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作成:2017年1月1日
名古屋大学名誉教授・明治学院大学名誉教授 加賀山 茂
大分の実家での初日の出 |
加賀山茂『民法条文100選 -100ヵ条で学ぶ民法-』 信山社(2017) |
窓側 | 明治学院大学の研究室を退去 | ドア側 |
新住所:879-1504 大分県速見郡日出町大神 |
大分県日出町の実家に転居 (2階の書斎) |
電動アシスト自転車で街まで買物へ |
書斎から別府湾を臨む |
リフォームが完成した私の書斎 |
カラオケ店で「償還」の練習 |
矢部宏治 『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』 講談社現代新書 (2017/8/17) |
吉原祥子 『人口減少時代の土地問題 -「所有者不明化」と相続, 空き家,制度のゆくへ-』 中公新書 (2017/7/25) |
九重の大吊り橋を往復 |
太陽光発電パネル | 太陽光発電の蓄電装置 |
台風一過の逗子から 江ノ島,富士山を臨む |
ヘレン・ミアーズ(伊藤延司訳) 『アメリカの鏡・日本』 角川ソフィア文庫 (原書:1948,本書:2015) |
読み終えた「簿記3級」通信講座の テキスト4冊(合計1,040頁) |
森美智代 『簿記の基礎』〔改訂版〕 税務経理協会(2007) |
名目勘定 | 収益・費用の諸勘定 | → | 損益勘定 | → | 損益計算書 |
実在勘定 | 負債・資本の諸勘定 | → | 残高勘定 | → | 貸借対照表 |
中村忠『簿記の考え方・学び方』 〔5訂版〕税務経理協会(2006) |
商 品 | ||||||
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資 産 | 負 債 (他人資本) |
資 本 (自己資本) (純 資 産) |
費 用 |
収 益 |
当 期 純 利 益 (資本へ組入れ) |
渡邉泉『会計学の誕生 -複式簿記が変えた世界-』 岩波新書(2017/11/21) |
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井ノ上陽一 『新版 ひとり社長の経理の基本』 ダイヤモンド社( 2016/8/5) |
田中優子=松岡 正剛 『日本問答』 岩波新書(2017/11/22) |
高橋良和『経理でプロフェッショナルを 目指す人のための最強の経理実務 Excel 教本』ソシム(2017/9/25) |
小泉=田村=駒田=上野編 『著作権判例百選』〔第5版〕 有斐閣(2016/12/13) |
最二判昭59・1・20民集38巻1号1頁(顔真卿自書建中告身帖事件,上告審判決)に即していえば,顔真卿の作品,および,その複写物は,すべて,著作権法第1条に規定されている「著作物」,すなわち,有体物であって,無体物の側面を持つわけではありません。顔真卿の作品(著作物)が体現している「創作的表現」(著作権法第2条1項1号参照),および,それに対する著作権こそが無体物なのです。
つまり,著作権法第1条に規定されている著作物(有体物),または,実演,レコード,放送および有線放送(無体物)に対して著作権(無体物)が問題となるのであって,有体物が無体物の側面を持つわけではないのです。
したがって,最高裁昭和59年判決における,「美術の著作物の現作品は,それ自体有体物であるが,同時に無体物である美術の著作物を体現している」という判決文は,以下のように解釈されるべきです。
第1に,美術の著作物の現作品は,それ自体,著作権法第1条に規定されている著作物(有体物)である。
第2に,美術の著作物が体現している「創作的表現」(著作権法第2条1項1号参照),および,その著作権は,無体物である。
もしも,有体物が,他方で無体物としての側面をも有することがありうるという解釈を行ってしまうと,民法85条が,「物とは有体物をいう」としている意味が理解できなくなってしまいます。なぜなら,民法が「物」と規定している場合には,それは,常に「有体物」を意味し,「物」という用語から「無体物」を排除しているという民法の基本的な立場(立法趣旨)さえ理解できなくなってしまうからです(民法では,有体物である「物」と無体物である「権利」とを厳しく区別しています(例えば,民法422条の「物及び権利」という表現がその例です)。そして,対象に無体物が含まれているばあいには,「物」ではなく「もの」と規定しています(例えば,民法335条2項の「特別担保の目的とされていない『もの』」という表現とか,民法362条2項の「証書を交付することを要する『もの』を質権の目的とするとき」とかの表現)が参考になります)。
さらに,上記の判例解説における「著作権の客体は無体物である。著作権は『著作物』を客体とし(著作権法21条以下),著作権法上,『著作物』とは『思想又は感情を創作的に表現したもの』(著作権法2条1項)と定義されているからである。」という箇所は,条文の表現形式を無視しているように思われます。なぜなら,著作権法第1条は,著作権の客体である「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法第2条1項1号)を有体物である「著作物」と無体物である「実演,レコード,放送及び有線放送」(著作権法第2条1項3号~9の2)に分けて規定しており,著作権の客体には,有体物も無体物も含まれているのです。したがって,著作権の客体を無体物に限定することは,著作権法第1条の表現形式を無視しているといわなければなりません。
いずれにせよ,民法の条文の文言に徹底的にこだわている私が,著作権法の分野に乱入することになれば,著作権法の分野でも,パラダイム転換が起こることになりそうで,ワクワクしながら,著作権判例百選を読んでいます。(訪問者数14,475人)
今年も今日で終わりです。今年は,明治学院大学法学部を定年退職し,大分の実家での年金生活に移行する節目の年でした。
長々と書き続けましたが,以上が私の今年の総括です。皆さま,よいお年をお迎えください。そして,来年もよろしくお願いいたします。
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