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著書紹介

作成:2015年09月21日
明治学院大学法学部教授 加賀山 茂



Ⅰ 著書の出版年順の紹介(表紙写真・概要説明)

 No.  書名  写真  要約 書評 

01

 加賀山茂
『法律家のためのコンピュータ利用法-論理プログラミング入門』
有斐閣
(1990/2)
 Prolog(Programming in Logic)という論理プログラミングを使うと,法律家の仕事がどの程度,楽になるかをプログラムの書き方を示しながら説明するもの。
 すべての仕事を,「初期設定,および,NとN-1との関係」の工程というように,数学的帰納法に近似したものとして捕らえなおし,その方法でプログラミングすると,仕事の効率化が達成できるとしている点が新しい試みである。
 

02

加賀山茂
『民法体系1 総則・物権』
信山社
(1996/10) 
 民法総則と物権について,占有を物権から切り離し,本権(物権だけでなく,占有を伴う債権(賃貸借,寄託などを含む)を証明したり,取得したりするものとして,総則に位置づけし直すほか,担保物権を優先権を有する債権として,債権に位置づけ,物権から除外するという新しい体系に基づき,民法入門,民法総則・物権を分かりやすく解説するもの。
 Wordで執筆し,それをプリントアウトしたものをそのまま印刷・製本するという新しい試みでもある。
 

03

 加賀山茂=松浦好治編著
『法情報学=ネットワーク時代の法学入門(CD-ROMつき)』〔第2版〕
有斐閣(2002/12)
 法律専門家の思考と作業を分析することによって,コンピュータを利用して効率化すべき部分と,手作業によらざるを得ない部分とを明確に区別し,添付されたCD-ROMを利用して読者に実際に実習を行わせることにより,法律専門家の行う作業を疑似体験させ,法律専門家のノウハウを修得させようとするもの。
 ネットワーク社会の進展に対応して、上記の第1版を全面的に改定した第2版。
 本人担当部分:2.2章,4章
 分担執筆:加賀山茂,門昇,田中規久雄,松浦好治,養老真一
 ・瀬川 信久「加賀山茂・松浦好治編『法情報学--ネットワーク時代の法学入門』」月刊法学教室236号(2000/05)8頁
 ・福永清貴「法学部における法情報処理教育の一実践例--「加賀山茂・松浦好治編著『法情報学ネットワーク時代の法学入門』」利用の体験的報告」企業法研究13号(2001/03)196-173頁

04

 加賀山茂
『現代民法 学習法入門』
信山社
(2007/11)
   従来の法学部の学生が2~3年をかけて民法を学習してきたのに対して,法科大学院の学生はわずか1年間で民法すべてをマスターしなければならないため,従来のような学習法では,講義についていくことができない。
 本書では,1年間で民法をマスターできるように,学習目標の設定の仕方(新しい問題が解けるようになる),法律家の思考方法(IRAC)の解明,民法の構造(一般法と特別法との絶妙な組み合わせ),および,実際の学習法のノウハウ(記憶法,比較研究法,解釈方法論)を明らかにしている。
 

05

 加賀山茂
『契約法講義』
日本評論社
(2007/11,2009)
   法科大学院で契約法を講義するために,従来の民法の編別を解体し,民法総則,債権総論,債権各論の中から,契約に関連するすべてのトピックスを,(1)契約の流れ(契約の成立,契約の有効・無効,契約の効力,契約の履行,契約の不履行とその救済)によって,新たに編成し直すととともに,契約の多様な形態を(2)類型論として体系化した,わが国ではじめての契約法全体の体系書。  平野裕之「ライブラリー 書評 加賀山茂著『契約法講義』」法学セミナー 53巻3号(2008/03)119頁

06

 加賀山茂
『現代民法 担保法』
信山社
(2009/12)
   債権総論の多数当事者の債権債務関係(保証,連帯債務)と物権(担保物権)に分離されていた担保法について,「債権の掴取力の強化」という統一的な視点から,担保法全体を統合したわが国で最初の担保法の体系書。
 債権の掴取力の強化は,量的強化(責任財産の複数)としての人的担保(保証と連帯債務),質的強化(債権者平等原則の例外としての優先弁済権)としての物的担保(いわゆる担保物権)とに2分されるが,いずれも,付従性という共通の性質を保持している。私は,この書籍の出版をもって,「担保法革命2009」が始まったと宣言している。
 松岡久和「民法学のあゆみ 加賀山茂著『現代民法 担保法』」法律時報84巻6号( 2012/06 ), 105-110頁

07

 加賀山茂
『債権担保法講義』
日本評論社
(2011/9)
 担保法を債権の掴取力の強化という概念から出発し,その「量的」強化として人的担保(保証と連帯債務)を,その「質的」強化を物的担保(担保物権)として位置づけ,その展開過程を29回の講義案としてまとめ上げた教科書。
 統一的な理論がないために原則よりも例外が多く,暗記に頼らざるを得なかったこれまでの教育環境を一変することを目指した革新的な教科書である。
 民法判例百選ⅠⅡ(別冊ジュリスト)に掲載されている該当判例について,その事実関係と法律関係を全て図解しているのも大きな特色となっている。
 松岡久和「民法学のあゆみ 加賀山茂著『現代民法 担保法』」法律時報84巻6号( 2012/06 ), 105-110頁

08

 加賀山茂
『DVD講義  ビジュアル民法講義シリーズ1 民法入門・担保法革命』
信山社
(2013/12)
   2013年2月1日に収録した法科大学院での講義「民法入門」(60分講義),「担保法革命」(90分講義)をDVDと録音速記の本文に辛口コラム,参考文献,索引をつけて信山社から出版したもの。
 DVDを見て,全体像を掴むことができる上に,本文で判例の出典等を確認しながら,もう一度DVDを丹念に見る事によって,民法の全体像と担保法の全体像を構造的に理解できるように配慮されている。
 現在,教育改革の焦点となっている「反転授業」に対応している点が特色となっている。
 

09

 加賀山茂
『民法(債権関係)改正法案の〔現・新〕条文対照表』<条文番号整理案付>
信山社
(2015/7)
  2015年3月31日に国会に提出された民法(債権関係)改正法案に関する法務省の「新旧対照条文」が,あまりにもずさんで,新旧対照表の体をなしていないため,現行条文が改正法案によってどの部分がどのように改正されるのかを正確に対照したもの。
 第1部は,現・新条文番号対照表,第2部は,現・新条文の内容の詳しい対照表,第3部は,法務省の対照条文に第3段目を加え,対照の誤りと,最低限の批判的コメントを付している。
 現行法からも,また,改正案からも,どちらからでも対照条文へとアクセスできる点が特色となっている。
 
10  加賀山茂
『民法改正案の評価-債権関係法案の問題点と解決策-』
信山社
(2015/11)


ビデオ教材(50分)
PowerPoint
PDF
 2015年3月31日に国会に提出され,審議待ちとなっている民法(債権関係)改正法案について,改正に全く係わらなかった民法学者の一人として,改正法案の「第三者評価」を行うもの。
 上記の改正法案とともに国会に提出された「改正理由」,および,2009年の「諮問第88号」(民法制定後の社会・経済の変化に対応し,かつ,国民一般にとって分かりやすいものととする)に照らしても,今回の改正案は,法案を破棄すべき「改正理由および諮問に適合していない(諮問不適合)」であることを論証している。
 単に批判的な評価にとどまらず,改正法案に対する対案として,改正案の修正案を明らかにしているのが本書の特色となっている。
 左の欄にあるビデオ教材は,50分で,今回の改正案の問題点を知ることができるので,クリックしてご覧いただきたい。
 
11  加賀山茂
『民法条文100選
100ヵ条で学ぶ民法
(ひゃくみん)』
信山社
(2017/2/24)
 

はじめに・目次(PDF
  民法1条~1044条までの民法全条文の中から,裁判所によって最も頻繁に適用された100ヵ条(民法条文・適用頻度ベスト100)を選定し,条文順に解説を試みたわが国で最初の学習書。
 体系的な理解を促すための解説は,論理的に破綻している通説・判例に対して容赦ない批判を行っているものの,100ヵ条の条文ごとに基本判例,および,最新判例(平成25年以降のもの)の要旨を収録しており,短期間で民法の全体を概観したい人,短期間で民法全体を教えたい人の教材としても,参考になると思われる。
 アクティブラーニング・反転授業にも対応できるように,第15章では,予習問題,グループ討議の課題,学習到達度チェック問題なども掲載して,教材としても利用できる工夫を行っている。
 

Ⅱ 著書の体系的分類

A. 民法

B. 消費者法

C. 法情報学


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