為取消権は,債権における追及効を実現するものだが,それは,抵当権等と同様,目的物の価値を把握するに過ぎないのであり,目的物の競売代金から配当を受けることはできるが,目的物の引渡,移転登記請求まで請求できるわけではない。

*図27 本書による
大判明44・3・27民録17輯117頁の解釈
B. 特定物債権を被保全債権とする詐害行為取消権(肯定)

特定物債権(代物弁済による不動産の引渡債権)に基づく詐害行為取消権の行使の可否が問題となった事例について,最高裁は,債務者がその目的物を処分することによって無資力となった場合には,たとえ,金銭債権に転化していなくても,特定物債権者は債務者の処分行為を詐害行為として取り消すことができると判示している〈最大判昭36・7・19民集15巻7号1875頁〉。

1.特定物引渡請求権を有する者も,その目的物を債務者が処分することにより無資力となった場合には,右処分行為を詐害行為として取り消すことができるものと解すべきである。

2. 抵当権が設定してある家屋を提供してなされた代物弁済が詐害行為となる場合に,その取消は,家屋の価格から抵当債権額を控除した残額の部分に限って許されると解すべきである。

3. 前項(2.)の場合において,取消の目的物が1棟の家屋の代物弁済で不可分のものと認められるときは,債権者は一部取消の限度で価格の賠償を請求するほかはない(補足意見がある)。

*図28 最大判昭36・7・19民集15巻7号1875頁
民法判例百選U第15事件

昭和36年の最高裁判決〈最大判昭36・7・19民集15巻7号1875頁〉は,特定物債権を保全するために詐害行為取消権を行使することは認められないとする大審院の判例〈大判大7・10・26民録24輯2036頁,大判昭8・12・26民集12巻2966頁〉を変更し,特定物債権のためにも詐害行為取消権の行使が認められるとした。しかし,その理由には,特定物債権も,「究極において損害賠償債権に変じる」のであるから,金銭債権と異ならないことが付け加えられている。そして,この最高裁判決の補足意見は,特定物債権は,詐害行為時までに金銭債権に変化している必要があるとしている。通説は,これを受けて,取消権行使時までに金銭債権に変じていればよいとしている[我妻・債権総論(1954)180頁]が,被保全債権が金銭債権となっていることは要件とされている。

債権者代位権が特定物債権を保全することができるのとは対照的に,詐害行為取消権は,あくまで,金銭債権を保全するために,目的物に対して追及して,目的物に対して強制執行ができる権利である。したがって,詐害行為取消権をもって,目的物の返還請求や移転登記請求を求めることはできないと考えるべきである〈最大判昭53・10・5民集32巻7号1332頁〉。

本件の場合には,受益者に対して,価格の賠償を求めるほかはないことになる。そして,受益者に対する価格賠償は,不法行為に基づく損害賠償に他ならないと考えるべきであろう。

*図29 本書による
最大判昭36・7・19民集15巻7号1875頁の解釈
C. 受益者である債権者の詐害行為取消権者に対する分配請求権(否定)

債務者が十分な資力を有しない状態で,一人の債権者〔Y〕だけが主要な財産から弁済を受けたために,他の債権者〔X〕が実質的に債務の履行を受けられなかったという場合,弁済を受けることができなくなった債権者〔X〕が受益者〔Y〕の行為を詐害行為取消権によって取り消した場合,詐害行為取消権の効果は,「すべての債権者の利益のためにその効力を生じる」[民法425条]とされている。そのため,受益者〔Y〕も,債務者に対する強制執行手続きにおいて,債権額に応じた配当要求をして,受益の一部を保持することができるかどうかが問題となる。

この点について,昭和46年最高裁判決〈最二判昭46・11・19民集25巻8号1321頁〉は,債権者〔X〕が,債務者「A〕の受益者〔Y〕に対する弁済行為を取り消し,かつ,取消による弁済額の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において,受益者〔Y〕が,弁済額を債権者〔X〕の債権額と自己の債権額とで按分し,受益者〔Y〕に対応する按分額につき,支払を拒むことはできないとして,債権者でもある受益者〔Y〕による分配請求に基づく抗弁を排斥している。

最二判昭46・11・19民集25巻8号1321頁 民法判例百選U第19事件
 本来,詐害行為取消権は,債務者の一般財産を保全するため,とくに取消債権者において,債務者受益者間の詐害行為を取り消したうえ,債務者の一般財産から逸出したものを,総債権者のために,受益者または転得者から取り戻すことができるものとした制度である。
 もし,本件のような弁済行為についての詐害行為取消訴訟において,受益者である被告が,自己の債務者に対する債権をもって,いわゆる配当要求をなし,取消にかかる弁済額のうち,右債権に対する按分額の支払を拒むことができるとするときは,いちはやく自己の債権につき弁済を受けた受益者を保護し,総債権者の利益を無視するに帰するわけであるから,右制度の趣旨に反することになるものといわなければならない。
 ところで,取消債権者が受益者または転得者に対し,取消にかかる弁済額を自己に引き渡すべきことを請求することを許すのは,債務者から逸出した財産の取戻しを実効あらしめるためにやむをえないことなのである。その場合,ひとたび取消債権者に引き渡された金員が,取消債権者のみならず他の債権者の債権の弁済にも充てられるための手続をいかに定めるか等について,立法上考慮の余地はあるとしても,そのことからただちに,いわゆる配当要求の意思表示に,所論のような効力を認めなければならない理由はないというべきである。
*図30 最二判昭46・11・19民集25巻8号1321頁 民法判例百選U第19事件

債権の抜け駆け的な回収を計ろうとする債権者が競合した場合に,公平の観点から問題の解決を行うことが,法の最も重要な役割であろう。Yは,債権者を害することを知りながら,抜け駆け的に債権回収を計ろうとした受益者であり,民法425条の趣旨に反する行為であることは明らかである。しかし,昭和46年の最高裁判決のように,競合する債権者Yを排除して,詐害行為取消権を行使するXに,その債権全額についての回収を認めるのでは,結果的に,Yに遅れてやってきた債権者Xによる抜け駆け的な債権回収を許すことになってしまう。その結果が,民法425条の趣旨に反した不公平なものであることは明らかである。

抜け駆けを企図したYの制裁として,Yの債権者としての主張を排斥する最高裁の義憤は理解できるが,その結果は,結局,正義の実現にも,公平の実現にも寄与しておらず,法の解釈を誤っているといわざるを得ない。公平の観点からは,民法425条の趣旨に立ち返り,抜け駆けをしようとした債権者Yと,民法424条を利用して公然と抜け駆けを主張する債権者Xとを平等に取り扱い,Yの債権額に応じた按分額についての支払い拒絶の抗弁を認めるのが妥当である。

D. 詐害行為取消しに基づく債権者の自己に対する移転登記請求(否定)

詐害行為取消権は,債権者代位権とは異なり,目的物の直接の明渡しや登記請求に利用することができないことを明らかにしたのが,昭和53年最高裁大法廷判決〈最大判昭53・10・5民集32巻7号1332頁〉である。

1. 特定物引渡請求権(特定物債権)は,窮極において損害賠償債権に変じうるのであるから,債務者の一般財産により担保されなければならないことは,金銭債権と同様であり,その目的物を債務者が処分することにより無資力となった場合には,該特定物債権者は右処分行為を詐害行為として取り消すことができる(最大判昭36・7・19民集15巻7号1875頁)。

2. しかし,民法424条の詐害行為取消権は,窮極的には債務者の一般財産による価値的満足を受けるため,総債権者の共同担保の保全を目的とするものであるから,このような制度の趣旨に照らし,特定物債権者は目的物自体を自己の債権の弁済に充てることはできないものというべく,目的不動産についてされた債務者の処分行為を詐害行為として取り消す場合に,特定物の引渡請求権に基づいて直接自己に所有権移転登記を求めることは許されない。

*図31 最大判昭53・10・5民集32巻7号1332頁
民法判例百選U第16事件

本書の立場では,最高裁の結論を,より単純に疑問の余地なく説明することができる。

本書の立場によれば,詐害行為取消権の本質は,債務者がその責任財産につき,債権者を害する目的で受益者等に移転した場合に,そのような詐害的な責任財産の移転を債権者に対抗できなくなること,すなわち,債権者は,名目上の移転を否認して,受益者・転得者に移転した債務者の財産に対して強制執行をし,債権の満足を得ることである。

ここでいう債権の満足は,金銭債権の満足に限定されるから,債権者が目的物の引渡や移転登記を請求することはできない。その意味で,最高裁が,「不動産の引渡請求権者は,目的不動産についてされた債務者の処分行為を詐害行為として取り消す場合に,直接自己に対する所有権移転登記手続を請求することはできない」としているのは,正当である。

*図32 最大判昭53・10・5民集32巻7号1332頁
民法判例百選U第16事件の本書による説明
E. 債権譲渡通知に対する詐害行為取消権(否定)

債権者が競合する場合の問題として,債権者と抜け駆け的に債権を回収した受益者との間の競合問題については,前記C.で検討した。ここで取り扱うのは,債権の二重譲渡の場合における詐害行為取消権の行使の問題である。

債務者Aの債権をYらが譲り受けたが,その債権は,Yらの債権の成立以前にすでにXに譲渡されていたために,詐害行為取消権の対象とならないことが明らかであった。しかし,Xへの債権譲渡の対抗要件である譲渡通知は,Yらの債権の成立以後になされていたことが判明した。そこで,Yらは,債権譲渡そのものは取消しできないとしても,対抗要件である債権譲渡通知(準法律行為)に対しては,詐害行為取消権を行使することができるのではないかと考え,詐害行為取消権の行使を行った。第1審,第2審は,このような詐害行為取消権の行使を認めたので,Xが上告した。

平成10年の最高裁判決〈最二判平10・6・12民集52巻4号1121頁〉は,確定日付のある債権譲渡の通知は,債権譲渡行為自体と切り離して詐害行為取消権行使の対象とすることができないとして,詐害行為取消権の対象とならないと判示した。

最二判平10・6・12民集52巻4号1121頁 民法判例百選U第17事件
 債務者が自己の第三者に対する債権を譲渡した場合において,債務者がこれについてした確定日付のある債権譲渡の通知は,詐害行為取消権行使の対象とならないと解するのが相当である。けだし,詐害行為取消権の対象となるのは,債務者の財産の減少を目的とする行為そのものであるところ,債権の譲渡行為とこれについての譲渡通知とはもとより別個の行為であって,後者は単にその時から初めて債権の移転を債務者その他の第三者に対抗し得る効果を生じさせるにすぎず,譲渡通知の時に右債権移転行為がされたこととなったり,債権移転の効果が生じたりするわけではなく,債権譲渡行為自体が詐害行為を構成しない場合には,これについてされた譲渡通知のみを切り離して詐害行為として取り扱い,これに対する詐害行為取消権の行使を認めることは相当とはいい難いからである。
*図33 最二判平10・6・12民集52巻4号1121頁 民法判例百選U第17事件
F. 離婚に伴う財産分与・慰謝料請求に対する詐害行為取消権(肯定)

民法424条2項は,詐害行為取消権の行使要件に関して,「財産権を目的としない法律行為については,適用しない」と規定しているため,離婚に伴う財産分与に対して,分与者の債権者が詐害行為取消権を行使することができるかどうかが問題となる。

最高裁昭和58年判決は,この点について,「離婚に伴う財産分与は,民法768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり,財産分与に仮託された財産処分であると認めるに足りるような特段の事情のない限り,詐害行為として債権者による取消の対象となりえない」と判示して,事案の解決としては,詐害行為取消権の行使を否定していた。

これに対して,最高裁平成12年判決〈最一判平12・3・9民集54巻3号1013頁〉は,離婚に伴う財産分与・慰謝料支払合意について,最高裁として初めて詐害行為取消権の行使を肯定した。

1. 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意は,民法767条3項の規程の趣旨に反してその額が不相当に過大であり,財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情があるときは,不相当に過大な部分について,その限度において詐害行為として取り消されるべきである。

2. 離婚に伴う慰謝料として配偶者の一方が負担すべき損害賠償債務の額を超えた金額を支払う旨の合意は,右損害賠償債務の額を超えた部分について,詐害行為取消権行使の対象となる。

*図34 最一判平12・3・9民集54巻3号1013頁 民法判例百選U第18事件

5 詐害行為取消権の行使要件


A. 客観的要件

詐害行為取消権の第1の行使要件は,債務者自身の行為によって責任財産が減少し,債権者の債権を満足させるのに足りなくなることである。一部の債権者に弁済することは,それだけでは原則として詐害行為とならない〈大判大5・11・22民録22輯2281頁〉。ただし,以下の場合には,債権者に対する弁済であっても,例外として,詐害行為となる。

詐害行為取消権の対象となる法律行為は,財産上の法律行為でなければならない[民法424条2項]。先に述べたように,離婚に伴う適正な財産分与〈最二判昭58・12・19民集37巻10号1532頁〉,認知,相続の放棄等は,たとえ,債務者の財産状態を悪化させるものであっても,詐害行為とはならない。ただし,離婚に伴う財産分与として金銭を給付する旨の合意が,不相当に過大な場合には,その過大部分についてのみ,詐害行為として取り消される〈最一判平12・3・9民集54巻3号1013頁〉。

B. 主観的要件

債務者および受益者・転得者が詐害行為の当時または財産の取得の当時,その行為によって債権者を害することを知っていたことが第2の要件である。

詐害行為の成立には債務者がその債権者を害することを知って行為を行なったことを要するが,必ずしも債権者を害することを意図し,若しくは欲して行なったことを要しない〈最三判昭35・4・26民集14巻6号1046頁〉。

責任財産を減少させる行為と無資力要件とは,密接に関連している。責任財産を減少させても,債権の弁済が可能である(無資力にならない)ならば,それは詐害行為にはならない。その意味で無資力は詐害行為の時点では必要がなく,詐害行為の結果によって無資力になれば,その要件が満たされるという関係にある。反対に,すでに無資力であれば,責任財産を減少させる行為は,常に詐害行為となる。

6 詐害行為取消権の行使方法

A. 裁判上の請求

詐害行為取消権は,必ず裁判所に訴えを提起することを要する[民法424条1項本文]。それでは,裁判上の請求が必要ということは,必ず請求の形式によるべきであって,裁判上であっても,抗弁として主張することは許されないと解すべきであろうか。

確かに,実務では,「裁判所に請求することができる」という条文の意味を一般的に,「抗弁の方法によることは許されない」と解しているようである。しかし,詐害行為取消権と性質を同じくする,破産法上の「否認権」の行使に関しては,破産法173条は,「否認権は,訴え,否認の『請求又は抗弁によって』,破産管財人が行使する」と規定しており,裁判上の請求だけでなく,抗弁による行使を認めている。そして,民法上の詐害行為取消権と破産法上の否認権とは,性質がほぼ同じであることを考えると,「抗弁による行使」に関して明文の規定のある破産法173条の規定を,明文に規定のない民法424条の場合にも準用または類推するというのも,穏当な考え方であるといえよう。

この問題に関して,昭和39年最高裁判決〈最二判昭39・6・12民集18巻5号764頁〉は,以下のように述べて,この考え方(詐害行為取消権の裁判上の「抗弁」による行使)を否定している。

 取消しうべき法律行為の取消については民法123条に「相手方ニ対スル意思表示ニ依リテ之ヲ為ス」と規定し,否認権の行使については破産法76条〔現行破産法173条〕に「訴又ハ抗弁ニ依リ破産管財人之ヲ行フ」と規定しているのに反し,詐害行為の取消については,民法424条に「裁判所ニ請求スルコトヲ得」と規定しているから,訴の方法によるべく,抗弁の方法によることは許されないものと解するのを相当とする(〈大判明30・10・15民録3輯9巻58頁〉,〈大判大5・11・24民録22輯2302頁〉参照)。

しかし,最高裁の判決理由は,性質を同じくする詐害行為取消権と否認権とについて,なぜ取扱いを別にしなければならないのか,その実質的な説明を欠いており,説得力を有しない。民法424条の文言解釈からしても,「裁判所に対し,請求によってしなければならない」と書かれているわけではなく,単に「裁判所に請求することができる」とされているだけなのであるから,性質を同じくする破産法173条の否認権の場合と同様にして,「請求又は抗弁」によって,裁判所を通じて行使することができると解することも可能であろう。

B. 訴えの相手方

詐害行為取消権の行使に際しては,債務者は被告とすることができない。したがって,債権者は,受益者または転得者のみを被告として訴えを提起することになる。すでに述べたように,詐害行為取消権は,債務者から受益者または転得者へと逸失した財産に対して,責任移転の効力を否認し(責任的無効),債権者が受益者または転得者名義となっている逸失財産に対して直接に強制執行を行うことを実現する制度である。したがって,詐害行為取消権の相手方は,債務者ではなく,逸失された財産について執行ができる受益者または転得者になるのである。

以上の趣旨からすると,受益者のほかに転得者がいる場合には,本来的には,転得者だけを相手にすべきであるが,受益者に対しても,価格賠償をすることが認められている。これは,先に述べたように,悪意の受益者に対する不法行為に基づく損害賠償として考えることが可能である。なぜなら,悪意の受益者は,たとえ,第三者(転得者)に財産を移転しても,共同不法行為者として連帯責任を負わされるからであり,その責任のとり方として,価格賠償責任を負わされるからである。


□ 学習到達度チェック(5) 詐害行為取消権 □

  1. 詐害行為取消権の性質について
  2. 詐害行為取消権における「取消し」の意味について
  3. 詐害行為取消権の取消しの効果について

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