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作成:2015年9月6日
明治学院大学法学部教授 加賀山 茂
- 予習教材を作成する際に,これまで私は,使用する教科書の頁数を指定するか,講義で利用するプレゼンテーションファイルをホームページにアップロードしておき,学生たちに予習をしてもらうことにしてきた。
- しかし,この方法には,以下のような問題があった。
- 第1に,教科書は,物語としての事実関係や静的な論理を説明するには適しているが,事実関係の変化とか,論理の動的な展開とかを,前後関係や全体と部分との関係を考慮して,「行きつ,戻りつ」動的に説明するには,不十分である。
- 第2に,プレゼンテーション・ファイルは,作成者自身が使うには,イラストレーションを縦横無尽に利用したり,不十分な点を補ったりすることによって,動的な説明をすることができるが,それを学習者を含む他人が使った場合には,思い通りの効果をあげることができない。
- この点,事実関係の動的理解や,論理の展開を説明するためには,ビデオ教材を作成することが最適である。なぜなら,ビデオ教材は,動的な説明に適しているし,早送り,巻き戻しによって,学習効率を高めることができるだけでなく,音声という補助手段を通じて,学習者の理解を飛躍的に高めることができるからである。
ビデオ教材の作成の問題点は,それが思ったほど簡単ではなく,しかも,膨大な時間と経費が必要である。
- 第1に,プレゼンテーションファイルの作成の上に,ナレーションの原稿の作成,音声の録音とやり直し,ビデオ録画の作成,出来上がった録画の編集作業など,従来の講義の準備にかかる時間に比して,ほぼ10倍以上の時間を費やさなければならない。
- 第2に,学生に予習をする気にさせる気の利いたビデオ教材を作成しようとすると,時間ばかりか,その経費もバカにならない。
- 60分用の講義資料を1本作成するのに,筆者の経験では,平均で30時間以上の時間が必要である。
- 撮影から編集までの経費は,それをアウトソーシングすると,数十万円の経費が必要となる。
- ロゴスウェア(株)のSTORM Makerというソフトウェアを使うと,PowerPointに読み上げ用のノートを付加するだけで,ノートを滑らかな合成音声で読み上げ,同時に,自動的にビデオ作品を制作してくれる。
- 余りの簡単さに感激し,早速,民法解釈方法のノウハウの詰まった,以下の作品を制作してみた。ご参照いただけると幸いである。
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