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作成:2019年1月1日
名古屋大学名誉教授・明治学院大学名誉教授 加賀山 茂
2019年のホームページの更新記録を兼ねた,私の教育・研究・生活の日誌です。
私が,日々,どこで,何を考え,何をしたのかを記録しております。
ただし,個人名(公刊物の著者名等を除く)を含めて,プライバシーに関することは記録していません。
2018年の総括を踏まえて,以下のように,2019年の目標を設定しました。このページの最後に記録されることになる「2019年の総括」,および,「2019年の業績」において,この「2019年の目標」が達成されたか否かが検証されることになります。
高い目標を立てると,それを実現することは至難の業ですが,人間は安きにつきやすく,面倒くさいことを嫌う傾向にあるため,明確で高い目標を立てておかないと,業績を上げることができないのも世の常です。
確かに,夢を見れば,その実現のために辛いことや,面倒なことが多くなりますが,夢を見ずにいられないのも人間なのですから(中島みゆき,”May
be"),そこは割り切って,自分のできる限りの高くて明確な目標を設定し,その目標を達成するために日々努力を重ねることしか,充実した人生を送る方法はないのかもしれません。
- 自身の自立
- 昨年の目標として掲げたが,実現できなかったので,以下のように,「寺子屋ひじ塾」の開設準備の仕上げをもって今年度の目標とする。
- 自立支援のためのボランティア無料塾「寺子屋ひじ塾」の来年度4月開設に向けて,経理(財務諸表の作成,給与計算,税務計算)の仕事がひとりでできるように,Excelと会計ソフトをマスターする。
- 学問への貢献
- 民法学への貢献
- 『求められる「一括繰上げ請求」の禁止 -期限の利益の喪失条項が無効となる場合とは?-』信山社ブックレット(2019/2)の執筆を行い,刊行する。
- 『求められる 保証人の責任軽減 -「保証契約」の無効の法理』信山社ブックレット(2019/4)の執筆を行い,刊行する。
- 『求められる 家族の定義』信山社ブックレット(2019/12) を執筆する。
- 昨年の目標として掲げたが,実現できなかった『法律学の森 事務管理・不当利得・不法行為』信山社(2018/6)の執筆を行い,刊行する。
- 『ルネサンス民法』信山社(2019/8)の編集を行い,刊行を開始する。
- 『末川民事法研究』第4号(電子出版)の編集・査読を行い,刊行する。
- 消費者法への貢献
- 昨年の目標として掲げたが,実現できなかった,『現代消費者法入門』民事法研究会(2018)の執筆と編集を行う。
- 法情報学への貢献
- 昨年度に引き続き,著作権法の基本書・判例集を読みこなし,著作権法と民法学との橋渡しのための構想をまとめる。
- 法と経営への貢献
- 『法と経営研究』〔第3号〕信山社(2018)の編集・査読を行い,刊行する。
- 社会への貢献
- 地方創生に役立つ自立支援のための「寺子屋ひじ塾」の開業と運用
- 教材費用,授業料,飲食費,すべて無料(すべて塾負担,収入ゼロ)の「寺子屋ひじ塾」を開設し,別府税務署に個人事業の開業届書を提出する。塾運用の資金は,すべて私の年金以外の収入(28万円/月),資産,および,理解者に寄付を募ってそれで賄う。
- 開業初年度の「寺子屋ひじ塾」では,1週間に2日(月曜日,木曜日の午後6時~8時)の夜間コース,または,月に2回(第1,第3土曜日・日曜日の午後1時~5時)の休日コースのいずれかを開設し,塾生は,いずれかのコースを受講できるようにする(夏休み,冬休み,春休みは,初等教育機関と同様とする)。
- 初年度の塾生募集は,年齢・性別を問わず,高校を中退したり,大学進学を断念したりしたが,再チャレンジを希望する日出町,および,その周辺の平均収入20万円前後の住民を対象とし,採否は,筆記・面接試験で行う。採用を決定した塾生には,返還不要の奨学金(受講1回に付き5,000円,または,4万円/月)を振込みで支給する。
- 入塾適格者がいる場合には,いっしょに高校卒業認定資格試験とか,再就職に有利な資格試験とかの学習を行いながら,塾生がどこで躓いたのかを発見し,その時点に遡って,再学修を行い,資格試験の合格のため学習を支援(アクティブラーニングのコーチング)を行う。塾生の脱退は自由で,追加募集は次年度まで行わない。
- 入塾適格者がいない場合には,次年度に備え,私自身が,高校卒業認定資格試験とか,再就職に有利な資格試験とかの学習を行い,次年度の塾生(2名)の入塾に備える。
- 塾生が高校卒業資格認定試験に合格した場合には,その中から,希望する2名を塾のボランティアのアシスタントとして採用し,塾生の対象を現役の小学・中学・高校生へと拡大すること(最大で6名)をめざす。ただし,収入ゼロの社会貢献であるため,塾生が2名を超える条件は,OB,篤志家からの寄付が年間で336万円を超えて得られるめどが立ったときからである。
- インターネット社会への貢献
- 金融取引の電子化に協力し,現金の利用を極限にまで減少させる。 少なくとも,法外な通貨発行益(seignorage)を生じさせている紙幣は利用しない。
- 法教育の普及
- 信山社ブックレットの執筆を継続的に行う。
- 昨年度の目標として掲げたが,執筆途中で棚上げしたままの法教育の普及のための絵本の原稿を執筆し,絵本作家の協力を得て,幼児のための法教育の絵本を出版する準備(本文の執筆)を行う。
- 引き続き,法教育の目標を「憲法79条2項の最高裁判所の裁判官の国民審査の実質化」とし,すべての市民が,最高裁判所の判決を読んで理解し,裁判官としての適否を判断できるレベルにまで到達するよう,法教育の内容と方法を研究する。
- 2019年1月1日(火) 晴れ後曇り
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初日の出
2019年1月1日 |
新年おめでとうございます。昨年の初日の出は,雲の切れ目からの初日の出でしたが,今年は,雲が少なく,くっきりとした初日を拝むことができました。
- 年頭に当たり,昨年の総括を踏まえて,このページの最初に今年の目標を記載しておきました。この目標を実現すべく,これからも,毎日,更新記録,および,教育・研究・生活日誌を記録していきますので,本年もよろしくお願いします。
- 昨年の10月9日に,このHPの閲覧者の延べ人数が2万人を超えました。今年の年末には,閲覧者の延べ人数が3万人に達することを期待しています。自らの励みのためだけでなく,閲覧者の方々にとっても,新規で有益な情報を提供できるように努める所存ですので,よろしくお願いします。
- 昨年をふり返り,昨日作成した昨年の業績に【概要】を追加したり,昨年の総括に写真等を追加したりして,より充実したものにしました。
- 年末に,留学生から日本語の博士論文の字句チェックを頼まれたので,チェックを行っています(第2日目)。博士論文のチェックは,自分にとっても,良い勉強になります。
- 執筆者が,Wordでの論文作成に必須と思われる,ナビゲーション機能を利用していないことが分かったので,ナビゲーションを使って,見出しを構造化しつつ,日本語の字句チェックを進めています。
- (HP訪問者の延べ人数:21,710人)
- 2019年1月2日(水) 曇り 後晴れ
- 留学生から依頼された博士論文の日本語のチェックしています。 (第3日目)
- Wordのナビゲーション機能を利用して,全ての見出しを構造化し,目次を自動作成してから,日本語の字句チェックを続けています。
- 撮り貯めしていた年末年始のテレビ番組を見て,お正月気分を満喫しました。
- (HP訪問者の延べ人数:21,730人)
- 2019年1月3日(木) 晴れ
- 留学生から依頼された博士論文の日本語のチェックしています。 (第4日目・完)
- 年末の1日と正月の3日間を使って,留学生が日本語で作成した15万字以上の博士論文の日本語チェックを行いました。午後10時に校正を完了して,本人に返却しました。
本人から,すぐに,お礼のメールが届きました。
- 専門分野は異なるのですが,博士論文の字句チェックを通じて,自分の知らない分野の最新の研究動向と課題を知ることができました。
- (HP訪問者の延べ人数:21,750人)
- 2019年1月4日(金) 晴れ
- 『法と経営研究』第2号の原稿の校正を開始しました。これには,自分のゲラ刷りの校正が含まれており,急いで作業に取り掛かりました。
- 加賀山茂「販売信用の構造分析と事実関係の可視性-『法と経営』融合実現のための法技術(その1)」の校正を行いました。
- 『法と経営研究』第2号のゲラ刷りを全般にわたって読み直し,字句チェックの外,コラムの配置について,検討しました。
- (HP訪問者の延べ人数:21,770人)
- 2019年1月5日(土) 曇り
- 『法と経営研究』第2号の原稿の校正を完了します。私の原稿部分をメールにて出版社に返送しました。残りは,地元の郵便局が開く月曜日に郵送しようとしたところ,レターパックは,ポストに投函できることに気づいたので,校正刷りをレターパックに入るようにA4裁断し,大神駅近くのポストに投函しました。
- 私の論文「販売信用の構造分析と事実関係の可視性-『法と経営』融合実現のための法技術(その1)」について,編者から参照文献を増やすよう方が良いとの提案があり,私の他の論文で引用している文献のうち,重要なものを本文と参照文献に追加しました。
- 編者,出版社との協議を終えて,『法と経営研究』第2号の編集作業を終了しました。
- (HP訪問者の延べ人数:21,790人)
- 2019年1月6日(日) 曇り後晴れ
- 昨年に引き続き,加賀山茂『求められる「一括繰上げ請求」の禁止 -「期限の利益の喪失条項」が無効となる場合とは?-』 の執筆を続けています。(第10日目)
- 期限の利益に関する立法資料として,法務大臣官房司法法制調査部監修『法典調査会民法議事速記録一』(日本近代立法資料叢書1)商事法務研究会(1983/12/16)329-359頁を読んで,議事内容の超翻案を完成させました(第5日目)。
- 法典調査会のメンバーの経歴を見てみると,委員の発言において,立法事実に関係する「私の職業上の経験から見て,…」という発言の意味がよく分かります。
- 例えば,期限の利益の喪失の要件に関する議論の中で,元田肇委員の「従前の職業上の経験から見みると」という発言におけるその職業が,弁護士であり,発言の当時は,衆議院議員であったことが分かります。
- また,長谷川喬委員の「私も職業上の経験からそのような事件をよく経験しております」という発言における職業が裁判官であり,発言の当時は,大審院の判事であったこともわかります。
- 穂積陳重の原案説明について,異論が出て,その結果,原案に対する修正案が出されると,梅謙次郎が,すかさず助け舟を出すという法則は,すでに,『法窓夜話』で明かされているのですが,私の経験では,「梅謙次郎が発言すると,土方寧委員が一言反論する」という法則があるのではないかと予想しています。このようにして,法典調査会の委員の発言パターンの法則を発見できるようになると,議論の本来の核心的内容と,それとは無関係な議論の雑音とを区別して理解できるようになるのではないかと思います。
- 法典調査会議事速記録を読みながら,少しずつ,法典調査会の委員の発言の順序やパターンを整理して行くと,将来的には,委員同士の「人物相関図」とか,「発言パターンの法則」を発見できるのではないかと期待しながら,議事録の翻案を続けています。
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奨学金問題対策全国会議編
伊東達也=岩重佳治=
大内裕和=藤島和也=三宅勝久
『日本の奨学金はこれでいいのか!
―奨学金という名の貧困ビジネス』
あけび書房(2013/11/1) |
参照すべき文献として,昨年に引き続き,奨学金問題対策全国会議編・伊東達也=岩重佳治=大内裕和=藤島和也=三宅勝久『日本の奨学金はこれでいいのか! ―奨学金という名の貧困ビジネス』あけび書房(2013/11/1)
を読んでいます。(第2日目)
- (HP訪問者の延べ人数:21,810人)
- 2019年1月7日(月) 晴れ
- 昨年に引き続き,加賀山茂『求められる「一括繰上げ請求」の禁止 -「期限の利益の喪失条項」が無効となる場合とは?-』 の執筆を続けています。(第11日目)
- 参照すべき文献として,昨年に引き続き,奨学金問題対策全国会議編・伊東達也=岩重佳治=大内裕和=藤島和也=三宅勝久『日本の奨学金はこれでいいのか! ―奨学金という名の貧困ビジネス』あけび書房(2013/11/1)
を読み終えました。(第3日目・完)
- 昨年末(2018年12月25日)に読んだ大内裕和『奨学金が日本を滅ぼす』朝日新書(2017/2/28)が,一人の著者(学者)による体系書であったのに対して,本書は,その著者を含めて,実務家(弁護士),ジャーナリスト,大学院生という奨学金問題にかかわってきた多彩な著者によって多面的な分析と対談による総合がなされています。
- 先の体系書(大内裕和『奨学金が日本を滅ぼす』朝日新書(2017/2/28))も,この本の知見を押さえて書かれており,奨学金問題を理解する上で,原点となる書物ということができると思います。
- 民法学研究会「生と死の法」での報告「改正民法によって削除された条文の意義-動的平衡という『生』を維持するための『死』の視点から-(仮題)」(2019/1/26)に備えるため,以前読んだことがある福岡伸一『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書(2007/5/20)のその後の研究成果を知りたくて注文していた福岡ハカセの「動的平衡」に関する以下の本が届いたので読み始めました。
- 福岡伸一『生命と食』岩波ブックレット(2008/8/6)
- 福岡伸一『新版 動的平衡1-生命はなぜそこに宿るのか(生命とは何か)-』小学館新書(2017/6/5)
- 福岡伸一『新版 動的平衡2-生命は自由になれるのか(生命はどこから来たのか)-』小学館新書(2018/10/8)
- 福岡伸一『動的平衡3-チャンスは準備された心にのみ降り立つ-』木楽舎(2017/12/1)
- (HP訪問者の延べ人数:21,830人)
- 2019年1月8日(火) 曇り後晴れ
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福岡伸一
『生物と無生物のあいだ』
講談社現代新書
(2007/5/20) |
民法学研究会「生と死の法」での報告「改正民法によって削除された条文の意義-動的平衡という『生』を維持するための『死』の視点から-(仮題)」(2019/1/26)に備えるため,以前読んだことがある福岡伸一『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書(2007/5/20)のその後の研究成果を知りたくて注文していた福岡ハカセの「動的平衡」に関する以下の本が届いたので読み,今日で読み終わりました。 (第2日目・完)
- 福岡伸一『生命と食』岩波ブックレット(2008/8/6)
- 福岡伸一『新版 動的平衡1-生命はなぜそこに宿るのか(生命とは何か)-』小学館新書(2017/6/5)
- 福岡伸一『新版 動的平衡2-生命は自由になれるのか(生命はどこから来たのか)-』小学館新書(2018/10/8)
- 福岡伸一『動的平衡3-チャンスは準備された心にのみ降り立つ-』木楽舎(2017/12/1)
- (HP訪問者の延べ人数:21,850人)
- 2019年1月9日(水) 晴れたり曇ったり
- 民法学研究会「生と死の法」での報告「改正民法によって削除された条文の意義-動的平衡という『生』を維持するための『死』の視点から-(仮題)」(2019/1/26)に備えるため,以前読んだことがある福岡伸一『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書(2007/5/20)のその後の研究成果を知りたくて注文していた福岡ハカセの「動的平衡」に関する以下の本の全てを昨日で読み終わりました。
- そこで,それぞれの本について,上記の『生物と無生物のあいだ』にどのような情報が追加されたかを確認するため,上記の『生物と無生物のあいだ』を読み直し,それぞれの本の特色を簡潔に表現する作業を開始しました。(第1日目)
- この作業が終わると,昨日列挙した4冊の本が,上記の『生物と無生物のあいだ』との比較で,何を追加したかという情報が付加されることになります。それは,おそらく,①狂牛病に関する新しい情報, ②動的平衡の数学モデル, ③生命の起源,
④iPS細胞(特にiPS細胞とがん細胞との関連性)に関する情報だと思われます。
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福岡伸一『生命と食』
岩波ブックレット(2008/8/6) |
福岡伸一『生命と食』岩波ブックレット(2008/8/6)
- 『生物と無生物のあいだ』に付加された情報①
- 第1に,「生きることと食べることの意味」(本書2-20頁)は,『生物と無生物のあいだ』の「砂上の楼閣」の比喩で始まる第9章(動的平衡とは何か),および,「ジグソーパズルのピース」の比喩から始まる第10章(タンパク質のかすかな口づけ)のほぼ要約となっています。しかし,「危うさを抱えて進む先端科学」という項目以降(本書14-20頁)は,『生物と無生物のあいだ』]では扱われていない,2006年に誕生したiPS細胞(誘導性多分化細胞)に言及しています。そして,「かたちの相補性」のルールに従う正常な細胞のとは異なり,身の程を忘れて無個性化し無限に増えることができるガン細胞とiPS細胞の共通点を指摘し,「生命から部分は取り出せない」ことを根拠に,「先端医療の危うさ」に言及しています。
- 第2に,「狂牛病が私たちに問いかけたこと」(本書21-45頁)では,狂牛病(BSE)について,その発生から,各国政府の対応,日本の現状について,非常に詳しく,しかも,分かりやすく論じられています。この点は,『生物と無生物のあいだ』では,「テレビの基盤の部品を剥がしても正常に映るテレビ」の比喩によって,生物と機械との違いを明らかにする第14章(数・タイミング・ノックアウト)の最後の項目「狂牛病のプリオンたんぱくの質の場合」(257-259頁)で,狂牛病が簡単に触れられているのとは異なっています。
- 第3に,「食の安全をどう考えるか」(本書46-62頁)においては,『生物と無生物のあいだ』では,触れられていない,「遺伝子組み換え食品」,「食品添加物」を例に挙げて,従来の食物のように長い時間をかけた経験に耐えうるかどうか,安ければよいのかという視点から,食物と環境と生命との関係を考えさせられる内容となっています。
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福岡伸一『新版 動的平衡
-生命はなぜそこに宿るのか-』
小学館新書(2017/6/5) |
福岡伸一『新版 動的平衡1-生命はなぜそこに宿るのか(生命とは何か)-』小学館新書(2017/6/5)
- 『生物と無生物のあいだ』に付加された情報②
- 第1に,『生物と無生物のあいだ』の第9章(動的平衡とは何か)では,ルドルフ・シェーンハイマー(1898-1941)が発見した生物の特色を表現する「身体構成成分の動的な状態(The
dynamic state of body constituents)という概念(163頁)について,筆者は,この概念を拡張して,「動的平衡(Dynamic
Equilibrium)」と位置づけています。本書では,平衡(Equilibrium)の意味を分解し,「equi=等しい」,「librium=天秤」と解説しています(261-262頁)。天秤といえば,等式を重んじる会計学と公平を重んじる法学の双方に通じる考え方であり,法律家にとって,非常に興味深い解説となっています。
- 第2に,生物を分子機械と考えるデカルト的機械論的生命観に対するアンチテーゼとして,ライアル・ワトソン『エレファントム』を取り上げ,伊藤若冲「象鯨図屏風」の挿絵とハーモナイズさせている箇所(270-271頁)には,本論を超える感動を禁じえませんでした。
- 第3に,第9章(動的平衡を可視化する-「ベルクソンの弧」モデルの提起)は,新版で追加された章であり,動的平衡理論の数学モデルへの接近として大きな意義を有すると思います。
- (HP訪問者の延べ人数:21,870人)
- 2019年1月10日(木) 晴れ後曇り
- 加賀山茂『求められる「一括繰上げ請求」の禁止 -「期限の利益の喪失条項」が無効となる場合とは?-』 の執筆を続けています。(第11日目)
- 1月12日に明治学院大学・消費者法研究会で,上記のテーマで報告するため,すべての章建てをおこない,中心となる第Ⅳ章(期限の利益の剥奪条項を無効とすることができる法理)を一応書き上げました。
- 法務大臣官房司法法制調査部監修『法典調査会民法議事速記録一』(日本近代立法資料叢書1)商事法務研究会(1983/12/16)329-359頁を読んで,議事内容の超翻案を1月6日に完成させていたので,それを取り込んでいます。
- 求められる「一括繰上げ請求」の禁止-「期限の利益喪失条項」が無効となる場合とは?
- はじめに
- Ⅰ 問題の所在
- 1.「一度でも遅延すれば一括弁済しなければならない」は本当か?
- 2.「一括繰り上げ請求条項」が社会的に是認されるに至った根拠は何か?
- 3.「一括繰り上げ請求条項」を無効とすることができる根拠条文の出現
- 4.期限の利益の喪失条項が無効である場合の法律関係
- Ⅱ 経営小説に見る期限の利益の剥奪例と法的根拠の悪用
- 1.池井戸潤『空飛ぶタイヤ』(下)講談社文庫(2013)第8章第6節の例
- 2.事例への銀行による期限の利益の剥奪の根拠条項の適用
- 3.銀行取引約定書等によって形成された社会通念の弊害
- Ⅲ 奨学金の返還遅延と「一括繰上げ請求」による悲劇
- 1.教育現場を混乱に陥れている奨学金=学生ローンの実態
- 2.奨学金の返還遅延による法外な「一括繰上げ請求」
- 3.学生ローンを抱えて結婚・出産をためらう社会人
- Ⅳ 期限の利益の剥奪条項を無効とすることができる法理
- 1.契約自由から契約正義への転換
- (1) 約款規制の法理としての契約正義
- (2) 弱者保護としての契約正義
- 2.期限の利益の喪失条項の起源と変遷
- (1) 民法135条の立法の趣旨と立法の経緯
- (2) 民法136条の立法の趣旨と立法の経緯
- (3) 民法137条の立法の趣旨と立法の経緯
- (4) 期限の利益に関する民法135条~137条の立法趣旨(まとめ)
- 3.「繰上げ一括請求」無効の法理
- Ⅴ 結論
- おわりに
- 参照文献
- (HP訪問者の延べ人数:21,890人)
- 2019年1月11日(金) 晴れ
- 明治学院大学・消費者法研究会で「求められる一括繰上げ請求の禁止」を報告するため,東京に出張しました。
- 小倉に向かう列車(ソニック)の中で,カバンから愛用のパソコン(Let's note)を取り出して,報告予定のレジュメを作成していると,突如,画面に「不都合が生じたため,更新をします」という趣旨の表示が現れ,その後,パソコンの画面中央に「Panasonic」の文字が出たまま,パソコンがフリーズ状態に陥り,いかなる入力も受け付けないという危機的な状態に陥りました。
- 昨年の夏の名古屋大学の集中講義の際に生じた危機的な状態と同じであり,前回はパニックになったのですが,今回は,冷静に対応することにしました。
- まず,画面に「Panasonic」という表示が出たままでフリーズしたパソコンをソニックから新幹線に乗り継ぐ際にも,辛抱強く電源を入れたまま放置し,画面の左下隅に起動を促す表示が現れるのを気長に待ちました。
- 乗り継いだ新幹線の中でも,じっと待ち続けること2時間以上,新大阪駅を過ぎた頃に,やっとのことで起動を促す表示が出てくれました。そこで,F2キーを押して起動画面に移り,試行錯誤を重ねながら,修復作業を行いました。
- 「全データを消去して,システムを立ち上げ直す」という操作を慎重に回避して,再起動させたところ,Windowsが立ち上がりました。これで危機的な状態を回避することができました。
- すぐさま,明日の報告のための文書,その他,緊急に必要なファイルをUSBメモリにバックアップし,明日の報告に用いる文書の作成作業に入ることができました。
- 経験を積むことによって,冷静な対応が可能になることを実感することができました。研究費で注文中の新しいパソコンが届いたら,すべてのデータをコピーし,かつ,常に,クラウドによるバックアップを行うことにしなければならないと思いました。
- 東京に到着後,QBハウスで少し伸びた髪をカットしてもらいました。その後,博士論文を作成中の学生に対して,創作的価値の意味を最近勉強した「エントロピー増大の原則」に抗う方法(マイナスのエントロピー)を発見することが創作的価値なのではないかとのアドバイスを行い,論文の根本的な練り直しと,論文執筆を加速することに寄与することができました。
- (HP訪問者の延べ人数:21,920人)
- 2019年1月12日(土) 曇り 後雨
- 明治学院大学・消費者法研究会に出席し,議論を愉しみました。
- 第1報告:不招請勧誘による被害状況と立法化にむけて解決すべき諸問題
- 1.不招請勧誘による被害とわが国による規制の動向
- 2.勧誘概念と広告概念をめぐる議論
- 私は,民法529条以下の「懸賞広告(例えば,『私の飼っている猫ちゃんが逃げたので,捜して連れ戻して下さった方には,10万円を差し上げます』という内容の新聞広告をしたり,協力要請のビラを配布したような場合)」,および,国連国際物品売買条約(ウィーン売買条約)14条2項(「申込みの誘引」の定義)を根拠に,以下のような議論を展開しました。
- 国連国際物品条約14条1項(申込みの定義)と14条2項(申込みの誘因の定義:一人又は二人以上の特定の者に対してした申入れ以外の申入れは,申入れをした者が反対の意思を明確に示す場合を除くほか,単に申込みの誘引とする。)とを比較しながら注意深く読んでみましょう。
- そうすると,国連国際物品条約14条2項(申込みの誘引の定義) における「反対の意思を明確に示す場合」というのが,実は,民法529条以下の「懸賞広告」に該当することがわかります。したがって,わが国においては,不特定多数の者に対する申入れ(勧誘と広告とを含む)は,原則として,「申込み」ではなく,「申込みの誘引」と考えなければなりません。ただし,不特定多数に対する申入れ(勧誘と広告とを含む)であっても,懸賞広告のような「債務負担意思」が明確になっている場合には,真正な「申込み」となるということになります。
- このように考えると,民法の視点からは,申込みに該当しない「勧誘」も「広告」も,区別する必要はなく,すべて,「申込みの誘引」として統一的に把握することができると考えるべきでしょう。
報告者からは,そのような解釈は,イギリスの一連の判決例(Partridge vs. Crittenden(1968), Fishuer vs. Bess(1961), Cawlill vs. Carbolis Smoke Ball Co.(1893), Bowerman vs. Association of British Travel Agents(1996))とも整合的であるとして,それらの判決の紹介が行われました。
- 3.迷惑行為としての取り締まり可能性
- 会員からは,消費者相談の観点としては,ネガティブオプション(送り付け商法)によって迷惑を被っている人が多い。これを不招請勧誘の視点から取り上げる必要があるのではないのかとの指摘があり,議論が大いに盛り上がりました。
- 私は,消費者契約法10条に新たに追加された文言である「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項」との関連で,以下のような指摘を行いました。
- ネガティブオプションについても,国連国際物品条約18条1項(申込みに対する同意を示す相手方の言明その他の行為は,承諾とする。沈黙又はいかなる行為も行わないことは,それ自体では,承諾とならない。)の後段である「沈黙又はいかなる行為も行わないこと」すなわち,「不作為は,原則として承諾にならない」という原則があり,その例外が,現行民法526条2項,改正民法では,527条(承諾の通知を必要としない場合における契約の成立時期),および,商法509条(契約の申込みを受けた者の諾否通知義務)なのです。
- さらに,消費者保護の観点から,それらの例外の例外として,ネガティブオプション(特商法59条(売買契約に基づかないで送付された商品))の規制があり,ネガティブオプションについて,民法526条2項(改正民法527条),および,商法509条の適用を排除しているのです。
- したがって,消費者契約法第10条に追加された「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項」という部分は,国連国債売買条約18条1項後段によって示されている「不作為は原則として承諾とならない」という法理がある以上,実は,不必要な追加であったと思われます。
- 第2報告:「求められる『一括繰上げ請求』の禁止-『期限の利益の喪失条項』が無効となる場合とは?-」を報告する予定でしたが,時間の都合,および,会員からの要望等があり,報告テーマを急遽変更して,「Wordを使った学術論文の書き方」について,実習を兼ねた報告を行いました。
- なお,今回報告する予定だったテーマは,来月の研究会(2月)で報告することに決まりました。
(HP訪問者の延べ人数:21,940人)
- 2019年1月13日(日) 曇り
- 明治学院大学・消費者法研究会での議論と報告を終えて,大分に帰ります。
- 列車の中で,加賀山茂『求められる改正民法の教え方』信山社ブックレット(2019/1/30)の第2校(ゲラ刷り)の校正を行いました。
- 列車の中で校正が順調に進み,校正が終了したので,大分駅で下車して,郵便局から出版社にゲラ刷りを返却しました。
- パソコンのハードディスクの不具合が続くので,主要なデータをOneDriveに移転していたのですが,運の悪いことに,その途中で,再度,パソコンがハングアップしてしまいました。いつもの通り,パソコンの画面中央に「Panasonic」の文字が出たまま,フリーズしてしまいました。パソコンが起動するまで,本を読みながら待っていましたが,3時間たっても,起動しないので。あきらめて,ベッドに入りました。
- (HP訪問者の延べ人数:21,960人)
- 2019年1月14日(月) 晴れ
- 朝起きてみると,パソコンがブートしていたので,操作しようとすると,今度は,ブート画面がフリーズしてしまいました。仕方なく,電源を入れ直して,やっとのことで,パソコンを起動をさせることができました。
- こんなことを繰り返していても時間の無駄なので,思い切って,愛用してきたパソコン(Panasonic CF-SX3)に代わるパソコンを1台購入することにしました。
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の科目修了試験(著作権法,民法)の採点を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:21,980人)
- 2019年1月15日(火) 曇り後晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の科目修了試験(著作権法,民法)の採点を終了したので,採点の見直しを行い,結果を記入し,コピーを取ってから,採点答案等を担当課に郵送しました。
- 5年以上にわたって愛用してきたパソコン(Panasonic CF-SX3)ですが,何度もハングアップして,動作が不安定になり,起動できなくなるおそれが大きくなったため,新しいパソコンを購入することにし,日出町の家電量販店(K'sデンキ)で,重さが800gなのに惹かれて,NECのパソコン(LAVIE
HZ550/L)を購入しました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,000人)
- 2019年1月16日(水) 曇り後晴れ
- 一日がかりで,購入した新しいパソコン(LAVIE HZ550/L)に必要なソフトをインストールしたり,いろいろなメディアにバックアップしていたデータを新しいパソコンに移転したりしましたが,さすがに1日では,作業を終えることができませんでした。
- それでも,作業はかなり進みました。そして,このHPの作成に利用しているソフトウェアであるホームページ・ビルダー クラシック21を新しいパソコン(LAVIE
HZ550/L)のために購入しました。その結果,新しいパソコンでホームページ・ビルダーを使って私のHPを改訂し,アップロードを開始できるようになりました。
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科から,研究費でバックアップ用に注文していたパソコン(DELL Inspiron15)が届きました。不測の事故に備えて注文していたのですが,届くのが少し遅れました。しかし,ハードディスクの容量が1テラバイトあるので,私の作成する全ファイルのバックアップが可能となります。
- 日出ロータリークラブの新年会に参加しました。新年会なので,会員の家族も参加して,バザーが行われました。私は自宅でとれた八朔をきれいに洗い,ネットに入れて見栄えもよくして出品しました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,020人)
- 2019年1月17日(木) 晴れ
- 夜間電力を使った給湯用の温熱器の寿命が近づいたため,新しい給湯器に交換する工事を業者にしてもらいました。
- 昨日に引き続き,一昨日購入したパソコンに,ソフトをインストールしたり,OneDriveにデータを移転したりして,新しいパソコンを通常通り使えるようにする作業を継続しました。
- これまで作成してきた主要なファイルをすべてOneDriveに移転しました。そして,これから作成するファイルは,すべてOneDriveで作成することにして,不測の事故に備えることにしました。
- 新しいパソコン(LAVIE HZ550/L)には,MicrosoftのOfficeはあらかじめインストールされていたのですが,意外なことに,PDFを作成するためのAdobeのAcrobatがインストールされていなかったので,インストールしました。
- 明日から開始される吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリングに備えて,修士論文の検討を行います。
- (HP訪問者の延べ人数:22,040人)
- 2019年1月18日(金) 晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリング・研究科教授会に出席するため,東京に出張します。
- 出張に際して,新しいパソコン(LAVIE HZ550/L)を初めて携帯してみました。列車の中でも問題なく使えました。
- ソニック,および,新幹線の中で,スクーリングで報告される修士論文を読み,コメントを付けました。
- 『法と経営研究』編集会議(2019年第1回)を開催しました。
- 『法と経営研究』第2号の最終編集と,第3号に向けた取り組みについて協議しました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,060人)
- 2019年1月19日(土) 晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリング(修士論文報告会),研究科教授会,懇親会に出席しました。
- 修士論文報告会では,4名の修士論文提出者が修士論文の概要を説明し,副査2名,主査1名が報告者に質問をし,その後,出席した専任教員と報告者との間で質疑応答を行いました。私は,2名について副査の立場から講評を行うとともに,すべての報告者に対して,質問を行って議論を盛り上げました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,080人)
- 2019年1月20日(日) 晴れのち曇り
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリング(修士論文執筆計画報告会)に出席しました。
- 昨日の2年生の報告を聞いて,大いに刺激を受けた1年生たちの報告もよく整理されており,今後が楽しみです。もっとも私が主査を務める学生は,職業上の理由もあって学習が進んでおらず,先生方の質問にも十分に回答できませんでした。
- そこで,個別指導を延長して,学生とともに今後の学習方針を確認しつつ,丁寧な指導を行いました。焦らずゆっくりと,しかし,気を抜かずに学習を継続するようにと,学生を激励をしました。
- 出版社から,『求められる相続法の論点解説(仮題)』という本を執筆してほしいとの依頼が来たので,以下のような構想を立てて,出版社にメールで送りました。
- 『求められる相続法の論点解説(仮題)』
- Ⅰ 相続法改正の本来の論点
- 1.平成30年相続法改正に至る契機-平成25年大法廷判決と相続法改正との関係-
- (1) 相続法改正の契機としての妻たちの怒りとは何か?
- (2) 妻たちの怒りをなだめるための今回の改正に勘違いはなかったか?
- (3) 相続法の改正の前提とすべきは,夫婦財産制の見直しではないのか?
- (4) 相続法改正における妻の保護の規定は不十分ではないのか?
- 2.相続財産は,本当に被相続人の個人財産なのか?
- (1) 婦夫財産は,婦夫という組合の共有財産ではないのか?
- (2) 相続法の改正以前に,根幹となる婦夫財産制をまず改正すべきではないのか?
- (3) 遺産分割制度の改革は,組合財産の承継と清算として再構成すべきではないか?
- 3.遺産分割手続の改革こそが必要不可欠ではないのか?
- (1) 遺産分割について,手続きを執行する相続財産管理人が必要ではないのか?
- (2) 相続人たちの家裁と地裁とのたらい回しは解消されたのか?
- Ⅱ 平成30年相続法改正の6項目とそれぞれが実務に及ぼす影響
- 1.配偶者の居住権を保護するための方策-配偶者の居住の権利
- (1) 配偶者の長期居住権(民法1028条-1036条)
- (2) 配偶者の短期居住権(民法1037-1041条)
- 2.遺産分割に関する見直し
- (1) 配偶者の持戻し免除の意思表示の推定(民法903条4項)
- (2) 遺産の分割前における預貯金債権の行使(民法909条の2)
- (3) 一部分割の原則的肯定(民法907条2項)
- (4) 残された課題:遺産分割のための相続財産管理人の定めの不存在
- 3.遺言制度に関する見直し
- (1) 自筆証書遺言の方式緩和(968条2項)
- (2) 遺贈の担保責任の削除(998条・改正,1000条・削除)
- (3) 遺言執行者の権限の明確化(1007条,1012条~1016条)
- 4.遺留分制度の見直し
- (1) 条数の移動(1028条~1044条→1042条~1049条)
- (2) 完全金銭債権化(民法1046条)
- 5.相続の対抗要件・効力に関する見直し
- (1) 権利承継:共同相続における権利の承継の対抗要件(899条の2)
- (2) 義務承継:相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使(902条の2)
- (3) 遺言執行者がある場合の相続人の行為:遺言の執行の妨害行為の無効と善意の第三者に対する対抗不能(1013条2項)
- 6.相続人以外の者の貢献を考慮するための方策としての特別の寄与(1050条)
- Ⅲ 平成30年相続法改正の評価
- Ⅳ 参考文献
- Ⅴ 参考資料 民法 第5編 相続(全文)
- (HP訪問者の延べ人数:22,100人)
- 2019年1月21日(月) 晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリングを終えて,大分に帰ります。
-
帰りの列車の中で,出版社から要請のあった『求められる相続法の論点解説(仮題)』の論点を整理しているうちに,執筆意欲を刺激され,執筆を開始してしまいました。(第1日目)
- 今回の相続法改正の契機となった平成25年大法廷決定(最大決平25・9・4民集67巻6号1320頁),並びに,それに即して改正された民法900条第4号,および,法務省による解説図の第2図(Q1)を見ているうちに,夫の視点から見ると,確かに,嫡出子も嫡出でない子も平等に扱うことが理解できます。ところが,怒れる妻の視点から見ると,嫡出子は,いわゆる全血ですが,嫡出でない子は,いわゆる半血であることが理解できます。
- そして,婦夫財産を婦夫の共有(合有)財産という視点から見ると,夫の名義になってはいるものの,実は,婦夫の平等の寄与によって形成された婦夫財産について,婦夫の一方の血しか流れていない嫡出でない子に,婦夫の両方の血が流れている嫡出子と同等の相続分を与えることの問題点が浮き彫りになることがうまく説明できるように思いました。
- いずれにしても,婦夫の法定財産制について,実質を無視して,名義によって財産の帰属を決めている民法762条を改正し,婦夫財産の使用実態に即して,組合的共有(合有)へと変更しなければ問題の解決にはならないと思います。
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- 2019年1月22日(火) 晴れ
- 来る1月26日(土)に開催される民法学研究会「生と死の法」での報告「改正民法によって削除された条文の意義-動的平衡という『生』を維持するための『死』の視点から-(仮題)」(2019/1/26)に備えるため,民法(債権関係)改正によって削除される現行民法の条文・条項について,その理由,削除の適否を検討しています。(第1日目)。
- 改正によって削除される条文・条項のうち,民法86条3項,105条,122条ただし書き,169条~174条,410条,414条3項について,削除理由とその適否について検討を行いました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席しました。
- 美味しいご馳走が出たのですが,会議の進行に合わせて早く食べたためでしょうか,夜中に,吐き気で目が覚め,久しぶりに七転八倒の苦しみを味わいました。食事はゆっくり楽しまなければなりません。
- (HP訪問者の延べ人数:22,160人)
- 2019年1月23日(水) 晴れ
- 来る1月26日(土)に開催される民法学研究会「生と死の法」での報告「改正民法によって削除された条文の意義-動的平衡という『生』を維持するための『死』の視点から-(仮題)」(2019/1/26)に備えるため,民法(債権関係)改正によって削除される現行民法の条文・条項について,その理由,削除の適否を検討しています。(第2日目)。
- 昨日に引き続き,民法420条後段,434条,437条,441条,445条,476条,480条,513条,516条,517条,522条,526条1項,527条,534条,535条,561条~571条,635条,637条~639条の削除理由,および,それらの削除の適否を検討しました。
上記の報告レジュメを論文「民法(債権関係)改正によって削除された現行条文・条項の意義と再評価-動的平衡という『生』を維持するための『死』の視点から-(仮題)」とする作業を進めています。
- (HP訪問者の延べ人数:22,190人)
- 2019年1月24日(木) 晴れ
- 来る1月26日(土)に開催される民法学研究会「生と死の法」での報告「改正民法によって削除された条文の意義-動的平衡という『生』を維持するための『死』の視点から-(仮題)」(2019/1/26)に備えるため,民法(債権関係)改正によって削除される現行民法の条文・条項について,その理由,削除の適否を検討しています。(第3日目)。
- 昨日に引き続き,民法(債権関係)改正によって削除された条文・条項の適否について,まとめを執筆し,論文「民法(債権関係)改正で削除された条文の意義と死と生-動的平衡(dynamic
equilibrium)理論の視点から-」を以下のような構成によって完成させました。 これが,今年の最初の論文(No.1,2019 )ということになります。
- 民法(債権関係)改正で削除された条文の意義と死と生-動的平衡(dynamic equilibrium)理論の視点から-
- Ⅰ 生物の死とは何か
- 1.法学的アプローチ
- 2.生物学的アプローチ
- 3.法学の制約条件と自由度
- Ⅱ 法学研究のあり方
- 1.法学研究の前提条件
- (1) 数学(論理学)
- (2) 生物学
- (3) 医学
- 2.大学教授の果たすべき役割
- (1) 研究・教育における死と生
- (2) 後継者の育成における死と生
- 3.大学教育の未来
- (1) 教えるから自発的な学びへ
- (2) 自発的学びと半強制的な学びとの交錯
- (3) 「学ばせる」から「教えさせる」ヘ
- Ⅲ 改正による条文の死(削除)は正当化できるか?
- 1.民法改正によって削除された条文および条項
- (1) 民法総則
- 民法86条3項,105条,122条ただし書き,169条~174条
- (2) 債権総論
- 民法410条,414条3項,420条後段,434条,437条,441条,445条,476条,480条,513条,516条,517条
- (3) 契約総論
- 民法522条,526条1項,527条,534条,535条
- (4) 契約各論
- 民法561条~571条,635条,637条~639条
- 2.民法(債権関係)改正による現行民法の削除(死)の評価
- (1) 相補性が完全に確保されているもの
- (2) 相補性が不十分であるもの
- (3) 相補性が確保されていないもの(削除の必要性が認められないもの)
- 3.結論
- 参考文献
- (HP訪問者の延べ人数:22,210人)
- 2019年1月25日(金) 晴れ
- 来る1月26日に開催される民法学研究会「生と死の法」において,「民法(債権関係)改正で削除された条文の死と生-動的平衡(dynamic equilibrium)理論の視点から-」を報告し,また,翌日,末川民事法研究会「判例回顧(2)」に出席するため,京都に出張します。
- 新幹線の中で,報告予定の論文原稿を見直し,不十分な個所を追加・修正しました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,240人)
- 2019年1月26日(土) みぞれ後曇り後雪 (京都市内も初雪)
- 民法学研究会「生と死の法」に参加し,第1報告を行うとともに,第2報告を拝聴して議論を盛り上げます。
- 第1報告:「民法(債権関係)改正で削除された条文の死と生-動的平衡(dynamic equilibrium)理論の視点から-」
- 報告の概要
- Ⅰ 生物の死とは何か(1.法学的アプローチ 2.生物学的アプローチ 3.法学の制約条件と自由度 )
- Ⅱ 法学研究のあり方(1.法学研究の前提条件 2.大学教授の果たすべき役割 3.大学教育の未来)
- Ⅲ 改正による条文の死(削除)は正当化できるか? (1.民法改正によって削除された条文および条項 2.民法(債権関係)改正による現行民法の削除(死)の評価 3.結論)
- 会員からは,改正民法95条1項1号の意思の不存在による錯誤を含めて,改正民法120条2項が瑕疵ある意思表示と規定していることは説明不能であり,講義に支障をきたしている。また,品確法は,民法改正を踏まえた改正の際に,契約不適合という文言を拒絶し,瑕疵担保責任という用語を保持しているが,その点をどのように考えるかとの質問をいただきました。
- 前者については,もっともな意見であり,後者の点については,私は,瑕疵担保責任は,もともと,契約責任として位置づけられていたのであり,改正の必要性はなく,品確法の立場がまさに正しいのではないかと,回答しました。
- 請負を研究する会員からは,準用される売買の規定である564条の規定が,541条と542条だけを準用しているが,請負の場合には,543条も準用されるべきであり,売買と請負との差が明確でないことについての感想を求められました。
- 今回の改正民法は,国民一般にとってだけでなく,法曹にとっても分かりにくい規定が多く,改正は多くの点で失敗に陥っている,今後の改正で,契約責任としての瑕疵担保責任を復活させるなど,失敗の修正をしていく必要があると,私は考えていると回答しました。
- 第2報告:「民法787条ただし書の問題点―最大判昭和30年7月20日民集9巻9号1122頁の論理とその後の判例・学説の多数はなぜ元気がないのか」
- 参考条文・参考判例
- 民法787条(認知の訴え)
子,その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は,認知の訴えを提起することができる。ただし,父又は母の死亡の日から3年を経過したときは,この限りでない。
- 最大判昭30・7・20民集9巻9号1122頁
1. 民法第787条但書の規定は憲法第13条(個人の尊厳・幸福追求権)に違反しない。
2. 民法第787条但書の規定は,認知の訴の提起に関し,すべての嫡出でない子につき一律平等にその権利の存続期間を制限したものであり,その間に差別を加えたものではなく,憲法第14条(法の下の平等)に違反しない。
- 私は,民法787条ただし書の問題点は,死後認知の期間が3年とあまりにも短かく,その合理的な根拠もないため,民法787条ただし書を削除すべきである。そればかりでなく,父の認知によりも,出自を知る権利を確保するには,DNA鑑定を受ける権利を認めるべきだし,そもそも,父の認知を求めるのは,父母の婦夫財産が夫の特有財産とされている(民法762条)ことから大きな相続問題が派生しているのであり,婦夫財産を共有性に変更することが何よりも大切であることを主張しました。
- 報告者からは,もっともな意見だが,家族法の問題点は,そのような立法上の改正が保守的な男性議員の反対によって阻止されており,そのような改正は,現状では実現が不可能であるとの反論をいただきました。その点は確かなことなので,男が支配する日本の現状を改革するための「償いプロジェクト」の必要性を実感しました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,260人)
- 2019年1月27日(日) 曇りのち晴れ
- 京大に留学中の大学院生による中国語会話のレッスンを受けます。
- Lesson2(我的家人)を終了し,Lesson3(周末做什么?)に入りました。
- 末川民事法研究会の『末川民事法研究会』の編集会議を開催します。
- 書記に作成していただいた議事録を一部修正して,返送しました。
- 末川民事法研究会「判例回顧その2」に参加する予定でしたが,京都の自宅の借家人さんが引越しを行うので,借家の状態を検分して,敷金返還額を決めたり,借家を見学したいと,わざわざ京都に来られた大切なお客様を案内するため,久しぶりに研究会を欠席することにしました。
- 借家人の引越しが完了していなかったため,借家人から不動産会社が預かった鍵で貸し家に入らせてもらい,内部の写真を撮影し,敷金返還の査定を行いました。修理に相当の費用が掛かることがわかりましたが,17年間借りていただいた実績を踏まえ,借家人が退去後に敷金の全額を返還することにしました。
- 京都に来られたお客様を貸し家にご案内し,折よく来られていた借家人の代理人の許可を得て,貸し家の内部を見てもらうこともできました。初雪の美しい京都を見ていただくことができた上に,貸し家の状態を詳しく見ていただくこともできて,わざわざ京都に来ていただいた甲斐がありました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,290人)
- 2019年1月28日(月) 曇り後晴れ後一時雨
- 民法学研究会での報告「民法(債権関係)改正で削除された条文の死と生-動的平衡(dynamic equilibrium)理論の視点から-」,末川民事法研究会の『末川民事法研究』の編集会議,および,貸し家の現況検分を終えて,京都から大分に帰ります。
- 帰路の方向が同じ末川民事法研究会の会員と,新幹線の中で民法の学習法・教授法,研究者等の腐敗防止の方法について議論しながら帰りました。
- 帰宅後,吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の来年度の講義のシラバスを作成しましたが,疑問点が出たため,明日,教務課に問い合わせて,来年度のシラバスを完成させます。
- (HP訪問者の延べ人数:22,320人)
- 2019年1月29日(火) 晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の来年度の講義のシラバスの作成を続け,「民法要論」のシラバスを教務課に送付しました。
- 明日,信山社で行われる知的財産権に関連する本の企画会議に参加するため,列車とホテルの予約をしました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席しました。
- 大分経済学部の教授に「経営者に必要なもの」というテーマで,外来卓話をしていただきました。
- 自己紹介の後の外来卓話の概要は以下の通りです。
- 経営者に必要なものとは,決して,先天的なIQとか才能とかではなく, 後天的に獲得することができる 「GRIT(やり抜く力)」である。
- GRITとは,その頭文字であるGuts(ガッツ・度胸),Resilience(復元力),Initiative(自発性),Tenacity(執念)の4つの要素からなる概念であり,それを要約すると,「やり抜く力」という意味になる。
- 世の中,順調な時ばかりではなく,どんな経営者でも,必ず挫折を味わう時が来る。その時に,挫折を乗り越える道は必ずあると信じ,失敗から学ぶために,じっくりと考え,ガッツ・忍耐力をもって粘り強く,挫折を乗り越える道を歩むことが大切である。
- 経営を成功に導き,後継者を育てた人は,ほぼ例外なく,GRIT(やり抜く)を身につけてきた。
- 会員からは,人工知能時代の経営の在り方,GRITを持つ経営者の具体例などの質問があり,和やかなうちにも,活発な質疑応答がなされました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,340人)
- 2019年1月30日(水) 晴れ
- 信山社で行われる地方創生と知的財産権に関連する本の企画会議に参加するため,東京に出張します。
- 列車の中で,すでに1月9日に比較済みの福岡伸一教授の2冊の本(『生命と食』,『新版 動的平衡』)と『生物と無生物とのあいだ』との比較検討に加えて,新たに,以下の2冊の本(『動的平衡2』,『動的平衡3』)と『生物と無生物とのあいだ』との比較検討を行います。その結果は,上記の2冊の本と以下の2冊の本(合計4冊の本)が,名著『生物と無生物のあいだ』との比較で,何を追加したかという情報が付加されることになります。
- 福岡伸一『新版 動的平衡2-生命は自由になれるのか(生命はどこから来たのか)-』小学館新書(2018/10/8)
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福岡伸一『新版 動的平衡2』
小学館新書(2018/10/8) |
『生物と無生物のあいだ』に付加された情報③
- 筆者は,名著『生物と無生物とのあいだ』で,生命の本質は,動的平衡(dynamic equilibrium)であることを明らかにしてきました。そして,『動的平衡〔1〕』で,静止しているように見えている私たちの記憶も,どこかの部位に恒常的に保存されているのではなく,常にニューロンとシナプスのネットワークの中で再構成されているものであること(動的平衡〔1〕38-39頁),一定に保持されているように見える体全体(骨格でさえ)も,常に少しずつ破壊され,食物の消化と吸収の働きによって,再構成されていることを明らにしてきました(動的平衡〔1〕34頁以下)。
- 本書『動的平衡(2)』では,動的平衡論が,すべての生物を支配する唯一の原理であることを示そうとするかのように(筆者は,芸術においてさえも,「動的平衡が表現されているとき」にこそ,人はそこに「美」を感じる,すなわち,「美は,動的な平衡に宿る」と言い切っています(本書3-23頁)),従来の生物学の支配的な理論である進化論,特に,ドーキンス『利己的な遺伝子』が述べた「生命体は遺伝子の乗り物に過ぎない」という有力説に対して反論をおこなっています。
- 第1に,筆者は,本書において,「遺伝子は生命の楽譜に過ぎない」と断言します(本書33頁)。なぜなら,「遺伝子は私たちを規定し,運命づけているように見えるけれど,それは楽譜の音符のように使う音の高さと長さを指定しているだけだ。つまり各細胞で使うべきミクロなパーツのカタログを与えているにすぎない。遺伝子の集合体であるゲノムは,だからプログラムでもなく,指令書でもない。どれくらいの強度で,どんなフレージングで,どんな指使いで弾くのかはすべて奏者に委ねられているのだ。」(本書52頁)と主張しています。そして,この考え方は,「エピジェネティックス」という新しい考え方繋がると説明しています(本書54-61頁)。
- 第2に,筆者は,「この世界に因果関係は存在しない」と述べています(本書121-123頁,228-230頁)。この点については,すでに,[福岡・動的平衡1(2017)36頁]でも述べられているのですが,残念ながら,第9章(木を見て森を見ず-私たちは錯誤に陥っていないか)にある「相関性と因果性は異なる」において,筆者が以下のように記述していることと矛盾しています。なぜなら,犯罪を罰するなり責任を問うためには,この世界では,因果関係の証明が要求されているからです。
- 「連続放火事件が発生した。放火現場に急行してみると,またあの挙動不審の怪しい人物が付近をうろついているではないか。写真まで撮っている。あなたはその男を放火犯人だと決めつけることができる,だろうか,否である。…なぜなら放火事件と現場における彼の存在のあいだに,確かに相関関係はあるとしても,そこに因果関係があるかどうかはいまだ見極められないからだ。」(本書246頁)
- 第3に,エントロピーの増大の原則に抗する方法としての水の働きについて,「生命は水でエントロピーを捨てている」こと(本書230頁),水を利用した腎臓の巧妙な仕組みを詳しく説明しています(本書231-134頁)。
- 第4に,「卵が先か,ニワトリが先か」の例とともに,「DNAが先かタンパク質が先か」の論争に決着をつけています(本書161-167頁)。その問題を論じる際に,「生命誕生までに8億年」は,余りに短いとして,「生命は宇宙からやって来たか-パンスペルミア説の根拠」についても言及しています。
- 第5に,ダーウインとラマルクとの関係についても,ラマルクの再評価が行われています。
- 福岡伸一『動的平衡3-チャンスは準備された心にのみ降り立つ-』木楽舎(2017/12/1)
- 『生物と無生物のあいだ』に付加された情報④
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動的平衡3
木楽舎(2017/12/1) |
本書は,動的平衡論の応用として,様々な社会問題を解決するに際しても,生物学上の「動的平衡(dynamic equilibrium)」の考え方が,有用であることを論じています。
- 例えば,第1章(動的平衡組織論)では,動的平衡の考え方が組織論に応用できることがサッカーのチーム編成を例にとって,自律的で緩やかな連携に基づくチーム作りを実現できることが説明されています。
また,「エントロピーの増大の原則」と戦って,「動的平衡」を維持している生命にとって,インターネット上の知識やデータは,単なる静的なアーカイブに過ぎない。生命体にとって価値がある真の情報とは,負のエントロピーにつながる情報,すなわち,次のアクションにつながる情報だけが真の情報であるとしています。
さらに,商品を作り出すこと,ビジネスモデルを考案すること,利益を生み出すことなど,生命体である人間にとっての「価値とは,『エントロピー増大の法則』に抗って,乱雑さの中から秩序〔負のエントロピー〕を創出することに他ならない」と述べています(本書11頁)。
- 第2章(水について考える←『動的平衡2』230頁以下),第3章(老化とは何か←『動的平衡2』222頁以下),第4章(科学者は,なぜねつ造するのか←メディア批判ではあるが,タイトルの答えにはなっていない),第5章(記憶の設計図←『動的平衡1』38頁以下),第6章(遺伝子を捕まえて),第7章(「がんと生きる」を考える←『動的平衡2』250頁以下),第8章(動的平衡芸術論←『動的平衡2』3頁以下),第9章(チャンスは準備された心にのみ降り立つ←『生物と無生物とのあいだ』1117頁以下のタイトルの応用),第9章(微生物の狩人←『生物と無生物のあいだ』18頁以下)も,すべて,社会問題となった事件を取り上げつつ,動的平衡理論が,社会問題を解決するに際して,有力な視点を提供することができるという立場で論じられています。
- ただし,上記の「←」で表記したように,第1章(動的平衡組織論),第6章(遺伝子をつかまえて),および,「サンガー会の思い出-あとがきにかえて」を除いては,読み応えのある読み物となっているものの,素人の読者としては,それまでの著書で述べられていた理論を社会問題の視点から見直したという側面が強く感じられ,新たな情報とか理論とが付け加えられているようには思えませんでした。
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- 2019年1月31日(木) 曇り後雨
- 出版社での「地方創生と知的財産権」関係の編集会議と,加賀山茂『求められる改正民法の教え方』信山社(2019/2/15)の第2校の校正を終えて,大分に帰ります。
- 帰りの列車の中で,出版社から執筆を依頼されたブックレット加賀山茂『求められる相続法の論点解説(仮題)』の執筆を再開しました(第2日目)
- 民法900条第4号のただし書を残すのであれば,母の血が流れていない嫡出でない子と両親の血が流れている嫡出子とを平等に扱うことはできないのではないか。つまり,夫が死亡した場合の遺産相続に関して,夫名義になってはいるものの,実質は,夫婦の共有財産である遺産について,全血の嫡出子と半血の嫡出でない子の相続分を平等に扱うのは,民法900条第4号ただし書に矛盾することになる。この矛盾こそが,平成25年大法廷決定とそれに続く民法900条第4号改正に対する「妻たちの怒り」の本質であろうという記述を行いました。
- 帰宅後,以前読んでいた福岡伸一『できそこないの男たち』光文社新書(2008/10/20)を再度読み始めました(第1日目)
- この本のタイトルの意味は,筆者による以下の言葉によって明らかにされています。
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受精後6週自の胎児(断面図)
福岡・できそこないの男たち
(2008)161頁 |
生命の基本仕様。それは女である(本書153頁)。ミュラー管抑制因子を受け取ったミュラー管の細胞群は徐々にちいさくなりやがて消失する。こうして,卵管,子宮,膣になるべき細胞を失った「女」として,「男」というものが出発することになる(本書158頁)。男性は,生命の基本仕様である女性を作りかえて出来上がったものである。だから,ところどころに急場しのぎの,不細工な仕上がり具合になっているところがある(本書166頁)。アダムがイブをつくったのではない。イブがアダムを作り出したのである(本書166頁)。
- 地球が誕生したのが46億年前。そこから最初の生命が発生するまでにおよそ10億年が経過した。そして生命が現れてからさらに10億年,この間,生物の性は単一で,すべてがメスだった(本書182頁)。
- メスは太くて強い縦糸であり,オスはそのメスの系譜を時々橋渡しする,細い横糸の役割を果たしているに過ぎない。生物界においては普通,メスの数が圧倒的に多く,オスはほんの少しいればよい。アリマキのように必要なときだけ作られることもある(本書184頁)。
- そうだとすると,中島みゆき「糸」の歌詞は,「縦の糸はあなた,横の糸は私」となっていますが,これは逆ですね。つまり,この歌「糸」は,生物学的には,男が女に対して歌ってさしあげるのが正しいということになるのでしょう。
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- 2019年2月1日(金) 晴れ時々曇り
- 福岡伸一『できそこないの男たち』光文社新書(2008/10/20)を再度読んでいます。(第2日目)
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福岡伸一
『できそこないの男たち』
光文社新書(2008/10/20) |
本書の後半部分は,「できそこないの男たち」がなぜ,女に尽くすのか,「ご褒美として与えられる快感は,何に似た感覚なのか」という興味深い問題を超えて,ついに,謎に包まれた「時間の概念」の謎解きへと到達しています。
- 第9章(Yの旅路)
- 人類の女の期限は,ミトコンドリアの解析によって,現在地球上に存在するすべての女性のルーツは,十数万年前,アフリカで生まれた一人の女性であることが明らかになっています(本書214頁)。そして,Y染色体の多型解析によって,現在地球上に存在するすべての男性のルーツは,数十万年前,アフリカで生まれた一人の男性に由来することが明らかになっています(本書215頁)。もっとも,その当時,世界にたった二人の人間しかいなかったわけではなく,集団を形成していた祖先たちのうち,ほとんどの系譜は何からの理由で途絶え,現存していないだけのことなのです(本書215頁)。
- 「Y染色体からみても,日本人はまったくといっていいほど”単一民族”ではない。出アフリカを果たした三つの系統〔C型,D型,O型〕が流れ流れて様々に分岐したあと,もう一度落ち合った特別な場所として日本列島が現れる。大まかにいってC3型が旧石器人,D2型が縄文人,O2b型が弥生人,O3型が大陸人といえる。そして各地域で頻度の差がある。アイヌにはD2型が,八重山諸島にはO2b型が多い。東京はすべての型の混成だ。意外なことにアイヌの中にも多型性が混在している。日本列島こそが”人種”のるつぼなのだ。」(本書221頁)
- 第10章(ハーバードの星),第11章(余剰の起源)
- ハーバード大学医学部教授が夫人の求める美術品等の購入のために公金を横領して,夫婦ともに破綻する実話を通して,「メスのできそこない」に過ぎない「オス」が,なぜ,この世界を支配しているように見えるのはなぜなのか,著者の禁断の推理明が行われます(本書262頁)。本書の一番の見せ場ですが,種明かしをするとネタばれになるので,本書を読んで,著者の推理を楽しんでください(結論は,283頁で示されます)。
- エピローグ〔加速感覚による時間の実感〕
- 生命とは何かを語るときに,時間の概念を欠かすことはできません。しかし,水生動物が水の存在を意識せず,陸生動物が空気の存在を意識しないないのと同様に,すべての生物は,その生活媒体である時間を感覚としてとらえることができません。唯一,加速度を感じるときに,時間を感じることができるというのが,筆者の考え方です。
- 「加速されたとき初めて私たちは時間の存在を感じる。そしてそれは最上の快感なのだ。なぜならそれが最も直截的な生の実感にほかならないから」(本書283頁)。
- 母の右耳の具合が悪くなったので,タクシーで耳鼻咽喉科に行って診察を受け,耳垢を柔らかくする薬を処方してもらいました。これから1週間,忘れずに朝夕使うことにします。
- 久しぶりに日出町立図書館によって,朝日新聞「女子組」取材班『オトナの保健室-セックスと格闘する女たち』集英社(2018/10/30)を借りました。
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- 2019年2月2日(土) 晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のシラバス(著作権法特論)と教員プロフィールを教務課に送りました。
- 昨日,日出町立図書館で借りた朝日新聞「女子組」取材班『オトナの保健室-セックスと格闘する女たち』集英社(2018/10/30)を読み始め,一気に読み終えました。
- 本書に収録された田房永子の漫画が素晴らしいです(本文258頁中に,34頁分が配置されていますが,どれも説得力があります)。実名入りのコラムの中に,AV男優とAV女優のそれぞれの考え方がキチンと述べられているのもすごいと思いました。
- オトナの再教育としてはもちろんのこと,AVの洗礼に晒されている若い人々の独習本として,さらには,学校教育の場でも,性教育の教材として採用するに値する非常に価値の高い本だと思いました。
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- 2019年2月3日(日) 晴れ後曇り後雨
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説(仮題)』の執筆を続けています(第3日目)
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- 2019年2月4日(月) 晴れ
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第4日目)
- 配偶者居住権の各論的部分(配偶者居住権)を執筆しています。
- 執筆に際して,参考文献の引用を確実にするため,山川一陽=松島隆弘『相続法改正のポイントと実務への影響』日本加除出版(2018/5/24)を自炊しました。
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- 2019年2月5日(火) 晴れ後曇り
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第5日目)
- 配偶者居住権の各論的部分(配偶者居住権の続き)を執筆しています。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- 日出町の町長に外来卓話をしていただいたので,例会終了後,日出ロータリークラブの会員の有志と町長との間で,ボランティア活動を中心に,日出町とロータリークラブの連携について,話し合いを持つことができました。もちろん,私は,寺子屋ひじ塾について,将来構想を披露しました。
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- 2019年2月6日(水) 雨後曇り
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第6日目)
- 配偶者居住権の各論的部分(配偶者居住権の続き)を執筆しています。
- 久しぶりに日出町のカラオケ店で一人カラオケを楽しみました。
- 歌詞のテロップをすべて消して歌ってみると,持ち歌のうち,いくつかについては,まだ完全には(実践的には)歌詞を暗記していない部分があることが明らかになり,さらに練習を積まなければならないことを実感しました。
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- 2019年2月7日(木) 晴れ後曇り後雨
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第7日目)
- 改正条文のほぼすべてを各章と各節に枠囲みで配置しました。その上で,配偶者居住権の個所に戻って,単純化された具体例を使って,遺産分割の場合の計算例を示しながら,改正法の意義と問題点を明らかにするという方法で執筆をしています。
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- 2019年2月8日(金) 曇り
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第8日目)
- 配偶者居住権に関する単純化された具体例を使って,遺産分割の場合の計算例を示しながら,改正法の意義と問題点を明らかにするという方法で執筆をしています。
- 母の耳垢を柔らかくする点滴薬をこの1週間,忘れずに朝夕使うことができたので,再度,耳鼻咽喉科を訪れ,母の耳垢を完全に除去してもらいました。これで,一安心です。
- 寺子屋ひじ塾の入塾希望者が3名になりました。希望者が6名になったら,本格的に始めなければなりません。
- (HP訪問者の延べ人数:22,620人)
- 2019年2月9日(土) 曇り後晴れ
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第9日目)
- 配偶者居住権に関する単純化された具体例を使って,遺産分割の場合の計算例を示しながら,改正法の意義と問題点を明らかにするという方法で執筆をしています。
- 配偶者の居住権は,詳細に検討した結果,無償行為であるにもかかわらず,結局,有償行為である賃貸借の規定を準用せざるを得ず(新1031条2項,1035条2項,1036条,1040条2項,1041条),民法的には破綻していると言わざるを得ません。
- そのような破綻が見過ごされているのは,実は,配偶者(妻)は,婦夫財産の形成に確実に寄与しており,実質的な共有者であることを認めざるを得ず,妻には,少なくとも,終身の借家権(賃借権)とでもいうべき,無償行為とは無縁の居住権を与えざるを得ないと感じているからでしょう。
- そうであるならば,素直に,婦夫財産は,そもそも婦夫の共有財産であることを認めるべきでしょう。
- なぜなら,相続の前提となっている婦夫財産を形式的な名義のみで単独所有とする民法762条は,民法94条に反しており,根本的には,憲法24条に違反しているからです。したがって,私たちは,民法762条を改正することから始めなければ何も解決しないことを理解すべきでしょう。
- 民法762条は,通常,夫名義とされている婦夫財産,特に,婦夫が居住する住居について,それを夫の特有財産(単独所有)であると規定していますが,この規定は,婦夫財産の形成における妻の寄与を否定している点で,個人の尊厳に反しており,かつ,夫婦が平等に利用している婦夫財産を夫の単独所有財産とする点で,両性の本質的平等にも反しており,明らかに憲法24条の無効な規定なのです。
- したがって,もしも,解釈によって,この規定の無効を回避したいのであれば,民法2条の解釈基準に則り,762条1項の特有財産は,他方の配偶者が共同利用していない,または,財産形成に全く寄与していない場合に限定して解釈し,その他の場合は,すべて,762条2項を適用して,夫婦の共有(組合的共有)と解するほかないと,私は考えています。
- 以上の理由によって,今回の相続法改正は,その主目的を配偶者(妻)の保護を目的としていますが,相続の前提となる婦夫財産制の改訂を怠ったために,民法体系に矛盾を生じさせているばかりでなく,妻の保護としても,不十分なものとなっており,改正の目的を達成していないと,私は考えています。
- (HP訪問者の延べ人数:22,640人)
- 2019年2月10日(日) 曇り後晴れ
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第10日目)
- 配偶者短期居住権に関する単純化された具体例を使って,改正法の意義と問題点を明らかにするという方法で執筆をしています。
- 執筆活動で忙しくしていて,全録画しているNHKのテレビ番組をここ1か月間見ることができませんでした。そこで,休日を利用して,放映された重要な番組のうち2週間分を倍速で見ました。倍速とはいえ,見るのにかなり時間がかかるので,1か月分をため込むのは問題だと認識しました。これからは,見ずに貯め置くのは1週間程度にしたいと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:22,670人)
- 2019年2月11日(月) 曇り後晴れ
- 千葉大学大学院社会科学研究科の先生から,ご著書『代償請求権と履行不能』信山社(2018/12/25)をお贈りいただいたので,さっそく読み始めました。
- 立法の経緯に関する丹念なフォローと比較法に関する十分な研究を踏まえた上で,改正民法の解釈に新機軸をもたらす貴重な専門書です。とはいえ,「履行不能概念の不要性」を訴える私としては,批判するのにもってこいの論考なので,読みながら,書評を執筆したいと考えています。
- 1か月近くため込んだNHKの主要なテレビ番組のビデオ録画を全部見終わりました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,700人)
- 2019年2月12日(火) 晴れ
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第11日目)
- 配偶者短期居住権に関する単純化された具体例を使って,改正法の意義と問題点を明らかにするという方法で執筆をしています。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。日出町の小学校の校長先生との懇談なので,今後の教育の在り方を話し合えるのではないかと楽しみにしています。
- 今日例会で唱和したロータリーソングは,「我等の生業」でした。その歌詞は以下の通りです。
- 我等の生業 さまざまなれど
- 集いて図る 心は一つ
- 求むるところは 平和親睦
- 力むるところは 向上奉仕
- おゝロータリアン 我等の集い
- ゲストの校長先生が,そのスピーチの中で,上記の歌詞の中の「平和親睦」の個所をピックアップして褒めていただいたので,私は,その返戻として,以下のスピーチをさせていただきました。
- 私は法律家なので,十七条の憲法の第1条(和の精神)をよく読むのですが,小中学校の社会とか歴史の教科書には,この十七条の憲法の第1条が「和をもって貴しとなし,忤うこと無きを宗とせよ」の個所だけが引用されており,最も大切な後半部分が省略されているのを,常々残念に思ってきました。
- 今,校長先生が,ロータリーソング「我等の生業」の歌詞の中の「やらぎ,むつみ」の個所を称賛していただいたので,この機会に,十七条の憲法第1条の後半部分を紹介させていただきたいと思います。
- 上,和らぎ,下,睦びて,
- 事を論ずるに諧うときは,
- すなわち,事理おのずから通ず。
- 何事か成らざらん。
- 教科書で十七条の憲法を教えるに際しては,ぜひ,第1条(和の精神)の前半部分で終わるのではなく,後半部分を補って教えるようにしていただきたいと思います。
- そうすれば,生徒たちは,もめ事の平和的な解決としての穏やかな議論の仕方,すなわち「和らぎ・睦び」の重要性を理解するようになると思います。
- (HP訪問者の延べ人数:22,730人)
- 2019年2月13日(水) 雨のち晴れ
- 昨日の日出ロータリークラブの例会で,ロータリーソング「我等の生業」の歌詞の一部である「求むるところは,平和・親睦 は,十七条の憲法第1条(和の精神)の後半部分にある,「上,和らぎ,下,睦びて,事を論じるに諧うときは,すなわち,事理おのずから通ず。何事か成らざらん。」と非常によく似ていることに気づかされ,一気にロータリーソングの面白さに目覚めました。
- そこで,まずは,「我等の生業」を私のカラオケの歌詞カードに追加し,無伴奏(アカペラ)で歌えるようになるまで,練習しました。
- いつか,ロータリアン向けの卓話で,「求むるところは,和わらぎ・睦び」というテーマで,十七条の憲法の第1条(和の精神)が,論語の「君子は和して同ぜず,小人は同じて和せず」を参照していることから,日本人の陥っている「同調精神」と,本来の「和の精神」は決定的に異なることを訴えたいと思いました。
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第12日目)
- 配偶者居住権に関する執筆を修了し,遺産分割に関する見直しについて,執筆を行っています。
- (HP訪問者の延べ人数:22,750人)
- 2019年2月14日(木) 曇り後晴れ
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http://wp1.fuchu.jp/~rotary/saa_song.htm
(簡略版) |
昨日YouTubeで練習して,うまく歌えるようになったはずのロータリーソング「我等の生業」を無伴奏で歌ってみると,音程がうまくとれません。結構音程が複雑で,楽譜なしでは,正確に音程を再現できないことがわかりました。 - そこで,インターネットで,楽譜を掲載しているサイトを検索し,楽譜を入手しました。
- 府中ロータリークラブ:http://wp1.fuchu.jp/~rotary/saa_song.htm (簡略版)
- 福岡北ロータリークラブ:http://fnrc.jp/upimg/20130215192114F_1.pdf (完全版)
- 楽譜を見ながら,歌ってみると,音程を正確に再現することができました。少しばかり練習すると,無伴奏でも歌えるようになり,時間をおいて再度挑戦しても,うまく音程が取れることがわかりました。この作業を通じて,楽譜の偉大さを改めて認識しました。
- これで,卓話にせよ,法教育の講義にせよ,ローターリーソング「我等の生業」の「求むるところは,平和・親睦」を紹介しながら,それが,十七条の憲法第1条(和の精神)の後半部分にある「上,和らぎ,下,睦びて,事を論じるに諧うときは,すなわち,事理おのずから通ず。何事か成らざらん。」につながっていること,そして,そこで引用されている論語の「君子は和して同ぜず,小人は同じて和せず」とを比較検討し,せっかくの「和の精神」を忘れて,「同調精神」に陥っている現代日本人の風潮を批判し,改善を促すという働きかけができそうです。
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第13日目)
- 遺産分割に関する見直しについて,配偶者のための「持戻し免除の意思表示の推定規定」の具体例を作成して現行法との比較を行うとともに,問題点の指摘を行っています。
- この改正も,妻の保護のように見えて,実は,夫に都合の良い改正に過ぎないように思います。この改正の立法趣旨を少しばかり意地悪く表現するならば,以下のような,甘いささやきに聞こえてきます。
- 「結婚して20年たったら,夫から居住用不動産の半分を贈与・遺贈してもらっておきなさい。そうすれば,節税対策になるばかりでなく,夫が亡くなった時に,その贈与・遺贈分は,特別受益として持戻しの対象とされることもなく,実質的相続分が増えますよ。でも,夫の胸三寸で,「持戻し免除の意思表示」を破棄されるおそれがあるので,くれぐれも夫の言うことには従っておきなさい。夫を立てて賢く振舞った方が得をしますから。」
- (HP訪問者の延べ人数:22,780人)
- 2019年2月15日(金) 晴れ後曇り後雨
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第14日目)
- 遺産分割に関する見直しについて,可分債権の遺産分割における取扱いについて執筆を始めました。
- この改正も,金銭債権は,原則として,当然に分割債権となるという,民法427条の誤った解釈(そもそも,条文の見出し自体が立法趣旨に完全に反している上に,体系的にもあり得ない解釈です。これが通説・判例となっている点に,わが国の民法学の病根の深さが見てとれます)に立脚しており,民法学者たちのレベルの劣化を目の当たりにして,どのように執筆すべきか迷いつつ,嘆いていてばかりでは埒が明かないので,少しずつ執筆を続けています。
- (HP訪問者の延べ人数:22,800人)
- 2019年2月16日(土) 曇り後晴れ
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第15日目)
- 遺産分割に関する見直しについて,可分債権の遺産分割における取扱いの具体例を判例を参照しながら作成しています。
- (HP訪問者の延べ人数:22,820人)
- 2019年2月17日(日) 晴れ
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第16日目)
- 可分債権の遺産分割の前提となっている民法427条の立法理由を明確にするため,理由書の記述だけでなく,法典調査会議事速記録をコピーして,読んでいます。
- 明治学院大学在職中に研究指導したベトナムの留学生(現在ホーチミン市のローファームで弁護士として活躍中)から,国際会議に出席するため東京に出張するので会いたいとのメールが届きました。現在,日程の調整中です。
- (HP訪問者の延べ人数:22,840人)
- 2019年2月18日(月) 晴れ後曇り後雨
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第17日目)
- 可分債権の遺産分割の前提となっている民法427条の立法理由を明確にするため,理由書,および,法典調査会議事速記録の記述を分析し,整理しています。
- 遺産分割に関する見直しについて,可分債権の遺産分割における取扱いの具体例を判例を参照しながら作成し,新法と現行法との比較を行っています。
- (HP訪問者の延べ人数:22,860人)
- 2019年2月19日(火) 雨後曇り後晴れ
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加賀山茂=金城亜紀責任編集
『法と経営研究』〔第2号〕
信山社(2019/01) |
加賀山茂=金城亜紀責任編集『法と経営研究』〔第2号〕信山社(2019/01)が発刊され,自宅に送られてきました。
- 第2号は,最初に「コーポレートガバナンス」の原点に立ち返る「対談」から始まり,研究論文以外に,「コラム」欄を取り入れたのが特色となっています。
- 研究論文は,最初の私の論説「販売信用の構造分析と事実関係の可視化」,および,最後の論説である櫻井成一朗「法と経営学における情報セキュリティ」が主として法学的アプローチによる「法と経営研究」であるのに対して,その他の3つの論説(加藤章夫「資産運用ビジネスの成長に求める金融システム再構築」,三澤圭輔「明治・大正期における地方銀行の与信判断について」,橋本理博「アムステルダム銀行の預金受領証は『銀行券』だったのか」)は,経営学,または,経営史的アプローチによる「法と経営研究」となっている点で,バランスが取れていると思います。
- これからも,法学と経営学との融合を目指して,毎年1回,着実に研究雑誌の編集と発刊を続けていきたいと考えています。
- これを機会に,法と経営に関連する論文・コラムに関する,皆様の投稿をお待ちしております。
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第18日目)
- 可分債権の遺産分割の前提となっている民法427条の立法理由を明確にするため,理由書,および,法典調査会議事速記録の記述を分析し,それを踏まえて執筆を行っています。
- わが国の通説,例えば,我妻栄=有泉亨=清水誠『我妻・有泉コンメンタール民法 総則・物権・債権』〔第5版〕日本評論社(2018/4/1)822頁は,民法427条(分割債権及び分割債務)について,以下のような見解をとっています。
- 民法は,「多数当事者の債権及び債務」の総則として,「分割債権」(「可分債権」ともいう)と「分割債務」(「可分債務」ともいう)に関する427条の1か条をおく。すなわち,民法は,この形態をもって多数当事者の債権債務における原則としたのである。
- いかにももっともらしい説明ですが,民法427条の原則が,他の多数当事者の債権・債務,例えば,不可分債権・債務のどのような場面で「適用」されるのか,説明が省略されているため〔実は,説明しようとすると,通説が破綻するので説明できない〕意味不明です。確かに,この規定は,多数当事者の債権・債務関係の通則として,すべての不可分債務とか連帯債務にも適用されることは,現行民法の立法以来,疑われていない原則です。それでは,この民法427条規定は,たとえば,不可分債務のどのような場面で「適用」されるのでしょうか?
- 立法理由書(広中俊雄『民法修正案(前三編)の理由書』有斐閣(1987)415頁)を見れば,答えはすぐに見つかります。すなわち,民法427条を立法したおかげで不要となったとされる旧民法財産編第440条にその答えが,次のように書かれています。
- 〔不可分債務の〕債務者の一人が義務の履行を為したるときは,義務の原因に従ひ又は従来相互の関係に従ひて,他の債務者の分担す可き部分に付き,之に対して,担保の求償権を有す。
- つまり,不可分債務の場合に,一人の債務者が全額の弁済をした場合,求償権が発生しますが,その点については,負担部分の観念がない不可分債務の個所には規定がありません。したがって,不可分債務の場合にも,民法427条が適用され(連帯債務の規定が準用されるのではありません),弁済した債務者は,他の債務者に対して,「それぞれ等しい割合で」求償することができます。同様にして,連帯債務において,負担部分が不明の時,または,証明ができない場合にも,民法427条が適用され,全額弁済した連帯債務者は,他の連帯債務者に対して,「それぞれ等しい割合で」求償することができるのです。
- そのように考えると,民法427条の条文見出しである「分割債権及び分割債務」が,誤りであること,少なくとも,「可分債権・債務は,自動的に,分割債権・債務になる」という誤解(最一判昭29・4・8民集8巻4号819頁に始まり,最三判平成16・4・20判タ1151号294頁を経て,最大決平28・12・19民集70巻8号2121頁においてさえ,一般論としてはこの立場を維持している最高裁の誤解)を誘発する原因となっている不適切な見出しであることがよくわかります。
- なぜなら,民法427条は,「分割債権及び分割債務」だけに適用される規定ではなく,多数当事者の債権及び債務の総則規定であり,不可分債務にも,連帯債務にも,保証にも適用される規定だからです。このことは,先に述べた「立法理由書」に,以下のように明確に記述されています。
- 本案〔現行民法427条〕に於ては不可分債務,連帯債務及び保証債務の総則として本条を設け,以て其主義を明にせり。
而して此規定を設くる以上は,財産編第440条〔不可分債権・債務における利益の分配及び求償関係〕の如き規定は自ら其必要なきに至るべきなり。
- 法典調査会議事速記録にも,このことは,明確に記述されています(法務大臣官房司法法制調査部監修『法典調査会 民法議事速記録』(日本近代立法資料叢書5)商事法務研究会(1984)150頁)。
- 富井政章君:…〔民法427条の〕此原則は,廣う書いてありますに依て,不可分債務者は,不可分債務者相互ノ間,連帯債務者相互ノ間,保證人相互ノ間に直接の適用がある積りである。從って,既成法典〔旧民法〕中の箇條を多少之が為めに削除することが出來る様になりました。例えば,只今示しました財産編440條〔不可分債権・債務における利益の分配及び求償関係〕の如きであります。
- 現行民法の立法の経緯,および,現行民法の多数当事者の債権・債務の体系を理解しさえすれば,民法427条は,「分割債権及び分割債務」に特化した規定ではなく,あくまで,「多数当事者の債権及び債務の総則」なのですから,現行民法427条の条文見出しは誤りであり,現行民法3条とか,改正民法3条の2とかの場合と同様,条文見出しは不要であることを理解することができます(あえて見出しを付けるとすれば,「利益及び負担割合平等の原則」とでもすべきでしょう)。それにもかかわらず,このような誤りが放置され続けていることに,私たちは,目を背けてはなりません。ここにも,わが国の民法学の陥っている根深い病根のほんの一部が露呈しているからです。
- 今回の民法(債権関係)改正の立法的過誤は,数多くありますが,特に,多数当事者の債権・債務関係に集中していることも,見過ごしてはならない点でしょう。この点については,おいおい,明らかにしていきます。ご期待ください。
- 日出ロータリークラブの一員として,別府中央RCが主催する大分第3地区IM(Intercity Meeting)に出席しました。
- (HP訪問者の延べ人数:22,880人)
- 2019年2月20日(水) 曇り後晴れ
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第19日目)
- 遺産分割に関する見直しについて,可分債権の遺産分割における取扱いの具体例を判例を参照しながら作成し,新法と現行法との比較を行っています。
- (HP訪問者の延べ人数:22,910人)
- 2019年2月21日(木) 曇り後晴れ
- 日出ロータリークラブの事務局から,一昨日に参加した別府中央RCが主催する大分第3地区IM(Intercity Meeting)に出席した感想を求められたので,以下のような感想文を書いて,事務局に送りました。
- 2019年2月19日にホテル&リゾーツ別府湾で開催された2018-2019年度国際ロータリー(RI)大分第3地区グループのIM(Intercity Meeting)に参加した感想を述べます。
- 第1部の平野教康(大分第3グループガバナー補佐)の「基調講演」は,ロータリークラブが,もともと,会員の事務所を持ち回りで開催されたという原点に立ち返り,平野氏が,第3グループの会長・幹事らの事務所を訪ねて,「職業奉仕の実践」の実際を知るという経験を動画を用いて紹介されるものでした。新入会員にとっても,職業奉仕の実践の大切さを知ることができるとても有意義な講演でした。
- 第2部(ディスカッション)は,6つのロータリクラブ(RC)のそれぞれの会長による「職業奉仕の実践について」の報告を受けて,瀧 満(RI第2720地区ガバナーエレクト)の講評が行われました。RCの原点であるシカゴでの創設期の歴史について,写真を交えて,新入会人にも分かりやすく説明を行った上で,「職業奉仕の理念も大切であるが,その実践こそがさらに重要である」ことを強調されるもので,感銘を受けました。
- 私は,新入会員で,RCの全体像を模索している段階ですので,的外れの意見かもしれませんが,二つの点で問題提起をしたいと思います。
- 第1は,第1部「職業奉仕」に関するロータリーソングについてです。今回のテーマ「職業奉仕の実践」については,一見,ロータリーソング「奉仕の理想」が適しているように思われますが,内容から見ると,「我等の生業」の方が「職業奉仕の実践」に適しています。選曲を「我等の生業」にされた方がよかったのではないかと思いました。
- 第2は,第2部の「ディスカッション」についてです。先に述べたように,個々の内容は素晴らしかったのですが,職業分類が「法学者」である私の立場からは,「ディスカッション」,すなわち,議論とは言えないものだったと思います。
- このことは,昨年11月17日に行われた地区大会でも感じたことなのですが,「ディスカッション」とは,議論なのですから,少なくとも,パネリスト同士の意見交換,理想的には,パネリストとフロワーにいる会員との間での意見交換・質疑応答がなされるべきであり,その時間をとっていないことは,問題だと思いました。
- そういうわけですので,日出RCがIM等を主催するときは,短くてもよいので,パネリストと会員との間の意見交換・質疑応答の時間をとるべきだと感じました。
- 明治学院大学法学部における「改正債権法研究会」に参加していることから図書購入が認められ,希望していた,民法(債権関係)改正,相続法改正,著作権法改正に関する図書が送られてきました。図書が手元にあると,重要部分について,マークしたり,書き込みをしたりすることができますし,手間をかければ,用語検索もできるようになるため,研究環境が一段と充実します。
- (HP訪問者の延べ人数:22,930人)
- 2019年2月22日(金) 曇り後雨
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最大決平28・12・19民集70巻8号2121頁の事実関係 |
明治学院大学・消費者法研究会に出席し,「求められる『一括繰り上げ返済』禁止の法理」について報告するため,東京に出張します。
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第20日目)
- 遺産分割に関する見直しについて,可分債権の遺産分割における取扱いの具体例を判例を参照しながら作成し,新法と現行法との比較を行っています(最大決平28・12・19民集70巻8号2121頁の事実関係の図を作成しました)。
- (HP訪問者の延べ人数:22,960人)
- 2019年2月23日(土) 曇り後晴れ
- 『法と経営研究』第2号の編集を振り返り,第3号の編集方針を検討するため,編集会議を開催します。
- 明治学院大学・消費者法研究会で,「求められる『一括繰り上げ返済』禁止の法理」について報告します。
- (HP訪問者の延べ人数:22,980人)
- 2019年2月24日(日) 晴れ
- 明治学院大学・消費者法研究会での報告を終え,九州に帰ります。
- 末川民事法研究会に出席するため,京都に出張します。
- 第1報告:性同一性障害と嫡出推定(最三決平25・12・10民集67巻9号1846頁)
- AIDは科学的不倫であり許容されないとの出発点には,驚きましたが,「夫の同意の確保方法」,「実施機関の適格性」,「AID子の出自を知る権利の確保」が保障されれば,AIDを否定しないとの着地点が用意されているため,一応,バランスがとれた報告となっていました。
- 第2報告:デビットカードの不正使用とカード会員の保護(東京地判平29・11・29金法2094号78頁)
- デビットカードについて,キャッシュカードとの類似性に着目して,預金者保護法4条1項の類推適用を模索する報告でした。
- 国際ブランドのデビットカードの仕組みは,確かに,クレジットカード会社の支払いとカード会員への請求というプロセスが省略されて,イシュアーである銀行の預金口座から会員の預金が引きとされる(振込みによる決済である)という点で,表面的には,クレジットカードとは大きく異なるように見えます。しかし,デビットカードにおいても,国際決済の仕組み自体は,クレジットカードの仕組みそのものを使っており,被害者保護としての「チャージバック」の制度が利用できます。
- デビットカードをキャッシュカードと位置付けて,理論を組み立てると,様々な点で壁に突き当たるのですから,それ以外に,クレジットカードとの類似性に基づく「チャージバックの利用可能性」を模索することも有意義ではないかとのアドバイスを行いました。
- 懇親会
- 相続法改正の話題で大いに盛り上がりました。
- 会員の紹介で,「一学舎」という出版社の企画・編集担当者と出会いました。その方との懇談を通じて,寺子屋ひじ塾に関連する書籍の出版企画を作成することを思い立ちました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,010人)
- 2019年2月25日(月) 晴れ後曇り
- 宿泊したホテルのレストランで朝食を取りました。レストランの壁に書かれていた英語の意味がよく分からなかったので,ベテランの従業員に質問したところ,主語が人間ではなく,ネズミだと教えてくれました。なるほど,ネズミだと思えば,意味がよく通じます。
壁に書かれた英語 |
翻案(賢いネズミの独り言) |
Enough is a feast.
I don’t want the cheese.
I just want out of the trap. |
足るを知れば,それがご馳走だよね。
チーズは大好物だけど,ここは,「食わねど高楊枝」だ。
欲を出さずに,罠に掛からないようにすることの方が大切だもの。 |
- 京都の貸家の管理を依頼している不動産会社に寄って鍵をもらい,借家人の退去後の状況をチェックしました。
- 借家人が持ち込んでいた荷物がすべて撤去されており,原状に回復されていました。
- 京都での仕事を終えて,大分に帰りました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,030人)
- 2019年2月26日(火) 曇り後晴れ
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆に必要な新刊書の目録を作成し,追加すべき論点を整理しました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- 日出RCの次期役員・理事が確定し,委員会の構成も明確になりました。
- 私は,次期(2019年7月~2020年6月)日出RCの副会長となり,委員会の委員としては,管理運営・出席,公共イメージ,奉仕プロジェクト・青少年奉仕,クラブ戦略のそれぞれの委員会の委員を兼任することになりました。
- 私が設立の準備を行っている無料の「寺子屋ひじ塾」は,まさに,奉仕プロジェクト・青少年奉仕委員会の目標と一致するものなので,設立後は,会員の協力も得られそうです。
- 新しく設置されることになった「クラブ戦略」委員会においても,わが国が直面している少子・高齢化・低成長・格差社会に対応し,地域で生じている様々な問題を解決するための「奉仕活動」戦略を率先して練り上げたいと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:23,060人)
- 2019年2月27日(水) 曇り
- 日出ロータリークラブが主催する第6回「日出町小中学校善行表彰」に出席するため,日出中学校に出かけます。
- (HP訪問者の延べ人数:23,080人)
- 2019年2月28日(木) 雨後曇り
- 加賀山茂『求められる相続法の論点解説と将来展望』の執筆を続けています(第21日目)
- 日出ロータリークラブが主催する第6回「日出町小中学校善行表彰」に出席するため,豊岡小学校,日出小学校,藤原小学校に出かけます。
- 事前に,インターネットで動画を拝見し,予備知識を得ておきました。
- これを機会に,豊岡小学校,日出小学校,藤原小学校の先生方とのコンタクトを取りたいと思います。
- 校長先生の中には,近く定年を迎える方もおられ,定年退職後は,ボランティアとして,子供の教育に携わりたいとのことでしたので,寺子屋ひじ塾の立ち上げ後は,いろいろな形で協力をしていただけそうでした。
- (HP訪問者の延べ人数:23,100人)
- 2019年3月1日(金) 晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の教授会に出席するため,東京に出張します。
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三宅勝久『大東建託の内幕-
”アパート経営商法”の闇を追う-』
同時代社(2008/6/15) |
列車の中で,三宅勝久『大東建託の内幕-”アパート経営商法”の闇を追う-』同時代社(2008)を読みました。
- 大東建託の”アパート経営商法”とは,以下のような「一括借りげ」というサブリース契約を利用することに特色があります(本書28-29頁)。
- 「一括借り上げ方式」とは,土地の所有者に銀行融資を通じてアパートやマンションを建てさせ,それを大東建託の子会社が借り上げて,家賃回収や入居者集めなどの管理業務を代行するというシステムです。家主は,家賃収入の約10~15%に当たる手数料を支払いますが,空き室が出ても家賃が保証されるというシステムのため,家主にとって魅力があります。
- しかし,契約上は,賃料は築10年を過ぎた地時点で見直しが可能であり,往々にして下げられるため,受けた融資の返済に支障が出ることがあります。また,修理には,費用が高くても大東建託の指定業者を使わなければならないなど,家主にとって不利な条件が多数あり(第2部:家主の夢と現実),家主の考え方と大東建託の方針との対立の板挟みになった社員が思い悩んで自殺したり,過労死寸前となったり,悪事に手を染めたりする事例が多発しました(第1部:使い捨てられる社員たち)。
- 本書によって気づかされた点は,以下の通りです。
- 利潤だけを追求するシステムは,少子高齢化,過疎化,低成長化の社会においては,破綻するリスクが高まっています。特に,これまでの右肩上がりで成長を続けてきた時代の幻想にとらわれ,安易な成長戦略に基づいてなされた企画は,必然的に自壊の道をたどらざるを得ません(第3部:自壊への道)。
- 経営戦略を立てる場合に,考慮しなければならない視点だと思います。
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ホテル・ニューオオタニで開催された国際弁護士連合会(International Bar Association)の会議に出席したベトナムの弁護士(私の名古屋大学・明治学院大学時代の留学生で,明治学院学院大学で博士号を取得)と会って歓談しました。レストランの窓越しに見える日本庭園は梅が満開でした。その後,夕食を共にしました。そして,より一層交流を深めるための今後の計画について話し合いました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,120人)
- 2018年3月2日(土) 晴れ後曇り後雨
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の教授会に出席しました。
- 教授会終了後,大分に帰りました。
- 列車の中で,「AIに負けないための民法学の新戦略-通説・判例依存の学習では法学者・法曹はAIに淘汰される-」という15,000字のメモを書き上げました。ゆくゆくは,本の形にまとめたいと思っています。
- Ⅰ AIの発展で法学者・法曹という職業も危機に直面している
- 1.ワトソンを使った弁護士に代わるAIの衝撃
- 2.AIの発展は,通説・判例重視の学習者を駆逐するかもしれない
- 3.AIに負けない法律学とはどのような学問か
- Ⅱ AIに負けない民法学の構想(民法学の破壊的創造)
- 1.AIに搭載されるべきでない民法学におけるごまかしを発見し,訂正する
- (1) 物とは有体物だけをいうのか? 無体物が含まれるのか?
- (2) 担保物権は,独立の物権か? 摑取力を強化された債権か?
- (3) 可分債権・債務は,自動的に分割される分割債権・債務なのか?
- (4) 連帯債務は,付従性のない純粋な債務か? 債務と連帯保証の結合か?
- (5) 保証は債務か?債務なき責任か?
- (6) 契約をバックアップするのは,不法行為か,不当利得か,それとも事務管理か?
- (7) 婦夫財産は名義人のものか? 婦夫の組合財産か?
- (8) 家族が定義されていないのはなぜか? どのように定義することができるのか?
- (9) 家族法に女男差別の規定が放置されているのはなぜか?差別規定をなくすことはできるのか?
- 2.遅ればせながら,民法の最初の条文に「目標・目的」を設定する
- 3.民法の体系を再構築し,定義規定を設定する
- Ⅲ 民法学習の方法論(法教育の破壊的創造)
- 1.民法学習の到達目標と二つのタイプの学習方法
- (1) 民法学習の到達目標をどこに設定するか
- (2) トップ・ダウン式の学習法
- (3) ボトム・アップ式の学習方法
- 2.問題解決のためには,アイラック(IRAC)で考える
- 3.議論は,トゥールミンの議論の図式に従って行う
- Ⅳ 未知の世界への挑戦を続ける(男性的発想の破壊と創造)
- 1.生物学的発想の導入による民法学のパラダイムの転換
- 2.男性から女性への大政奉還
- 3.100年間の償いプロジェクト
- Ⅴ 結論
- 参考文献
- (HP訪問者の延べ人数:23,140人)
- 2019年3月3日(日) 雨
- いつの間にか机の上に溜まった書類の整理を行います(第1日目)
- 名刺の整理を行い,パソコンに取り込むとともに,紙ベースでも部門ごとに整理して保存しました。
- 「AIに負けないための民法学の新戦略-通説・判例依存の学習では法学者・法曹はAIに淘汰される-」の追加・改訂を行います(第1日目)
- 「契約をバックアップするのは,不法行為か,不当利得か,それとも事務管理か?」の個所を補完しました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,160人)
- 2019年3月4日(月) 曇り後晴れ
- いつの間にか机の上に溜まった書類の整理を行います(第2日目)
- 「AIに負けないための民法学の新戦略-通説・判例依存の学習では法学者・法曹はAIに淘汰される-」の追加・改訂を行います(第2日目)
- 「婦夫財産は名義人のものか? 婦夫の組合財産か? 」の個所を補完しました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,180人)
- 2019年3月5日(火) 晴れ
- 「AIに負けないための民法学の新戦略-通説・判例依存の学習では法学者・法曹はAIに淘汰される-」の追加・改訂を行います(第3日目)
- 「家族が定義されていないのはなぜか? どのように定義することができるのか?」の個所について,旧民法・民法旧規定には家族の定義があったのに,現行法ではなぜそれができなくなったのかを明らかにするとともに,家族に関する国民(女性)の意識調査を参照しつつ,暫定的な家族の定義を行い,図式化しました。
- 今月と来月は,私が消費者法研究会の合宿,本務校の入試,スクーリング等で,東京出張の機会が増えます。その結果,私は,1か月のうち,その半分を東京と京都への出張で過ごすことになります。
- 母親のメインの食事は,いつも通り,私が数日分を作って,冷蔵庫に入れておけば済むのですが,毎朝作っている野菜ジュース,スムージーは,鮮度が重要なため蓄えることができません。これまでは,私の出張中は,母親が野菜ジュースとスムージーは,自分で作っていたのですが,最近,母親は,体力の衰えを感じ,作るのが困難になったようです。
- そこで,今後は,毎朝1時間,ヘルパーさんに来ていただいて,野菜ジュースとスムージーを作ってもらうことにしました(費用は,私の銀行口座から引き落としてもらいます)。今日は,私が,野菜ジュースとスムージーの作り方を説明し,ヘルパーさんにやってもらいました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- (HP訪問者の延べ人数:23,210人)
- 2019年3月6日(水) 曇り後雨
- 「AIに負けないための民法学の新戦略-通説・判例依存の学習では法学者・法曹はAIに淘汰される-」の追加・改訂を行います(第4日目)
- 「家族法に女男差別の規定が放置されているのはなぜか?差別規定をなくすことはできるのか? 」の個所について,女男差別が残る規定を列挙しつつ,補完を行います。
- 母親の野菜ジュースとスムージーを作成してくださるヘルパーさんと話していて,法律にも興味を持っていることが分かったため,私が在宅しているときは,ヘルパーさんのために,5分間ほどの教養講座を開催することにしました。
- 第1回目は,日本人の好きな「和の精神」の原点となる「十七条の憲法 第1条」です。
- 日本書紀の原文(一曰,以和為貴,無忤為宗。人皆有黨,亦少達者。是以或不順君父,乍違于隣里。然,上和下睦,諧於論事,則事理自通。何事不成),その読み下し文,および,現代語訳,並びに,第1条の起草の際に参照された論語の子路編(子曰,君子和而不同,小人同而不和。)の読み下し文,および,現代語訳を1枚のレジュメにまとめて,分かりやすく説明しました。
- ヘルパーさんの反応がよく,一番重要な部分である「上和下睦,諧於論事,則事理自通。何事不成」を暗記してもらうことまでできました。「寺子屋ひじ塾」の予行演習にもなるため,今後も,この「ヘルパーさんのための教養講座」を断続的に開催することにします。
- 寺子屋ひじ塾の一般社団法人化に向けて,15条からなる定款を作成しました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,240人)
- 2019年3月7日(木) 曇り後雨
- 「寺子屋ひじ塾」の経営相談,「法と経営研究」の編集会議,吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の入試(面接)のため,東京に出張します。
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福島達也
『一般社団・財団法人
設立完全マニュアル』
学陽書房(2015) |
列車の中で,福島達也『一般社団・財団法人設立完全マニュアル』学陽書房(2015)を読みながら,昨日作成した「一般社団法人寺子屋ひじ塾定款」を改訂し,17条からなるVer.2を作成しました。 - 内容を読み進めると,いろいろな注意点が浮かび上がり,簡易な定款ひな形を読んだだけで定款を作成したのでは,実際の業務をこなすのには,不十分な点があることがわかりました。
- マニュアル本であっても,実際の手続を想定しながら,じっくり読まないと,理解が深まらないことを実感しました。
- 「AIに負けないための民法学の新戦略-通説・判例依存の学習では法学者・法曹はAIに淘汰される-」の追加・改訂を行います(第5日目)
- 法律AIに搭載すべき,全く新しい民法の体系と,用語の定義について,思いを巡らせます。
- 現在の民法学の誤り批判するというよりも,発想を変えて,AIが矛盾なく推論をすることができるように,AIに搭載すべき民法の体系と用語の定義,さらには,各条文に対応する論理式を明らかにしてしまうというのも,面白いかもしれないと思いました。
- 雨のため,夕食は,外に出ず,部屋にサービス券が入っていたホテル内のCafé Barで,薄焼きピザ(マルゲリータ)と生野菜とで済ませました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,260人)
- 2019年3月8日(金) 晴れ
- 福島達也『一般社団・財団法人設立完全マニュアル』学陽書房(2015)を読み続けながら,昨日作成した全15条の「一般社団法人寺子屋ひじ塾定款Ver.2」をさらに改訂し,全19条にしました。
- 寺子屋ひじ塾の会長理事には,女性に就任してもらいたいと思い,候補者本人に会ってお願いしたところ,快く就任の内諾をいただきました。これで,女男平等の運営への道が開けそうです。社員の構成も,女男平等にしたいと思っています。
- 歯科医で奥歯の治療をしてもらいます(第1回目)。
- 『法と経営研究』の編集会議を開催し,「法と経営学会」の設立について検討を開始しました。
- きのう夕食を取ったホテル内のCafé Barで,バーテンダーを介してお客さん(近隣の会社の部長様)と知り合い,ボランティア活動等の話で盛り上がりました。何らかの形で,寺子屋ひじ塾への支援をしていただけそうです。
- (HP訪問者の延べ人数:23,290人)
- 2019年3月9日(土) 晴れ
- 『法と経営研究』の次回の編集会議の開催日時等について,出版社の都合を打診し,4月6日に開催することに決定しました。
- 明日の本務校の面接入試(品川)に備えて,大井町近辺のホテルに宿泊します。
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コーリー・アルソフ
(清水川貴之=新木雅也訳)
『独学プログラマー
-Python言語の基本から
仕事のやり方まで-』
日経BP(2018/2/26) |
久しぶりに,オアゾにある丸善を訪ね,近刊書をゆっくり眺めることができました。そこで,最近はやりのプログラミング言語Python(パイソン)の独習書(コーリー・アルソフ(清水川貴之=新木雅也訳)『独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで』日経BP(2018/2/26))を見つけ,衝動買いをしました。
- ホテルに帰って,早速,上記の独習書(独習プログラマーの入門書)を読みながら,Windows用のPython(Python 3.7.2)をインストールし,最初のプログラミングをしてみました。
- インストールの際に,英文を注意深く読まなかったため,Pathが通らず,インストールをやり直す羽目になりましたが,何とか,インストールができました。
- スクリプト言語だけのことはあり,IDLE(Interactive DeveLopment Environmentの略:アイドル)というエディタ(厳密には,プログラムを書くとそのまま実行してくれる対話シェル)を使うと,おもしろいほど,効率的にプログラミングを楽しむことができます。
- 1時間ほどで,最初の3章を全く引っかかることなく,プログラミングをしながら読み進めることができました。
- プログラミンが楽にできるだけでなく,読みやすいのは,プログラムの形式が,以下の通り,まるで論文の文章のように厳格に構造化されているからだということも理解できました。
- プログラム
- ヘッダー(キーワード(予約語)が含まれる1行のコード):
- 本書48頁のチャレンジ問題もうまくうまく解けましたので,ここまでは,きちんと理解していると思います。
- 大分に帰ったら,この本を終わりまで読んで,欲を出さずに,本書の出てくる程度でよいので,Pythonのプログラミング技術をマスターしたいと思いました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,320人)
- 2019年3月10日(日) 晴れ後曇り後雨
- 福島達也『一般社団・財団法人設立完全マニュアル』学陽書房(2015)を読み続けながら,定款以外の設立申請に必要な書類を作り続けました。
- そして,一般社団法人寺子屋ひじ塾の設立に必要なすべての書類(定款認証の委任状,定款,設立登記申請書,設立時 理事の就任承諾書,設立時代表理事選定書,別紙)を作成しました。
後は,設立時社員の印鑑証明書とか住民票とか,証明押印をしてもらうだけで,公証,設立登記準備が整います。
- 品川駅近くの会場で,本務校の面接入試を行い,大分に帰ります。
- 帰りの列車の中で,コーリー・アルソフ(清水川貴之=新木雅也訳)『独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで』日経BP(2018/2/26)を読み続け,読み終わりました。ただし,第2部以下は,実際のプログラミングはしていないので,必要になった時に,プログラミングをしながら,じっくり読み直すつもりです。
- (HP訪問者の延べ人数:23,350人)
- 2019年3月11日(月) 晴れ
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吉田利宏
『元法制局キャリアが教える
法律を読む技術・学ぶ技術』
〔改訂3版〕
ダイヤモンド社(2016) |
昨日の本務校の入試の結果次第では,理科系出身の大学院生の研究指導の一環として法律学の手ほどきをする可能性が生じたため,資格試験を受験する人々の間で人気を博している法学入門書として,吉田利宏『元法制局キャリアが教える法律を読む技術・学ぶ技術』〔改訂3版〕ダイヤモンド社(2016)を購入して読み始めました。
- リーガルマインドを重要視しながら,その説明があまりにも抽象的なために,少しがっかりしながら読んでいたのですが,私が,普段は軽く読み飛ばしている附則について,本則と並べて重要視し,「本則がメインディッシュなら,附則はデザートとコーヒーだ」というように,うまい比喩を使って,初心者にもよくわかるように丁寧に説明しているのには感心しました。
- この本で扱われている法律の種類も,公法,私法にとらわれず,バランスよく扱っている点も,さすがに,元法制局のキャリアだけのことはあると思いました。
- 寺子屋ひじ塾で法教育をする際にも,この本を入門書として学習させるのがよいのではないかと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:23,370人)
- 2019年3月12日(火) 晴れ後一時雨
- 吉田利宏『元法制局キャリアが教える法律を読む技術・学ぶ技術』〔改訂3版〕ダイヤモンド社(2016)を読んでいます(第2日目)。
- コーリー・アルソフ(清水川貴之=新木雅也訳)『独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで』日経BP(2018/2/26)に刺激を受けて,本格的に,Pythonの学習をしようと思い,Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を購入して読み始めました。
- 日出ロータリークラブの職場例会に出席します。
- (HP訪問者の延べ人数:23,400人)
- 2019年3月13日(水) 晴れ
- 確定申告の書類を作成し,別府税務署へ郵送しました。
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読みながら,名前と年齢を尋ねて,その人が,赤ちゃんなのか,幼児なのか,児童なのか,成人になりたてなのか,壮年者なのか,高齢者なのかを返すというプログラミングをしてみました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,430人)
- 2019年3月14日(木) 晴れ
- 修善寺の私学共済施設ラフォーレで,明治学院大学・消費者法研究会メンバー5名で,合宿を行いました。
- 第1報告:AIに負けないための民法学の新戦略
- 通説・判例の大きな矛盾点を詳細に指摘し,したがって,通説・判例を搭載した法律AIは,暴走する危険が大きい。法律エキスパートシステムの開発計画でやり残した点,すなわち,民法体系の論理式化を実現し,矛盾のない体系と条文の再構築を目指すべきではないかとの提言です。
- 第2報告:営業秘密の刑事法的保護に関する最近の議論について
- 秘密を保護するために刑法の窃盗,横領,背任を超えて厳罰化を推進することは,結局,秘密を漏洩されて営業上の利益(個人法益)を害された事業者を過剰に保護することになり,事業者事業者間の公正な競争を促進するという不正競争防止法の趣旨に反するのではないかとの示唆を含む優れた報告でした。
- 私としては,営業秘密に関する不正競争とは,「ただ乗り,悪乗りによる不当利得」であり,被害を被る事業者に対して一定期間について,秘密情報のただ乗りによって得た利益のはく奪権(いわゆる介入権)を認めれば済む問題に過ぎない。したがって,制裁は,それに見合う,悪意の不当利得返還請求(利益のはく奪),および,罰金,課徴金のレベルにとどめるべきであると考え,報告レジュメに即して,以下のような問題提起を行いました。
- 秘密の「漏洩」とか「開示」中には,以下のような,正当な場合が含まれるのであり,秘密の内容を開示せずに保護するのは,危険すぎる。
- 公益の実現を図るために,事業者の不正な秘密情報を内部告発する場合には,秘密を保護すべきではない。
- 労働者の正当な権利行使として労使交渉によって取得した営業秘密を労働組合において開示する場合は,秘密を保護すべきでない。
- 残業をするために,許可なく営業秘密媒体等を自宅に持ち帰る場合には,秘密を保護すべきではない。
- 秘密(私益)の内容が,不正競争防止法に違反して獲得された秘密情報である場合に,これを開示する行為(公益)は,営業秘密に優先するのであって,不正な秘密を保護すべきではない。
- 保護すべき秘密かどうかは,最終的には,公開の場である裁判によって決着が図られるべきであり,その場合には,秘密は公開されるのであり,秘密(私益)が公開されないまま公益として秘密として保護されることはあり得ない。秘密は,企業努力によって保持されるべき問題であり,期限もなく,内容も不明の秘密を秘密のまま公益として,秘密が永久に保護されるということは許されないと,私は考えています。
- 第3報告:消費者が敗訴したひとつのクレジットカード代金立替払い請求事件を素材にクレジット取引の適正与信と裁判の合意管轄を考える
- クレジット会社の審査においては,初期与信だけでなく,途上与信(静的与信・動的与信)を考慮して判断すべきであるという,報告です。とても優れた視点であり,論点と結論を明確化すべきであるとのアドバイスを行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,460人)
- 2019年3月15日(金) 晴れ
- 明治学院大学・消費者法研究会の合宿(修善寺)の第2日目で,2つの報告について議論をしました。
- 第4報告:山本龍彦編『AIと憲法』日本経済新聞出版(2018/8/25)についての批判的検討
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山本龍彦編『AIと憲法』
日本経済新聞出版
(2018/8/25) |
政府が作成したAIの7原則(案)(1.人間中心の原則,2.教育・リテラシーの原則,3.プライバシー確保の原則,4.セキュリティの原則,5.公正競争確保の原則,6.公平性,説明責任及び透明性の原則,7.イノベーションの原則),並びに,アルファ碁等で用いられた「強化学習」(強力だが,説明責任を果たせない),および,深層学習(入力Xと出力Yに対して,Y=f(X)となる関数f を見つける学習であり,関数f が所与であれば,最小二乗法で係数を求めるような学習のこと)に関する知見をベースとして,山本龍彦編『AIと憲法』の内容を批判的に検討する報告です。
- 検討の結果は,本書は,AIの定義がなされないままに,執筆がなされており,AIの問題というよりは,データプライバシーに重みが置かれた著述である。AIの問題については,その後に公表された政府の作成した7原則を含めて,再検討が必要となるというものでした。
- AIの定義については,「意思がないAI」vs.「意思や自我が存在するAI」との比較に基づいてAIを定義するもの,「特化型AI」vs.「汎用AI(AGI)」の対比を通じて,汎用AIをもってAIを定義しようとするものがあるとの紹介がなされました。
- 私としては,本来のAIに不可欠な意味の理解は,生命体という体を有することによって生じる現象であり,頭脳だけをいくら分析し,シミュレートする機械を作成しても,意味の理解には到達しない。汎用AIというのは,意味を理解するAIであって,それが真のAIであるという定義に賛同する。しかし,その時点では,そのAIは,意思や自我を有するものへと変容していると思われる。したがって,AIの原則として掲げられている「7つの原則」は,以下の理由に基づいて,将来の指針としては,根本的に誤っていると思われるとの問題提起を行いました。
- 1.人間中心の原則について
- 「人間中心」ではなく,「人間とAとIの相互理解・共存の原則」と改めるべきであろう。人間の頭脳よりも優れた働きをするようになりつつあるAIを下に見る「人間中心主義」は,AIとの関係でも,やがて通用しなくなると考えるべきではないだろうか。
- 6.公平性,説明責任及び透明性の原則
- この原則が,「人間とAIとの相互理解・相互協力の原則」の次に置かれるべきである。そして,この原則と矛盾する「3.プライバシー確保の原則」,および,「5.公正競争確保の原則(その中に営業秘密の保護主義が採用されている点で矛盾を抱えている)」との調整がなされるべきではないだろうか。
- 第5報告:韓国のキャッシュレス社会の状況と脆弱な消費者(高齢者・障害者)に対する行政の対応
- キャッシュレス決済の利用率が20%程度であるわが国が,今後の発展を期する上で,避けて通れない脆弱な消費者(高齢者,障害者)の保護をどのように図っていくべきかという問題について,キャッシュレス決済の利用率が90%に近づいたとされている韓国における消費者教育の現状と課題について,現地調査を踏まえて行われた報告です。
- 韓国でキャッシュレス決済が普及したきっかけが,ソウル五輪であったとすると,東京オリンピック・パラリンピックを来年に控えたわが国おいても,キャッシュレス決済の飛躍的な発展とともに,それに付随して必然的に生じる高齢者・障害者の消費者問題への対応が迫られています。
- 先にこの問題に直面した韓国の経験から学ぶべきことは多いのであって,わが国において総合的な検討が急がれる課題に対して,現地調査を踏まえて,果敢に挑戦する優れた報告でした。今後の現地調査の継続と検討に期待したいと思います。
- 明治学院大学・消費者法研究会の合宿(修善寺)を終えて,大分に帰ります。
- (HP訪問者の延べ人数:23,480人)
- 2019年3月16日(土) 晴れ
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Al Sweigart(相川愛三訳)
『退屈なことはPythonにやらせよう』
オライリージャパン(2017/6/3) |
Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読んでいます。
- 第5章の「辞書とデータ構造」は,特に面白いと思いました。
- 文章の中のすべての文字の出現頻度を整形表示させるプログラミングを作ってみました。改良すれば,索引づくりに生かせるのかもしれません。
- 本書の付録D(日本語テキスト処理)に,スペルミスや漢字変換ミスなどの誤記をチェックするスクリプトが紹介されているので,本書を読み進めていく過程で,いつか,試してみるつもりです。
- 3目並べのゲーム(tic tac toe)のプログラミングにも挑戦して,完成させました。
- ゲームのプログラミングとは縁がないと思っていたし,そんなプログラムを作るつもりのなかったのに,「辞書」の構造の演習だと思ってやっていたら,ゲームのソフトのプログラミングに誘導されてしまいました。
- 自分で作ったプログララムでゲームができるとは思っていなかったので,3目並べのゲームを何度もして楽しみました。
- 「AIに負けないための民法学の新戦略-通説・判例依存の学習では法学者・法曹はAIに淘汰される-」の追加・改訂を行います(第6日目)
- (HP訪問者の延べ人数:23,500人)
- 2019年3月17日(日) 晴れ
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読んでいます。
- 本書付録D(日本語テキスト処理)の誤記検出ツールのうち,最初に作成された簡略版のソースコードを打ち込んで利用してみたところ,現在執筆中の原稿「AIに負けないための民法学の新戦略-通説・判例依存の学習では法学者・法曹は生き残れない-」の中にある誤りを検出することができました。例えば,以下の通りです。
- (誤)加賀山試案→(正)加賀山私案
- (誤)国債売買法→(正)国際売買法
- これらの誤記は,発音が同じであるため読み上げソフトを使っても発見が難しい誤記なので,このような僅か15行のプログラムであっても,誤記発見に役立ちそうです。さらに,ソースコードを本書の改良版を参考にして,変更すれば,もっと効率的な誤記検知プログラムが書けるようになるかもしれません。
- 日出ロータリークラブの会員の勧めで,ホテルリゾート別府湾で開催されるカクテル・パーティに参加します。
- 別府から参加された家族(婦夫,9歳児,4歳児)とテーブルが同じになったので,小学校に導入される英語教育の対応に関する話題など,教育に関する話題で盛り上がりました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,530人)
- 2019年3月18日(月) 晴れのち曇り
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読んでいます。
- 一昨日作成した3目並べのゲーム(tic tac toe)を楽しんでいるうちに,勝ちパターンを把握しました。
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槌田敦『石油文明の次は何か』
農山村文化協会(1981/5/5) |
「反原発・反権力・反分業・反成長戦略」および「ポスト石油文明」に関する古典的名著とされている,槌田敦『石油文明の次は何か』農山村文化協会(1981/5/5)を読みました。
- 東京を離れて,両親が住む大分の実家(千坪(3アール)の農地)に帰ってきた気持ちをうまく表現してくれている本であり,都会に暮らす人には理解できないと思われる個所にも,いちいちうなずきながら読み終えました。
- 地球を支配するエントロピーの原則を受け入れつつ,「独立自尊」を貫くためには,近未来には,槌田敦理論を受け入れざるを得なくなると思いました。
- ただし,個人・家族が独立しつつ,他人との相互扶助を実現するためには,インターネットの力を借りることは必要であり,反コンピュータの考え方だけは,修正せざるを得ないのではないかと,私は考えています。
- 出版社から,加賀山茂『求められる 改正民法の教え方』信山社(2019/3/20)が出版されたとの通知がありました。手元に届くのが楽しみです。
- (HP訪問者の延べ人数:23,550人)
- 2019年3月19日(火) 雨後晴れ
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読んでいます。
- 本書の8章(ファイルの読み書き)で紹介されている「都道府県の県庁の所在地を答えさせる問題集と解答集を作成するプロジェクト」(202-207頁)を参考にして,法律要件に対する法律効果を答えさせる問題集と解答集を作成するプログラムを作成してみました。
- 実行してみると,問題の出し方に工夫(解答の重複回避)が必要なことがわかり,誤記の修正とデータの改訂を続けた結果,法律要件(ランダムに出題)から法律効果(今回は,無効,取消し,撤回,解除に限定)を答えさせる「法律要件・効果に関する4択問題集・解答集(その1)」のプログラミングを完成させました。
- このプログラムの表題を変えて,10年分の問題と解答のペアではなく,10人分の問題と解答のペアに変更すれば,10人でも,100人でも,1,000人でも,それぞれの学生に対して,全く違う問題と解答のペアを一瞬のうちに作ることができるわけです。そうすると,人の答案を見てカンニングをするということができなくなりますから,このプログラムは,カンニング撲滅にも威力を発揮することもできると思われます。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- 日出ロータリークラブの例会の施設を提供しているホテルの新しい総支配人をゲストに招いて,自己紹介をしていただき,ホテル経営と社会貢献・親睦について議論をしました。
- 新入会員(会員交代)の入会式を行いました(現在の会員数は,19名です)。
- (HP訪問者の延べ人数:23,570人)
- 2019年3月20日(水) 晴れのち曇り
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読んでいます。
- 第10章(デバッグ)で,懐かしい階乗(factorial)の答えを手続的に求める関数に出会ったので,再帰的な定義をしようと試みてみましたが,失敗しました。Pythonで再帰的なプログラミングができるようになるまでには,まだ,時間がかかりそうです。
- 愛媛県に居住するいとこ婦夫が,年1回の行事となっている私の実家の隣地の手入れにやってきました。 2日間滞在して,父の見舞いにもいっしょに行く予定です。
- 出版社から,加賀山茂『求められる 改正民法の教え方』信山社(2019/3/20)の献本50冊,購入分50冊,計100部が送られてきました。
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加賀山茂
『求められる 改正民法の教え方』
信山社(2019/3/20) |
出版社がつけてくれた「いや~な質問への想定問答」という副題は,登場する現行民法のスペシャリスト「古居教授」(実は筆者)が,改正民法の概説書で武装し,模擬講義をするした新米教員である「新舞准教授」(実は,改正民法を実際に教えてみて困惑している教員)に対して,「鋭い質問」を投げかけることを,うまく表現していると思います。
- 取り上げた「いや~な質問」は,以下の12です。
- 錯誤は,意思の不存在か?瑕疵ある意思表示か?(改正民法95条)
- 意思能力を欠く法律行為は,無効か取消しか?(改正民法3条の2)
- 時効の更新か中断・再開か?(改正民法147条~161条)
- 時効の完成猶予か短期更新か?(改正民法147条~161条)
- 代理人の利益相反行為を制御できるか?(改正民法108条)
- 詐害行為取消権者の暴走を止められるか?(改正民法424条の6)
- 履行拒絶の概念の採用による影響は何か?(改正民法415条)
- 履行不能の概念は生き残れるか?(改正民法541条,542条)
- 内心の事実は証明できるか?(改正民法93条2項,94条2項)
- 改正民法の9ヵ条で採用された取引上の「社会通念」は必要か?
- 〔不当な解約違約金条項等に対して〕裁判官は何ができるのか?(改正民法420条)
- 瑕疵担保責任はどこに行ったのか?(改正民法562条~567条)
- (HP訪問者の延べ人数:23,580人)
- 2019年3月21日(木) 雨のち曇り後晴れ 夏のような陽気です。東京では桜が開花したとのことです。
- 出版社から送られてきた加賀山茂『求められる 改正民法の教え方』信山社(2019/3/20)を読み返していて,さっそく誤植に気づきました。
- 表紙と裏表紙は,出版社のつけてくれた副題が「いや~な質問への想定問答」と正しく記載されています。ところが,ページをめくった本文の表紙の副題が,なんと,「いや~な質問への想定回答」となっています。本書では,回答は,参考資料として,民法改正の再改正案(加賀山私案)として示唆するにとどめており,古参教員と新米教員による問答こそが本書の特色です。
- 「いや~な」予感がして,最後の「奥付」のページを見てみると,本書の副題が「いや~な質問への想定回答」となっており,2か所とも誤植でした。
- どんなに注意をしても誤植は避けられないので,仕方のないことです。しかし,本書が引用される場合を想定すると,出版年月日が記された奥付の記載に従って引用されることがあると思われるため,本書がどのように引用されるのか,少しばかり心配になりました。
- そこで,インターネットで検索してみたところ,例えば,アマゾンの場合には,副題が「いや~な質問への想定問答」と,正しく表記されていました。これで一安心です。心配するほどのことではないようです。
- いずれにせよ,もしも,本書がよく売れて増刷されることになった場合には,表紙をめくった個所に記載された副題と奥付に記載された副題は,2か所とも訂正していただこうと思いました。
- 愛媛県から隣地の手入れにやってきたいとこ婦夫とともに,父の見舞いに行きました。 父は,食事も完食しており,顔色もよく,いとこ婦夫も喜んでおりました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,620人)
- 2019年3月22日(金) 曇り後晴れ後曇り ツバメが飛来したのを目の当たりにしました。
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読んでいます。
- やっと第11章(Webスクレイピング)にたどり着きました。
- 本務校で必要とされる健康診断を地元の病院で受けました。 結果は,コレステロール値を除いて,すべて良好でした。
- 経営実務法学会の機関誌に投稿する原稿として「相続法改正の前提問題における誤解」を書き上げました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,650人)
- 2019年3月23日(土) 曇り後晴れ
- 民法学研究会,末川民事法研究会に出席するため,京都に出張します。
- 民法学研究会に出席して議論を盛り上げます。
- 第1報告:債務の相続 -可分債務の共同相続に関する議論状況をふまえて-
- 相続債務に関する論点をくまなくカバーした優れた研究報告でした。
- 最後に,報告者は,相続債務の帰属からすべてを演繹的に説明するのではなく,財産管理のプロセスに注目し,現行民法で使える道具は使うということが必要ではないかとの提言で報告を締めくくられました。
- 私としては,第1に,財産法の道具を使う前提として,民法427条の「分割債権・及び分割債務」という誤った条文見出しを削除して,立法者の意思通りに「多数当事者の債権及び債務の総則」であり,可分債権・債務は,当然に分割債権・債務になるという考え方を是正する必要があるのではないかとのコメントを行いました。
- 第2に,大陸法(債務の包括承継主義)と英米法(積極財産と債務との清算主義)との接近に関しては,「相続人の不存在」の章に規定されている相続財団法人(民法951条)の一般化の試みを行うとか,遺産分割において財産管理人に関する規定が極めて不十分な点についても,相続財団法人の規定(特に,957条)の活用を推進すべきではないのかとのコメントを行いました。
- 報告者からは,民法951条以下の「相続財産法人」の考え方は,「相続人のあることが明らかでないとき」に限定されるので,活用はむつかしいとの反論がなされました。
- そこで,私としては,相続人が不明の時に,なぜ,突如として,相続財産法人が成立するのかをよく考え,例外を説明できる理論を構築すべきではないか。むしろ,相続財産法人を一般的に観念することによってこそ,限定承認の場合における清算手続きがうまく説明できること等を突破口として,理論の一般化を試みてはどうか。
- 例外のように見える相続財産法人を出発点とすると,わが国の非効率な遺産分割手続についても,遺産財団を活用しているイギリス法とか,公証人が管理者の役割を演じているフランス法の実態にも接近できるのであり,よい道具を使いこなすことに躊躇すべきではないのではないのかとのアドバイスを行いました。
- 原則と例外との区別をとことんまで突き詰めるのが「実務家の使命」であるのに対して,例外を特別視するのではなく,例外を包み込む一般理論を考え抜くことが「学者の使命」だと,私は考えているのですが,この考え方に到達できる学者はまだまだ少ないようです。
- 第2報告:遺産共有と分割される相続財産-多数当事者の債権(債務)関係の債権法改正における概念の変更を踏まえて-
- 遺産における可分債権について,それが当然に分割されるという判例の考え方に対する批判的な考察をおこない,連帯債権の考え方を活用すべきであることを提言するよくまとまった報告でした。
- 私としては,共有という制度は,第1に,物権法上の共有についても,当然に分割されるのではなく,分割請求によって分割されることになっている(民法256条)。第2に,組合財産の共有は,清算手続きによってのみ分割できることになっている(民法676条3項)。これと同様に,第3の遺産共有(民法898条)についても,遺産分割の手続(民法906条以下)によってしか分割できないと解釈すべきではないかとのコメントを行いました。
- そして,その場合の不都合は,今回の相続法改正の手当て(民法909条の2(遺産の分割前における預貯金債権の行使))と同様に,事情に応じて緩和措置を講じるという方法を採用すべきではないかとのコメントを行いました。
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読んでいます。
- (HP訪問者の延べ人数:23,670人)
- 2019年3月24日(日) 曇り後晴れ
- 京大の留学生から中国語のレッスンを受けました。 Lesson4(請問一共多少銭?)に入りました。
- 末川民事法研究会に出席して,議論を盛り上げます。
- 第1報告:複数当事者への債権債務帰属の法的構造 -分割原則(principe de division)をめぐる議論を参照して-
- 民法427条で規定されている分割原則について,以下の順序で考察し,わが国の民法427条の解釈に示唆を与えようとする,今後の発展が期待できる優れた報告でした。
- (1)分割原則の来歴をフランス法における成立と展開の視点から概観する。
- (2)フランスにおける分割原則批判,特に,ミニョーのバビロニア法的連帯の再評価によるローマ法からの脱却を通じた「完全(真正)連帯と不完全(不真正)連帯の区別の解消」を契機として,分割原則と連帯債務との関係を明確にする。
- (3)改正フランス民法典1309条への結実(分割原則の維持と絶対的効力事由の維持)について,評価を行う。
- 私からは,以下の点が不十分であるため,考察をさらに深化させるようにアドバイスしました。
- 民法427条の立法理由,特に,この条文の成立によって,旧民法財産編444条(不可分債務に関する求償等の規定)が削除できたとされる意味について,深く考察を行うこと。
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成田博『連帯債務論攷』
日本評論社(2015/3/25) |
フランス民法典の改正によっても維持された「絶対的効力事由」の意味について,「絶対的効力とは何なのか」を考察すること。その際,連帯債務の「相互保証理論」によれば,「絶対的効力」とは,「連帯債務に内在する連帯保証部分が付従性によって消滅する現象である」とされているので,その点について考察を深めること。
- 連帯債務の「相互保証理論」は,わが国では中島玉吉を嚆矢とし,浜上則雄「連帯債務の本質と免除」法セミ200号(1972/8)102-106頁(図式化と数式化は加賀山が担当),浜上則雄「損害賠償法における『保証理論』と『部分的因果関係の理論』」(1)民商 66巻4号(1972/07)3-33頁,(2・完)民商66巻5号(1972/08)35-65頁とか,成田博『連帯債務論攷』日本評論社(2015/3/25)とかによって精錬された数学モデルであるため,一つでも例外を立証できれば,理論が崩壊する。したがって,相互保証理論を批判するのであれば,一つでもよいので,連帯債務について相互保証理論では説明ができない例外現象を示すように努めること。
- 第2報告:不法行為訴訟における逸失利益算定に係る一考察 ―障害者の逸失利益算定問題を契機として―
- 報告の3日前に下った判決(平成31年3月22日東京地裁判決)についての判例研究です。
- 関連する判例に対する詳細な比較検討,それらの判決から導き出されるべき逸失利益の算定基準の定律化,本判決についての積極的評価という構成は見事であり,優れた判例研究報告だと思いました。
- もっとも,個人の能力に応じた算定基準を強調することは,具体的な多数の要素を考慮することになり,ピックアップする要素が増えるにつれて,統計的なビッグデータが使えなくなるというジレンマに陥るという不都合を生じることになります。
- 裁判官の事実認定を重視し,「似たような事例は似たように判決する」という方向性を重視するのか,障害者の能力に関する抽象化された特定の要素のみを選定して,ビッグデータを活用するという方向性を重視するのか,トレード・オフと同様の困難さを抱える問題です。前者を強調する報告者の考え方については,研究会では賛否両論がありましたが,裁判のあるべき方向性として尊重すべき考え方だと思われます。
- おそらく,能力に関する考慮要素を定型化することを通じて,個人の能力を考慮しつつ,ビッグデータをも活用できる方法を模索することが今後の課題であろうと,私は考えました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,690人)
- 2019年3月25日(月) 晴れのち曇り
- 京都での研究会(AIと知財研究会,民法学研究会,末川民事法研究会)での議論を終えて,大分に帰りました。
- 帰りの列車の中で,Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読み進め,PythonからWebサイトを検索して画面を表示させるプログラムを作成しました。
- 大分で,砂糖を使わず甘酒と果物で甘みをつけた特製のケーキを入手して,母の93歳の誕生祝いをしました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,710人)
- 2019年3月26日(火) 曇り後晴れ
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読んでいます。
- 日出ロータリークラブの例会に出席し,私の新刊書『求められる 改正民法の教え方』信山社(2019/4/20)を会員に贈呈するとともに,Smile
Boxで「はしがき」と「あとがき」とに言及して,ボランティア活動「寺子屋ひじ塾」の設立の趣旨と,準備状況について報告しました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,740人)
- 2019年3月27日(水) 晴れ後曇り
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読んでいます。
- 面白いと思った個所はプログラミングを実際にやってみる,分からない箇所は飛ばし読みしながらも,ついに,本書を読み終えました。
- Pythonには実用に耐えうるモジュールが豊富に提供されており,それを利用すると,短くて,わかりやすいプログラムを書くことができる。そして,それを実行すると,面倒くさい大量の仕事をあっという間にこなしてくれるということが理解できました。
- 今回のプログラミング演習では,8.6プロジェクト:ランダムな問題集ファイルを作成する(202-207頁)で紹介されているプログラムを応用して,私なりに作成した「民法と消費者法の択一式試験問題のデータに基づいて,10年分の問題と解答をランダムに自動生成する」というプログラムが最も実務に役立つように思いました。
- Pythonの活躍の場である,深層学習とか強化学習などについて,もう少し回り道をしながら,自分の仕事に役立つプログラムを自作するために,いつか,もう一度,本書をじっくりと読み直そうと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:23,760人)
- 2019年3月28日(木) 曇り一時晴れ
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を一応読み終えたのですが,飛ばし読みをした個所(15章~17章)が気になるので,その箇所を読み直しています。
- 加賀山茂『求められる 改正民法の教え方』信山社(2019/3/20)をお世話になっている先生方に郵送しました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,780人)
- 2019年3月29日(金) 曇り
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Bill Lubanovic
斎藤康毅=長尾高弘訳
『入門Python3』
オライリー・ジャパン
(2015/12/1) |
Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を一応読み終えて,Pythonのプログラミングをマスターしたくなってしまい,Bill Lubanovic(ビル・ルバノビック)(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)を購入して,読み始めました。
- 基本的な概念の説明がとても詳しく,上記のよい復習にもなります。
- 来る4月6日に明治学院大学・消費者法研究会で報告予定の「AIに負けない消費者教育のためのAIプログラミング」の準備を開始します。
- 消費者教育の推進に関する法律 (平成24年法律第61号)第2条(定義)第1項によれば,消費者教育とは,「消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する教育(消費者が主体的に消費者市民社会の形成に参画することの重要性について理解及び関心を深めるための教育を含む。)及びこれに準ずる啓発活動をいう」と定義されています。
- そこで,消費者が消費生活を通じて「自立」するとは何を意味するのかを検討するところから始めなければなりません。
- しかし,「消費」生活というのは,人間が生きていく上での支出の側面だけを見て,収入の側面を切り捨てているのですから,「自立」が可能となるわけがありません。収入(生産)と支出(消費)の両面を見るから,自立という概念が生まれるのですから,「消費者の自立」という概念そのものが誤った概念なのです。
- 消費者にも「自立」が大切で,その「自立」という概念を使いたいのであれば,少なくとも,消費者ではなく,収入を考慮した「生活者の自立」という問題としてとらえ直す必要があります。その場合に利用できるのが,家庭の経営学(家政学)だろうと思います。
- 今回の報告では,生活者が生きていくために必要とされるものは何か(生きるための能力・自立力とは何か),自立のための教育とは何かを考えた上で,生きていないために「意味を理解できない」AIに対抗する「生活者の自立のための教育」について,マズロー(A.H. Maslow)の「欲求5段階説(1.生理的欲求,2.安全欲求,3.社会的欲求(所属と愛の欲求),4.承認欲求,5.自己実現欲求)」をも参考にしながら,じっくりと考察したいと思っています。
- そのことが,翻って,「AIを利用した消費者教育」が行われるようになった時点でも,そのAIに搭載すべき,知識とか推論システムを決定する際にも必要となるだろう,というのが私の予想です。
- (HP訪問者の延べ人数:23,800人)
- 2019年3月30日 曇り時々晴れ後雨
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のオリエンテーションに参加して新入生の個別指導を行うため,岡山(備中高梁)に出張します。
- 列車の中でBill Lubanovic(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)を読んでいます(第2日目)。
- 第2章(Pyの成分:数値,文字列,変数)を読んでいて,文字列を逆順に表示する方法(文字列[::-1])の説明を見つけたので,文字列を入力すると,その回文を表示するプログラムを自作してみました。「たけやぶ」と入力すると,確かに,「たけやぶやけた」と返してくれるので,一応成功です。
- オリエンテーションでは,研究科長の研究科の概要の説明の後,研究科長が「論文の書き方」についてレクチャーするようにと私を指名されました。そこで,私が,昨年度好評だったプレゼンソフトを使って,即興で「論文の書き方」についてレクチャーを行いました。
- Wordで論文を書く際の作法(アウトラインを駆使する方法)について,新入生は理解していなかったので,よい機会になったようです。
- 個人指導では,理科系出身の大学院生に対して,法学関係の論文のテーマの選び方について,アドバイスをしました。
- 4月6日に明治学院大学・消費者法研究会で報告予定の「AIに負けない消費者教育のためのAIプログラミング」の準備のため,渡辺信一『AIに負けない「教育」』大修館(2018/8/1)を再度,読み返しています。この本の大枠を利用させてもらい,マズローの文献で肉付けを行いつつ,報告用のプレゼンテーションファイルを作成しようと考えています。
- (HP訪問者の延べ人数:23,820人)
- 2019年3月31日(日) 雨のち曇り一時晴れ
- Bill Lubanovic(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)を読んでいます(第3日目)
- 文字列を逆順に表示する方法(文字列[::-1])を応用して,昨日自作した「回文」のプログラム(palindrome.py)を英文で試したところ,結果を大文字に変換した方がよいように思いました。そこで,英文でも,和文でも対応できるように修正しました。
- "wasitac"と入力す ,"WASITACATISAW"[Meaning:Was it a cat
I saw?]と返してきたので,「まあいいか」ということにしました。
- 日本語にも対応していて,「わたしまけ」と入力すると,「わたしまけましたわ」と返してくれるし,「よのなかねかおか」と入力すると,「よのなかねかおかおかねかなのよ」〔意味:世の中ね 顔か
お金か なのよ〕と返してくれます。
- まだまだ不十分なスクリプトですが,初めから終わりまで自作してみて,なんとか結果が出せたので,よい練習になりました。
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のオリエンテーションを終えて,大分の日出町に帰ります。
- (HP訪問者の延べ人数:23,840人)
- 2019年4月1日(月) 一時雨のち曇り後晴れ エイプリル・フール
- Bill Lubanovic(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)を読んでいます。(第4日目)
- 第3章(Pyの具:リスト,タプル,辞書,集合)の復習課題の問題(3-12)を解いていて,辞書のキーと値を入れ替えるスクリプトを発見しました。
- reverse_dic{}
- for definition, illust in ordinary_dic.items():
- reverse_dic[illust] = definition
- このスクリプトを利用して,3月27日に作成した10年分の試験問題を作成するプログラムの辞書データをひっくり返して再構成し,消費者教育推進法の用語の解説データから,その要約または定義を答えさせる択一問題の10年分を一瞬のうちに作成することができました。
- 4月6日に明治学院大学・消費者法研究会で報告予定の「AIに負けない消費者教育のためのAIプログラミング」の準備のため,アブラハム・マズロー(上野圭一訳)「メタ動機:価値ある生き方の生物学的基礎」ロジャー・N・ウォルシュ=フランス・ヴォーン編(吉福伸逸訳・編)『トランスパーソナル宣言-自我を超えて-』春秋社(1981/10/25)225-244頁を読んで,プレゼンの作成を開始しました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,860人)
- 2019年4月2日(火) 雨後晴れ
- Bill Lubanovic(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)を読んでいます(第5日目)
- 第3章(Pyの具:リスト,タプル,辞書,集合)の復習課題の問題(3-15)を解いていて,解答(506頁)を見ると,以下のような「多重レベルの辞書」の作り方が紹介されていました。内包
{ }と外延[ ]とが区別されているので,民法辞書の作り方のヒントをもらったような気がします。
-
_生物 = {
- '動物':{
- '猫':[
- 'タコ':{},
- 'エミュー':{},
- },
- '植物': {},
- 'その他': {},
- }
- 4月6日に明治学院大学・消費者法研究会で報告予定の「AIに負けない消費者教育のためのAIプログラミング」の準備のため,プレゼンの作成を続けています(第2日目)。
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森進一郎(初代かぐや姫メンバー)と一緒に
森山直太朗の「桜」を歌う
http://hijirc.com/shuho2018/1651_34.html |
別府東RC,豊後大野RC,日出ロータリークラブ合同の花見例会に出席しました。
- 懇親会の席で,豊後大野ロータリークラブのメンバーの方々と名刺交換しながら懇談していると,懇親会の余興で招待された森進一郎様(初代かぐや姫メンバー)が,森山直太朗の「桜」を歌い始められたのに気づきました。
- この歌は,私もカラオケで時々歌う歌なので,つい,つられて会場で歌いだすと,司会の方が,マイクを持ってきてくださり,壇上に上がるように促されました。
- キーも少し低めに設定されていたので,森信一郎様のギターに合わせて,二人で一緒に歌うことになりました。
- この曲は,音程に幅があり,歌うのが難しい部類の歌なので,森様が,「この歌をお客様と一緒に歌ったのは初めて」と褒めてくださいました(お世辞でもうれしかったです)。
- (HP訪問者の延べ人数:23,880人)
- 2019年4月3日(水) 曇り後晴れ
- 4月6日に明治学院大学・消費者法研究会で報告予定の「AIに負けない消費者教育のためのAIプログラミング」の準備のため,プレゼンの作成を続けています(第3日目)。
- AIに負けない消費者教育-自立能力を育成するという観点から- (PowerPoint,PDF)
- Ⅰ 消費者教育環境の変化
- 1. インターネット・プラットフォームによる自立環境の進展
- 2. 消費者教育推進法の制定
- 2-1. 初等教育の変化
- 2-2. 大学教育の変化
- 3. 賢い消費者から自立する生活者のための教育へ
- Ⅱ 消費者概念の再構成=消費者から収入・貯蓄を含めた生活者へ
- 4. 従来の経済循環図
- 5. 生活者中心の経済循環図
- Ⅲ 教育目標(優良企業への就職)のゆらぎ
- 6. 若い世代は,仕事をAIに奪われないか?
- 7. 上司からの不正な指示を拒否できるか?
- Ⅳ AIに負けない消費者(生活者)教育のために
- 8. AI時代の教育はどうあるべきか?
- 9. AIを活用する教育
- 9-1. 問いと答えのデータ
- 9-2. 問題集と答えとを作成するプログラム
- 9-3. 自動作成された問題集とその答え
- Ⅴ 欲求5段階説の評価と教育内容の再構成
- 10. 問題解決のための仮説
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アブラハム・マズロー
(金井 寿宏=大川 修二訳)
『完全なる経営』
日本経済新聞出版社
(2001/11/30) |
10-1. マズローの欲求5段階説
- 10-2. 欲求5段階の実現方法
- 11. 新しい消費者(生活者)教育の目標と方法
- 11-1. 自立に向けた提言
- 11-2. 協力に向けた提言
- Ⅵ 消費者(生活者)教育を含めた法教育の改善のために
- 12. 法教育の目標
- 13. 法教育方法の改善
- 13-1. トップダウン思考
- 13-2. ボトムアップ思考
- 14. 解釈方法論における例題の改善
- 14-1. 車馬通行止め→航空機の低空飛行の禁止
- 14-2. 日米地位協定における拡大解釈
- 14-3. 航空法と航空法特例法による治外法権
- 15. 具体的な法教育方法
- 15-1. アイラック(IRAC)による思考方法
- 15-2. 法的分析,議論の方法
- 15-3. トゥールミン図式による議論の方法(1,2,3)
- 16. 自省の薦め
- Ⅶ 参考文献
- (HP訪問者の延べ人数:23,900人)
- 2019年4月4日(木) 晴れ
- 4月6日に明治学院大学・消費者法研究会で報告予定の「AIに負けない消費者教育のためのAIプログラミング」の準備のため,プレゼンの作成を続けています(第4日目)。
- 参考文献を増補・改訂してプレゼンファイル「AIに負けない消費者教育-自立能力の育成の観点から-」(PowerPoint,PDF)を完成させました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,920人)
- 2019年4月5日(金) 曇り後晴れ
- 『法と経営研究』第3号の編集会議,および,明治学院大学・消費者法研究会に出席するため,東京に出張しました。
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東京の桜は満開でした |
QBHouseで,いつもの店員さんに短めに散髪をしてもらって,すっきりしました。
- 歯科で,奥歯の治療をしてもらいました。
- 大分では,桜は,まだ,8分咲きの状態でしたが,歯科医院の付近の桜は満開状態で,しかも,この日は風が強く,花吹雪状態でした。そこで,花吹雪を浴びながら,満開の桜を撮影しました。
- 後楽園で買物(ハト麦など)をし,お蕎麦屋さんで食事をしました。
- いつも注文している野菜たっぷりに黒酢をかけた蕎麦なのですが,かけてあるタレが濃すぎるので,これまでは,店員さんに「タレを半分にしてください」と注文していました。
- いつも通りに注文すると,これまでの店員さんなら,タレを半分かけたお蕎麦を出してくれていたのですが,新しい店員さんは,「タレを別にしました。お好みに合わせてお使いください」といって,タレを別の容器に入れて出してくれました。
- 思わず,「素晴らしい」という言葉が出てしまいました。こういう店員さんこそが,「AIに負けない」店員さんなんだろうなと,明日の報告のテーマである「AIに負けない消費者教育」を思い出してすっかり感心し,その店員さんに「ありがとう」を連発してしまいました。
- ホテルにチェックインし,3月7日に薄焼きピザをいただいたホテルのCafé Barへ行って,今日は,カウンターで,ウィスキー(Ballantine's
17 Years Old)をワンショットをいただきました。
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グレアム・ノウン(田辺希久子訳)
『ザ・スコッチ バランタイン17年物語』
阪急コミュニケーションズ (1996/6) |
バーテンダーさんが,注文したウィスキーに関する分厚い本(グレアム・ノウン=ミッシェル・ジャクソン(田辺希久子訳) 『ザ・スコッチ -バランタイン17年物語-』阪急コミュニケーションズ
(1996/6))を見せてくださいました。 - ウィスキーの歴史,スコットランドの風土,製麦,水,蒸溜,貯蔵,ブレンドに関する詳しい説明があり,「いのちの水」ウスケボー(Usquebaugh→Usqua→Usky→Whisky)から洗練されたブレンデッドスコッチへと至る興味深い物語が美しい写真とともに紹介されている素敵な本でした。
- ウィスキーをいただきながら,まず,全体を眺め,それから,第1章を熟読させていただきました。
- 機会があれば,また,このお店によって,この本の17章全体を読み終えたいと思いました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,940人)
- 2019年4月6日(土) 晴れ
- 『法と経営研究』第3号の編集会議を出版社で開催し,その後,明治学院大学・消費者法研究会に出席して,「AIに負けない消費者教育-自立能力の育成の観点から-」(PowerPoint,PDF)を報告しました。
- 第1報告:成年年齢引き下げにおける契約年齢について
- 2018年6月30日,「民法の一部を改正する法律」が成立し,3年後の2022年(令和3年)4月1日から,民法における成年年齢が18歳に引き下げられます。つまり,3年後からは,民法4条の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ,民法731条の婚姻年齢が,女性につき16歳から18歳に引き上げられ,女男ともに,婚姻年齢が18歳となります。
- その結果,3年後には,18歳・19歳の若年者が未成年取消権を行使することができなるため,若年者の消費者被害が増大することが懸念されます。そのことをどのように評価し,どのような対策が講じられるべきかを検討する報告であり,成年年齢の引き下げが検討されている段階から活発になった多くの学説を逐一検討し,今後のあるべき施策を検討するという興味深い報告でした。
- 選挙権が18歳に引き下げられたことに連動した措置とはいえ,飲酒や喫煙年齢は,20歳にとどめられたままであり,契約年齢だけ18歳に引き下げるのは,時期尚早ではないかという,報告者の気持ちは理解できます。
- しかし,問題の本質は,18歳・19歳の若年者が,ある契約をしたいと思ったときに,親の同意を必要とするのか,また,契約をしてしまった時に親がその契約を取り消すことが正当化できるのかという問題なのですから,若年とはいえ,18歳になって選挙権を有する者の自己決定権は,やはり尊重すべきであろうと,私は考えています。
- そこで,報告者が,消費者の権利を進展させるために若年者の消費者教育を強調するのであれば,契約年齢の引き下げを時期尚早と断ずるのではなく,むしろ,それを肯定しつつ,対応策としての消費者政策・消費者教育の充実を強調すべきではないだろうかとのアドバイスを行いました。
- 第2報告:「AIに負けない消費者教育-自立能力の育成の観点から-」(PowerPoint,PDF)
- 私の報告に対して,専門家から,決済を伴うプラットホームづくりには個人情報の保護を含めた対策に相当の費用が掛かるなど,貴重な意見をいただいたので,来週,再来週と状況の機会を利用して,その専門家から,AIプログラミングのレックチャーをしていただくことになりました。
- 予習・復習を完璧に行って,独習してきたPythonプログラミングの躓きのいくつかを解消したいと,今からワクワクしています。
- いつもは,消費者法研究会の後,5・6名で懇親会(食事会)をするのですが,今回は,同窓会など,他の会に出席する会員が多かったため,私を含めてわずか3名で食事会をしました。3名だったので食事の後の議論が白熱し,いつもとは違った食事会を楽しむことができました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,960人)
- 2019年4月7日(日) 晴れ
- 『法と経営研究』の編集会議,明治学院大学・消費者法研究会での議論を終えて,大分に帰りました。
- 途中,京都に寄って,借家人の退去後の自宅の状態を確認し,営繕の方法を検討しました。
- (HP訪問者の延べ人数:23,980人)
- 2019年4月8日(月) 晴れ
- 書斎の押入れに,1センチにも満たない緑色の小さな虫が大発生して,書斎に侵入しているのがわかったため,整理をさぼっていた押入れの片づけと大掃除を敢行しました。
- この虫は,羽もなく,人に害を与えることもないのですが,あまりにも大量に発生しており,次々と書斎に侵入して机に這い上がってくるので,ほっておくわけにもいかないのです。
- 片付けと大掃除の甲斐もなく,未だに虫の発生源が特定できていません。何度も掃除を繰り返したのですが,掃除のたびに,虫が発生しているのが不思議です。根気よく掃除を続けながら,発生源を特定して,殺虫剤を使わない解決方法を模索したいと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:24,000人)
- 2019年4月9日(火) 晴れ後雨
- 一日に3回以上,書斎の押入れと書斎の掃除を継続していますが,虫の発生は続いています。ほんとうに不思議です。
- アブラハム・マズロー(金井 寿宏=大川 修二訳)『完全なる経営』日本経済新聞出版社(2001/11/30)を読んでいます。(第2日目)
- 自分なりに納得してはいたものの,口に出すと傲慢に思われるので,人前ではけっして言うことができなかった内容が,以下のように,文章になっているので驚きました。
- 「価値ある仕事をやりとげ自己実現に至ることは,人間が幸福に至る道であると言ってよいだろう(このことは,幸福を直接追求するのと比較してみれば,よく理解できる。幸福とは,何かに伴って生じる状態であり,副産物なのだ。直接求めるものではなく,善き行いに対して間接的に与えられる報酬なのである)。」(本書13頁)
- 憲法13条〔幸福追求権〕が,公共の福祉によって制限される理由として,上記の言明は,かなり説得的であるように思われます。
- 来る4月13日に,Pythonのプログラミングで躓いている個所をについて,幸いにも,明治学院大学の先生にレクチャを受けることが可能になったので,私が躓いている点(Pythonの辞書の入れ子構造が3層以上になった場合の処理方法)を具体例を示して文章にまとめてみました。そして,その文章をメールで事前にお送りしました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- 日出ロータリークラブの週報( http://hijirc.com/shuho2018/1651_34.html)に,先週の花見例会で森進一郎(初代かぐや姫メンバー)さんと私が一緒に歌っている写真が掲載されていたので,さっそっく私の4月2日(火)の日誌に,写真を追加しておきました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,020人)
- 2019年4月10日(水) 雨のち曇り
- 昨日と同様,一日に3回以上,書斎の押入れと書斎の掃除を継続していますが,虫の発生は続いています。ほんとうに不思議です。
- アブラハム・マズロー(金井 寿宏=大川 修二訳)『完全なる経営』日本経済新聞出版社(2001/11/30)を読んでいます。(第3日目)
- (HP訪問者の延べ人数:24,040人)
- 2019年月11日(木) 晴れ後曇り
- 昨日と今日の寒さのぶり返しのせいなのか,急に虫の発生が激減し,何度も繰り返していた掃除が,1日2回で済むようになりました。
- 庭の軒下で,緑色の小さなアブラムシが大発生しているのを見つけました。そこから壁を伝って,家に侵入している痕跡もみつかったので,発生源を塞ぎました。これで,これ以上の虫の書斎への侵入を防ぐことができそうです。
- アブラハム・マズロー(金井 寿宏=大川 修二訳)『完全なる経営』日本経済新聞出版社(2001/11/30)を読んでいます。(第4日目)
- (HP訪問者の延べ人数:24,060人)
- 2019年4月12日(金) 曇り後晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリングで民法を教えるため,東京に出張します。
- 列車の中で,Google検索をして,これまでずっと悩んできた,Pythonの入れ子辞書を分かりやすく,かつ,構造的に表示するという問題は,Pythonにyaml(ヤムル:Ain't
a Markup Language)というモジュールをインポートすることによって解決できることがわかりました。
- 英文の場合は,Pythonの入れ子辞書が見事に構造的に表示されるのですが,民法の体系辞書(civ)をこのモジュール(yaml)を使って処理してみると,文字化けが起こりました。
- import yaml
obj =yaml.dump(civ)
print(obj)
- この日本語の文字化けの問題は,Pythonにcodecsというモジュールをインポートすることによって解決することが分かったのですが,出力された結果(output.yaml)は,改行処理がうまくできておらず,課題が残りました。
- import yaml
import codecs
with codecs.open('output.yaml', 'w', 'utf-8') as f:
yaml.dump(civ, f, encoding='utf-8', default_flow_style=False)
- (HP訪問者の延べ人数:24,090人)
- 2019年4月13日(土) 晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリングで民法入門の講義をします。
- 1限から3限までは,研究科長による「知財入門」の講義を聴講し,4限から5限までは,私が「民法入門」の講義をしました。
- 受講生がすべて理科系出身者だったので,4限は,財産法の構造,有体物と無体物の区別,物権と債権の関係,契約の類型,契約の流れ,不法行為の電気回路モデルを中心に,民法の全体をツリー構造で理解するように促しました。
- 5限は,私の新刊『求められる 民法改正の教え方』を使って,民法(債権関係)改正の概要と問題点を詳しく説明しました。
- 講義の後,明治学院でPythonのレクチャー(Classの考え方と作り方)を受けました。
- 民法の条文の構造化については,Pythonの辞書を利用するよりも,すでにe-Lawプロジェクトが現行法令をすべてHTMLで構造化しているので,それを利用する方が賢明だというアドバイスをいただきました。
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e-Gov法令検索システム(https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/)
民法を検索した画面の上の部分にXML形式のダウンロードボタンがある
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- そのアドバイスにしたがって,民法改正のための構造化ファイルは,e-LawプロジェクトによるXMLファイルを利用することにし,その解析・修正・体系化をPythonを使って行うことにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,110人)
- 2019年4月14日(日) 晴れ後雨後曇り
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリングでの民法入門の講義を終えて,大分に帰ります。
- 列車の中で,XMLをPythonで制御するための説明データ "xml.etree.ElementTree --- ElementTree
XML API — Python 3.7.3 ..."をパソコンで実際の動きを確かめながら,じっくりと読み進めました。その結果,「XMLファイルに対して,Pythonがどのような処理をすることができるのか」という点について,その大筋をなんとか理解することができました。
- そこで,試しに,e-Govが提供する民法のHTMLを読み込んで,横書きの文章にはあまりふさわしくないと思われる,条文の漢数字による表記を半角数字に改めるという実験に挑戦してみることにしました。
- 別途,漢数字をアラビア数字に変換するPythonのプログラムをWebのサイト(https://qiita.com/dosec/items/c6aef40fae6977fd89ab)で入手しました。それを活用して,e-Govの民法のXMLファイルの漢数字部分をすべて半角数字に変換する作業にとりかかりました。
- Pythonの簡単なスクリプトが完成すると,相続法の改正を含めた最新の民法の全条文(1,050条)に出現するすべての漢数字を半角数字に変換するのに,数秒しかかりませんでした。できたファイルをIEで確認してみると,民法のXMLデータの漢数字がすべて半角数字に変換されていました。
- ファイルの入出力を制御するPythonのスクリプトをきちんと書けるようになったので,なんとか,最初の一歩を踏み出すことができたように思います。
- (HP訪問者の延べ人数:24,130人)
- 2019年4月15日(月) 晴れ
- e-Govが提供しているXMLをHTMLに変換するサービスを無料で提供しているサイト(https://www.conphic.co.jp/message/5269/)を発見したので,昨日作成した漢数字をアラビア数字に変換した民法のXMLファイルをHTMLに変換してみました。
- 出来上がった民法のHTMLファイルは,漢数字がすべて半角数字に変換されているだけでなく,「1般」とか,「第3者」とかの不都合もすべて修正しています(最後の修正は今回は手作業で行いましたが,後に,Pythonのスクリプトで自動化する予定です(→4月17日にそのスクリプトを完成させました)。
- もっとも,このHTMLファイルは,改正相続法には適応対応しているものの,債権法改正には対応していないので,債権法改正に対応したXMLファイルがe-Govで公表されたら,それをうまく変換した後に公表することにします。
- Bill Lubanovic(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)第8章(データの行き先)のXMLの部分(230-232頁)を精読して,ElementTreeの使い方の基本を習得しました。
- 1年ぶりに別府で開催されるアサヒビールの会に出席します。
- 小・中学生に理科(実験)を教えている教員と再会し,寺子屋ひじ塾の教育方針について,意見交換を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,140人)
- 2019年4月16日(火) 晴れ
- Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)第7章(正規表現によるパターンマッチング)を読み直しています。
- e-Govの民法のXMLファイルが債権法改正にも対応した場合に,直ちに,漢数字をアラビア数字に変換し,かつ,「1般,1種,同1,不10分,1部,1体,1定,1身,1切,1致,第3者」というような誤変換を防止,または,修正するPythonのスクリプトを書けるようにするためです。
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能面師による卓話 |
日出ロータリークラブの例会に出席します。
- ゲストの能面師(日出町出身で,京都での修行と長い生活を経て,最近日出町に転居された方)が,卓話をされました。
- 制作した能面と,製作途中の荒削りの能面を持参して,出席した会員に見せてくださいました。
- 私は,以前,お世話になったフランス人のために京都で能面を入手して,プレゼントしたことがあります。その際,能面をじっくりと拝見した経験がありますが,製作途中の荒削りの能面を見せてもらったのは,これが初めてで感激しました。
- 最近,スーパーボランティアで有名になった日出町ですが,功成り名を遂げた団塊の世代が続々と日出町に帰ってきているようで,今後の日出町の発展が楽しみです。
- (HP訪問者の延べ人数:24,170人)
- 2019年4月17日(水)曇り時々晴れ
- 漢数字を機械的にアラビア数字に変換した場合,例えば,民法の条文にそれを適用した場合には,に,「1般,1種,同1,不10分,1部,1体,1定,1身,1切,1致,第3者」というような誤変換が生じます。それを修正するPythonのスクリプトを書いてみました。
- なお,以下の'test.txt'は,e-Govが提供する民法のXML,または,HTMLファイルをテキストファイルに変換した後,条文数,および,本文の漢数字をすべて機械的にアラビア数字に変換しただけのファイルです。このため,'test.txt'ファイルには,「1般,1種,同1,不10分,…」などの誤変換が生じています。この誤変換を修正するのが,以下のPythonのスクリプト(自作)です。
- with open('test.txt') as f: # …民法の条文(「同1,不10分,…」などの誤変換を含む)ファイルを開く。
- s = f.read() # ……………民法の条文ファイルを読み込んでメモリに蓄積する。
# 単純に漢数字をアラビア数字に変換したために生じた誤りを,漢字へと再変換することによって修正する。
s = s.replace('1種', '一種').replace('同1', '同一').replace('不10分', '不十分').replace('1部',
'一部').replace('1人', '一人').replace('1物', '一物').replace('1方', '一方').replace('1本',
'元本').replace('1体', '一体').replace('1定', '一定').replace('1身', '一身')1.replace('1切',
'一切').replace('1致', '一致').replace('1時的', '一時的').replace('1時回復', '一時回復').replace('1人',
'一人').replace('2人', '二人').replace('第3者', '第三者')
- print(s) # …スクリプトが完成するまでは画面で確認できるので有用。完成したら注釈にしてしまってよい。
- fout = open('output.txt', 'wt')
# …誤って変換されたアラビア数字を正しい漢数字に復元して,ファイル(output.txt)に書き込む。
fout.write(s)
fout.close()
- 他の法律の場合には,さらに,修正べき文字が増えるのでしょうが,民法の場合には,これで十分す。以上のスクリプトで,漢数字を含む一般の漢字(同一,不十分,…第三者など)が正しく表示されます。
つまり,民法の全条文が横書き用(条文数や数字はアラビア数字,一般用語は漢数字)に正しく表示されます。
- e-Govで提供される縦書き用の漢数字の法令ファイルを横書き用の数字ファイルに変換する作業は,手作業でやるとまるまる一日かかる面倒な仕事ですが,Pythonを使うと,e-Govで検索してファイルをダウンロードするという準備を含めても,わずか数分で終了します。面倒なようでも,プログラミングを学習する時間は,必ず元が取れると思います。
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- 2019年4月18日(木) 晴れ まるで夏のような暑さ
- これまで,e-Govが提供している民法のXMLファイルをそのまま変換したオリジナルの民法のHTMLファイルを使って,漢数字を横書き用にアラビア数字に変換する作業を進めてきましたが,今日で一区切りをつけることにしました。
- そこで,市販の横書きの六法のように,項数を丸数字(①,②,…)に変換するとともに,正規表現を使って,号数は1字下げして表現するというPythonのスクリプトを書き上げました。
- そして,今回は,e-Govが提供している民法のXMLファイルをそのまま変換したHTMLファイルから,全自動で,すなわち,手作業による編集なしに,自分流の横書きの民法のHTMLファイル(項数を丸数字に,号数を字下げしている)を完成させることができました。
- 4月15日に作成した以前の民法のHTMLファイル(行き過ぎた数字変換を手作業で修正し,項数を全角数字のままにして,号数を字下げしていない)と比較していただけると幸いです。
- これからは,現在注文中のXLMの教科書を読んで,民法の条文を自在に操ったり,e-Govと共通のXMLの構造を使って,民法の改正案を作成できるスキルを身につけたいと考えています。
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- 2019年4月19日(木) 晴れ
- XMLをPythonで制御する方法を知るために検索していたところ,「PythonでElementTreeを使ってXMLを処理する方法」(http://hikm.hatenablog.com/entry/20090206/1233950923)という,初心者向けにXMLをPythonで制御する方法を丁寧に説明しているサイを見つけることができました。
- 簡単なサンプルを使った解説を実践しながら読み進めていくうちに,XMLの任意のタグをピックアップする方法を会得することができました。
- さっそく,e-Govの提供しているXMLのサンプル(sample04.xml)を使って,学んだことを確認したところ,以下のスクリプトによって,条文番号,条文見出し,条文本文の最初の部分を取り出せることがわかりました。
- Python3のスクリプト
- # ElementTreeを導入(3行)
from xml.etree.ElementTree import * # ElementTreeのimport
tree = parse("sample04.xml") # e-GovのXMLファイル(sample04.xml)から要素を取り込むi
elem = tree.getroot() # ルート要素を取得
# 自作のスクリプト(4行)
title = elem.find('.//ArticleTitle').text # 条文番号のピックアップ
caption = elem.find('.//ArticleCaption').text # 条文見出しのピックアップ
art = elem.find('.//Sentence').text # 条文本文のピックアップ
print(title + caption + '\n', art) # 最初の条文のひな形の取り出し
- スクリプトの実行
- 第一条(目的)
この法律は,情報通信技術の活用により世界的規模で生じている急激かつ大幅な社会経済構造の変化に適確に対応することの緊要性にかんがみ,高度情報通信ネットワーク社会の形成に関し,基本理念及び施策の策定に係る基本方針を定め,国及び地方公共団体の責務を明らかにし,並びに高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部を設置するとともに,高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する重点計画の作成について定めることにより,高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進することを目的とする。
- このスクリプトを変形して,findall,yield等を駆使するならば,すべての条文番号,条文見出し,条文本文の組み合わせで,任意の条文が取り出せることになと思います(そのスクリプトはまだ完成していませんが…)。
- そうこうしているうちに,注文していたXMLに関する書籍が届いたので,今日から,XMLの基本をじっくり学ぶことにします。
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- 2019年4月20日(土) 晴れ
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山田祥寛
『10日でおぼえるXML入門教室』
〔第2版〕翔泳社 (2004/10/2) |
山田祥寛『10日でおぼえるXML入門教室』〔第2版〕翔泳社 (2004/10/2)を読んでいます。(第1日目:XMLの基本)
- e-Govが膨大なXMLデータ(現行法令データベース)を無償で提供しているため,e-GovのXMLを使いこなす必要に迫られて,XMLの学習を開始しました。
- XMLの内容の取り出しとHTMLへの整形については,私はPythonで行う予定なので,XMLの整形とか制御に関する"XSLT"とか,"XML
Schema"とかには,実は,あまり興味がなくて乗り気ではないのです。
- しかし,乗りかかった船なので,これらの学習を含めて,10日間,過酷なXMLの学習日程に付き合うことにします。
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- 2019年4月21日(日) 晴れ
- 山田祥寛『10日でおぼえるXML入門教室』〔第2版〕翔泳社 (2004/10/2)を読んでいます。(第2日目:XSLTスタイルシートでレイアウト)
- やはり,乗り気でないことは,よほどの理由がない限りやるべきではないようです。本書の第2日目の「XSLTスタイルシートでレイアウト」を読んだのですが,全く興味がわきませんでした。
- このスタイルシートの問題は,たぶん,XMLではなく,HTMLのCSS(Cascading Style Sheets)で学習する方が効率的だと思われます。XMLの良さは,厳密な書式による内容の構造化なのですから,主眼とすべきは,スタイルではなく,第5日目~第7日目で取り上げられている「DOM(Document
Object Model)プログラミング(XML文書に含まれている各ノード(要素,属性,テキスト)の自由自在の操作)でしょう。しかし,本書は,DOMプログラミングをJavaScriptで行っているため,これをPythonで行おうとしている私にとっては,現在のところ,興味が湧きません。
- そこで,PythonでDOMプログラミングができないかと考え,Webで検索してみると,DOM(Python版)入門とか,Python で XML 操作とか,PythonでXMLを操作するための学習に適したいうサイトが見つかりました。そのサイトで,実習をしてみたところ,Pythonでも,JavaScriptと同じように,DOMを操作できることがわかりました。
- そうしてみると,XLMのレイアウトを主眼としており,肝心のDOMプログラミングをPythonではなく,JavaScriptで行っている本書は,当面,Pythonの学習を優先すべきである私にとっては,これ以上,読むに値しないことがわかりました。もちろん,個人のWebサイトでプラットフォームを立ち上げて,決済システムを取り込むということになれば,PHPとか,JavaScriptとかを学習せざるを得ないでしょう。
- しかし,私は,ここしばらくは,PythonとPrologだけで研究を継続しようと考えているため,2,500円で購入したばかりで残念なのですが,第5日目~第6日目の「DOMプログラミング」を斜め読みをしただけで,本書を読むのを断念しました。
←4月24日になって,第7日目(DTD(Document Type Definition/Declaration):文書型宣言)を書いてみる),第8日目(XML
Shemaを書いてみる)の部分は,熟読する価値があるこを認識しましたので,読み直すことにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,270人)
- 2019年4月22日(月) 曇り後晴れ
- e-Govが提供している現行法令のXMLファイルを利用して,条文の横書き用の読みやすい法令ファイルを作成するためのPythonのスクリプトを完成させました。そのスクリプトを利用すると,どの法律であっても,以下の仕様で整形された条文ファイルを瞬時に作り上げることができます。
- 条文番号と本文中の漢数字は,すべて,アラビア数字に変換する。
- ただし,本文の漢数字を機械的にアラビア数字に変換すると,「1般, 1種,同1,不10分,1部,1体,1定,1身,1切,1致,第3者,10000国国際条約」のような誤変換が生じるので,これを
replace(,) を使って一括再変換する。
- 項番号は,市販の六法が行っているように,丸数字(①,②…)へと変換する。
- 号番号は,従来通り,漢数字のままにしておく。
- いったんアラビア数字に変換した号番号を漢数字に再変換するに際しては正規表現( re.sub(, , ) )を活用する。
- これまでは,XMLファイルを読み込んで処理をするのに,UTF-8とShift_JISとの間で行ったり来たりをして,一括処理が困難だったのですが,codecsをインポートすることによって,障害を乗り越えることができることがわかりました。
- このため,第1に,漢数字をアラビア数字に変換し,第2に,アラビア数字への変換の行き過ぎを修正し,第3に,号数を再度漢数字に変化するという面倒な作業についても,すべて,一つのスクリプトで処理できるようになりました。
- このスクリプトが完成したため,ポケット六法に搭載されている範囲程度の法令ならば,上記の仕様に従って,アラビア数字を主体とするものの,項数は丸数字,号数は漢数字を残すという,横書き用の体裁の良い正書法によるファイルの作成をわずかな時間でほぼ自動的に行うことができるようになりました。
- 法改正が頻繁に行われる今日においては,e-Govによって提供される縦書き用の法令ファイルを瞬時に横書き用に整形された条文ファイルへと変更できることは,かなり大きな意味を持つものと思われます。
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- 2019年4月23日(火) 曇り後雨
- 昨日完成したe-GovのXMLファイルを横書き用に変換するPythonのスクリプトを民法だけでなく,知財関連の特許法,著作権法,不正競争防止法に適用してみて,漢数字を単純に数字に変化した場合の誤変換の修正,数字表現をカンマ区切りにするための追加等を行いました。
- その後,株式会社コンフィックが無料で提供している「eGov法令表示ツール」(http://183.176.220.136/eGovXMLView/)を利用することによって,以下の法令を横書きに適したHTMLファイルに変換してみました(以下の法律の横書き用への整形作業は,e-GovのXMLファイルを入手する作業を含めて,すべてを20分以内で行うことができました)。
- e-Govが提供する現行法令は,確かに,縦書き用には適していますが,横書き用としては,漢数字が読みにくくて,市民から法律を遠ざける原因の一つとなっているように思われます。上記のように,今回作成したPythonのスクリプト(e-Govの現行法令ファイル(XML)を横書き用に変換するPythonスクリプト)によって,漢数字を適切にアラビア数字に変換できると,法律がかなり読みやすくなると思います。
- 特に,上記の「特許法」の一番最後に掲載されている「別表(第195条関係)」の数字表記については,e-Govが提供する現行法令のオリジナルファイル(金額が漢数字のため読みにくい)と比較していただけると,格段に読みやすくなっていると思います。
- これからも,私が必要とする現行法令について,徐々に適用範囲を広げて,誤変換が生じないような工夫を続けていきたいと思います。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
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- 2019年4月24日(水)曇り一時雨
- 昨日修正したPythonのスクリプト(e-Govの現行法令XMLファイルを横書き用に変換するPythonスクリプト)を検証するため,e-Govの消費者契約法XMLを横書き用に変換して変換してみました。短い条文(53条)のせいもあってなのか,修正の必要のないXMLとHTMLが全作業時間を含めて3分で完成しました。
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佐々木隆仁=志田大輔
『データテックDataTech
-XMLルネサンスによる
最強のデータ戦略』
日経BP社(2019/3/4) |
XMLの新しい位置づけ(XMLルネサンス)を試みる佐々木隆仁=志田大輔『データテック-XMLルネサンスによる最強のデータ戦略』日経BP社(2019/3/4)を読んでいます。(第1日目)
- 来る2019年5月11日に開催される明治学院大学・消費者法研究会での報告テーマ「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」は,この本の紹介を兼ねて,以下のような構想を報告するのがよいのではないかと考えています。
- 本書が提唱する「XMLルネサンス」(すべてのデータをXML化して整理・活用する)に賛同して,以下のようなプロセスでデータをXML化する。
- 私たちが普段作成しているWordとか,PowerPointとか,ExcelとかのデータをXMLに変換して保存し,必要に応じて,主として,PDFとかHTMLの形式で活用する。
- 本書によると,Micro Softは,Office2007からXMLを標準ファイル形式として採用しており,Wordの拡張子が.docから.docxへ,また,Excelの拡張子が.xlsから.xlsxへと変更された(拡張子の末尾にxが追加された)のは,まさに,XMLの規格を標準ファイル形式として採用したことの宣言であるということが紹介されている(本書68頁)。
- つまり,Officeで作成したすべてのファイルは,冗長なのですぐには使えないとしても(Pythonの出番),すでに,XML化されている。実際に,私がこれまでに作成したWordファイルをXMLで保存し直してみると,XMLとしてみごとに表示できること,Pythonを使って,平易なテキスト文に変換できることが判明した。
- 私にとって,このことは,すべての現行法令がe-GovによってXML化されて無償で提供されているという事実以上の驚きだった。
- Webで検索したHTML情報をもXMLに変換し,それを普遍的な形式で保存する。
- 普遍的な形式を構築し,実現するためには,DTD(Docuent Type Declaration),その進化系であるXML Shemaの知識が必要でる。
- したがって,読むのを途中で断念していた,山田祥寛『10日でおぼえるXML入門教室』〔第2版〕翔泳社 (2004/10/2)の第7日目(DTD(Document Type Definition):文書型宣言)を書いてみる),第8日目(XML Shemaを書いてみる)を読み直す必要がある。
- 普遍的な形式で保存されたXMLを必要な形式(Word,PowerPoint,Excel,PDF,HTML)で出力して活用する。
- 以上の構想を簡単に表現すると,「Word, PowerPoint, Excelデータ⇔<XML>⇔HTML,PDFデータ」ということになる。
- 連休明けに,明治学院大学・法律科学研究所に報告レジュメ「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」を送付できるように準備を重ねます。
- (HP訪問者の延べ人数:24,320人)
- 2019年4月25日(木) 曇り 午前中,付近一帯が,数メートル先も見えないほどの厚い霧に覆われた。
- 佐々木隆仁=志田大輔『データテック-XMLルネサンスによる最強のデータ戦略』日経BP社(2019/3/4)を読んでいます。(第2日目)
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佐々木隆仁=志田大輔『データテック-XMLルネサンスによる最強のデータ戦略』
日経BP社(2019/3/4)のPDF化後のXML化の一例(部分) |
本書を読み終えたので,自炊をして,本書のデータをPDFに変換しました。そして,いつものようにPDFにOCRをかけて,不十分ながらテキスト化し,さらに,従来通り,本文にインデックスを自作しました。
- ここまでは,私が本を自炊する場合のルーティンなのですが,今回は,PDFにOCRをかけて,本文にインデックスを付けた後に,そのPDFをXMLに変換してみました。
- 例えば,私の使っている"Adobe Acrobat DC"の場合,ファイル項目の「書き出し形式」で「XML1.0」を選択すると,PDFを自動的にXMLファイルに変換することができます。
- そうすると,自作したインデックスの部分が見事なXMLとして構造化され,インデックス全体が,テキストとして簡単に取り出せることがわかりました。
- これまでは,せっかく作ったPDFのインデックスを一括してテキストファイルにすることができませんでした。テキスト化しようとすると,一項目ずつ,個別にテキスト化するほかなかったのです。
- ところが,今回のように,XML化すると,自作したインデックスがテキストとして一括して取り出せるのです。本書のXML化を通じて,XML化の有用性の一斑を改めて実感することができました。
- 紙媒体をXML化すべきだというのが,本書の著者の主張なのですが,本書自体が,読者によって,自動的にXML化されて,実験台にされることは想像していなかったように思われます。
- 来る2019年5月11日に開催される明治学院大学・消費者法研究会での報告テーマ「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」の構想がどんどん広がっています。報告の資料作りがいよいよ楽しみになってきました。
- 一昨日に完成した後も修正を続けているPythonのスクリプト(e-Govの現行法令XMLファイルを横書き用に変換するPythonスクリプト)ですが,今日は,e-Govの割賦販売法XMLを横書き用に変換して変換してみました。おそれていたことではありますが,大丈夫だろうと考えていた以下の2点について,誤変換が生じたためスクリプトを修正しました。
- 「10分」の変換について
- 漢数字を単純にアラビア数字に自動変換すると,民法ファイルで「不10分」という誤変換が生じたため,「10分」という誤変換を含めて「十分」と再変換することにしていました。
- ところが,そのような安易なやり方は,割賦販売法では通用せず,「10分の1」が,「十分の1」と変換されてしまうことが判明しました。
- そこで,「s2 = re.sub(r'十'(分の)([\d]+)',r'10\1\2',s1)」というスクリプトを追加することによって誤変換を防止することにしました。
- 項数の数字が20を超えることがある
- 項数に利用する丸数字は,第20項まで,すなわち,⑳まで用意すれば十分だと思っていたところ,割賦販売法では,第29項という項まであって,誤変換が生じていたので,とりあえず,丸数字を㉚まで準備することにして,誤変換が生じないようにしました。
- 横書き用に変換した割賦販売法のHTMLファイルは,以下の通りです。
- 今後は,もう少し長い条文である「特定商取引法」の横書き用への変換に挑戦してみます。
- (HP訪問者の延べ人数:24,340人)
- 2019年4月26日(金) 曇り一時晴れ
- 佐々木隆仁=志田大輔『データテック-XMLルネサンスによる最強のデータ戦略』日経BP社(2019/3/4)を読んでいます。(第3日目)
- 昨日,本書をPDF化してインデックスを付加したものに,さらに詳細項目に関するインデックスを追加して,本書のPDF化を完成させました。
- Web上で,平山 晃「【Python入門】ElementTreeを使ってXMLの解析に挑戦しよう!」(https://www.sejuku.net/blog/74013)という,Pythonを使ったXMLの解析方法を分かりやすく説明するサイトをみつけたので,そこで,PythonによるXMLの解析の基礎練習を行いました。
- 練習の成果を試すために,私が作成した本書のインデックスのXMLを解析してみて,PythonでXMLを解析するための基本的な方法をマスターできたことを確認することができました。もちろん,XMLの任意の部分を必要に応じて構造的に(多数構造を含めて)取り出すという方法は,まだマスターできていないので,今後とも学習を継続する必要があります。
- 明日からは,本書のPDFに私の「書評」情報をインデックスに付加した場合に,PDFからXMLへの変換がうまくいくのかどうかについて実験を行って,来る2019年5月11日に開催される明治学院大学・消費者法研究会での報告テーマ「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」の準備を進めることにします。
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- 2019年4月27日(土) 晴れ
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「法情報教育の最前線
-日本の進むべき将来像を模索する」
報告の準備 |
来る2019年5月11日に開催される明治学院大学・消費者法研究会での報告テーマ「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」の準備として,プレゼンテーションファイルの作成を開始しました。
- Fintech(Finace + Technology)になぞらえて,LegalTech(Legal + Technology)という言葉が,数年前から使われるようになっています。例えば「ビジネス法務」という雑誌の2017年7月号は,「AIによる法務の変革-リーガルテックの最前線」という特集記事を掲載しています。
- そこで,今回の消費者法研究会での報告は,このリーガルテックの話から報告を開始することにしました。
- 法情報学という学問は,一般化すれば,情報を収集・整理し,それに加工して付加価値をつけ,再生産した情報を発信する方法等を研究する学問ですから,LegalTechも,それをインターネットとの関係で進化させたものといえるでしょう。
- XMLをPythonで制御するという現在学習中の成果を盛り込んで,LegalTechを法情報教育に取り込んで,日本の司法改革を正常に戻すという試みについて考察を続けていく予定です。
- Pythonのスクリプト(e-Govの現行法令XMLファイルを横書き用に変換するPythonスクリプト)を活用して,今日は,特定商取引法(特定商取引に関する法律)を横書き用に変換してみました。
- 今回は,スクリプトを修正する必要もなく,e-Govが提供するXMLから,横書き用のXMLを生成し,「eGov法令表示ツール」(http://183.176.220.136/eGovXMLView/)を使って,流れ作業だけで横書き用のHTMLに変換することができました。
- 私の上記のスクリプトが,現時点で,かなり汎用性を持つことが実証されたことになります。
- 次回は,公法分野の法律で,汎用性をチェックてみます。
- (HP訪問者の延べ人数:24,370人)
- 2019年4月28日(日) 曇り時々晴れ
- 末川民事法研究会2019年4月例会に出席するため京都に出張します。
- 第1報告:「債権法の改正と損害賠償」
- 改正民法によって,法定利率(年利)が5パーセントから3パーセントへと変更されることになった点について,報告者は,この点を一般論として評価するという報告でした。
- 私は,5パーセントから3パーセントへと変更された点については,改正民法404条が規定する金利変動のプロセスから再帰的に正当化できなければならないのではなのかとの質問を行いました。
- 例えば,直近変動期の基準割合が3パーセント,当期の基準割合が0パーセントだとすると,改正法における法定利率は2パーセント(5-3=2)とすべきだったのではないだろうか。
- 報告者は,今後もゼロ金利が続くことが予想されるというのであるから,そうすると,今後も,法定金利が3パーセントで下げ止まりとなることになり,経済が低迷している現状に適合しないのではないのかという問題提起を行いました。
- 第2報告:「自己の所有地ではない部分を含めた越境物の全部撤去の可否とその判断基準」
東京高判平成29年4月12日(金判1520号42頁,金商1520号42頁,金法2081号72頁)
- 民法234条は,相隣者による違法建築前については差止請求権を認めているが,建築後は,差止請求を認めていない。しかし,建築後であっも,さらに年月が経過し,ついには,建築物が老朽化し,建替えが予想される状態となっている場合であっても差止ができないのか,その点について,民法は,規定を欠いているとの前提での報告でした。
- 私としては,この条文の隣の条文である民法233条は,地下の妨害物については,相隣者による自力救済を認めるのに反して,地上の妨害物については,侵害者が適切な処分をすることを請求できるとしていますが,この精神は,高く評価されるべきだと考えています。
- そこで,民法233条と234条の合わせ技として,建築後は差止請求ができないとしても,その後,さらに年月が経過し,地上妨害物が老朽化し,建替えが問題となるようになった時点(建物の社会的有用性が隣地所有者の受忍義務を正当化できなくなった時点)では,侵害者に対して,妨害を除去するに適切な処分(民法414条3項参照)を請求できると考えるべきではないかという問題提起を行いました。
- 第3報告:「県職員の不正に対する求償権不行使の違法性の判断基準」
最判平成29年9月15日平成28年(行ヒ)33号,判時2366号3頁,判タ1445号76頁
- 訴訟の裏に潜む実態を踏まえた興味部外報告でした。
- この報告では,求償権は分割債務・債権関係になるかどうか,求償権の行使は,どのような場合に義務付けられるかについての点が十分でなかったので,求償権は分割債権の原則に従うこと,行政上,権限が義務化する場合の法理を明らかにする必要があることについてアドバイスを行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,380人)
- 2019年4月29日(月) 曇り 後雨
- 末川民事法研究会での議論を終えて,大分に帰ります。
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佐々木隆仁『リーガルテック』
アスコム(2017/12/1) |
列車の中で,佐々木隆仁『リーガルテック』アスコム(2017/12/1)を読みました。
- 内容のほとんどが,「リーガルテック株式会社」の業務内容の広報に近いものでした。同じ著者による「佐々木隆仁=志田大輔『データテック-XMLルネサンスによる最強のデータ戦略』日経BP社(2019/3/4)」が良書だったので,ついでに購入したのですが,本書には,具体的な技術情報がほとんど紹介されておらず,残念でした。
- しかも,筆者の経営する会社であるAOS.comというキーワードでインターネット検索をしてみると,この会社業務の詳しい内容を知ることができるばかりでなく,このサイトには,本書の詳しい内容が紹介されており(https://www.aos.com/category/legaltech/),先にこのHomePageを知っていたら,本書を購入する必要はなかったのかもしれません。もっとも,本書を読んでみて,初めて,このサイトを知ったのですから,私にとっては,本書の価値が損なわれるわけではありませんが…。
- 本書を読んだことによって知ったこのサイト(https://www.aos.com/about_legaltech/)には,本書で概要紹介されている(本書37頁以下,73頁以下),刑事裁判の証拠の決め手となる「デジタル・フォレンジック(digital forensics)」について,技術情報にも,訴訟手続きについても,非常に詳しく書かれた読み応えのある論文(吉峯耕平=倉持孝一郎=藤本隆三=新井幸宏「デジタル・フォレンジックの原理・実際と証拠評価のあり方」Quarterly Keiji-Bengo no.77 Spring 2014, p, 134-154(https://www.fss.jp/wp-content/uploads/principle-of-df2.pdf)が掲載されており,この論文は,私のように,デジタルデータの技術情報に疎い法律家にとっては,必読の文献だと思いました。
- この論文「デジタル・フォレンジックの原理・実際と証拠評価のあり方」に出会えたことが,本書を購入してよかったほぼ唯一の理由であったように思われます。
- (HP訪問者の延べ人数:24,400人)
- 2019年4月30日(火) 曇り
- 尋ねてきた妹夫婦,母と一緒に父の見合いに行きました。
- ここ1週間,父の食事の量が半分に減って心配していたのですが,今日は,少し回復していました。
- 前回,母と妹が見舞いに行ったときは,その直後から,父の元気が回復したので,ここ一週間ほど,食事の量が半分に減っている父の元気が,今回も回復してくれることを願っています。
- (HP訪問者の延べ人数:24,430人)
- 2019年5月1日(火) 曇り後晴れ(元号が平成から令和へ)
- XMLとも親和性が高いExcelデータについて,Pythonで簡単に制御できるとのことなので,Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう』オライリージャパン(2017/6/3)の第12章(Excelシート)を読み返しながら,エクセルをpythonで制御する基本的な方法をマスターします。
- Pythonの"openpyxl"モジュールを利用すると,ExcelファイルをCSVに依存せず,プレーンなテキストファイルから簡単に自作できることがわかって驚きました。そして,Pythonプログラミングの最大の魅力の一つは,変数の初期設定なしにrange()関数との組み合わせで威力を発揮する「forループ」にあるということが実感できるようになってきました。
- 作業を進めていく中で,Excelに関連する第14章(CSVファイルとJSONデータ)も読み進めました。その中に,私がやっている作業の意味を明確に表現する以下の文章(本書384頁)を見つけて納得しました。
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大学院生の頃から思い描き,2016年にWeb上で公開した
私の長年の「夢」が,XMLによるデータベースと
Pythonプログラミングによって,実現に近づいているようです。 |
これまでの章で,さまざまなファイル形式〔HTML,PDF,XML,JSON,…〕から情報を解析して用いる方法を説明してきました。
- 共通する作業は,さまざまなファイル形式からデータを読み込んで解析し,〔自分の趣味とか研究に〕必要な情報を取り出すということです。
- このような作業は特殊なので〔人の趣味・研究分野は,多種多様であって,一般化できないので〕,市販ソフトがあまり役に立たないことがよくあります。
- 自分で〔Pythonの〕スクリプトを書くことによって,このような〔HTML,PDF,XML,JSON,…等の様々なファイル形式の〕フォーマットで表された大量のデータを〔あっという間に,しかも,ワクワクするほど自分の思い通りに〕処理することができるのです。
- この作業の先に,私の「夢」,すなわち,民法に関連するすべての法令データ,判例データ,文献データを常にWebページからクローリング・スクレイピングして最新の情報を入手しつつ,元データと更新データとを厳密に区別することによって歴史を遡れるように工夫し,すべてを統一的なXMLデータベースとして蓄積し,いつでも必要な形式で取り出せるという壮大なシステムを構築するという「夢」を,いつの日にか実現することができるのではないかと考えています。
- (HP訪問者の延べ人数:24,450人)
- 2019年5月2日(木) 晴れ
- PythonによるExcelの制御について学習し,Pythonのforループの書き方の理解がかなり進んだので,PythonによるXMLの制御方法について,「xml.etree.ElementTree」の解説(https://docs.python.org/ja/3/library/xml.etree.elementtree.html#module-xml.etree.ElementTree)に戻って学習します。
- 上記の解説の例については,すべてについて,「国名+隣接国」の組み合わせでデータをピックアップすることができるようになりました。
- そのプロセスを,Pythonを実際に動かして,必要に応じて,ゆっくりと表示したり,画面を制止させたりしながら,プレゼンテーションを行えるすくリプを完成することができました。5月11日の明治学院大学・消費者法研究会での報告には,このスクリプトでのプレゼンも行うことにします。
- しかし,私の学習目標は,e-Govが提供しているXMLの任意の法令の任意の条文について,「条文見出し+条数+条文本文」の組み合わせでピックアップできるようになることです。
そこで,明日以降は,上記の解説の例を超えて,e-Govが提供しているXMLのサンプルを使った学習を行う予定です。
- (HP訪問者の延べ人数:24,470人)
- 2019年5月3日(金) 晴れ 憲法記念日
- 今日は憲法記念日なので,Pythonを使って,e-Govが提供している日本国憲法のXMLデータに見出しを付加し,横書き用のHTMLファイルを作成することにしました。見出しは,第一法規出版発行の『現行法規総覧』(衆議院法制局・参議院法制局共編)を利用することにして,条文番号の後に【 】でく括って挿入することにし,項番号も丸数字に変換しました。
- ただし,現段階では,私はまだXMLの操作に習熟していないため,元データにない第1項の表記を丸数字に自動的に変換することはできませんでした。そこで,第1項の数字をXMLに付加する作業(第2項以下がある条文だけに「1」という全角数字をXMLに付加する作業)だけは,手作業で行いました。
- 出来上がった,横書き用に漢数字をアラビア数字に変換し,条文見出しを付加して,項番号を丸数字に変換した憲法の条文のHTMLは以下の通りです。
- XMLをPythonで制御するための技術を身につけるために,昨日から読み込んでいる「xml.etree.ElementTree」の解説(https://docs.python.org/ja/3/library/xml.etree.elementtree.html#module-xml.etree.ElementTree)の理解がかなり深まり,来る5月11日に明治学院大学・消費者法研究会で報告する際に,実際にPythonを動かしながら,それをプレゼンテーションとしてみせるというスクリプトを完成させることができました。
- そこで,今日からは,上記の解説に使われている例ではなくて,e-Govが提供している実例(sample04.xml)を対象にして,すべての条文を,「条文見出し,条文番号,条文本文」の組み合わせで取り出すというスクリプトを書く作業に挑戦しました。
- 条文には,条文見出しのないものもあり,XMLがその場合のノードを省略しているなどの問題があったため,スクリプトの実行が止まるなど,様々な問題が生じたのを何とか乗り越え,試行錯誤の結果,以下のスクリプトによって,念願の「条文見出し+条文番号+条文本文」の組み合わせでe-Govが提供するXMLの条文を取り出すことができるようになりました。
- import xml.etree.ElementTree as ET
tree = ET.parse("sample04.xml")
root = tree.getroot()
for art in root.iter('Article'): # 条文の探索
- try: #条文に見出しがついていない場合にエラーが出て実行が中断するのを防止する工夫
- caption = art.find('ArticleCaption').text
- except AttributeError:
- title = art.find('ArticleTitle').text # 条文番号の探索
sentence = art.find('.//Sentence').text # 条文本文の探索
if caption == '':
- print(title, ' ', sentence) # 条文見出しがない場合の表示
- else:
- print(caption, '\n'+ title, ' ' , sentence) #条文見出しがある場合の表示
- print()
- 「できた!」と喜んだのもつかの間,実は,ピックアップしたのは,項とか号とかがない条文だけで,項とか号とかがある条文については,取り出せていないことがわかりました。つまり,条文に項と号とがある場合のピックアップの仕方については,さらに工夫が必要です。
- 項とか号とかがある条文についても,「条文見出し,条文番号,条文本文」という組み合わせでピックアップができるようにスクリプトを書き直すというのが,明日からの課題です。
- (HP訪問者の延べ人数:24,490人)
- 2019年5月4日(土) 晴れ
- 中学時代の恩師(満91歳)が亡くなられたとのメールが同窓生から届いたので,告別式に参加するため,朝早く家を出て,丹波大山にある葬儀場に向かいました。
-
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源昌=源光恵
『九十年のあゆみ-子らと共に-』 |
つい先日,奥様とともに,人生を振り返る『九十年のあゆみ 子らと共に』という本を出版されたばかりで,しかも,数日前に,「加賀山君,私の本に,君の卒業文集の作文をそのまま掲載させてもらったが,よかったかな?」という,お元気な声の電話をいただいたばかりなので,亡くなったことが信じられない気持ちでした。 - ご逝去を知らせる同窓生のメールにも,ごく最近まで,お元気で,タケノコ掘りもされていたと書かれていたように,同窓生は,皆同じ気持ちでした。
- 告別式の後,会場の近くに古民家を購入して野菜・果物作り,養蜂という農家生活を満喫している同窓生のお宅を訪問して,ご家族や来客中の方々と懇談しました。空気と水のおいしい場所で,自家用の野菜等を手作りするというのは,実は,現代における一番進んだライフスタイルではないのかと,感心しました。
- 行きと帰りの列車の中で,私のHPの左側のインデックスにある講義資料のトップに「現行法令(横書き用・最新版)」という項目を設けて,現行法令の六法部分について,e-Govが提供する縦書き用のXMLを横書き用に,漢数字を適切な法補でアラビア数字に自動変換したHTMLファイル(2020年版)を掲載してみました(Python学習の一つの成果です)。
- 憲法(見出し追加版)
- 民法
- 商法(現在では,実質的な商法は,以下の3つに分岐)
- 刑法
- 民事訴訟法
- 刑事訴訟法
- (HP訪問者の延べ人数:24,510人)
- 2019年5月5日(日) 曇り一時晴れ
- e-Govが提供しているXMLの実例(sample04.xml)を対象にして,任意の条文を,「条文見出し,条文番号,条文本文」の組み合わせで取り出すというPythonのスクリプトを書く作業を継続します。
-
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Christopher A. Jones,
Fred L. Drake, Jr,
"Python & XML"
O\'Reilly(2002) |
条文の項,号のテキストとを取り出すスクリプトを書いていて,ついに行き詰ってしまったので,最後のよりどころとして,日本語の翻訳がまだ出ていないけれども,表題からだけでも独習にピッタリであることがわかるChristopher A. Jones = Fred L. Drake, Jr, "Python & XML",
O'Reilly(2002)を読むことにしました。
- 英語の本を読むのは,通常だと翻訳よりも極端に速度が落ちてイライラするのですが,コンピュータの独習書の場合には,スクリプトをパソコンに打ち込んで実習しながら読み進めるので,英語でも日本語でも読むスピードは変わりません。
- そこで,上記の本をじっくり読みこんで,e-Govが提供する法令のXMLから任意の条文を「条文見出し,条文番号,条文本文」の組み合わせで取り出すスクリプトの完成を目指すことにしました。
- 第1章(Python and XML)を読んだだけで,私が目指しているスクリプトの基本的な書き方について,以下のようなサンプルに出会いました。なんともラッキーです。
- サンプルデータ
- <?xml version="1.0"?>
- <catalog>
- <book isbn="1-56592-724-0">
- <title>The Cathedral & the Bazaar</title>
- <author>Eric S. Raymond</author>
- </book>
- <book isbn="1-56592-051-1">
- <title>Making TeX Work</title>
- <author>Norman Walsh</author>
- </book>
- <!-- imagine more entries here... -->
- </catalog>
- サンプルスクリプト(PythonによるDOM(Document Object Model))
- import pprint
import xml.dom.minidom
from xml.dom.minidom import Node
- doc = xml.dom.minidom.parse("books.xml")
- mapping = {}
for node in doc.getElementsByTagName("book"):
- isbn = node.getAttribute("isbn")
L = node.getElementsByTagName("title")
for node2 in L:
- title = ""
for node3 in node2.childNodes:
- if node3.nodeType == Node.TEXT_NODE:
- mapping[isbn] = title
- pprint.pprint(mapping)
- 明日から,上記の本を読み進めるとともに,そこで得た知識をヒントにして,目標のスクリプトの完成を目指します。
- それと並行して,来る5月11日に明治学院大学・消費者法研究会で報告する「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」レジュメの準備も並行して進めることにしました。
- XMLを制御するPythonのスクリプトを黒画面で動かしながら,対象となっているXMLを,エディタ,IE,Excel,Word,HTMLの順序で表示することによって,XMLがすでに身近な存在となっていることを印象付けることにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,530人)
- 2019年5月6日(月) 晴れ
- Christopher A. Jones = Fred L. Drake, Jr, "Python & XML",
O'Reilly(2002)を読んでいます。(第2日目)
- 第2章(XML Fundamentals)をこれから数日がかりで読み込む予定です。
- 日出ロータリークラブの合同例会と懇親会に出席しました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,550人)
- 2019年5月7日(火)
- Christopher A. Jones = Fred L. Drake, Jr, "Python & XML",
O'Reilly(2002)を読んでいます。(第3日目)
- 第2章(XML Fundamentals)を読んでいましたが,分量が多すぎて飽きてきたので,最も関心のある第4章(The Document Object
Model(DOM))にワープして,要素を取り出すプログラム例を実際に動かしてみようと試みました。
- 本書90頁の以下のスクリプトは,po.xmlという商品の注文データから,skuという要素を取り出すというスクリプトなのですが,本文通りに入力して実行しようとしても,Python3.0では動かないことを発見しました。
- from xml.dom.ext.reader.Sax2 import FromXmlStream # この1行は,Python3では太字の部分でエラーが生じて実行不能。
import sys
doc = FromXmlStream(sys.stdin)
for sku in doc.getElementsByTagName("sku"):
- sku.normalize()
print("Sku: " + sku.firstChild.data)
- そこで,Python3でも実行できることを願って,スクリプトを以下のように書き換えてみました。
- import xml.dom.minidom
from xml.dom.minidom import Node
doc = xml.dom.minidom.parse("po.xml")
for sku in doc.getElementsByTagName("sku"):
- print("Sku: " + sku.firstChild.data)
- 上記のように書き換えてみると,以下のような,所期の結果が出力されました。
- sku : 229-987488
sku : 288-988347
sku : 221-388833
- 古くなって,現在のバージョンでは動かないスクリプトを自力で書き換えた結果,うまく実行できるようになったので,とてもうれしく思いました。スクリプトがうまく修正できたので,ついでに,skuという要素だけでなく,その他の要素(name,
price, qty)についても,input()関数を使って入力を受け付け,どの要素でも取り出せるようにスクリプトを変更して,これもうまく動かすことができました。
- 内容が少し古くなった個所も,自力でなんとか修正できることがわかったので,翻訳がまだ出てない英文の名著を安心して読み続けることができるようになりました。
- 5月11日に明治学院大学・消費者法研究会で報告する「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」レジュメを作成しています。
- (HP訪問者の延べ人数:24,570人)
- 2019年5月8日(水) 晴れ後曇り
- Christopher A. Jones = Fred L. Drake, Jr, "Python & XML",
O'Reilly(2002)を読んでいます。(第4日目)
- 第2章(XML Fundamentals)から第4章(The Document Object Model(DOM))にワープしたまま,要素を取り出すプログラム例を次々に入力しながら演習を続けています。
- 5月11日に明治学院大学・消費者法研究会で報告する「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」レジュメを作成しています。
- 英語のプレゼンテーションのページが10枚を超えました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,590人)
- 2019年5月9日(木) 雨後曇り時々晴れ 庭のミカン木の花が満開です。広い庭中,そして書斎のベランダも甘い香りに包まれています。
-
5月11日に明治学院大学・消費者法研究会で報告する「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」(PDF,PowerPoint)のレジュメを完成させました。
- 第1に,PowerPointで,Python & XMLに関する英語のページ12枚,DataTech,LegalTechに関する日本語のページ12枚,合計24枚のアニメーションファイルを用意しました。
- 第2に,Pythonのtimeモジュールを使って,Pythonのスクリプトの実行の様子をスローモーションにしたり,一時停止と継続を繰り返したりしながら,PythonのスクリプトによってXMLを制御するプロセスをゆっくりと解説できるように準備しました。
- e-Govが提供する現行法令(例えば,憲法,民法,刑法,消費者契約法,割賦販売法,特定商取引法等)の漢数字がすべてアラビア数字に変換され,しかも,「一般」,とか「一切」とか,「第三者」とか,アラビア数字にしてはいけない場面が適切に処理されつつ,横書き用の条文に生まれ変わる様子を見ることになるであろう消費者法研究会の会員の反応(驚いてくれるか,それとも,平然としているか)が楽しみです。
- (HP訪問者の延べ人数:24,620人)
- 2019年5月10日(金) 晴れ
- 『法と経営研究』の編集会議を開催するため,および,明治学院大学・消費者法研究会で「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」(PDF,PowerPoint)を報告するため,東京に出張しました。
- 『法と経営研究』第3号の編集会議を開催しました。
- 第3号については,投稿エントリーを済ませた人,近々エントリーする人を含めて7名の投稿希望が出ていることを確認しました。
- また,『法と経営研究』機関誌とする「法と経営学会」の設立に向けて,6月10日(月)に理事の候補者5名が集まり,「法と経営学会」のビジョンの統一,設立日,初期会員数等について,懇談をすることを決定しました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,640人)
- 2019年5月11日(土) 曇り後晴れ
- 明治学院大学・消費者法研究会で「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」(PDF,PowerPoint)を報告しました。
- 第1報告:韓国でのキャッシュレス決済の状況-わが国でのキャッシュレス決済の推進における消費者教育を考えるヒントとして-
- 2020年オリンピック・パラリンピックの開催を控えて,わが国がキャッシュレス化を推進しようとする上で必要となる消費者教育について,1988年に開催されたソウルオリンピック・パラリンピックでキャッシュレス政策を推進し,現在のところ,キャッシュレス決済の利用率が96.4%とされている韓国の現状についての報告であり,とても興味深いものでした。
- 私としては,キャッシュレスという中身について,例えば電子マネーは,利用の際は確かにキャッシュレスに違いないが,チャージの場合を考えると,ほとんどの場合において現金でチャージが行われており,真の意味でのキャッシュレスとはなっていないのではないかという点を指摘しました。
- 郵貯銀行を除く通常の金融機関は,現金による振込みと預金債権(預金通貨)による振込みとを区別せずに「振込み」という用語を使っています。しかし,郵貯は,いわゆる広義の「振込み」について,現金による場合には「振込み」,預金通貨による場合には,「振替え」というように,キャッシュを利用する場合と,キャッシュを利用しない場合とを厳密に区別しています。
- このことが影響して,民法(債権関係)改正においては,いわゆる広義の「振込み」について,振込みという用語使うことができず,現金による場合も預金通貨を使う場合も一緒くたにして,「振込み」ではなく,「払込み」という用語でごまかしています(改正民法477条)。
- しかし,給与がキャッシュではなく,キャッシュレスである預金債権(預金通貨)によって支払われている現状においては,真の意味でのキャッシュレスという観点からは,現金を使った「払込み」とか現金でチャージする電子マネーによる決済は,厳密な意味でのキャッシュレスの名前に値しないのであり,チャージに預金通貨を利用する「払込み」とか,クレジットカード・デビットカードによる決済とか,ビットコイン等の仮想通貨による決済だけをキャッシュレス決済として取り扱うべきだと私は考えており,統計資料を作成する際にも,この点(支払いの時点だけでなく,チャージの時点でもキャッシュレスで行われているかどうか)を厳密に区別すべきではないかとの問題提起をしておきました。
- 第2報告:「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」(PDF,PowerPoint)
- 出席した会員には,XMLの重要性とPythonの有用性について大きなインパクトを与えることができました。しかし,今回は,情報学の専門家である会員が所用で欠席されたため,細かい問題点についての議論ができませんでした。
- 約3か月後の夏合宿の際に,すなわち,私がPythonによって,XMLを自由自在に操作できるようになっているであろう時点で,もう一度報告するということで,今回の報告を終えました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,650人)
- 2019年5月12日(日) 晴れ 母の日
- 『法と経営研究』第3号の編集会議,明治学院大学・消費者法研究会での報告lを終えて,大分に帰ります。
- 帰りの列車の中で,Christopher A. Jones = Fred L. Drake, Jr, "Python & XML",
O'Reilly(2002)を読み(第5日目),第2章(XML Fundamentals)を読み終えました。
- また,列車の中で,外部から入力された文字列が漢字を含んでいるかどうかを判定するiskanji()という関数を定義してみました。英語表現に必要な関数(isalpha()など)は,すでに存在するのですが,日本語の表現に必要なこのような関数は十分でないために,自作する意味があります。
- import re
- def iskanji(s):
- match = re.search('[亜-熙]', s)
if match == None:
- else:
- 同様にして,ひらかなを含んでいるかどうかishirakana(),カタカナを含んででいるかどうかiskatakana()という関数も定義できたので,入力の際のエラーをうまくチェックできるようになりました。
- 私が最近完成させた「e-Govの提供する現行法令の漢数字を適切にアラビア数字に変換するスクリプト」も,英語圏では不必要なので,これまで作成されていなかったのです。だからこそ,日本人が自作する必要があるわけです。
- Pythonのような外来文化を日本に根付かせるためには,日本人でなければ思いつかない以上のようなPythonの独自のスクリプトを書く必要と,その有用性が存在します。したがって,私のような新米プログラマー(私がPythonをインストールして学習し始めたのは,今年の3月9日のことです)であっても,日本の文化の発展に寄与できる余地があるのです。
- 今後は,自作の関数(確認のために,プログラムの実行を一時停止する関数suspend()など)を作るたびに,それらは,まとめてディスクトップに置いておき,いつでも取り出せるようにすることにします。
- (HP訪問者の延べ人数:24,670人)
- 2019年5月13日(月) 晴れ
- 春の交通安全週間の行事に日出ロータリークラブの一員として参加します。
- Christopher A. Jones = Fred L. Drake, Jr, "Python & XML",
O'Reilly(2002)を読んでいます。(第6日目)
- 第3章(The Simple AI for XML[SAX])に入りました。SAXは,難解です。
- (HP訪問者の延べ人数:24,690人)
- 2019年5月14日(火) 雨後晴れ
- Christopher A. Jones = Fred L. Drake, Jr, "Python & XML",
O'Reilly(2002)を読んでいます(第7日目)。
- 第3章(The Simple AI for XML[SAX])の理解が困なので,難解なままスルーしていたBill Lubanovic(ビル・ルバノビック)(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)の第6章(オブジェクトとクラス)に立ち返って,読み直しをしています。
- 日出ロータリークラブの例会に出席しました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,710人)
- 2019年5月15日(水) 晴れ
- Bill Lubanovic(ビル・ルバノビック)(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)の第6章(オブジェクトとクラス)に立ち返って,読み直しをしています(第2日目)。
- Pythonはオブジェクト指向のプログラミング言語だと言われています。しかし,これまでは,オブジェックとを利用しているだけだったので,オブジェクトの意味を理解せずに済ますことができました。
- しかし,XMLを自由自在に操作しようとすると,独自の構造をもったXMLを操作する必要があり,それに合わせて,Python上にも独自のオブジェクトを作り出す必要があることが理解できるようになりました。本書の以下の記述に,ハッとさせられました(本書155頁)。
- 今まで誰も作ったことのない新しいオブジェクトを作るときには,オブジェクトの内容を示すクラスを作らなければならない。
- そして,独自のオブジェクトをつくるための「鋳型」に該当するのがクラスの概念であるとの本書の記述(本書156頁)を読んで,クラスを学習することの重要性をやっと理解することができました。新しい民法の体系を作り出して,それを自由自在に操るためには,その内容を示すクラスを作る必要があるのです。
- 本書の難解な練習問題(180-181頁)と格闘しながら,クラスの概念の面白さにはまりかけています。ここを突破すると,躓いていた,XMLのSAX(Simple
API for XML)についても,理解が進むのではないかと感じています。
- (HP訪問者の延べ人数:24,730人)
- 2019年5月16日(木) 晴れ
- Bill Lubanovic(ビル・ルバノビック)(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)の第6章(オブジェクトとクラス)に立ち返って,読み直しをしています(第3日目)。
-
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民法の独自の体系に基づくXML化の試み |
XMLの制御のために,Pythonのクラスの考え方が有用であることが理解できたので,民法の新しい体系を表現するXMLを作成してみました(第1日目)。
- このXMLは,IEに読み込ませると,必要に応じて体系木を折りたためるため,民法全体の理解に有用です。
- XMLを作成してみると,民法の体系項目と個別の規定の間をシームレスに行き来ができることを実感することができます。このため,地道な作業を続けていけば,近い将来に民法のGoogleマップを完成するめどが立ったように感じました。
- この民法の新しいを表現するXMLには,条文本文,用語解説,判例の順でデータを付加していく予定です。そして,このXMLを自由自在に制御するPythonのスクリプトを書けるようになることが,当面の学習目標です。
- (HP訪問者の延べ人数:24,760人)
- 2019年5月16日(金) 曇り時々晴れ
- Bill Lubanovic(ビル・ルバノビック)(斎藤康毅=長尾高弘訳)『入門Python3』オライリー・ジャパン(2015/12/1)の第6章(オブジェクトとクラス)に立ち返って,読み直しをしています(第4日目)。
- 民法の新条文を私の体系(例えば,民法総則を1.通則,2.私権の主体(自然人,法人),3.私権の客体(物),4.私権の変動(意思表示による私権の変動,時間経過による私権の変動)のような項目を付加することによって分かりやすくする)に沿ってXML化する作業を進めています(第2日目)。
- 民法条文の本文だけでなく,条文の項と号にも見出し(キャプション)を付けて,民法全体の理解を深める工夫をしています。民法32条の2まで,すなわち,法人の前まで作業が進みました。
- IEで表示させると,必要な個所以外の個所を折りたたんで隠すことができるので,全体と部分との関係を理解するのに非常に便利です。民法のGoogleマップの完成を目指して,猛進します。
- (HP訪問者の延べ人数:24,780人)
- 2019年5月18日(土) 雨
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を進めています(第3日目)。法人の規定は,そのほとんどが,一般社団・財団法人法へと移され(民法38条~84条までは,削除条文として,新民法の中で無残な姿となっています)。そこで,私のXMLでは,削除された旧条文を,削除条文として復活させ,その条文が,一般社団・財団法人法のどの条文へと移っていったのかがわかるようにすることにしました。
-
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XMLでは削除された条文をも「さりげなく」再現できる |
XMLの良いところは,削除条文は,例えば第39条【削除】とされていても,そこをクリックすると,右図のように,その下に第39条の旧条文(寄附行為)を記載し,かつ,注釈で現在,その条文がどこに移されているかを記述することができ,さらに,もう一度クリックすると旧条文は隠されるので,邪魔にもならないという点です。
- Googleマップで譬えるならば,地域とか住所で検索すると航空写真が出てくるけれども,10年前,20年前の航空写真を知りたいときは,昔の航空写真も検索できるということになるでしょうか。
- この点で,私の作成中の民法のXMLは,単に,条文と学問上の体系との間をシームレスに移動できるだけでなく,さらには,過去の条文にもシームレスに移動できることを実現しつつある点で,民法の法人の規定の作成の途中の段階であるにもかかわらず,Googleマップの無料のサービスを超えているといえるように思われます。
- 将来的には,明治・大正・昭和・平成・令和のいつの時代でも,年月日をしてすると,Pythonのプログラムを通じて,その当時の民法の条文が再現できるというところまで実現できるXMLにしたいと考えています。
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の教授会に出席するため,岡山に出張します。
- 行きと帰りの列車の中で,法人に関する削除された条文の旧条文を作成中の新民法のXMLの中に,うまくはめ込む作業を完成することができました。
- 物(私権の客体)に関する規定についても,同様の作業が完成できたので,明日からは,いよいよ,改正された新条文について,旧条文との対比を含めて,私権の変動(特に法律行為)に関する条文のXML化に挑戦します。
- (HP訪問者の延べ人数:24,800人)
- 2019年5月19日(日) 曇り後雨
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を進めています(第4日目)。作業が第4章(法律行為)の個所に入りました。
-
|
民法の新しい体系を表現するXMLに私の注釈を組み込む試みの開始 |
法人の規定で削除されたものについては,その規定が,一般社団・財団法人法のどの条文に組み込まれたのかという客観的な注をXMLの注(<!--
-->)の中で表現しました。
- しかし,民法90条の改正理由とか,民法91条の歴史と現代的意義などの注は,私の独自の体系項目と同様に,別のタグで表現した方がよいのではないかと思い,以下のような,私の注釈用のタグを作成して,その中で私の考え方を述べることしました。
- <mycomment1 heading="">
- </mycomment1>
- 自作の「e-Govの現行法令XMLファイルを横書き用に変換するPythonスクリプト」を使って「地方自治法」を変換してみたところ,号番号を漢数字に再変換するに際して,枝番号の個所では,漢数字への再変換に失敗していることが判明しました。
- 例えば,地方自治法第252条の19(指定都市の権能)第1項第5号には,第五の二,第五の三…等の枝番号があります。条文の枝番号は想定していましたが,号番号の枝番号というのは想定していなかったので,いったんアラビア数字に変換した後の漢数字への自作の変換スクリプトを修正する必要が生じというわけです。
- 号番号の枝番号について,アラビア数字を漢数字に再変換するというのは,正規表現に関する良い練習問題なので,暇を見つけて挑戦したいと思います。
- 日出ロータリークラブの会員の誕生会に招待されたので,プレゼントを用意して予約会場の別府に出かけました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,820人)
- 2019年5月20日(月) 曇り時々雨
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を進めています(第5日目)。作業が第4章(法律行為)の第2節(意思表示)個所に入りました。
- 意思表示に関しては,私の得意分野だけに,自分流の注釈に力が入ってしまい,XML化の速度が急にダウンしてしまいました。
- しかし,注釈はいつでも,書くことができるので,ここは心を鬼にして,新旧対照を記するにとどめ,条文のXML化に徹して先に進むことを優先することにして,以下のような工程で作業を継続することにしました。
- 6月11日の学習院女子大学での講義(「世界のリーダーに法学の出身者が多いのはなぜか?」)に合わせて,それまでに,民法全体の条文の新旧対照を完成させる。
- 8月4日の経営実務法学会における「AIと民法」の報告に間に合うように,XML化した民法の全条文を自由自在に操作できるために,PythonのXPathを使ったスクリプトを完成させる。
- それと並行して,8月の初旬に予定されている明治学院大学での集中講義(契約法総論)までに,条文の初めに遡って,財産法すべての私流の注釈を完成させる。
- 9月からは,民法財産法の立法理由を法典調査会の議論を含めて記述し,さらに,来年からは,判例を条文の中に位置づけるという作業へと移行していく。
- 道はどこまでも続いているように見えるけれども,その先に,加賀山民法体系のXML化と,Pythonによる制御という光を見つけているので,心が折れることはありません。むしろ,毎日の作業を楽しんでいます。
- 今の気分は,アニメ「千と千尋の神隠し」の主題歌である木村弓作曲・覚和香子作詞「いつも何度でも」の一節,すなわち,「果てしなく 道は続いて見えるけれど,この両手は 光を抱ける」の境地に近いように思います。
- 自作の「e-Govの現行法令XMLファイルを横書き用に変換するPythonスクリプト」を使って「地方自治法」を横書き用に整形して自治体の職員の方に送らせていただいたところ,条例等では,項番号はアラビア数字,号番号はアラビア数字を( )で括って表現するのが主流だということを聞きました。
- そこで,すぐに自治体の条例に対応できるように,自作のPythonのスクリプトを変更しました。そして,「地方自治法」と,「地方自治法施行令」を自治体の職員の方の希望通りに,この条例対応バージョンで整形して送付しました。先方から,この整形の方法に問題があるかどうか精査しますとの返事をいただきました。
- 法律,政令,省令のレベルだけでなく,自治体の条例にも対応できるようになれば,自作の「e-Govの現行法令XMLファイルを横書き用に変換するPythonスクリプト」が,自治体の行政業務の効率化に役立つことになるので,これも,私の望んでいる社会貢献の一つになりそうです。
- 父の見舞いに行きました。最近,飲み込む力が弱くなったため,食が細くなって心配しているのですが,顔色はよく,声も出ています。雨の合間に自転車で見舞いに行ったのですが,途中で雨に合い,雨が止むまで2時間ほど病室で過ごしました。その間に,「寺子屋ひじ塾」の手伝いをお願いしている方から承諾の電話があり,近いうちに打ち合わせ会議を開催することにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,830人)
- 2019年5月21日(火) 晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を進めています(第6日目)。
- 民法94条2項に関しては,判例の紹介が必要であるため,判例をXMLで表現する際の前提的なタグを作成し,重要判例のうち,特に注意が必要な「意思外形非対応型」の判例をXML化して,私の条文解説に付加しておきました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- (HP訪問者の延べ人数:24,860人)
- 2019年5月22日(水) 晴れ
- 午前3時半,父が入所している特別養護老人ホームの看護師から電話があり,父の「呼吸が停止しました」との連絡が入りました。
- 同居の母にそのことを伝え,福岡在住の私の妹にも電話で連絡した後,タクシーで施設に駆け付けました。
- 父は,呼吸は停止していたものの,体はまだ暖かく,表情も安らかでした。夜勤の担当者と看護師と私の3人で,体をきれいに拭き,死に装束への着替えを行いました。享年98の人生でした。
- 医師の到着が午前8時になるとのことだったので,いったん家に帰り,8時ころにまた,養護 施設に赴きました。葬儀は,家族葬で行います。8時過ぎに来られた医師の診断によると,体に異常は見られず,食が2か月間にわたって少しずつ細くなっていたこともあり,老衰と判断する(判断時は,8時36分)とのことでした。
- 近所の方が,手伝いに来てくださり,荷物の片づけと,玄関の掃除をしてくださいました。ありがたいことです。
- この日誌を読んでくださっている方から,弔電をいただきました。お礼申し上げます。
- (HP訪問者の延べ人数:24,880人)
- 2019年5月23日(木) 晴れ (ホトトギスの初音を聞きました)
- 永代供養を行ってくださるお寺の住職をお呼びして,母,妹婦夫,父の親族の婦夫,近隣の2件のご家族と私とで通夜をとり行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,900人)
- 2019年5月24日(金) 晴れ
- 父の葬儀を家族葬で行いました。 お寺から「正覚院光道禅忠居士」という立派な戒名をいただき,父も満足していることと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:24,920人)
- 2019年5月25日(土) 晴れ
- 父の家族葬を終えて,民法学研究会,および,末川民事法研究会に出席するため,京都に出張します。
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熊谷基継
『親子で学べる
いちばんやさしいプログラミング
おうちでスタートBOOK』
すばる舎(2019/5/18) |
新幹線の駅構内の本屋さんで,熊谷基継『親子で学べるいちばんやさしいプログラミング おうちでスタートBOOK』すばる舎(201/5/18)という本を見つけたので購入しました。新幹線の中で一気に飛ばし読みをしたのですが,親子でプログラミングを楽しむための本であり,誰にでも薦めることができるよい本だと思いました。
- 民法学研究会に出席して,議論を盛り上げました。
- 第1報告:「凍結卵の管理をめぐる法律上の諸問題」
- 技術的な問題を含んだ優れた報告でした。報告を聞きながら,「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」を横書き用にするPythonスクリプトによってこの法律を整形し,これに基づいて,質疑を行いました。
- 第2報告:「成人同意能力喪失者に対する医的侵襲のためのインフォームド・コンセントの他者決定-法律行為と一身専属権の処分の理論的峻別をめぐって」
- 情報量の多い,非常に優れた報告で,時間内に報告が終わることができないことが分かったため,質疑の時間を取ったうえで,日程調整の上,続きを報告してもらうことになりました。
- 私からは,報告者のイギリス法に基づく問題解決の方法のエッセンスは,実は,わが国の事務管理の規定においてすでに示されているので,その点も盛り込んで報告をしていただきたいとの注文をしておきました。
- (HP訪問者の延べ人数:24,940人)
- 2019年5月26日(日) 晴れ
- ホテルのレストランで,朝食を取っていたところ,隣の席の親子連れが英語で会話をしてるのに気づきました。日本でも,小学生から英語教育が始められた影響かなと思って,話しかけてみると,日本人旅行客ではなく,英語圏と中国語圏にお住まいの外国からの旅行客でした。その親子と英語で会話を始めたのですが,お母さんは,日本での留学経験があるとのことで,日本語が通じたのにも驚きました。私が,中国語の勉強を始めているところだと言うと,とても喜んでいただきました。これからの国際交流には,英語と中国語が必要になってくるのではないかと感じています。
- 京大の留学生から,中国語会話のレッスンを受けました。今回は,第4課(請問一共多少銭?)の続きです。
- テキストの流れに沿って,以下のようなテキスト外の練習問題について,何度も何度も聞き直しをしながら,Q&Aを行いました。
- Q:你 今天早上 吃了 什么? A:我 今天早上 吃了 日本菜 和 優格,珈琲。 (我 都在家里 自己 做飯。)
- Q:你 常去 便利商店 買 東西吗? A:我 常去 便利商店 存銭或取銭。 (我 在便利商店 買的不多。)
- 末川民事法研究会の機関誌(末川民事法研究)の編集会議に出席した後,5月例会に出席して,議論を盛り上げました。
- 第1報告:認定司法書士が弁護士法72条に違反して締結した裁判外の和解契約の効力」(最1小判平成29年7月24日:民集71巻6号969頁,判タ1441号28頁,金判1523号8頁)
- (判決要旨)認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが弁護士法72条に違反する場合であっても,当該和解契約は,その内容及び締結に至る経緯等に照らし,公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り,無効とはならない(参照条文:弁護士法72条,司法書士法3条1項7号,民法90条)。
- 私は,以下のような質問をして,議論を盛り上げました。
- 第1に,委任契約が無効である場合,代理は無権代理となるが,相手方が悪意又は有過失でない限り,無権代理を主張できないという,代理の無因性の問題をどのように考えるべきか。
- 第2に,たとえ,140万円を超える事務処理が業法違反になるとしても,その私法上の効果は,公序良俗に違反しない限り有効となるのではないか。
- この事件のバックグラウンドにある,司法書士と弁護士との縄張り争いについての私の個人的な感想は,以下の通りです。
- 技術的な戦術問題については,司法書士の権限をもっと拡大してよい。140万円というバリアは無意味である。しかし,倫理的な戦略問題については,法務省べったりの司法書士会とそのメンバーを当てにすることはできない。その場合には,法務省から独立している弁護士会,または,そのメンバーと共闘して,世直しを試みるほかない。
- 第2報告:「離婚後に,親権者である父から,監護権を有しない母に対して,親権に基づく妨害排除請求として子の引き渡しを求めることが権利の濫用にあたるとされた事例」(最三小決平成29・12・5民集71-10-1803)
- 離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることは,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,権利の濫用に当たる。
(1) 子が7歳であり,母は,父と別居してから4年以上,単独で子の監護に当たってきたものであって,母による上記監護が子の利益の観点から相当なものではないことの疎明がない。
(2) 母は,父を相手方として子の親権者の変更を求める調停を申し立てている。
(3) 父が,子の監護に関する処分としてではなく,親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求める合理的な理由を有することはうかがわれない。(補足意見がある。)
- (参考判例)最三決平成31年4月26日(間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件・破棄自判)
子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の申立てが権利の濫用に当たるとされた事例
- 私は,財産法的な観点から,以下のような意見を述べて議論を盛り上げました。
- 第1に,人格のある子の引渡しは,慎重であるべきである。物の返還請求に関してでさえ,妨害排除と返還請求とは厳密に区別されており,返還請求の場合は,侵奪がある場合に限定されている(民法200条参照)。妨害排除を理由として,返還請求を認めるのは,ごまかしであり,危険ではないか。
- 第2に,権利濫用は,形式的には,「権利はあるが,その行使が制限されていると」いう意味で使われている。しかし,そのような判断の積み重ねがなされると,そのような「権利は,そもそも存在しない」という方向での立法的解決が図られる場合が多い。少なくとも,侵奪がない場合の子の引渡し請求権は存在しないと解すべきではないか。
- (HP訪問者の延べ人数:24,960人)
- 2019年5月27日(月) 晴れ 後曇り後雨
- 民法学研究会,末川民事法研究会での議論を終えて,大分に帰ります。
- 途中で,吉備国際大学によって,これからの「AIに負けない大学教育の在り方」について,役員と懇談しました。
- 今後の大学教育の在り方について意見を求められたので,以下のような提言を行いました。
- わが国の伝統的な教育目標である「①読み,②書き,③ソロバン」修得の内容が,今後は,以下のように変化すると思われる。
- ①日本語,英語,中国語の読み,
- ②日本語,英語,中国語,XMLの書き,
- ③PythonプログラミングによるWebデータの収集・整理・創作・発信技法の修得。
- したがって,③に関する今後のAI教育は,以下のような技法を修得できることを目標とした人材の養成をすべきである。
- 第1に,Webスクレイピング(Python等のプログラミングによってWebデータを自動的に収集すること)ができること(Input)。
- 第2に,XMLデータベース化・知財の創造(収集したWebデータを自動的にXMLデータベース化し,内部で自由自在に活用することによって,付加価値の高い知財を創作すること)ができること(System)。
- 第3に,e-パブリッシング(XMLからHTML・PDFへの自動変換によって,外部に対して論理的で,美しく,読みやすい情報を発信すること)ができること(Output)。
- (HP訪問者の延べ人数:24,980人)
- 2019年5月28日(火) 雨のち晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を再開します(第7日目)。
- 5月29日(水)19時30分~20時24分に放映される「報道1930」の担当者から,この番組で「明治から続く『家』制度」の名残りを議論する」に際して,私のHPの家族法の講義を読んだので取材をしたいとの連絡があり,電話取材に応じました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,000人)
- 2019年5月29日(水) 晴れたり曇ったり
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第8日目)。
- 図書館で絵本を見ている子供たちの様子を観察し,求めに応じて読み聞かせを手伝いながら,法教育のための絵本はどのような内容にすべきか,考えを巡らせました。
- 出版社の社長が教えてくださったように,8割が予測できて,2割が意外な展開を見せるストーリー構成がカギになるように思いました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,020人)
- 2019年5月30日(木) 晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第9日目)。
- 条件期限,期間の計算の個所を得終えて,いよいよ,総則最後の時効の個所に入りました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,050人)
- 2019年5月31日(金) 曇り一時雨後晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第10日目)。
- 時効の個所を終え,総則について,私の体系に沿ったXM化を完成させました。
- 債権法改正前の規定にもアクセスできるようにしているほか,私なりの注釈とか,重要判例の概要が入っている個所もあるので,便利なものになっていると思います。明日から,物権を飛ばして,債権に入る予定です。
- (HP訪問者の延べ人数:25,060人)
- 2019年6月1日(土) 曇り一時晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第11日目)。
- 民法総則に関する私の体系に沿ったXML化を完成させ,物権法は後回しにして,債権法のXML化を開始しました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,070人)
- 2019年6月2日(日) 雨
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第12日目)。
- 第3編(債権),第1節(債権の目的)を終えて,第2節(債権の効力)に入り,第1款(債務不履行の責任等)を終えました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,090人)
- 2019年6月3日(月) 曇り
- 8月に行う明治学院大学で行う「契約法2(契約総論)」に際して,非常勤講師の資格を得るため,履歴書と業績一覧表を作成して担当者に送りました。
- 現在作成中の私流の民法体系をXMLで表現した最初の作品を使って,新鮮な講義を行うつもりです。
- (HP訪問者の延べ人数:25,110人)
- 2019年6月4日(火) 曇り後晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第13日目)。
- 第3編(債権)第2節(債権の効力)に入り,第1款(債務不履行の責任等),第2款(債権者代位権)を終えて,第3款(詐害行為取消権)に入りました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席し,今後のクラブの運営方針について,かなり突っ込んだ議論を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,130人)
- 2019年6月5日(水) 曇り後晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第14日目)。
- 第3編(債権)第2節(債権の効力)に入り,第3款(詐害行為取消権)を終えて,第3節(多数当事者の債権及び債務)に入り,第1款(総則)第2款(不可分債権及び不可分債務),第3款(連帯債権)まで進みました。
- XMLの本体は,テキストファイルなのですが,Firefoxとか,Google Chromeなどの代表的なViewerは,XMLに対応しておらず,その重要な構造を表示できません。
- 現在のところ,XMLに対応しているのは,おそらく,IE(Internet Explorer)と,Microsoft Edgeだけです。現在進行中の私の民法体系のXMLをご覧になりたい方は,以下のURLをコピーして,IEか,Microsoft Edgeで閲覧してみてください。作業中のものを,漸次更新していきます。
- http://cyberlawschool.jp/kagayama/civ.xml
- 上位項目をクリックすると,下位の構造が折りたたまれて,全体像が浮かび上がってきて,とても便利です。民法体系のXML化の狙いは,世界地図と住宅地図をシームレスに移動できるという観点から,「民法のGoogleマップを作成する」ようなものだと言えば,分かりやすいと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:25,150人)
- 2019年6月6日(木) 晴れ
- これからの教育,特にAI教育の在り方を議論するため,宮崎にある医療・工学系大学を2日間かけて訪問して,工学関係の教授陣と議論しました。
- 実習と臨床を重視した先端医療・工学関係の教授陣との対話を通じて,「作品制作」の重要性を改めて認識しました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,170人)
- 2019年6月7日(金) 曇り後雨
- 宮崎での見学を終えて大分に帰りました。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第15日目)。
- 第3編(債権)第3節(多数当事者の債権及び債務)の第5款(保証債務)に入りました。 通常保証の個所を完成しました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,180人)
- 2019年6月8日(土) 雨後曇り後晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第16日目)。
- 第3編(債権)第3節(多数当事者の債権及び債務)の第5款(保証債務)の個所について,個人根保証契約,事業保証の特則を含めて完成しました。
- 上記の作業に対応して,XMLを更新しておきましたので,興味のある方は,以下のURLをコピーして,IEかEdgeで閲覧してください。Firefoxとか,Chromeとかの代表的なWebブラウザーは,残念なことに,XMLに対応していないため,せっかくの美しい構造を見ることができません。ご注意ください。
- http://cyberlawschool.jp/kagayama/civ.xml
- 『法と経営研究〕の編集会議を開催しました。『法と経営学会』の設立を目指すための具体的な方法を協議して,6月10日の設立のためのキックオフの会合に備えました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,210人)
- 2019年6月9日(日) 晴れ
- 6月11日に学習院女子大学で講義する「法学とリーダーシップ -各国のリーダーに法学部出身者が多いのはなぜか?-」のプレゼンテーションファイルを改訂します。
- 大分で,寺子屋ひじ塾の基本方針について,一般社団法人の設立時社員の候補者と検討しました。
- 日出ロータリークラブでお世話している米山奨学金の給付者(留学生)の誕生パーティに参加しました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,220人)
- 2019年6月10日(月) 晴れ後雨
- 6月11日に学習院女子大学で講義する「法学とリーダーシップ -各国のリーダーに法学部出身者が多いのはなぜか?-」のプレゼンテーションファイルを担当者に送付しました。
- 法と経営学会の準備に向けた懇談会を開催します。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第17日目)。
- 第3編(債権)第4節(債権の譲渡),および,第5節(債務の引き受け)の個所まで作業が進みました。
- 上記の作業に対応して,XMLを更新しておきましたので,興味のある方は,以下のURLをコピーして,IEかEdgeで閲覧してください。Firefoxとか,Chromeとかの代表的なWebブラウザーは,残念なことに,XMLに対応していないため,せっかくの美しい構造を見ることができません。ご注意ください。
- http://cyberlawschool.jp/kagayama/civ.xml
- (HP訪問者の延べ人数:25,240人)
- 2019年6月11日(火) 曇り
- 学習院女子大学で「法学とリーダーシップ -各国のリーダーに法学部出身者が多いのはなぜか?-」(PDF,PowerPoint)の講義をしました。
- 講義の後の質疑応答で,以下のような素晴らしい質問を受けることができ,学生たちの学力のレベルの高さを実感することができました。
- 「Googleマップ」と「民法の体系」という異質とも思われる二つのものを結びつける発想はどのようにして生まれたのですか?
- リーダーシップにおけるフォロワーシップの重要性について,具体例で説明していただけますか?
- 歴史を考察する上での二つの誤り(第1種の誤りと第2種の誤り)とは,どういう意味ですか?
- 大学におけるAI教育の根本問題について,AIの専門家と懇談しました。 以下の点が話題となりました。
- AI教育を実施する上での地域格差とその解消のための方策 (地元企業との連携の必要性)
- AI教育を担当する教員の負担増による研究時間の圧迫とその解消方法
- AIの基本的な考え方を身につけさせるための学習時間,カリキュラムの内容
- (HP訪問者の延べ人数:25,270人)
- 2019年6月12日(水) 曇り後晴れ
- 大学におけるAI教育の根本問題について,AIの専門家との懇談を終えて,大分に帰ります。
- 7月16日に理事長との面談を設定したいとの連絡が入ったため,日程を調整しました。
- 帰りの列車の中で,先日(6月10日)に執筆依頼があったBusiness Law Journal 2019.10の巻頭言について,「XMLによる情報整理の薦め」というタイトルで第1案を執筆しました。執筆した内容の骨子は,以下の通りです。
- 情報の一元的整理(情報のGoogleマップ仕様)の重要性
- 情報整理の決定版としてのXML
- XMLの使い勝手の悪さとその克服
- (HP訪問者の延べ人数:25,300人)
- 2019年6月13日(木) 晴れ
- 昨日執筆したBusiness Law Journal 2019.10の巻頭言「XMLによる情報整理の薦め」の第1案が,推敲を重ねても制限字数を超えるため,編集者のアドバイスを受けようと,字数オーバーのまま,編集者に執筆した原稿(第1案)をメールで送付しました。
- 父の死亡に伴う年金の切り替え等の諸手続きを行うため,タクシーで母を別府の年金事務所に案内し,手続を行いました。
- 母の所得証明を取り忘れていたので,いったん日出町役場に戻って所得証明の発行の申請をしたところ,担当者が,「最新の所得証明は,月曜日にならない発行できません」と,わけのわからないことを言って証明書の発行を渋ったので,少し言葉をきつくして,「母の年金改定手続に必要な書類なので,最新のものが間に合わないのなら,昨年度の所得証明でもよいから,とにかく,所得証明を発行しなさい」といって,証明書を発行してもらいました。町民の立場に立たない「お役所仕事」の典型例で困ったものです。
- 発行してもらった所得証明を携えて,再度,別府の年金事務所を訪ね,すべての手続を無事に完了することができました。
- 別府に行く途中の電車の中で,先ほど町役場で係員と揉めたときに,町民の立場に立って手助けしてくれた職員の方と偶然出会い,自己紹介を含めて仕事の話で盛り上がりました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,330人)
- 2019年6月14日(金) 曇り後雨 入梅
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の民法要論のレポートを添削の後,合否を決定し,担当課に郵送しました。
- Business Law Journal 2019.10の巻頭言「XMLによる情報整理の薦め」について,編集者と電話でコンタクトを取りました。
- 城島高原ホテルで開催された「別府中央ロータリークラブ創立30周年記念式典」に出席しました。
- 社会奉仕に関する着実な歩みが強みとなっていました。日出ロータリークラブも,社会奉仕活動での強みを打ち出すべきだと実感しました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,360人)
- 2019年6月15日(土) 雨後曇り
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第18日目)。
- 第3編(債権)第6節(債権の消滅)の第1款(弁済)第1目(総則)の個所に入りました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,380人)
- 2019年6月16日(日) 曇り後晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第19日目)。
- 第3編(債権)第6節(債権の消滅)の第1款(弁済)第1目(総則)を終了して,第2目(弁済の目的物の供託)に入り,第3目(弁済による代位)を終了しました。
- 父の葬儀に参列できなかった弟(10年前に死亡)の配偶者,弟の子(代襲相続人)が大阪から弔問に訪れてくれました。父の遺産(大阪の実家)について,遺産分割の進め方について最初の協議を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,400人)
- 2019年6月17日(月) 晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第20日目)。
- 民法第3編(債権)第1章(総則)第7節(有価証券)まで,すなわち,「債権総論」の部分を完成させました。明日から,第2章(契約)に入ります。
- 上記の作業に対応して,XMLを更新しておきましたので,興味のある方は,以下のURLをコピーして,IEかEdgeで閲覧してください。Firefoxとか,Chromeとかの代表的なWebブラウザーは,残念なことに,XMLに対応していないため,せっかくの美しい構造を見ることができません。ご注意ください。
- http://cyberlawschool.jp/kagayama/civ.xml
- (HP訪問者の延べ人数:25,420人)
- 2019年6月18日(火) 曇り時々晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業をしています(第21日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)に入って,第1節(総則)のうち,第1款(契約の成立)のXML化に取り掛かり,第1款を完成させました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。 辛抱強く待っていた情報が届いて一安心です。
- (HP訪問者の延べ人数:25,440人)
- 2019年6月19日(水) 曇り後晴れ
- 特許ニュースNo.14973(7月18日号)に掲載予定の「AIにおける法的検討・AI管理② AIによる民法データの管理」の構想がまとまったので,執筆を開始しました。原稿の締切りが6月26日なので,まだ余裕がありますが,2~3日間,集中して執筆することにします。
- 執筆原稿の骨子は,以下の通りです。
- 1.AIとは何か
- 2.AIによる法情報の管理-データサイエンス,データテック
- 3.AIによる民法データ(条文・学説・判例等)の管理
- 3-1. 民法体系のXMLによる表現(民法のGoogleマップを作成する)
- 3-2.民法体系XMLのPythonによる制御
- 4.今後の課題と将来の展望
- (HP訪問者の延べ人数:25,470人)
- 2019年6月20日(木) 晴れ
- 特許ニュースNo.14973(7月18日号)に掲載予定の「AIにおける法的検討・AI管理② AIによる民法データの管理」の執筆を続けています。(第2日目)
- (HP訪問者の延べ人数:25,480人)
- 2019年6月21日(金) 曇り一時晴れ
- 特許ニュースNo.14973(7月18日号)に掲載予定の「AIにおける法的検討・AI管理② AIによる民法データの管理」の執筆を完成しました。(第3日目)
- 作成中の原稿は,8,000字を少しばかり超えており,掲載誌の制限字数をオーバーしている可能性があるので,担当者に字数制限についてたとこと,むしろ,8,000字以上が必要であり,図も多いので,送付した原稿で十分だとの回答がありました。原稿の骨子は以下の通りです。
- AIによる民法データの管理
- Ⅰ AIとは何か
- Ⅱ AIによる法情報の管理
- 1.データテック(DataTech)
- 2.AIプログラミングの効用
- Ⅲ 民法データ(条文,理由,学説,判例)のAIによる管理
- 1.民法体系のXMLによる表現-民法のGoogleマップを作成する
- (1) Googleマップによる全体と部分の一元的管理
- (2) XMLによる全体と部分の一元的管理
- (3) 民法体系XMLによる民法の論理構造の表現
- 2.民法体系のPythonによる制御-具体的なデータ管理
- Ⅳ 結論と今後の課題
- Ⅴ 参考文献
- 別府の「きものかふぇ 『ゑり章』」で開催された夕食会(第1回)に出席しました。
- 別府行の電車の中で,6月13日にお世話になった町役場の職員の方と再会しました。仕事の話のついでに,Wordの効率的な利用の仕方を実演してさしあげました。
- 夕食会は,とても充実したものだったので,次回も開催することになりました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,510人)
- 2019年6月22日(土) 曇り一時晴れ
- 経営実務法学研究第21号(2019/7)に掲載予定の私の論文「相続法改正の前提問題における誤解」 という論文の第1校の校正刷りが届いたので,早速構成した上で担当者に送りました。その論文の骨子は以下の通りです。
- 相続法改正の前提問題における誤解
- はじめに-平成30年相続法改正の契機
- 1.平成30年相続法改正の概要
- 2.相続法改正の契機としての妻たちの怒り
- 3.妻たちの怒りをなだめるための勘違いの方策
- 4.相続法の改正の前提とすべきは,婦夫財産制の見直し
- 5.相続法改正における妻の保護の規定のむなしさ
- 6.結論
- おわりに
- 参考文献
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- 2019年6月23日(日) 晴れ
- 末川民事法研究会に出席するため京都に出張します。
- 京大の留学生から,中国語会話のレッスンを受けます。第4課(請問一共多少銭?)の続きです。
- 末川民事法研究会に参加して,議論を盛り上げます。
- 第1報告:「預託金制ゴルフ会員権の実質的価値について売買契約の双方が誤認していた場合の錯誤」(大阪高裁平成29年4月27日判決,判時2346号72頁,判タ1443号74頁,金判1521号12頁,金法2079号66頁)
- 事案の概要:預託金制ゴルフ会員権の売買契約において,売主・買主双方が,預託金の返還がないまたは少額であると誤認して会員権を430万円程度として契約を締結したところ,売買契約後の退会によって預託金6000万円が売主に返還されたので,買主が6000万円から未払会費等を差し引いた約5984万円を不当利得として売主に返還を求めたのに対して,売主が民法95条の要素の錯誤による売買契約の無効を主張した事案。
- 判決の要旨:原審,本判決ともに,本件は,動機の錯誤であるものの,動機の表示,動機の主観的重要性(因果性),客観的重要性(合理性)を認め,民法95条の要素の錯誤に該当するとし,売主には重過失が認められる一方,共通動機の錯誤であるために,本件売買契約は無効であると判示した。
- 私からは,以下の質問を行いました。
- 第1に,本判決は,改正民法95条3項2号を先取りして適用したもののように見える。確かに,改正民法95条3項のうち,1号の方は,理論的な説明が容易だが,2号は,報告者が指摘している通り,「表意者が重過失でも相手方が善意の場合がありうる」のだから,説明は容易ではない。この点,報告者は,問題点を指摘しながら,結局,改正法の正当性を認めており,矛盾に陥っていないだろうか。
- 第2に,この問題は,商品が品質不良ではなく,反対に,品質が当事者の予想を超える優良なものであった場合の問題という観点から考察することができる。したがって,ウィーン売買条約の以下の規定の類推を考慮すべきではないか。
- CISG 第52条【期日前の履行,数量超過の引渡】(当事者の予想を超える高価な財物の引渡しに類推できる)
- (1)売主が定められた期日前に物品を引き渡す場合には,買主は引渡を受領するか引渡の受領を拒絶するかの自由を有する。
- (2)売主が契約で定めるよりも多量の物品を引き渡す場合には,買主は引渡を受領するか超過分の引渡の受領を拒絶するかの自由を有する。買主が,超過分の全部又は一部の引渡を受領した場合には,契約価格の割合でその対価を支払わなければならない。
- 第2報告:「人格的利益侵害の損害賠償請求権の消滅時効をめぐる比較法的検討」
- わが国は,時効の停止という制度を捨ててしまったのですが,ドイツ民法は,その制度を上手に使っているという視点から,わが国の消滅時効法制の再検討を迫るという報告であり,興味深く拝聴しました。
- 私からは,不法行為の3年の消滅時効は,改正法においては,整合性を欠いており,少なくとも,5年にしなければ整合性を欠くといって良いのではないのかという,応援演説を行いました。
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- 2019年6月24日(月) 曇り
- 末川民事法研究会での議論を終えて,大分に帰ります。
- 取引先の信用金庫に立ち寄って,ここ数年の間滞っていた諸手続きを進めます。
- 帰りの列車の中で,民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第21日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)第1節(総則)のうち,第1款(契約の成立)を終えて,第2款(契約の効力)に入り,第3款(契約上の地位の移転),第4款(契約の解除)を経て,第5款(定型約款)まで作業を続けました。
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- 2019年6月25日(火) 晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第22日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第1節(総則),すなわち,契約総論の作業を完了しました。
- この作業に対応して,XMLを更新しておきましたので,興味のある方は,以下のURLをコピーして,IEかEdgeで閲覧してください。Firefoxとか,Chromeとかの代表的なWebブラウザーは,残念なことに,XMLに対応していないため,せっかくの美しい構造を見ることができません。ご注意ください。
- http://cyberlawschool.jp/kagayama/civ.xml
- 日出ロータリークラブの例会に出席しました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,590人)
- 2019年6月26日(水) 曇り後雨
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第23日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第2節(贈与)以下,すなわち,契約各論に入りました。
- 友人に呼ばれて福岡に遊びに行きました。散歩の後,丸善に寄って,私の最新刊が書棚にあることを確認した後,法教育のための絵本の作成の参考にしようと,絵本のコーナー(立ち読み自由))に行って,友人と一緒に人気の絵本を見ながら,秘密を分析しました。
- 出版社の社長が教えてくれた,よく売れる本の原則とは,「読者が知っていること8割,知らないこと2割」となっている本であるという原理は,やはり当たっていました。
- そして,今回は,知っていること8割の中には,描かれていることは新しくても,その底に流れているストーリー展開とか原理とかは,比喩や幼いころの経験を通じて,多くの人が理解していることであることを発見することができました。
- そのような考え方を前提にして,久しぶりに「星の王子様(Antoine de Saint Exupéry, "LePetit Prince")」を読んでみると,びっくりするように見えるストーリーも,実は,現実に生じている,または,生じてきた事実の比喩であることが多く,深いところでは,誰もが知っていることが多く含まれているということを理解することできました。初めからそういう視点で読んでみたというバイアスはあるものの,「8割,2割の原則」は,ここでもやはり健在だと感じました。
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- 2019年6月27日(木) 雨後曇り
- 本屋さんの絵本コーナーでの法教育の絵本作りのための探求を続けます。
- 「ぐりとぐら」のカルタをじっくりと読んでみて,この方法も法教育を定着させるのに役立つ良いアイディアだと感じました。
- 暑さを考慮してスーツを着てこなかったところ,冷房で体が冷えてきたので,友人のアドバイスに従ってライトブルーのジャケットを購入しました。色がとてもきれいで,気に入りました。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第24日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第3節(売買)の個所に入りました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,630人)
- 2019年6月28日(金) 曇り時々雨 (一時強い雨)
- 福岡に招待してくれた友人と別れて,大分に帰りました。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第25日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第3節(売買・買戻し)の個所を完成させました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,650人)
- 2019年6月29日(土) 曇り時々雨
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第26日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第4節(交換),第5節(消費貸借),第6節(使用貸借)の個所を完成させました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,670人)
- 2019年6月30日(日) 雨
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第27日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第7節(賃貸借)の個所を完成させました。
- この作業に対応して,XMLを更新しておきましたので,興味のある方は,以下のURLをコピーして,IEかEdgeで閲覧してください。Firefoxとか,Chromeとかの代表的なWebブラウザーは,残念なことに,XMLに対応していないため,せっかくの美しい構造を見ることができません。ご注意ください。
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- (HP訪問者の延べ人数:25,690人)
- 2019年7月1日(月) 雨
- AI研究の一つの拠点である慶応大学理工学部の研究室にお邪魔して,AI研究の現状と課題,学生に学ばせるべき項目等についてヒアリングを行いました。
MuSYcに刺激を受けて,MaiLの着想を得ることができました。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第28日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第8節(雇用)の個所を完成させました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,710人)
- 2019年7月2日(火) 曇り
- 慶応大学でのヒアリングを終え,報告書を作成して担当課に送りました。大分に帰ります。
- 列車の中で,明治学院大学で行う夏季集中講義(契約総論)のレジュメをXMLで作成します(第1日目)。
- 日出ロータリークラブの例会に出席して,副会長就任のスピーチを行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,730人)
- 2019年7月3日(水) 小雨
- 整理する時間が惜しくて,机の上に積み上げていた未処理の書類をすべて整理しました。机の上が,何もないすっきりした状態になって,学習効率がさらに向上することと思います。
- 地元の総合病院で健康診断を受診しました。血圧(121-80),胸部レントゲン撮影,心電図,血糖値,肝・腎機能とも正常でした。 ただし,コレステロール値が多少高かったので,好物のカフェオレを少し控えて,水を多く飲むようにするつもりです。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第29日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第9節(請負)の個所を完成させました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,760人)
- 2019年7月4日(木) 曇り
- 不動産関係の書類を整理するため,京都に出張します。
- 列車の中で,明治学院大学で行う夏季集中講義(契約総論)のレジュメをXMLで作成します(2日目)。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第30日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第10節(委任)の個所を完成させました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,770人)
- 2019年7月5日(金) 曇り一時晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第31日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第11節(寄託)の個所を完成させました。
- 明治学院大学で行う夏季集中講義(契約総論)のレジュメをXMLで作成しています(3日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:25,790人)
- 2019年7月6日(土) 晴れ
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第32日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第12節(組合)の個所を完成させました。
- 私の中学校時代の恩師が亡くなったので,その偲ぶ会が大阪で開催されます。おそらく,中学校時代の最後の同窓会となるであろうその会に出席するため,大阪に出向きました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,810人)
- 2019年7月7日(日) 曇り 七夕
- 中学時代の恩師の偲ぶ会の出席を終えて,大分に帰ります。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第33日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)のうち,第13節(終身定期金),第14節(和解)の個所を完成させ,民法第3編(債権)第2章(契約)を完結します。
- (HP訪問者の延べ人数:25,830人)
- 2019年7月8日(月) 雨後曇り一時晴れ後雨
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第34日目)。
- 民法第3編(債権)第2章(契約)を終了して,契約外債権関係,すなわち,第3章(事務管理),第4章(不当利得),第5章(不法行為)へと進み,第3編(債権)を完結させました。
- 上記の作業に対応して,以下のXML(civ.xml)を更新しておきましたので,興味のある方は,以下のURLをコピーして,IEかEdgeで閲覧してください。Firefoxとか,Chromeとかの代表的なWebブラウザーは,残念なことに,XMLに対応していないため,せっかくの美しい構造を見ることができません。ご注意ください。
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- 久しぶりに大分の銀行に行き,後回しにしていた諸手続きを完了します。
- (HP訪問者の延べ人数:25,850人)
- 2019年7月9日(火) 雨後曇り
- 8月1日から開始する明治学院大学での集中講義「契約法総論」のシラバスを完成し,担当者に送りました。
- 今日から2日間,明治学院大学でAI研究・教育の現状と課題について議論するため,東京に出張しました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,870人)
- 2019年7月10日(水) 曇り後一時晴れ
- AIとファジイの研究者にお会いして,AIを使いこなせる人材養成の戦略について議論します。
- (HP訪問者の延べ人数:25,900人)
- 2019年7月11日(木) 曇り後晴れ
- 東京での仕事を終えて,大分に帰りました。
- 帰りの列車の中で,AI研究・教育のあり方について,エッセイを書き始めました(第1日目)。
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AIを利用して個人で運用するプラットフォームビジネスの一例
(卒業試験の採点基準としても利用可能です) |
これからのAI教育は,既存の組織が求める人材(AIに強い人材)という視点で人材を養成するのではなく,個人が組織から離れた場合(不正に関与させられそうになって会社を辞めたとか,会社から不条理なリストラをされたとか,私のように元気で能力もあるにもかかわらず定年退職させられたとか,理由はいろいろ)であっても,組織に頼らず,自力で必要かつ十分な収入(生活費と社会奉仕の費用)を獲得できる能力(右図参照)を養成するという視点でストーリーを始めます。
- 組織に頼らず,自力で必要かつ十分な収入(生活費と社会奉仕費)を獲得できる能力とは何か?それは,自分の作品(農産物とか,ノウハウとか,著作等の情報とか)を直接に消費者に届けることができる,AIを使った安全でユーザーフレンドリーなプラットフォームを制作することができる能力であり,しかも,そのプラットフォームを安全かつ適切に利用すること(プラットフォームビジネス)を通じて,必要かつ十分な収入(生活費と社会奉仕の費用)を得ることができる能力ではないのかというのが,私の仮説です。
- この視点は,私の現在の本務校の建学の理念「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸ばし,社会に有為な人材を養成する」にも合致すると考えています。自立あっての社会貢献だと思うからです。
- (HP訪問者の延べ人数:25,920人)
- 2019年7月12日(金) 晴れ これから雨の日が続く前の貴重な晴れの日
- 自転車が使える晴れの日を利用して,溜まった洗濯物を洗濯したり,クリーニングに出したり,不足しがちな日用品の買物等の用事をすべて済ませます。
- AI研究・教育のあり方について,エッセイを書いています(第2日目)。
- 組織に頼らずに自力で必要かつ十分な収入を得ることができる個人を養成するには,どのような組織が必要かを論じます。私のエッセイでは,中核となるのは,わずか6名(トップ,AI専門家,経営専門家,法律専門家(MaiL),企画責任者,広報責任者)です。
- (HP訪問者の延べ人数:25,940人)
- 2019年7月13日(土) 雨
- AI研究・教育のあり方について,エッセイを書いています(第3日目)。
- 組織に頼らずに自力で必要かつ十分な収入を得ることができる個人を養成するには,どのような教育方法を採用すべきかを論じます。高度のアクティブラーニングはもちろんのことですが,私エッセイでは,卒業研究に何を課題とするかがカギとなることを論じます。
- (HP訪問者の延べ人数:25,960人)
- 2019年7月14日(日) 雨後曇り
- 妹夫妻と一緒に永代供養をしてくれるお寺に行き,父の初盆の行事を行いました。
- AI研究・教育のあり方について,エッセイを書いています(第4日目)。
- 組織に頼らずに自力で必要かつ十分な収入を得ることができる個人を養成するという学習目標を達成することができた場合の影響の大きさを論じて,エッセイを締めくくります。
- 組織に役立つ人を養成した場合には,その人は組織を離れると役立たずの人になる危険性があります。しかし,組織に頼らずに自力で収入を得ることができる個人を養成した場合には,その人は,組織の中でも自分の立ち位置を理解して組織の一員として明確な役割を演じることができるばかりでなく,組織を離れた時にも,断絶を生じることなく,自力で生き抜くことができるようになります。
- (HP訪問者の延べ人数:25,980人)
- 2019年7月15日(月) 曇り後晴れ 海の日
- 明日行われる本務校の理事長面談に備えて,資料の作成,プリントアウトなど,万全の準備を行います。
- A4で12頁のエッセイ(数枚の図入り)を完成することができました。
- (HP訪問者の延べ人数:25,990人)
- 2019年7月16日(火) 晴れたり曇ったり
- 本務校の理事長,および,副理事長と会談するため,宮崎に出張します。
- 副理事長の案内で青島を見学しました。にわか雨に遭ったもののすぐに天気が回復して,美しい景色と南国情緒を満喫することができました。
- 会議を行うシェラトン・グランデ・オーシャンリゾートに到着し,副理事長にAI教育のあり方について,私のエッセイに基づいて説明をし,突っ込んだ議論をしました。
- 理事長,副理事長との夕食会で,理事長の意見を拝聴し,私のエッセイに倫理的な側面を追加することにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,010人)
- 2019年7月17日(水) 曇り一時雨
- 本務校の理事長,および副理事長との会談を終え,大分に帰ります。
- 会談の成果を踏まえて,AI教育のあり方についての私のエッセイを論文に改定する作業を開始します。
- 経済成長期には,親が子の高等教育の費用を賄うことが可能であり,子はアルバイトなしに高等教育を受けることが可能でした。しかし高等教育の費用の急激な増加に加えて,親の世代の雇用の非正規化が進展し,この高等教育の費用を親が賄うことが困難になり,子は,アルバイトに専念したり,奨学金という名の悪質な学生ローンにはまり込んだりして,肝心の学習時間が十分に取れないというジレンマに苦しんでいます。
- しかも,親も子も,スマホ中毒に陥っていることが多いのが現状です。このため,現在の高等教育は,アルバイトとスマホ中毒で学習時間を確保できない学生を対象にせざるを得ません。このため,裕福な家庭に育ち,かつ,スマホ中毒を免れた少数の子という一部の例外を除いて,スマホ情報に依存し,それ以外の情報を受けつけない子に対して,どのような教育をすることができるのか,そもそも,教育の効果を期待できるのかという大問題に直面しています。
- この問題を解決する方法を見いだせない限り,わが国の教育は,早晩,瓦解することが目に見えています。AI教育のあり方のエッセイを改訂し,論文として論じる際には,この点についての打開策を,あわせて取り上げる必要があると思われます。
- (HP訪問者の延べ人数:26,030人)
- 2019年7月18日(木) 曇り後雨
- AI教育のあり方についてのエッセイを「求められるAI(人工知能)教育」というタイトルの論文に改定する作業を行っています。
- 上記の論文に「脱・学生ローン(返済が必要な奨学金を含む)」,「脱・スマホ中毒」という章を追加するための資料収集とアウトラインの作成を行っています。
- (HP訪問者の延べ人数:26,050人)
- 2019年7月19日(金) 雨 台風5号が発生,九州北部へ向かって接近中
- 『法と経営研究』の編集会議,および,明治学院大学「消費者法研究会」に出席するため,東京に出張します。
- 列車の中で「求められるAI(人工知能)教育」を改訂し, 第3版を完成しました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,070人)
- 2019年7月20日(土) 曇り
- 明治学院大学「消費者法研究会」に出席して議論を盛り上げます。
- 第1報告:「改正後民法415条2項の債務の履行に代わる損害賠償と同条1項のそれ以外の損害賠償について」
- 改正民法415条2項は,以下のように規定しています。
- ②前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において,債権者は,次に掲げるときは,債務の履行に代わる損害賠償〔填補賠償〕の請求をすることができる。
- 一 債務の履行が不能であるとき。
- 二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
- 三 債務が契約によって生じたものである場合において,その契約が解除され,又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。
- しかし,改正民法415条2項の各号に掲げられた場合というのは,民法542条によって,催告不要の解除権が発生する場合です。その場合に債権者が解除をすれば,代金請求との清算処理による同時履行・同時消滅(改正民法546条)という非常に良い結果が生じます。
- つまり,改正民法415条2項は,解除をすれば,すべての問題が一挙に解決するのに,あえてそれをせずに,「代金を払って,なおかつ,履行に代わる損害賠償を求める」という無駄な方法を認めるという点で,債権者を過剰に保護する不要な規定ではないかとの疑問が生じます。
- そうだとすると,紛争の解決に最も適した解除の要件が満たされている場合には,解除(履行を求めない,または,履行したものの原状回復を求めるという意思表示)と矛盾することになる「履行に代わる損害賠償請求権」は信義則に反して行使できないと解すべきでしょう(そもそも,民法545条4項の損害賠償には,填補賠償は含まれません。なぜなら,損害とは,理想的な財産状態から現実の財産状況をマイナスした差額だからです(差額説))。
- 私は,以上の根拠を挙げて,「民法415条2項不要論」を展開し,上記の報告に関する議論を盛り上げました。
- 第2報告:「『私たちが求めるAI・IoTを活用した安全・安心な消費生活』 についての調査結果から」
- AI(人工知能)教育のあり方について,論部を執筆中の私にとって,願ったりかなったりの報告である。
- そもそもAIは,個人が自立するため,すなわち,個人が組織に頼らずに収入(生活費,および,社会貢献するための費用)を獲得するために利用されるべき画期的な技術であり,消費生活ではなく,生産生活の問題であり,そこでの安全・安心を図ることが,顧客である消費者の安全・安心につながるという,報告者の視点とは逆の視点(AI・IoTを活用した安全・安心な「プラットフォーム・ビジネス」という視点)から考察すべきではないのかという観点に立って銀論を展開し,議論を盛り上げました。
- また,私は,サンデル教授の「白熱教室」(2009年)でも取り上げられた「トロッコ問題」については,緊急時における違法性阻却問題とは異なり,人工知能の設計段階における予見可能性の問題の場合には,「フェイルセーフ(fail
safe:間違った操作に対しても安全が確保される)」,「フールプルーフ」(fool proof:間違った操作を許さない,または,未然に防ぐ)の実現,すなわち,トロッコ側には,人間を感知した場合には,どんな場合にも作動する緊急停止装置,作業員側には,緊急事態警報装置等を完備させて,一人の犠牲者も出さないという安全対策が講じられた場合にのみ,自動運転を許可するという法規制を行うべきかどうかという問題であり,緊急避難の問題と混同すべきではないということを主張しました。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第35日目)。
- 明治学院大学での集中講義「契約法総論」の部分を強化しています。
- (HP訪問者の延べ人数:26,100人)
- 2019年7月21日(日) 曇り 参院選投票日
- 『法と経営研究』編集会議,および,明治学院大学「消費者法研究会」での議論を終えて,大分に帰ります。
- 民法の新条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第36日目)。
- 民法の条文をXML化するに際に,第1編(総則)の次に,明治学院での集中講義(契約総論)の実施を考慮して,第3編(債権)を優先してXML化しました。AI教育のあり方についての小論文の作成が一段落したので,民法第2編(物権)のXML化を開始します。
- 民法第2編(物権)の第1章(総則),および,第2章(占有権)の個所のXML化を行いました。
- 昨日の研究会の成果を踏まえて,明治学院大学での集中講義「契約法総論」の部分を強化しています。
- (HP訪問者の延べ人数:26,120人)
- 2019年7月22日(月) 雨後曇り 参院では改憲勢力が3分の2に届かず
- 学習院女子大学の講義の際に学生から提出されたレポートの添削を再開しました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,140人)
- 2019年7月23日(火) 雨後曇り
- 学習院女子大学の講義の際に学生から提出されたレポートの添削を続けています。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- ちょうど雑誌社から送られてきた特許ニュースNo.14973に掲載された私の「AIによる民法データの管理」をテーマに,配布資料はBusines Law Journal. 2019.10の「巻頭言・XMLによる情報整理の薦め」を使って,今後の文書管理の方向性についてSmile Boxで解説しました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,160人)
- 2019年7月24日(水) 雨後曇り時々晴れ(梅雨明け間近の暑さ)
- 学習院女子大学の講義の際に学生から提出されたレポートの添削を続けています。
- (HP訪問者の延べ人数:26,190人)
- 2019年7月25日(木) 雨後曇り後晴れ (梅雨明け)
- 学習院女子大学の講義の際に学生から提出されたレポートの添削を続けていましたが,42名すべての添削を完了し, 担当者にj返送しました。
- 明日から,名古屋(名古屋大学(外山研)),および,京都(同志社大学(民法学研究会),立命館大学(末川民事法研究会))に出張するため,列車の予約等の手配を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,210人)
- 2019年7月26日(金) 曇り後晴れ
- データサイエンス,および,AIにおけるXMLの役割およびXMLのPythonによる制御についてヒアリングを行うため,名古屋大学(外山研究室)を訪問します。
- 以下の論文(現行法令データベースの根幹をなすe-Lawsの根本思想を明らかにする論文)のコピーをいただき,XMLドキュメントの構築の仕方について,世界基準となっているLOD(Linked
Opnen Data),および,RDF(Resource Description Framework)を中心に,貴重なアドバイスを受けることができました。
- 内田勇志=駒水孝裕=小川泰弘=外山勝彦「法令沿革オントロジーの設計-Design of Ontlogy for Statute Amendment
History-」SIG-SWO-047-16,p.01-10.
- (HP訪問者の延べ人数:26,230人)
- 2019年7月27日(土) 雨(台風6号が紀伊半島に接近)
- 民法学研究会に出席するため,名古屋から京都に向かいます。
- 第1報告:「民法における死の概念―脳死と民法上の死―」
- 臓器の移植に関する法律(臓器移植法)第6条2項は,「『脳死した者の身体』とは,脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定された者の身体をいう」と規定している。これを踏まえて,同法6条1項は,「医師は,次の各号のいずれかに該当する場合(書面による提供意思がある場合)には,移植術に使用されるための臓器を,死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。」と規定しています。
- 報告者の問題意識は,脳死判定がされたが,臓器移植がなされなかった場合に,いつの時点をもって死(相続開始時)とするのかです。
- 私は,臓器移植法は,脳万能主義の表れであり,Aの生きた脳に,死にかけているBの脳に従属している生きたBの心臓を与えようとするものではないだろうか。脳死は死体だから,死体から臓器を取り出すことは適法だと判断しているが,取り出す心臓は生きているのだから,死体と判断することとは矛盾しているし,摘出・移植に生体に適用される健康保険を適用している点でも矛盾しているのではないかという問題提起をして,議論を盛り上げました。
- 第2報告:「『まかせる』との遺言文言の解釈について」
- 「まかせる」という遺言文言は,解釈の別れる問題です。意思と慣習が明らかでない場合には,民法91条によれば,任意規定が適用されるべきであり,私は,遺言者の意思が明確でない場合に,任意規定に該当するのは,法定相続分に従わせるのが妥当ではないかと考えました。
- そこで,私は,「Aに任せる」という遺言意思は,Aが主催して,法定相続分に従って相続分割をしてほしいという意思だと解釈するのが,合理的ではないか,すなわち,法定相続をopt-out(法律上の推定)だと解釈をするのが,相続秩序の平穏を維持するのに適切ではないかとの問題を提起して議論を盛り上げました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,250人)
- 2019年7月28日(日) 晴れのち曇り一時雨
- 京大の留学生から,中国語会話のレッスンを受けます。第4課(請問一共多少銭?)を終えて,第5課(牛肉麺真好吃)に入りました。
- 末川民事法研究会に出席して,議論を盛り上げます。
- 第1報告:「デイサービス送迎車降車時の負傷と自動車保険の搭乗者傷害特約における運行起因性」(最二小判平成28・3・4裁時1647−10)
- 判決要旨:老人デイサービスセンターの利用者が当該センターの送迎車から降車し着地する際に負傷したという事故は,(1)当該送迎車の運転を担当した当該センターの職員が降車場所として危険な場所に当該送迎車を停車しておらず,(2)上記利用者が当該送迎車から降車した際に上記職員による介助を受けるという当該送迎車の危険が現実化しないような一般的な措置がされていたなど判示の事情の下においては,当該送迎車の運行が本来的に有する危険が顕在化したものであるということはできず,当該送迎車に係る自動車保険契約の搭乗者傷害特約にいう当該送迎車の運行に起因するものとはいえない。
- 判決全文:URL="http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/726/085726_hanrei.pdf"
- 最高裁のHPによると,適用法条が,「保険法第4章 傷害疾病定額保険,民法91条 」となっています。この事件において,民法91条が適用されているのは,なぜなのかとい疑問(判決全文には,民法91条を適用したという形跡すら存在しない)を提起して,議論を盛り上げました。
- 第2報告:「インターネット上の表現行為の検索事業者に対し,自己のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL並びに当該ウェブサイトの表題及び抜粋を検索結果から削除することを求めることができる場合」
(最三小決平成29年1月31日:民集71巻1号63頁,判時2328号10頁,判例タ1434号48頁)
- 判決要旨:利用者の求めに応じてインターネット上のウェブサイトを検索し,ウェブサイトを識別するための符号であるURLを検索結果として当該利用者に提供する事業者が,ある者に関する条件による検索の求めに応じ,その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL並びに当該ウェブサイトの表題及び抜粋を検索結果の一部として提供する行為の違法性の有無について,当該事実の性質及び内容,当該URL等が提供されることによって当該事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度,その者の社会的地位や影響力,上記記事等の目的や意義,上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化,上記記事等において当該事実を記載する必要性など,当該事実を公表されない法的利益と当該URL等を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断し,当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には,上記の者は,上記事業者に対し,当該URL等を検索結果から削除することを求めることができる。
- 判決全文:URL="http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/482/086482_hanrei.pdf"
- 報告者が急病になったため,報告が延期となりました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,270人)
- 2019年7月29日(月) 晴れのち曇り
- 名古屋(名古屋大学外山研),京都(民法学研究会,末川民事法研究会)での議論を終えて,大分に帰りました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,280人)
- 2019年7月30日(火) 晴れ
- 明日からの東京出張(明治学院大学法学部共同研究での報告(「民法体系XML」(7/31)),明治学院大学集中講義(「契約法総論」(8/1,8/2,8/5,8/8)),および,教員免許状更新講習「求められる法教育とは何かを考える-アイラック(IRAC)とトゥールミンの議論の図式のマスターを通じて-」(8/6)),並びに,大阪出張(経営実務法学会での報告(AIによる民法データの管理(8/4)))に備えて,資料の整理,および,補充を行います。
- (HP訪問者の延べ人数:26,310人)
- 2019年7月31日(水) 晴れ
- 明治学院大学法学部共同研究での報告(「民法体系XML」),明治学院大学集中講義(「契約法総論」),および,教員免許状更新講習「求められる法教育とは何かを考える-アイラック(IRAC)とトゥールミンの議論の図式のマスターを通じて-」での講義を行うため,東京に出張します。
- 列車の中で,民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第37日目)。
- 民法第2編(物権)のうち,第3章(所有権)のXML化を完成させました。
- 明治学院大学法学部共同研究会に出席して,議論を盛り上げました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,330人)
- 2019年8月1日(木) 晴れ
- 明治学院大学法学部集中講義(「契約法総論」)第1日目
- 学習到達目標の提示
- 受講生24名を2人ずつのグループに分け,第3日目の第4限,および,第4日目の第1限から第3限に行うプレゼンテーション(1チーム20分+質疑応答10分)の実施方法,並びに,プレゼンテーション基づくレポートによる単位認定の基準を説明します。
- 民法体系XMLの紹介と操作方法の実習
- 民法体系XMLとグーグルマップの類似性を,我妻栄『民法案内1』のはしがきを使って説明する。民法体系XMLXMの例として,民法427条を取り上げて説明する。その後,任意の学生に教壇に立ってもらい,民法体系XMLの扱い方の実習を行います。
- 第1日目の講義内容(契約法総論の概説,契約自由,契約成立)
- 契約法総論の概要(契約自由,契約の成立,契約の効力,契約上の地位の移転,契約の解除,定型約款)を説明し,契約各論との関係を説明します。
- 契約自由の原則とその例外について,民法(債権関係)改正によって新設された条文と民法91条,420条との関係を理解させます。
- 契約の成立・不成立を理解するための6つの典型問題を解きながら,契約成立のための経営戦略を学生に理解してもらいます。
- 講義に先立って,戸塚校舎の教員ラウンジを訪ね,恒例のお花(フラワーアレンジメント)を持参しました。担当者がとても喜んでくださり,久しぶりの会話を楽しむことができました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,360人)
- 2019年8月2日(金) 晴れ
- 明治学院大学法学部集中講義(「契約法総論」)第2日目
- 第1日目の復習 ,リアクション・ペーパー(講義について自由な感想を書くB6の用紙)の配布
- 契約の効力
- 同時履行の抗弁権と役務提供契約に共通する異時履行(報酬後払い)との関係 (民法体系XMLを使って説明)
- 危険負担の規定の功罪-契約解除との関係 (プレゼント板書とを併用)
- 第三者のためにする契約 (板書しながら,ゆっくりと説明)
- 第三者のためにする契約の要件と効果
- 第三者のためにする契約を使った債権譲渡および債務引受
- 第三者のためにする契約を使った契約上の地位の移転への導入
- マイクを使わずに,張り切って講義をしたため,のどを痛めてしまいました。声がかれて,声が出しにくくなってしまいました。
- 講義のあと,私の講義を聴講してくださった先生に招待していただいて,その先生のお嬢さんが出演するPMFオーケストラ川崎公演を聴きに,ミューザ川崎シンフォニーホールに出かけました。とても素晴らしい演奏で,分野は違うけれども,私も専門家としての腕をもっと磨かねばと,大いに刺激を受けました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,390人)
- 2019年8月3日(土) 晴れ
- 昨日,学生から受け取ったリアクション・ペーパーを学籍番号順に整理してじっくり読み,8月6日から再開する第3日目の講義で,それらに対してコメントするための準備を行いました。
- 明日の経営実務法学会で,「AIによる民法データの管理」というテーマで報告するため,大阪に移動します。
- (HP訪問者の延べ人数:26,430人)
- 2019年8月4日(日) 晴れ
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第38日目)。
- 民法第2編(物権)のうち,第4章~第7章(地上権,永小作権,留置権)のXML化を完成させました。
- 大阪桜ノ宮で開催された第22回経営実務法学会に出席し,「AIによる民法データ管理」というテーマで報告を行いました。
- 明日の明治学院大学での夏期集中講義(第3日目)に備えて,戸塚へ移動しました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,440人)
- 2019年8月5日(月) 晴れ
- 明治学院大学法学部集中講義(「契約法総論」)第3日目
- 第1日目の復習 ,リアクション・ペーパー(講義について自由な感想を書くB6の用紙)に対するコメントを行いました。
- 学生がプレゼンを行う際の見本を提示しました。
- 第三者のためにする契約の活用について,以下の例を黒板に図示しながら,丁寧に解説しました。
- 電子マネー,銀行振込みへの応用
- クレジット契約への応用
- 契約上の地位の移転への応用
- 学生のグループによるプレゼンテーション(第1グループ:自立に向けたアパートマンションの賃貸借契約について)を開始しました。
- 8月7日(木)の最終日には,残りの全グループ(11グループ)が契約法に関するプレゼンテーションを行う予定です。
- (HP訪問者の延べ人数:26,460人)
- 2019年8月6日(火) 晴れ
- 教員免許状更新講習「求められる法教育とは何かを考える-アイラック(IRAC)とトゥールミンの議論の図式のマスターを通じて-」を明治学院大学白金校舎で実施しました。
- 1限から3限の前半までは,私がプレゼンテーションを行い,3限の後半から4限は,講習の受講教員にプレゼンテーションをすることを義務づけ,板書によるプレゼンテーションによって成績評価を行いました。
- アイラック(IRAC)を利用する点については7名全員が到達(60点以上)しましたが,トゥールミンの議論の図式を駆使してプレゼンテーションを行うことができたのは2名(90点と85点を獲得)だけだったのが,少しばかり残念でした。
- またの機会が与えられたときは,アイラック(IRAC)の順序に従った上で(必須要件),「トゥールミンの議論の図式を使ったプレゼンテーションを行わなければ,優秀点は与えられない」(加点要件)ということを事前に警告しておくと,教育効果がさらに高まると思いました。
- 明治学院大学で情報学の専門家とAI教育のあり方について,突っ込んだ意見交換をしました。JAIST(北陸先端大学院大学)の先生方との懇談が必要であることを再確認しました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,480人)
- 2019年8月7日(水) 晴れ
- 戸塚から町田に赴いて,北里大学病院の准教授と画像診断におけるAIの活用の実態について懇談を行いました。
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第39日目)。
- 民法第2編(物権)のうち,第8章~第9章(先取特権,質権)のXML化を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,510人)
- 2019年8月8日(木) 晴れ
- 明治学院大学法学部集中講義(「契約法総論」)第4日目(最終日)
- 講義の復習とまとめ
- 学生によるプレゼンテーション
- 賃貸借契約 ~これから一人暮らしをする人のために~
- 催告による解除 ~催告の延着 ~
- 第三者のためにする契約 ~自賠責保険の構造~
- コウモリが住み着いたマンションの購入 ~不完全履行と瑕疵担保責任~
- 2年縛りの携帯電話の解除 ~携帯電話の通信契約の解除金条項の有効性が問題となった事例(KDDI)事件を題材にして~
- 同時履行の抗弁と不安の抗弁
- オンラインショッピング ~ボーダレス契約と適用法~
- エステティックサービス契約 ~その実態と問題点 ~
- バイクのクレジット購入契約 ~割賦で購入する場合の注意点~
- 危険負担と帰責事由 ~商品の引渡しがないのに代金を支払わなければならないか~
- 代金前払いの危険性 ~エステサロンが倒産した場合の残りの契約分のお金は?~
- 夏期講習を受講して下さった元同僚と学生とで東京の御茶ノ水まで一緒の列車に乗って,私の講義の中で説明が不十分な個所の補足をしながら,楽しい意見交換の時間を過ごすことができました。
- 御茶ノ水で二人と別れ,私は,行きつけのQBハウスで散髪をしてもらいました。いつもの担当者にカットをしてもらい,ここでも担当者と楽しい会話をすることができました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,540人)
- 2019年8月9日(金) 晴れ
- 明治学院大学法学部集中講義(「契約法総論」),教員免許状更新講習「求められる法教育とは何かを考える-アイラック(IRAC)とトゥールミンの議論の図式のマスターを通じて-」,画像診断の専門家との懇談を無事終えて,大分に帰ります。
- 帰りの新幹線の中で,民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けました(第40日目)。
- 民法第2編(物権)のうち,第10章第1節~第3節(通常の抵当権)のXML化を行いました。
- お盆の帰省客が多く,小倉からのソニックの予約は取れなかったので,私は,暑さにめげず,早めにホームで並んで自由席の座席を確保しました。列車内は混雑して通路にも乗客があふれていたのですが,私の座席の前に立ったお姉さんと同僚が,立ちながら「乾杯」といって,缶ビールとミネラルウォーターとで乾杯をはじめ,「お騒がせしてまーす」と謝ってきました。私は,話しぶりから大阪弁だとわかったので,「大阪の方ですか」と声をかけたことがきっかけとなって,下車するまで,大阪から別府の温泉で骨休めに向かうという陽気な二人の乗客と楽しい話で盛り上がりました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,560人)
- 2019年8月10日(土) 晴れ
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第41日目)。
- 民法第2編(物権)のうち,第10章第4節(根抵当)のXML化を完成させて,民法の財産法(総則,物権,債権)全体のXMLを完成させました。 残る家族法(親族,相続)のXML化も,夏期集中講義の試験の採点を終えてから,徐々に進めることにします。
- 上記の作業(民法総則,物権,債権のXML化)に対応して,以下のXML(civ.xml)を更新しておきましたので,興味のある方は,以下のURLをコピーして,IEかEdgeで閲覧してください。Firefoxとか,Chromeとかの代表的なWebブラウザーは,残念なことに,XMLに対応していないため,せっかくの美しい構造を見ることができません。ご注意ください。
- http://cyberlawschool.jp/kagayama/civ.xml
- 明治学院大学法学部集中講義(「契約法総論」)の採点作業を行います。
- (HP訪問者の延べ人数:26,580人)
- 2019年8月11日(日) 晴れ時々曇り
- 帰りの小倉駅の駅中書店で衝動買いした,永井孝尚『世界のエリートが学んでいるMBL必読書50冊を1冊にまとめてみた〕KADOKAWA(2019)を読んでいます(第1日目)。
- すでに読んだ本がたくさんあるため,スムーズに読み進めることができます。
- (HP訪問者の延べ人数:26,600人)
- 2019年8月12日(月) 晴れ時々曇り
-
|
永井孝尚
『世界のエリートが学んでいる
MBL必読書50冊を1冊にまとめてみた』
KADOKAWA(2019) |
永井孝尚『世界のエリートが学んでいるMBL必読書50冊を1冊にまとめてみた』KADOKAWA(2019)を読んでいます(第2日目,読み終わりました)。
- 50冊を1冊にまとめるという視点で要約された文章は,私がすでに読んだ本についても,忘れていた点を思い出させてくれました(私が一番印象に残っている部分が省略されていることありますが,要約である以上,それは仕方のないことです)。また,これまで,よく理解できなかったコア・コンピタンスの説明が,本書では,明確に説明されており(本書55頁),すぐに応用できることがわかりました。これで,「公開しても,真似されない」システムの作り方(本書25頁)が理解できました。
- 印象に残ったのは,ジェームズ・コリンズ(山岡洋一訳)『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』日経BP社(2001)を紹介する個所で,「ハリネズミの戦略」をヴェン図で表現した個所,すなわち,「やるべき仕事」を以下の3つの要素の共通部分として表現している個所(本書229頁)です。私としては,この考え方に最も共感しました。
- やるべき仕事とは何か?
- 情熱をもって取り組めるもの
- 自分が世界一になれる部分
- 収益をもたらすもの
- 永井孝尚氏に,経営学の必読書を50冊を1冊にまとめてもらって,良い復習になりました。1冊にまとめた結論は,結局のところ,マズローの考え方(マズロー・完全なる経営(2001))とほぼ同じだと,私は感じました。
- 法律エキスパートシステムの開発研究で共同研究をしていた理系の先生に20数年ぶりに電話し,最近のAI研究について懇談することができました。先日の北里大学病院の准教授との話にもつながり,「音楽の記憶を呼び戻す機能」等について,有益な示唆を得ることができました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,610人)
- 2019年8月13日(火) 曇り時々晴れ
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第42日目)。
- 民法第4編(親族)のXML化を開始します。
- 第1章(総則),および,第2章(婚姻)まで,XML化を進めました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,620人)
- 2019年8月14日(水) 曇り後雨 大型台風第10号が接近中
- 大型台風の接近に備えて,風で飛ばされそうな設備を倉庫に収納したり,特養に預けていた荷物を受け取りに行ったりして,できるだけの対応をしました。
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第43日目)。
- 民法第4編(親族)の第3章(親子)のうち第1節(実子)のXML化を進めました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,640人)
- 2019年8月15日(木) 雨 台風10号が上陸の中の敗戦記念日(無謀な戦争の責任を問い直すとともに,原爆を投下した米軍による日本の占領状態が今なお続いていることを自覚すべき日)
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第44日目)。
- 民法第4編(親族)の第3章(親子)のうち第2節(養子)のXML化を進めました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,660人)
- 2019年8月16日(金) 曇り後晴れ
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第45日目)。
- 民法第4編(親族)の第4章(親権)のXML化を進めました。
- 「著作権法革命-著作者第一主義から著作利用者第一主義へのパラダイム転換-」の最終校正を終えたので,元原稿を「著作権法革命(Ver.3)」として,HPにアップロードしておきました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,680人)
- 2019年8月17日(土) 晴れ
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第46日目)。
- 民法第4編(親族)の第5章(後見),第6章(保佐及び補助),第7章(扶養)のXML化を進め,民法第1編(総則)~第4編(親族)までのXML化を完成させました。
- 上記の作業(民法第1編~第4編のXML化)に対応して,以下のXML(civ.xml)を更新しておきましたので,興味のある方は,以下のURLをコピーして,IEかEdgeで閲覧してください。Firefoxとか,Chromeとか,Safariとかの代表的なWebブラウザーは,残念なことに,XMLに対応していないため,せっかくの美しい構造を見ることができません。ご注意ください。
- http://cyberlawschool.jp/kagayama/civ.xml
- 明日から,民法第5編(相続)のXMLを進めます。
- 民法第5編(相続)は平成30年相続法改正前は,8章で構成されていましたでしたが,改正後は,10章から構成されています。1日1章ずつ作業をするめるとして,約1週間後の8月25日(日)までに,民法全体のXML化を完成させる予定です。
- (HP訪問者の延べ人数:26,700人)
- 2019年8月18日(日) 曇り時々晴れ
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第47日目)。
- 民法第5編(相続)のうち,予定通り,第1章(総則),第2章(相続人)についてXML化を進めました。
- AI時代の近未来世界を展望するために,ジャック・アタリ(林昌宏訳)『2030年 ジャック・アタリの未来予測-不確実な世の中をサバイブせよ!-』プレジデント社(2017/8/10)を購入し,一気に読んでしまいました。
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ジャック・アタリ(林昌宏訳)
『2030年 ジャック・アタリの未来予測
-不確実な世の中をサバイブせよ!-』
プレジデント社(2017/8/10) |
- 第1章 憤懣が世界を覆いつくす〔順調に見える世界に広がる悲惨な現状〕
- 第2章 解説〔法の支配の及ばない市場の暴走〕
- 第3章 99%が激怒する
- 第4章 明るい未来〔のために〕
- 本書によって,フランスの良心ともいわれているアタリが訴えたいことは,概ね,以下のようにまとめることができると思います。
- 暴走する市場経済によって民主主義が危機に瀕している。このままだと,2030年には,世界規模の「法の支配」のない状態でマネー崇拝と利己主義というイデオロギーに世界が支配されようになるだろう。
- 更に,世界は,経済と金融が世界的危機に陥る六つの火種,および,世界戦争を勃発させる六つの起爆剤を抱え込んでいる。その結果,2030年までに,人類全体が危機的な状態に陥る危険性が高い。
- 現状を打破するためには,一人一人が,以下の10の点について自覚をもって,利他的なプロジェクトを推進すべきだ。
- 自分自身の死は不可避だと自覚する。
- 自己を尊重し,自分自身のことを真剣に考える。
- 変わらない自分を見つける。
- 他者が行おうとすること,そして世界の行方について,絶えず熟考しながら自分自身の意見をまとめる。
- 自分の幸福は他社の幸福に依存していることを自覚する。
- 複数の生涯プロジェクトを同時かつ継続的に行う準備をする。
- 危機,脅威,落胆,批判,失敗に対する抵抗力をつける。
- 不可能なことはないと考える(ただし,科学的に反論できない場合や,倫理的に正当化できない場合は除く)。
- 考えたことを実行に移す。
- 最後に,世界のためにも行動する準備をする。
- 本書を読んで,私が現在準備している2つのプロジェクト(AIと法と経営の研究・教育プロジェクト,寺子屋ひじ塾)は,いずれも,上記の条件を満たしているので,的を一つに絞るのではなく,二つを同時並行的に進めることにしようと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:26,710人)
- 2019年8月19日(月) 曇り後雨後曇り
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第48日目)。
- 民法第5編(相続)のうち,予定通り,第3章(相続の効力),第4章(相続の承認及び放棄)についてXML化を進めました。
- 最近,YouTubeで見つけたPatricia Janečkováの美しい歌声に魅了されています。その中でも Con te partirò(Time to say goodbye(this land))に興味を持ち,その歌詞を調べてみました。
- 調べてみると,この曲は,有名なテノール歌手のAndrea Bocelliの持ち歌であり,Sarah Brightmanとのデュエットが素晴らしいことを知りました。そこで,早速,YouTubeで二人の美しい歌声を堪能することができました。上には上があるものだと,ため息が出ます。
- これで,私が,次に挑戦すべきカラオケ曲が"Con te partirò〔Time to depart with you〕"に決まりました。まともに歌えるようになるまでに,1か月以上は必要でしょうが…。
- 久しぶりにアサヒビールの会(ほろにが会)に出席しました。
- 理科系出身の会員と「寺子屋ひじ塾」での協力関係について話し合っているうちに,地方創成の切り札として,薬学部のみの「単科薬科大学」の構想が頭をよぎりました。国立大分大学には薬学部がないので,日出町に薬学部だけの大分薬科大学(私立単科薬科大学)を作れば地方創生に繋がるのではないかという発想です。少しずつ温めてみたいと思いました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,730人)
- 2019年8月20日(火) 曇り時々雨
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第49日目)。
- 民法第5編(相続)のうち,予定通り,第5章(財産分離),第6章(相続人の不存在)についてXML化を進めました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- 来週開催される日出町の校長会へのオブザーバー出席が認められました。外来卓話の選考の立案権もいただきました。
- 会議後の懇親会で,数人の会員に日出町に大分薬科大学の設立案を披露したところ,かなり受けました。薬局経営者にも賛同していただきました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,750人)
- 2019年8月21日(水) 晴れ
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第50日目)。
- 民法第5編(相続)の第7章(遺言)のうち,第1節(総則),第2節(遺言の方式),第3節(遺言の効力)についてXML化を進め,第7章(遺言)のXML化を終えることができました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,770人)
- 2019年8月22日(木) 晴れ
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第51日目)。
- 民法第5編(相続)の第7章(遺言)のうち,第4節(遺言の執行),第5節(遺言の撤回及び取消し)についてXML化を進めました。
- 経営学の専門家と昼食をともにしながらAI教育のあり方のほか,以下の点について意見を伺い,意見を交換しました。
- 日出ロータリークラブの外来卓話(10月8日)を依頼しました。
- そのほか,9人の卓話候補者を推薦していただきました。
- 大分薬科大学の設立構想について意見を伺いました。
- 具体的な方法論を伺うことができました。 また,役場にも出かけて,貴重な情報を得ることができました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,780人)
- 2019年8月23日(金) 雨後曇り後雨
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第52日目)。
- 民法第5編(相続)のうち,第7章(遺言)までのXML化を終えたので,新設された第8章(配偶者の居住権)についてXML化を進めました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,800人)
- 2019年8月24日(土) 曇り時々雨 気温の変化で秋の気配を感じました。
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加賀山茂「民法体系XML」(Ver.1)の完成
特色1:体系化に留意し,条文にない体系的タイトルを追加している。
特色2:削除条文を中心に旧条文を復元し,現在の行き先を追加ている。
特色3:条文本文だけでなく,項,号にも,すべて「見出し」を付けている。
特色4:立法の過誤と思われる点を指摘し,改正案(加賀山私案)を提案している。 |
民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第53日目)。
- 民法第5編(相続)のうち,第9章(遺留分),第10章(特別の寄与)のXML化を終了しました。
- さらに,民法の附則のうち,一番新しいものから順に,相続法改正時の附則,成年年齢改正時の附則,債権法改正時の附則の3つを最後に追加しました。
- 以上の作業を通じて,ついに,「民法体系XML」の第1Versionを完成させました。
- 上記の作業(民法第1編~第5編のXML化)に対応して,以下のXML(civ.xml)を更新しておきましたので,興味のある方は,以下のURLをコピーして,IEかEdgeで閲覧してください。Firefoxとか,Chromeとか,Safariとかの代表的なWebブラウザーは,残念なことに,XMLに対応していないため,せっかくの美しい構造を見ることができません。ご注意ください。
- http://cyberlawschool.jp/kagayama/civ.xml
- 「民法体系XML」第1Versionは,条文の体系化だけを狙って作成しました。次のVersion2では,条文の解説(用語の定義とか条文の意義とか機能とか)を追加します。
- その後,Version3(立法理由),Version4 (重要判例),Version5 (ボワソナードのProjet,および,比較法)というように,徐々に版を重ねます。そして,3年後には,加賀山茂『民法体系XML』Version5を完成させる予定です。
- (HP訪問者の延べ人数:26,830人)
- 2019年8月25日(日) 曇り一時雨
- 民法の条文を私の体系に沿ってXML化する作業を続けています(第54日目)。
- 昨日で第1Versionを完成させたのですが,相続法改正部分について,現行法の規定の記載をフォローしていない個所があったので,それらを追加する作業を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,840人)
- 2019年8月26日(月) 雨
- 民法体系XML(Ver.1)をバージョンアップし,各条文に解説が追加される民法体系XML(Ver.2)の完成を目指して作業を開始します(第1日目)。
- 民法第1条(基本原則)の通則から作業を開始します。 Happy birthday to you!
- 私のHPの目次(左の欄)を改訂し,加賀山「民法体系XML」の詳細項目を追加しました。
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリング(東京会場)で使用するレジュメ「修士論文の書き方」を作成し,担当者に送付しました。
- 8月28日(水)に訪問する福井大学の教授に電話連絡して,訪問時間を調整しました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,850人)
- 2019年8月27日(火) 雨
- 民法体系XML(Ver.1)に条文の意味・用語の解説を追加する民法体系XML(Ver.2)を作成する作業を進めています(第2日目)。
- 民法の条文の前に,民法をXML化する意義について,解説し,それを条文解説の前に追加しました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席しました。
- やむを得ない事情で都合で欠席した幹事に代わって,副会長として幹事報告を行い,出席委員長に代わって出席報告を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,880人)
- 2019年8月28日(水) 雨
- 民法体系XML(Ver.1)に条文の意味・用語の解説を追加する民法体系XML(Ver.2)を作成する作業を進めています(第3日目)。
- 民法通則の成り立ち,意義について解説し,一般条項である通則がなぜ個別規定に優先して適用されるのか,その謎について考察しました。
- 福井大学の工学部を訪問し,人工知能の最前線で研究教育を行う研究者と今後のAI教育のあり方について懇談しました。
- AI教育によって要請すべき能力として,以下の点について意見を交換しました。
- プログラミング能力…Pythonで十分,必要に応じてCを修得する。
- データ処理(DataTech)能力…第1には,一番よく使われているCSVのような単純データを,XMLとかJSON(JavaScript Object
Notation)とかのような構造化されたデータと,相互に変換を行うことによって,目的に応じたデータ処理ができる能力を養う。第2に,それを前提として,クローリング,Webスクレイピングの能力を養う。
- 機械学習に関する能力…教師データ,または,正解・不正解を判断するデータを作成する能力を養う。
- AIの出力結果を評価する能力…論理性,および,分野に応じた専門性にもとづいて結果を評価する能力を養う。
- さらに,XMLの編集に有用なエディタとして,Notepad++を推薦してもらいました。その場で,早速インストールしてみて,これまで使い続けてきた「メモ帳」とは段違いの使い勝手の良さを実感することができました。XMLの作成効率が飛躍的に向上しそうです。
- (HP訪問者の延べ人数:26,910人)
- 2019年8月29日(木) 雨
- 福井大学での仕事を終えて,大分に帰ります。
- 民法体系XML(Ver.1)に条文の意味・用語の解説を追加する民法体系XML(Ver.2)を作成する作業を進めています(第4日目)。
- 昨日,福井大学の教授から推薦されてインストールしたNotepad++を使って,これまで作成してきた民法体系XML(Ver.2)の構造の前半部分を精緻化しました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,930人)
- 2019年8月30日(金) 雨
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリング,および,教授会,並びに,知財論文集の出版祝賀会に出席するため,東京に出張します。
- 新幹線の中で,9月1日に行う授業「修士論文の書き方」のレジュメをインストールしたばかりのNotepad++を使って,本格的な論文にする作業をしてみました。
- Notepad++は,思っていた以上に使い勝手が非常に良いので,この構造を保持したまま,Wordの文書ファイルに変換するPythonのプログラムを書こうと思い立ちました。
- 大分に帰ったら,Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)を読み返しながら,Notepad++で作成したXML文書をWord文書に変換するプログラムを作るつもりです。
- (HP訪問者の延べ人数:26,950人)
- 2019年8月31日(土) 曇り時々雨
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリング,および,知財論文集の出版祝賀会に出席します。
- 修理論文の中間報告会(2年生)では,各報告者に質問を投げかけ,議論を盛り上げました。
- 大学院生に対する個別指導では,1年生を対象に,民法の神髄について語り,民法学習のコツを伝授しました。
- 知財論文集の出版祝賀会では,大分県の関係者と懇談し,学園都市構想について意見を交わしました。
- (HP訪問者の延べ人数:26,970人)
- 2019年9月1日(日) 曇り後晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリング,および,教授会に出席しました。
- スクーリングでは,「修士論文の書き方」(Ver.2)について講義しました。
- 一昨日Notepad++で作成し,その後改訂を重ねたXMLファイルを参考資料として示しました(ただし,XMLファイルは,EIかEdgeでしか構造を閲覧することができません)。
- 修士論文の中間報告会(1年生)では,各報告者に質問を投げかけ,議論を盛り上げました。
- 中津ロータリークラブから依頼を受けた外来卓話のテーマを決定するため,日出ロータリークラブ編『大夢翁 土屋元作』を読み返しています。
- (HP訪問者の延べ人数:26,980人)
- 2019年9月2日(月) 晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科のスクーリングでの講義等(東京)を終えて,大分に帰ります。
- 帰りの列車の中で,日出ロータリークラブ編『大夢翁 土屋元作』を読み返し,中津ロータリークラブから依頼を受けた外来卓話のテーマの候補を検討しました。
- 帰りの列車の中で,民法学研究会の会員と,法律にも判例にも著作権がないという前提を踏まえた上で,法律学の分野における著作物に対して,どのような条件の下で著作権法上の権利を付与すべきか,メールを通じて何度も議論をしました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,000人)
- 2019年9月3日(火) 晴れ後曇り,一時雷雨
- 日出ロータリークラブ編『大夢翁 土屋元作』を読み終え,中津ロータリークラブから依頼を受けた外来卓話のテーマを「日出町出身のロータリアン土屋元作(大夢翁)に学ぶ-わが国のロータリークラブの発想の原点-」と決定して,中津ロータリークラブに連絡しました。
- 民法学研究会の会員との議論を踏まえて,わが国に特異な「同一性保持権」と公正な「引用」との板挟みに苦しむ研究者を救済するため,ベルヌ条約パリ改正条約とわが国の同一性保持権の決定的な相違点を追加した「法学分野における創作性の厳格基準の必要性について」(Ver.1)を作成しました。
- 日出ロータリークラブの例会に出席しました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,020人)
- 2019年9月4日(水) 雨後曇り,一時晴れ
- 「法学分野における創作性の厳格基準の必要性について」(Ver.1)に,迷走する判決例を追加して論点を明らかにする「法学分野の著作における創作性の厳格基準の必要性」(Ver.2)を作成しています(第1日目)。
- 日出ロータリークラブの外来卓話の行使を通じて知り合いになった方の誕生日を祝うため,別府ヒットパレードにて,昔懐かしい楽曲の演奏を聴きながら,にぎやかな誕生会を行いました。
- 一緒に来ていた友人から,ダンス(ジルバ,マンボ,ルンバ)の手ほどきを受けました。すぐにマスターできるはずもなく,独習課題が増えました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,050人)
- 2019年9月5日(木) 晴れ 後曇り,一時雨
- 「法学分野における創作性の厳格基準の必要性について」(Ver.1)に,さまざまな教科書を読んで,それらの解説を追加して論点を明らかにする「法学分野の著作における創作性の厳格基準の必要性」(Ver.2)を作成しています(第2日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:27,070人)
- 2019年9月6日(金) 曇り一時晴れ
- 2017年9月7日(土) 曇り
- 私情協の2019年度第1回「法律教育FD/ICT活用委員会と分野連携による合同会議」に出席するため東京に出張しました。
- 法律教育FD/ICT活用委員会が提案している「ICTを活用した分野横断法政策フォーラム型授業」が,今年度は,SDGs(Sustainable
Development Goals:持続可能な開発目標)に関係する内容をテーマとしているため,SDGsについての資料を読みながら,その基本的な考え方の問題点を明らかにしました。
- その上で,世界を意識しつつも,マズローが提唱する個人の自己実現の目標を中心に置き,アタリの2030年の未来予測を参考にしながら,私たち一人一人が何ができるか,そして,地域(市町村)のレベルで何をすべきかという,10年後の達成目標と実現のための方法を考えてみました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,130人)
- 2019年9月8日(日) 晴れ後曇り
- 台風15号が近づく東京を離れて,大分に帰ります。
- 列車の中で,10月1日に日出ロータリークラブで行う卓話「2030年の世界-ジャック・アタリの未来予測を参考に10年間で何をなすべきかを考える-」のプレゼンテーションファイル(PowerPoint,PDF)を作成しました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,140人)
- 2019年9月9日(月) 晴れのち曇り
- 大学設置基準が改正され,学部の枠を超えて新課程を簡単に開設できるようになったこと,文系・理系理を問わず全大学にAI課程を設置できるように,文科省が拠点6校,協力20校を選定して全国共通のカリキュラムを作成することを決定したことを受けて,本務校のトップと今後の対策について懇談するため,東京に出張します。
- 列車の中で,AI過程に必要とされるカリキュラムの骨子を検討します。8月28日に福井大学で示唆を受けた以下の項目をたたき台にします。
- プログラミング能力の育成
- Pthonを中心として演習授業を実施し,必要に応じてCとの連携を行う。
- モノ作りにプログラミングを応用できる能力(IoT実現能力)を育成する。
- ビッグデータ処理(DataTech)能力の育成
- CSVのような単純データを,XMLとかJSON(JavaScript Object Notation)とかのような構造化されたデータと,相互に変換を行うことによって,目的に応じたデータ処理ができる能力を養う。
- クローリング,Webスクレイピングの能力をPythonプログラミングの応用力として育成する。
- 機械学習に関する能力の育成
- ベイジアン統計学を基礎としたビッグデータの統計処理能力を育成する。
- 教師データ,または,正解・不正解を判断するデータを作成する能力を養う。
- AIの出力結果を評価する能力の育成
- 論理性,意味論,および,分野に応じた専門性にもとづいて結果を評価する能力を養う。
- AIの悪用に関する危険性を踏まえた危機管理能力の育成
- AIの歴史と人類の歴史とを重ね合わせ,それぞれの長所と短所を把握する。
- AIがテロリスト等に悪用される等の最悪のシナリオに対処する危機管理能力を養う。
- 列車の中で,10月1日に日出ロータリークラブで行う卓話「2030年の世界-ジャック・アタリの未来予測を参考に10年間で何をなすべきかを考える-」のプレゼンテーションファイル(PowerPoint,PDF)を改訂しました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,170人)
- 2019年9月10日(火) 晴れ後曇り一時雨
- AI教育でどのような能力を育成するのかに関する会議を終えて,大分に帰ります。
- 寺子屋ひじ塾の科目の中に「親子で学ぶモノ作りのプログラミング教室」を導入すると面白いと思いました。
- 例えば,小学生のプログラミング教育で体験する最初のプログラム「正多角形を描く」というプログラムは,Pythonでも,簡単に描けます。
- from turtle import *
- print('正多角形の辺の数を入力してください。')
- s = input()
- print('正' + s + '角形を描きます。')
- n = int(s)
- for i in range(n) :
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- (HP訪問者の延べ人数:27,200人)
- 2019年9月11日(水) 晴れ
- 岡 邦俊『著作物を楽しむ自由のために』勁草書房(2016/6/20)を読んでいます(第1日目)
- 市民の立場から,最高裁判決を根本的に批判する書籍であり,城所岩生『フェアユースは経済を救う-デジタル覇権戦争に負けない著作権法-』インプレス(2016/12/6)と並んで,利用者の立場から,わが国の著作権法の欠陥をあぶりだした最高傑作の一つだと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:27,220人)
- 2019年9月12日(木) 曇り
- 『法と経営研究』編集会議を開催するため,および,明治学院大学・消費者法研究会に出席して議論を盛り上げるため,東京に出張します。
- 列車の中で,来年度設立予定の「法と経営学会」のために,公益認定を目指す一般社団法人の定款を作成しました。
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の第2回の課題レポート(民法要論・第2回)の添削を添削を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,240人)
- 2019年9月13日(金) 曇り
- 『法と経営研究』第3号の編集会議を信山社の会議室で開催します。
- 『法と経営研究』第3号の対談原稿,応募原稿,コラム原稿等の検討を行いました。
- 昨日作成した定款を検討しながら,法と経営学会の設立に関する環境整備について懇談しました。
- コラムについては,法律関係のコラムが少ないことから,信山社から,候補者への働きかけをしてもらうことになりました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,260人)
- 2019年9月14日(土) 曇り
- 明治学院大学・消費者法研究会に出席し,議論を盛り上げました。
- 第1報告:「過失相殺と家族・第三者の過失・責任」
- 主要参考判例 大阪高判平成25年2月22日(判時2197号29頁)ほか,被害者側の過失を考慮した過失相殺に関する判例をほぼすべて網羅した丹念な判例研究であり,報告後の議論も白熱した。
- 第2報告:「日本とスイスの財産犯規定の比較」 (第1報告の質疑応答が長引いたため,次回に報告いただくことになりました)
- (HP訪問者の延べ人数:27,280人)
- 2019年9月15日(日) 晴れ
- 『法と経営研究』編集会議,および,明治学院大学・消費者法研究会の議論を終えて,大分に帰ります。
- 大分に帰ると,注文していた数学教育協議会=銀林浩編『折り紙算数・折り紙数学』〔「数学教室」別冊3〕国土社(1994/4/30)が届いていたので,早速,読み始めました(第1日目)。現在構想中の「親子で学ぶパソコン教室(無料)」の基礎作りをするためです。
- 机の上に散らかっていた封筒を正方形に切り取り,上記の教科書に従って,「折り線」を描いてから,以前よく折っていたのに折り方をすっかり忘れてしまっていた「鶴」を折ってみました。確かに折り線を先に描いてから折ってみると,格段にスムーズに,しかも美しく折れることがわかりました。今後の展開が楽しみです。
- (HP訪問者の延べ人数:27,300人)
- 2019年9月16日(月) 晴れ
- 2019年9月17日(火) 晴れ
- 母親(93歳)が,朝方に突如生じた足の引きつりと腰の痛みで,ベッドに寝たまま,立ち上がることができなくなりました。
- 母親は,足腰の痛みで立ち上がることができないため,救急車を呼んで,かかりつけの病院まで寝たままの状態で運んでいただきました。
- 診察の結果,痛みの原因は,骨の変形に起因する坐骨神経痛であり,血液検査等の結果,その他の健康状態は極めて良好であることがわかり,一安心しました。
- 病院長と相談の結果,大事を取って,立ち上がれるようになるまでの数日間,入院することになりました。
- 日出RC(ロータリークラブ)の例会(ガバナー公式訪問,日出・湯布院RC合同例会)に出席しました。
- ガバナーとの懇談会,および,ガバナーアドレス(講演)を聴きながら,以下の着想を得ることができました。
- 今年度のIR(国際ロータリー)の目標は,「ロータリーは世界をつなぐ」なので,わが国で深刻化する子供たちの「スマホ依存」を予防するために世界のロータリーと手をつなぐべきではないのか。
- そこで,ロータリークラブを介して,世界各国のスマホ依存を防止するためのルールを集め,わが国の各地域に適した「スマホ利用のルール」作りをすることが,社会貢献の一つになるのではないか。
- (HP訪問者の延べ人数:27,350人)
- 2019年9月18日(水) 晴れ
- 「法と経営学会」の設立準備会(9月20日(金)東京),民法学研究会(9月21日(土)京都),末川民事法研究会(9月22日(日))への参加に備えて,必要書類の印刷,新幹線とホテルの予約,ソニックの切符の購入を行いました。
- 母親の好みの自家製パンを用意して,病院に見舞いに行きました(第2日目)。
- パンを病室にもっていったところ,母の世話をしてくださる看護師さんたちが興味を示されたので,試食をしてもらいました。
- 二日目の検査で,気管支にも多少異常があることがわかりましたが,骨折はないことが判明したため,痛みが取れた段階で,歩行のためのリハビリを行い,来週の火曜日には退院できそうです。
- 数学教育協議会=銀林浩編『折り紙算数・折り紙数学』〔「数学教室」別冊3〕国土社(1994/4/30)を読んでいます(第3日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:27,370人)
- 2019年9月19日(木) 晴れ
- 『法と経営研究〕第3号に掲載する予定の「わが国の文化・経済の発展を阻害する『同一性保持権』(著作権法第20条)の制限解釈について-法学分野の著作における創作性の厳格基準の必要性-」(Ver.3)の執筆を続けています(第3日目)。
- 今回は,以下の文献を補充して,さらに考察を深めました。
- 上野達弘「著作者人格権の生成と発展-ドイツおよび日本における同一性保持権を中心に-」『知的財産法の系譜(小野昌延先生古希記念論文集)』青林書院(2002/8/19)567-592頁
- 母親の好みの自家製パンを焼いて,病院に見舞いに行きました(第3日目)。
- 食卓でいつもつけていた母の日記帳を届け,携帯電話の充電器を病室に設置し,洗濯物を受け取って,家に帰って洗濯をしました。
- 10月30日(水)午後1時半から,日出町長と懇談するアポイントメントを取ることができました。日出ロータリークラブでの外来卓話のテーマ(10年後の日出町のあり方など)について意見交換をする予定です。
- (HP訪問者の延べ人数:27,390人)
- 2019年9月20日(金) 曇り
- 母親の好みの自家製パンを焼いて,病院に見舞いに行きました(第4日目)。
- 秋の交通安全運動に日出ロータリークラブの一員として参加しました。
- 交通安全運動に参加していた町役場の市民生活課の担当者と話をする機会がありました。
- 「法と経営学会」の設立準備会に出席するため東京に出張します。
- 列車の中で,数学教育協議会=銀林浩編『折り紙算数・折り紙数学』〔「数学教室」別冊3〕国土社(1994/4/30)を読みます(第4日目)。
- 今回は,多面体の折り方に挑戦しました。 そして,生まれて初めて,正四面体を一枚の紙で折ることができて心底感動しました。
- 誰もが見たり触ったりして鑑賞できる作品を作ることができたという喜びは,ほとんどの人が理解できないであろう最高の論文を書き上げた時とは,一味違った喜びでした。
- 近い将来に実現するつもりの「親子のパソコン教室」でも,参加者にこの種の喜び(実演を含めた作品作りの喜び)を体験してもらいたいと思いました。
- 「法と経営学会」設立準備会で,私が作成した「一般社団法人 法と経営学会 定款(案)」を説明し,改訂を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,410人)
- 2019年9月21日(土) 曇り
- 民法学研究会,および,末川民事法研究会に出席するため,京都に出張します。
- 列車の中で,数学教育協議会=銀林浩編『折り紙算数・折り紙数学』〔「数学教室」別冊3〕国土社(1994/4/30)を読みます(第5日目)。
- 今回は,正四面体の折り方の復習の後,正八面体(ダイヤモンドの結晶体)の折り方に挑戦し,なんとか正八面体が折れるようになりました。
- 民法学研究会に出席して,議論を盛り上げます。
- 第1報告:成年後見制度利用促進基本計画について
- 成年後見制度が想定されたほど利用されておらず,特に,新たに創設された補助の制度がほとんど使われていないことから,2016年に「成年後見制度の利用の促進に関する法律(成年後見制度利用促進法)が制定され,その第12条に基づいて,「成年後見制度利用促進基本計画」が閣議決定されました。
- この報告は,この成年後見制度利用促進基本計画を紹介しつつ,成年後見制度がなぜ想定に反して利用されていないのか,成年後見制度の理念と運用にギャップが生じているのはなぜなのかを詳細に論じる報告であり,分かりやすいよい報告でした。
- 私としては,以下の点を指摘して,議論を盛り上げました。
- わが国も批准している障害者権利条約第12条にわが国の成年後見制度が抵触していると考えるのであれば,成年後見制度を促進することは条約違反を助長することになるのであり,むしろ,条約第12条に反するとされている成年後見人の取消権と代理権を廃止することから始めるべきではないのか。
- せっかく創設された,しかも,障害者権利条約に適合している「補助」の制度が使われていないのは,障害者権利条約に違反している「後見」,「保佐」の制度が存在しているからであり,この二つを廃止すれば,「補助」が使われるようになることは目に見えている。したがって,「成年後見制度利用促進法」,および,そのそ「促進基本計画」は,「成年後見制度」全般ではなく,その中の「補助」の制度だけを促進することに集中すべきではないのか。
- 第2報告:他人のためにする生命保険契約における保険金給付請求権の固有権性と相続法秩序
- 生命保険金請求権は,受益者が原始取得する固有の権利なのか,相続人に承継された後,正当な範囲で,受益者に移転されるべき権利なのかを保険契約の性質(定期保険,養老保険,終身保険),保険料の原資,第三者のためにする契約の対価関係(法律上の原因)を再検討することによって,相続制度(遺留分侵害,持戻しまたは持戻しの免除等)との衝突を回避できるのではないかという,非常に興味深い報告でした。
- 私としては,以下の点を指摘していて,議論を盛り上げました。
- このテーマは,「生と死の法」という今年度の総括的な研究テーマに適した報告であり,第三者のためにする契約が契約総論として規定されていることを考慮して,更に発展させるべきである。
- 生命保険契約が,人の生死という,「公序」にかかわる契約であることを考慮するならば,保険金請求権を受益者に原始取得させるという考え方は,非常に危険な側面を有しており,否定すべき考え方ではないのか。
- したがって受益者の保険金請求権は,いったん相続人(または,相続財産法人(民法951~959条))に承継取得されると考えた後に,相続秩序に適合する範囲で,受益者が保険会社に対して直接に請求する権利を取得すると考えるべきではないのか。
- (HP訪問者の延べ人数:27,430人)
- 2019年9月22日(日) 曇り
- 末川民事法研究会に出席して議論を盛り上げました。
- 第1報告:「判決による受信契約締結とNHK受信料債権の消滅時効の起算点」(最高裁平成29年12月6日判決 民集71巻10号1817頁)
- 最高裁平成29年12月6日判決 民集71巻10号1817頁
- 1 放送法64条1項は,日本放送協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に対しその放送の受信についての契約の締結を強制する旨を定めた規定であり,日本放送協会からの上記契約の申込みに対して上記の者が承諾をしない場合には,日本放送協会がその者に対して承諾の意思表示を命ずる判決を求め,その判決の確定によって上記契約が成立する。
- 2 放送法64条1項は,同法に定められた日本放送協会の目的にかなう適正・公平な受信料徴収のために必要な内容の,日本放送協会の放送の受信についての契約の締結を強制する旨を定めたものとして,憲法13条,21条,29条に違反しない。
- 3 日本放送協会の放送の受信についての契約を締結した者は受信設備の設置の月から定められた受信料を支払わなければならない旨の条項を含む上記契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合,同契約に基づき,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生する。
- 4 日本放送協会の放送の受信についての契約に基づき発生する,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権(上記契約成立後に履行期が到来するものを除く。)の消滅時効は,上記契約成立時から進行する。
- (1につき補足意見,1,2につき補足意見,1,3につき補足意見,1~4につき反対意見がある。)
- この最高裁判決は,受信料契約を通常の契約と同様に考え,契約の申込みと承諾の合致にこだわっており,契約の成立は,あくまで承諾の成立した時点と考えています。
- (後で気が付いたことなのですが,申込みは,通常,消費者が行うものです。実際にも,NHKは,放送・インターネットを通じて申込みの誘引を行っているため,申し込むのは,消費者ではないのかと疑問が生じました。そうすると,確定判決は,申込みの意思表示に過ぎないため,契約の成立時は,その後,NHKが承諾した時点ということになると思われます。そうすると,以下の考え方は,多少の変更を余儀なくされることになるでしょう。)
- したがって,相手方が承諾をしない場合には,NHKが意思表示に代わる判決(民法414条2項)を求め,その判決が確定した時に契約が成立したと考えざるを得ません。そうすると,時効期間はその時から進行ことになるため,相手方が承諾をしない場合には,何年たっても,時効が完成することはない(時効にかからない債権を認める)という不都合が生じます。
- しかも,上記の確定判決の後に契約が成立するとしながら,契約が未だ存在しない受信設備を設置した時点から,受信料を請求できるというのでは,契約理論に忠実なように見えて,実は,理論的な破綻に陥っています。
- 第1報告は,受信料契約の相手方の態様を以下のように分類して,それぞれ場合におけるNHKの債権管理のあり方に不都合が生じることを明確にしています。
- A:受信設備を設置後,受信契約を締結して,受信料を支払った者……………時効管理を要しない。
- B:受信設備を設置後,受信契約を締結したが,受信料を支払っていない者…時効管理を怠ると,時効が完成する。
- C:受信設備を設置後,受信契約を拒み,受信料を支払っていない者…………時効管理を怠っても,時効は完成しない(不当)。
- 以上の分析の結果,報告者は,改正民法の下では,NHKの受信料債権の消滅時効は,以下のいずれかで完成すると主張します。
- NHKが受信設備の設置を把握してから5年
- 相手方が受信設備を設置してから10年
- 結論は,妥当ですが,この考え方は,契約の成立時点を受信料設置の時としなければ成り立たないため,通常の契約理論に従う限りは,理論的には破綻しています。
- 私としては,以下のように主張して,議論を盛り上げました。
- NHKの受信料契約は,放送法上は,契約理論に従っているように見えるが,契約が成立した途端に,契約が成立していない時点である受信設備の設置の時点から受信料の支払い請求ができるとなっている点で,実は,契約理論から逸脱しており,申込みと承諾によって成立する通常の契約として考えることを断念すべきである。
- NHKの受信料債権は,報告者が主張するように,受信設備の設置と同時に発生し,その債権の消滅時効は,設置時から10年,NHKが受信設備の設置を把握したときから5年で完成すると考えるのが公平の観念に合致する。しかし,そのことを説明するためには,受信料契約は,受信設備を設置した時点で自動的に成立するといわざるを得ない。
- そうすると,そのような債権は,もはや契約上の債権ではなく,租税債権と同様に,または,事務管理・不当利得・不法行為債権と同様に,契約外の法定債権と考えるべきではないのか。
- 第2報告:「ペット所有権に関する一考察 ―東京地判平成29年10月5日(LEX/DB文献番号25539752)及び東京高判平成30年4月11日(平成29年(ネ)4964号)を踏まえて―」
- 第2報告は,ペットは,解釈上は,物であり,財産法の原則に従って,所有権(民法206条)の対象となるが,動物愛護管理法(動物愛護法)の制限を受けるため,ペットの飼い主が動物を虐待した場合には,飼主の所有権を剥奪できると考えるべきであるというものでした。
- 私としては,以下のように主張して,議論を盛り上げました。
- ペットは,物ではなく,人と同じく「命ある動物」であり,財産法の対象ではなく,家族法の対象(少なくとも,旧規定上の家族(戸主の支配を受ける家族)と同様に家族の一員)と考えるべきである。
- 上記の判決例の事案は,現在問題となっている子供の虐待事件とほぼ同じ経緯をたどっており,問題の解決は,財産法の理論を使うのではなく,家族法の理論を類推して行うべきである。
- ペットを飼うのは,養子縁組(民法792条~817条の11)と同様であり,虐待があれば,親権の喪失(民法834条~837条)の類推として対応すべきである。
- やむを得ない事情による殺処分も,財産処分ではなく,尊厳死,安楽死の考え方に従って対応すべきではないのか。
- 著作権法の複製権,同一性保持権の問題点と運用について
- 法律関連の論文の引用がいい加減であった場合に,引用論文の創作性をどのように考えるべきか,いい加減な引用を「悪質な盗用」といって良いかどうか,白熱の議論を行いました(友人と夕食の予約をしていたため,途中で退席しました)。
- (HP訪問者の延べ人数:27,450人)
- 2019年9月23日(月) 曇り
- 経営実務法学会の準備会(東京),民法学研究会(京都),末川民事法研究会での議論を終えて,大分に帰ります。
- 研究会への出席の負担,旅費の負担が多すぎる(年金生活者としては旅費の負担に耐えかねる)ことに鑑み,今回を限りに,長年お世話になった末川民事法研究会を退会することにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,480人)
- 2019年9月24日(火) 晴れ
- 足の痛みで立ち上がれなくなって,日出町の病院に入院していた母が順調に回復し,退院できることになったので,自宅で退院祝いをします。
- 宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』新潮新書(2019/7/25)を読み始めました(第1日目)。
- 教育の前提となる学習者の認知能力が十分でないことを放置している現在の教育に対する鋭い批判がなされるとともに,教育の目標を税金を払える市民を育成するとしている点が,私のAI教育構想と同じであり,共感を覚えました。
- 今日は,母の退院のお祝いの日なので,明日以降に読み終えることにします。
- (HP訪問者の延べ人数:27,510人)
- 2019年9月25日(水) 晴れ
- 京都の家屋の修理状況の写真と工事見積書を施工主に届けて説明し,鍵の管理を含めて家屋全体の管理の依頼を受けました。次回の民法学研究会から試しに宿泊をしてみます。
- 宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』新潮新書(2019/7/25)を読み終わりました(第2日目)。
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宮口幸治
『ケーキの切れない非行少年たち』
新潮新書(2019/7/25) |
凶悪犯罪を犯して少年院に入る非行少年に向き合ってみて,著者(児童精神科医)は以下のことに気づきます(本書23-24頁)。
- 非行少年の多くが,簡単な足し算ができない,漢字が読めない,簡単な図形を写せない,短い文章すら復唱できないというように,見る力,聞く力,見えないものを想像する力がとても弱く,そのせいで勉強が苦手というだけでなく,話を聞き間違えたり,周りの状況が読めなくて対人関係で失敗したり,イジメに遭っていたのです。
- それが,非行の原因にもなっていることを知ったのです。
- 非行少年の経歴を著者が調べてみると以下のことが明らかになります(本書25頁)。
- 大体,小学校2年生くらいから勉強についていけなくなり,友達から馬鹿にされたり,イジメに遭ったり,先生からは不真面目だと思われたり,家庭内で虐待を受けていたりします。
- そして学校に行かなくなったり,暴力や万引きなど様々な問題行動を起こしたりします。しかし,小学校では「厄介な子」として扱われるだけで,軽度知的障害や境界領域(明らかに知的障害ではないが状況によっては支援が必要)があったとしても,その障害に気づかれることは殆どありません。
- 中学になるともう手がつけられません。犯罪によって被害者を作り,逮捕され,少年鑑別所に入って,そこで初めて「障害があったのだ」と気づかれるのです。
- 早期の発見と支援に失敗した結果(本書27-28頁)
- こういった子どもたちを作らないためには,早期からの発見と支援が必要です。
- だいたい小学校低学年からサインを出し始めますので,そのサインを見逃さず支援していかねばなりません。
- 支援の失敗,「褒める教育」の敗北(本書28-29頁)
- 現在の支援スタイルは多くの場合,「いいところを見つけ褒める」「自信をつけさせる」といったものです。子どもの能力に凸凹があると,苦手なことはそれ以上させると自信をなくすので,得意なところを見つけて伸ばしてあげる,いいところを見つけて褒めてあげる,という方向に行きがちです。
- しかし「苦手なことをそれ以上させない」というのは,とても恐ろしいことです。…「本人がt苦痛だから」という理由で苦手なことに向かわせていないとしたら,子どもの可能性を潰していることになります。ある意味,支援者が障害を作り出していることにもなりかねません。
- 週に1回忘れ物をしてく子どもに対して,忘れ物をしなかった日を褒めることよりも,…忘れ物をしないような注意・集中力をつけさせないと問題は根本的に解決しないのです。こうした問題が発生している場合の「褒める教育」は,問題の先送りにしかなりません。
著者の経験に基づく知的能力を伸ばすトレーニングの紹介(本書146-179頁)
- 非行少年だけでなく,落ちこぼれている生徒にも応用可能な方法なので,詳しくは,本書の該当頁をご覧ください。
- 最終目標は,非行少年ばかりでなく,落ちこぼれている生徒を適切な支援を通じて,納税者に変えることにあります。
- 10月5日~6日に立教大学で開催される私法学会のシンポジウム「不動産所有権の今日期課題」資料を読んで,コメントを書く作業を開始します(第1日目)。
- 第1の総論である「(1)総論:不動産所有権の今日的課題」は,不動産所有権に限らずに,所有権全般について考察しているのはいいのですが,著作物等の「無体物」の所有権,有体物の中で特異な役割を有している「現金」の所有権,そして,各論で議論されている所有権の放棄と剥奪に深く関連する問題として,所有権の放棄が制限され,買主の所有権の剥奪が話題となっている「ペット」の所有権についての考察がなされていないため,各論をリードする総論としては,中途半端に終わっているように思われます。
- 各論「(2)土地所有者が負担すべき責任の限界-土地所有権『放棄(移譲)』制度構築の前提として-」,とか,「(3)不在者財産管理制度の再考」などで,所有者不明の不動産について,安易な所有権の放棄の制限,および,そのような不動産の利活用のための所有権の剥奪が問題となっているのですから,少なくとも,「ペットの所有権」の「放棄」の制限,および,「飼主の所有権」の「剥奪」を例にとって,もっと突っ込んだ議論をしてほしいと思いました。
- いつものこととはいえ,総論と各論,そして,各論同士がうまく全くかみ合っていないのは,シンポジウムの運営としてはまずいと思います。ただし,まだ,全部を読んだわけではないので,各論で改善がなされているを期待しつつ,読み込みとコメントを続けます。
- (HP訪問者の延べ人数:27,540人)
- 2019年9月26日(木) 晴れ後曇り一時雨
- 母が,足の痛みで筋肉をほとんど使わなかったために衰えた筋力を取り戻すために,週2回,病院でリハビリを行うことになり,その状況を見学に行きました。
- 入念なストレッチと歩行練習で,体がかなり柔軟になっていく様子がよくわかりました。そこで,母には,週2回,リハビリのための病院通いを続けてもらうことにしました。
- 10月5日~6日に立教大学で開催される私法学会のシンポジウム「不動産所有権の今日期課題」資料を読んで,コメントを書く作業を続けています(第2日目)。
- 「(4)相隣関係の今日的課題」を読みました。
- よくできたレポートだと感心しました。確かに,第1に問題となる民法209条(隣地使用請求)を民法210条~212条(囲繞地通行権)と比較・検討しているのは,卓見だと思います。
- しかし,第2に問題となる民法215条(水流の障害の除去)と民法216条(水流に関する工作物の修繕等)との対比に際して,第1に検討した民法210条~212条(囲繞地通行権)との対比を行っていないのは惜しいと思いました。
- もしも,民法210条~212条(囲繞地通行権)が,「社会的に認められることは実行に移すことができる(反射的に,相手方は受忍義務を負う,場合によっては作為義務まで負担する場合がある)。ただし,社会的損害を最小とする方法を選択しなければならない」という総論規定であることに気づいていれば,この規定を総論(上位規範)として位置づけ,民法215条を隣地の所有者の受忍義務,民法216条を隣地所有者の受忍義務+作為義務と捉え,民法209条の受忍「請求」をも,民法215条と同様の隣地所有者の受忍「義務」と再構成することが可能であったと思われるからです。
- なぜなら,いずれの場合も,「社会的に認められることは実行に移すことができる(反射的に,相手方は受忍義務を負う,場合によっては作為義務まで負担する場合がある)。ただし,社会的損害を最小とする方法を選択しなければならない」という総論規定(民法210条~212条)を通じて,民法209条の再考,並びに,民法215条,および,216条の再構成を民法の体系に即した整合的な説明ができるからです。
- (HP訪問者の延べ人数:27,570人)
- 2019年9月27日(金) 曇り後雨
- 10月5日~6日に立教大学で開催される私法学会のシンポジウム「不動産所有権の今日期課題」資料を読んで,コメントを書く作業を続けています(第3日目)。
- 「(5) 共有法の基礎理論とその課題」を読みました。
- 共有を「自由な処分が可能な所有権(持分)」と「各共有者の制限された所有権」に分解して(資料38-39頁),後者について,その正当化根拠を掘り下げて検討している点は,素晴らしいと思いました。
- しかし,「各共有者の制限された所有権」について,共有物の変更,管理が,それぞれ,合意(民法251条),または,多数決(民法252条)とされている正当化根拠について,単に,同意,または,政策的に設けた調整原理であるとしているだけであり,共有関係を団体法理に基づく法定債権(事務管理(法定委任),不当利得,不法行為)へと転換させるわけでもなく(資料39-40頁),また,相隣関係との共通性への探求がなされているわけでもないのは惜しいと思いました。
- その理由は,以下の通りです。
- 第1に,もしも,共有関係を所有権から決別させ,団体法理に基づく法定債権への転換という構成を試みたならば,画期的な研究へとつながることになったと思われるからです。
- 第2に,もしも,第4報告を受けて,共有関係を「持分権者同士の相隣関係」と捉え直すことができたならば,先の第4報告「(4)相隣関係の今日的課題」とのコラボが実現し,そのことを通じて,ひょっとすると,「団体法理を巻き込んだ相隣関係の再評価」という所有権法理論に大転換をもたらす成果に繋がる可能性があり,今回のシンポジウムの目玉となる可能性があったからです。
- 共有関係の変更の要件について,他の条文(民法28条(管理人の権限)前段で引用されている103条(権限の定めない代理人の権限)2号,および,民法271条(永小作人による土地の変更の制限))との比較によって考察を深めるプロセスは,非常に興味深いのですが,区別による解釈だけを行い,「勿論解釈」を無視している点は,解釈論の未熟さが表れているように思いました。
- 今回のシンポジウム「不動産所有権の今日的課題」のねらいは,物権法改正の動向を踏まえながら,少子高齢化の進展によって生じている「空き家・所有者不明土地の荒廃」問題などの「不動産のマイナス財産への転化」への対応策を通じて,所有権法の根本的な見直し(「古典的課題の問い直し」(資料45頁))を試みることだと思われます。
- ところが,例年通り,シンポジウムのパネリストは,自分の役割分担の消化に追われ,お互いのテーマを関連付けて理論を発展させるという努力を怠っています。
- 例えば,第3報告において,不在者管理制度の検討課題として,「共有物の管理・処分につき共有者の持分過半数または全員の同意が必要とされているため,共有物に関する迅速な管理ないし利活用の障害となっている。」(資料23頁)という個所を取り上げて,この点を検討してみます。
- このような場合,本来なら,ここで,第3報告者は,第5報告を踏まえて,たとえば,「全員の同意が必要となる『変更』の要件を民法28条で準用されている民法103条2号の規定を踏まえて,『物の性質の変更をきたすもの』だけに限定するとか,民法271条の規定を踏まえて,『回復することができない損害を生じさせる場合』だけに限定するとか,障害の元凶となっている『変更』要件を厳しく限定して,少なくとも,共有者の持分過半数で決することができるような解釈をすべきではないか」というように,各報告者間が意見の交流を行い,それを反映させた発言がなされるべきでしょう。
- ところが,現実には,第3報告者は,第5報告を踏まえた自らの見解を示すことなく,「本シンポジウムでは,共有に関する諸問題については山城一真准教授が担当されるため,詳細な検討は,山城報告に譲る」(資料23頁)と述べるにとどまっており,シンポジウムの本来のあり方に反する「縦割り分担」を,おそらく,無意識に行っています。
- このような場合こそ,シンポジウムの代表者が調整役として,第3報告者に対して,第5報告の検討を踏まえて,自らの考え方を披露するように促すべきだと思います。
- 最近の私法学会のシンポジウムの人気が低迷しているのは,以上のように,パネリスト間の意見交換による成果が期待できず,各パネリストが自分の担当部分を報告して終わりとする傾向が続いているためだと思います。
- そこで,シンポジウム当日には,私から,すべての報告者に対して,パネリスト同士の意見交換が活発化するように,厳しい質問を投げかけるつもりです。
- 寺子屋ひじ塾の開設準備を兼ねて,歩いて行ける距離にある(社会福祉法人)日出町社会福祉協議会の見学に行きました。
- きものカフェ「ゑり章」の懇親会に参加しました。 別府行の電車で日出町役場の職員に会い,歓談し,名刺交換をしました。
- 参加者に,開設予定の寺子屋ひじ塾の概要を紹介しました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,590人)
- 2019年9月28日(土) 曇り時々雨
- 10月5日~6日に立教大学で開催される私法学会のシンポジウム「不動産所有権の今日期課題」資料を読んで,コメントを書く作業を続けています(第4日目)。
- 「(6) 用益物権と不動産所有権」を読みました。
- 私の考えでは,用益権のうち,約定の用益権は,すべて,使用貸借と賃貸借(借地借家契約を含む)の特別類型として整理できるので必要性がないと思っています。すなわち,用益権のうち必要なのは,法定地役・人役権とそれを契約によって変更できる制度だけだと思います。
- 上記の第6報告は,私の予想通り,地役権・人役権を中心に取り上げられており,興味深く読むことができました。
- 特に,地役権と相隣関係(特に,囲繞地通行権)との共通ルールとして,民法211条を引用しつつ,東京高判平10・10・15判時1661号96頁の判旨「地役権は,その目的を達するのに必要であって,かつ,承役地所有者にもっとも負担の少ない範囲においてその権利を行使すべきことはその機能からして当然である」を引用している個所(資料50頁)は秀逸であり,今後の発展が期待できるように思いました。
- なぜなら,契約による地役権と法定地役権である通行地役権に代表される相隣関係との関連性を突き詰めるならば,今回のシンポジウムは,「所有権は義務を伴う」という大きなテーマの下で,民法210条~213条を総論とする,民法209条の改定,および,民法215条,216条の統一的解釈の実現に基づく「所有権者の受忍義務・作為義務の明確化」,共有を「持分権者の相隣関係」と捉え直す道を切り開くことになるからです。
- そのように考えると,本シンポジウムの成果は,第1報告では否定的に紹介されてはいますが,まさに,「所有権は,物権ではないし,財産としての権利でもない(ゼナティ)」(資料5頁)と考えることができるように思われます。すなわち,所有権は,「共同体に帰属する有体物の権原者同士の相隣関係(共有を含む)」として統一的に考察することが可能になると,私は考えています。
- このように考えると,第6報告の報告者が,所有権と用益権とが複雑に交錯する「人役権としての入会権」という絶好の問題を本シンポジウムの報告対象から除外したことは,残念に思われます。
- (HP訪問者の延べ人数:27,610人)
- 2019年9月29日(日)
- 10月5日~6日に立教大学で開催される私法学会のシンポジウム「不動産所有権の今日期課題」資料を読んで,コメントを書く作業を続けています(第5日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:27,630人)
- 2019年9月30日(月)
- AI研究の最先端の業績に触れるため東京に出張します。
- 列車の中で,新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』東洋経済新報社(2019/9/19)を読みました。
- 昨年(2018年4月10日),同じ著者による『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社(2018/2/15)を読んでいて,前提知識があったことだけでなく,内容があまりに面白過ぎたためか,1日で読んでしまいました。
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新井紀子
『AIに負けない子どもを育てる』
東洋経済新報社(2019/9/19) |
「はじめに」で紹介されている問答(本書2-3頁)が素晴らしいです。今頃の子どもたちの読解力の問題点が浮き彫りにされています(分かりやすくするため,本文を対話形式に変えて紹介します)。
- 教員:以下の2文は同じ意味でしょうか。
- 幕府は,1639年,ポルトガル人を追放し,大名には沿岸の警備を命じた。
- 1639年,ポルトガル人は追放され,幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
- 生徒:「同じ」です(中学生の正答率は,57%に留まる)。
- 教員:正解は,「異なる」です。したがって,「同じ」は×です。
- 生徒:先生,どうして×なのですか。
- 教員:意味が違うでしょう?
- 生徒:でも,(キーワードとなる語は)全部同じです。部分点は出ないんですか?
- 教員:…■※▼$▲*◆!?…
- そこで,このような「AI読み」をする子どもたち,そればかりでなく,「キーワードピッキング」やスマートフォンの「スワイプ読み」に慣れきっている大人たち(本書306頁)に対して,どのような教育をすれば,AIに負けないようになれるのかが課題となります。
- 本書は,自己認識を助けるテスト(リーディング・スキル・テスト:読解力判定試験)の体験版(本書50-78頁)を提示したり,読解力培う授業(紙上授業)を提案したりして(本書202-259頁),具体的な方法を明確に提示しています。
- それ以上に本書が素晴らしいのは,AIにはできないことが,上記のリーディング・スキル・テスト(RST)の構成(①係り受け解析,②照応解決,③同義文判定,④推論,⑤イメージ同定,⑥具体例同定)に即して明示されている点にあります。
- <同義文同定>:2つの文の意味が同一かどうかを判定する分野(本書87-89)
- 同義文判定は,AI界隈で「は,「言い換え表現」「同義文判定」「含意関係認識(entailment)」と看板をかけかえて数十年チャレンジしていますが,なかなか精度が上がらないことで有名なタスクです。
- <イメージ同定>:文と非言語情報(図表など)を正しく対応付ける分野(本書92-94頁)
- 文字が発明されるはるか昔,ラスコーの洞窟時代から,ホモ・サピエンスは知識の伝達や意思の疎通のために図を用いてきました。図でなぜ知識や糸を伝えることが可能なのか,謎です。〔ヒトにとっても謎なので〕AIには未来永劫無理だろうと思われる分野です。
- <具体例同定>:定義を読んでそれと合致する具体例を認識する分野(本書95-96,295-296頁)
- AIは,生徒の間違え方に応じて,ドリルの問題や穴埋め問題を最適化することができます。しかし,AIが自動採点できるのは,漢字ドリル・計算土立と知識の穴埋め課題だけで,文章題や証明問題は採点できません。また,「間違えている=理解できていない」としか判断し得ないので,間違えたら,それと似たレベルかそれより少し易しい問題を画面上に表示するか,間違えた個所の解説文〔それが正確に読めるようなら,そもそもそこで躓かない〕を提示するにすぎません。
- 著者の本を読むのは2冊目なので,著者の強み(数学(本書40-45頁,114-141頁)),並びに,弱み(生物学(「謎です」,「不思議です」といている個所),および,法学(RST体験版Q22の解答の誤り))を把握できるようになりました。私としては,本の欄外に,いろいろな「突っ込み」を書き込んで,本書を堪能することができました。
- AIに負けそうな子どもたちを相手に奮闘されている学校の先生方,こどもたちの将来に不安を感じている教育委員会の方々,自治体のトップに読んでいただきたい良書です。
- (HP訪問者の延べ人数:27,650人)
- 2019年10月1日(火) 晴れ後曇り
- 明治学院大学でAIプログラミングの専門家と懇談しました。
- 懇談が早めに終わったので,次の予定(日出RCでの卓話)に余裕で間に合うように,品川駅で博多行の一つ前(40分前)の新幹線に乗り込みました。自由席なら,一つ前の列車に乗っても問題ないだろうと思ったからです。
- 3号車の自由席が思いのほか混雑していたので,近くにおられた車掌さんに,「一つ後の列車の4号車を予約していたのですが,一つ前の列車に乗ることできました。この列車の指定席への変更はできますか」と尋ねました。
- 車掌さんは,私のEX切符を見て,それが,「早特」割引のものだったことを確かめた上で,「この乗車券は制限が厳しくて,一切の変更が利きません。変更の場合は再度全額を支払っていただく必要があります。」と丁寧に説明をしてくれました。私は,うかつだったことを悟り,車掌さんの指示に素直に従って,新横浜駅で下車し,もともと予定していた40分後の列車に乗り換えることにしました。
- そうすると,気の毒に思ってくれたのでしょう。ちょうど勤務の交替時間だった車掌さんが,用事のついでに新横浜駅構内のカフェに案内してくださいました。そのカフェで気分よく時間をつぶし,もともと予定していた列車に乗り換えることができました。
- 素直な反省の行動が車掌さんの共感を呼び,さらに勤務の交替時間と重なるという偶然によって,あたかもVIP待遇を受けたかのような気分を味わうことができました。めったに起こることがないであろう幸運を神に感謝するしかありませんでした。
- 大分に帰り,日出ロータリークラブで,卓話「2030年の世界-ジャック・アタリの未来予測を参考にして,これから10年間で何をすべきかを考える-」(PDF)を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,680人)
- 2019年10月2日(水) 曇り後雨
- 9月25日(水)に一度読み終えた宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』新潮新書(2019/7/25)ですが,新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』東洋経済新報社(2019/9/19)と結論や提言が余りにも似ているため,もう一度読み直すことにしました。
- 以下のように,二つの本の対応する個所を比較してみると,よく似ていることがわかります。
- 一つは,非行少年に対する教育方法を探求する本であり,他方は,AIに負けない高度な教育を志向する本です。極端に異なると思われる状況で行われる教育における基本的な考え方とか,教育方法とかが,これほどにまで似ていることは,何を意味するのでしょうか。
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宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』
新潮新書(2019/7/25) |
新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』
東洋経済新報社(2019/9/19) |
板書をノートする能力の重要性と障害への気づき |
場所や大きさが変わってもある形を認識できる「形の恒常性」が育っていないと,黒板に大きく書かれたことをノートに小さくして写す,ということができません。(129-130頁)。板書をノートに写せるのも,実は,その裏に,離れた黒板を見る,見た図形をノートに移すという,前提能力があるからなのです。
しかし黒板が写せない(先生が次々に書いていくと,どこを追加したか分からない)と,学習面の弱さが生じます。
学校では,漢字ができなければひたすら漢字の練習をさせる,計算ができなければひたすら計算ドリルをやらせるといったように,できないことをやらせようとしてしまいがちです。しかし,計算や漢字といった学習の下には,「写す」「数える」といった土台があり,そこをトレーニングしないと子どもは苦しいだけなのです(130頁)。 |
〔黒板の〕文章を写すときに,文単位で写せるか,文節単位か,語単位か,文字単位か,それとも画数ごとかということは,後ろから見ていて,頭の上げ方の回数でほぼわかります。
画数ごとに頭を上げる生徒は学習障害を疑ったほうがいいでしょう。文字単位の〔やり方で板書を写している〕生徒は,文を意味として把握できていない可能性があります(182頁)。 |
教師が教えるだけではなく,生徒にも教える機会を与える |
少年院には,自評価の低い少年たちが沢山います。彼らは何をやるにしても否定的で,「どうせやっても無駄」と言って,最初から何もやろうとしません。学校の勉強で何度も挫折して,すっかりやる気をなくしているのです。認知機能向上を目指したトレーニングをしてみることにして,当初,私が前に出て,少年たちに指導していたのですが,このやり方はなかなかうまくいきませんでした。…とうとう私は,教えたり問題を出したりするのを止め,文句を言っていた少年たちに「では,替わりにやってくれ」と彼らを前に出させ,私は少年側の席に移りました。彼らに私の苦労を体験させようと思ったのです。
ところがそこで驚くことが起こりました。
私を無視していた少年たちが「ボクにやらせて下さい」「ボクが教えます」と先を争って前に出てきたのです。そして,とても楽しそうに皆に問題を出したり,得意そうに他の少年に答えを教えたりし始めたのです。
前に出ていない他の少年たちも必死です。同じ立場の少年から出された問題に答えられなくては恥ずかしい,自分が前に出たときに無視されたら嫌だ,といった気持ちが生じたのだと思います。皆真剣にトレーニングに参加するようになりました。表情も生き生きとしてきました(153-155頁)。 |
同じ能力,似たような価値観の親を持つ生徒を集めて教えたほうが効率が良いという意見がありますが,私は賛成できません。
なぜなら,要領がよい生徒や成績の良い生徒が,真に考える生徒になるための最も良い経験は,「わからない」「できない」と言うクラスメートが「わかった」「できた」と喜ぶまで丁寧に説明する経験を経ることだからです。
自分が「かかった」「できる」ところまでは,まだ半わかりにすぎません。
分からない人がわかるように説明できたときに,初めて「わかった」なのです(278-279頁)。 |
将来の納税者を育てる |
どうすれば非行を防げるのか。非行化した少年たちに対しては,どのような教育が効果があるのか。そして,今,同じようなリスクを持っている子どもたちにどのような教育ができるのか。
そうした問題を共有し,加害少年への怒りを彼らへの同条に変えること,それによって少年非行による被害者を減らすこと,犯罪者を納税者に変えて社会を豊かにすること,それが本書の目的です(30-31頁)。 |
公教育が何のために存在しているかといえば,それは,出自や生育環境の差から生じる格差を埋め,憲法が保障する「法の下の平等」に魂を入れ,その能力を生かして労働し納税し,民主主義に参加する担い手を育成するためです(161頁)。 |
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教育に携わる人々にこれらの本を読み比べながら現在の教育に欠けているものを発見し,改善する方法を模索してほしいと思います。
- 民法体系XML(Ver.1)に条文の意味・用語解説を追加する民法体系XML(Ver.2)を作成する作業を進めます(第5日目)。
- 民法体系XML(Ver.2)の民法通則の解説を行います。
- (HP訪問者の延べ人数:27,700人)
- 2019年10月3日(木) 晴れ
- 母のリハビリに付き添うため病院に行って,サポートをし,送迎の車に先回りして自転車で帰宅して,母を車椅子に移しました。
- 日出ロータリークラブで行った卓話「2030年の世界-ジャック・アタリの未来予測を参考にして,これから10年間で何をすべきかを考える-」を週報に掲載するため,Wordで書き下ろしの文章に全面改訂(Ver.2)しました。
- 10月5日~6日に立教大学で開催される私法学会のシンポジウム「不動産所有権の今日期課題」資料を読んで,コメントを書く作業を続けています(第6日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:27,730人)
- 2019年10月4日(金) 晴れ
- 日本私法学会第83大会に出席するため,東京に出張します。
- 列車の中で,シンポジウム「不動産所有権の今日的課題」資料を読んで,コメントを書く作業を続けます(第7日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:27,760人)
- 2019年10月5日(土) 晴れ
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日本私法学会第83回大会
シンポジウム「不動産所有権の今日的課題」
司会者・報告者 |
立教大学で開催される日本私法学会第83回大会のシンポジウム「不動産所有権の今日的課題」に出席して議論を盛り上げました。
- 私が報告資料(NBL1152号抜刷)を読んで得た,各パネリストに対する「質問」の前提となる私の考え方は以下の通りです。
- シンポジウムのねらい
- 今回のシンポジウム「不動産所有権の今日的課題」のねらいは,物権法改正の動向を踏まえながら,少子高齢化の進展によって生じている「空き家・所有者不明土地の荒廃」問題などの「不動産のマイナス財産への転化」への対応策を通じて,不動産所有権法の根本的な見直し(「古典的課題の問い直し」(資料45頁))を試みることだと思われます。
- 不動産所有権の特色
- 不動産所有権,特に土地所有権(建物でも部屋続きのマンションは同様)の特色は,高村学人教授が指摘されているように,他者の所有物との間に物理的・空間的独立性がなく,連続性を属性とするという点にあります(資料27頁)。
- この特色に注目するならば,土地所有権には以下の問題が生じています。
- 第1に,視野を広げれば,土地所有権の問題は,国境を接する国同士の「国家主権」のあり方と類似しています。
- 第2に,少し視野を狭めると,個々の土地所有者間同士の「相隣関係」による権利の制限,さらには,所有者の不作為義務,受忍義務,作為義務の問題,すなわち,「土地所有権は義務を伴う」という所有権の債権・債務化の問題が生じます。
- 第3に,さらに視野を狭めると,共有者における個々の持分権と全体の管理権という,一見,一物一権主義と矛盾するように見える問題も,「一人の共有者の持分権と他の共有者との間の相隣関係」という観点から整合的に考察することが可能となります。このように考えると,共有者にさまざまな義務が生じることも,単独所有者と同一の問題だということになり,所有権の統一的理解に繋がります。
- 第4に,所有権と用益物権の問題も,地上権および永小作権を使用貸借・賃借権へと解消してしまうと,残りの地役権は相隣関係における通行地役権(法定地役権)という任意規定を補充する契約に過ぎないということになり,用益物権は,囲繞地通行権に代表される,相隣関係を核とする権利・義務の関係,すなわち,土地をめぐる法定債権・債務関係のひとつとして再構成されることになります。
- 不動産所有権のパラダイムの転換
- このように考えると,第1に,理論面では,権利のみのに注目して構成されてきた土地所有権の理論は,実は,地続きのため,完全な独立性を有しておらず,「土地所有者は相隣者に対して義務を負う」というテーゼの下で土地所有権理論のパラダイムが転換され,所有者(共有持分権者を含む)についても,相隣者(他の共有持分権者を含む)に対する債権・債務を明確に論じることができるようになります(加賀山説)。
- 第2に,実務面では,少子高齢化の進展によって生じている「空き家・所有者不明土地の荒廃」問題などの「不動産のマイナス財産への転化」への対応策も大きく進展するのではないのかというのが私の考え方です。
- シンポジウムでパネリストが報告するタイトルは以下の通りです。
- 第1報告:総論「不動産所有権の今日的課題」
- 第2報告:土地所有者が負担すべき責任の限界-土地所有権「放棄(移譲)」制度構築の前提として
- 第3報告不在者管理制度の再考
- 第4報告:相隣関係の今日的課題
- 第5報告:共有法の基礎理論とその課題
- 第6報告:用益物権論と不動産所有権
- シンポジウムの6名のパネリストに対する私の質問内容は以下の通りです。
- (HP訪問者の延べ人数:27,790人)
- 2019年10月6日(日) 曇り後雨後曇り
- 立教大学で開催される日本私法学会第83回大会の個別報告と拡大ワークショップに参加して議論を盛り上げました。
- 第1部会:「代償請求権と履行不能」
- 報告者の設例
- 家屋が売却された場合において,引渡し前に家屋が第三者の過失で焼失し,売主が第三者から損害賠償金を受けた場合。
- 売主の買主に対する家屋引渡しは,「履行不能」となり,買主が請求することはできない(民法412条の2第1項)。
- その代わり,買主は,売主が第三者から受けた損害賠償金を「代償」として売主に請求することができる(民法422条の2)
- 私の質問
- この事例の場合,買主には,家屋の滅失によって予期せぬ損失が生じ,売主には,「同じ原因よって」利得が生じています。
- 公平の観点からは,損失を受けた買主は,利得を得た売主に対して,不当利得の返還請求を行使できるとすることが望ましい。
- ところが,民法703条,704条によれば,不当利得に基づく返還請求ができる要件は,原則として,利得に「法律上の原因がない」ことが必要とされている。したがって,民法422条の2(代償請求権)のような特別の規定が必要とされとされるというのが一般的な見解であろう。
- しかし,不当利得の類型の中でも,「侵害利得」の場合には,「法律上の原因が存在する」場合にも,不当利得の返還請求を認めるという,民法191条(占有者による損害賠償),民法248条(付合,混和又は加工に伴う償金の請求)などの例外規定が存在する。
- 特に,民法248条は,付合,混和又は加工(添付)という法律上の原因がある利得についても,不当利得に基づく返還請求権を明文で認めている。
- このように考えると,新設される民法422条の2(代償請求権)も,民法248条と同様に,侵害利得に関して,「法律上の原因がある」場合にも,不当利得の返還請求を認めた規定として位置づけることが可能である。
- つまり,代償請求権の規定は,損失者の損失と同じ原因によって利得が生じた場合に,形式的には法律上の原因があっても,実質が伴わない場合には,公平の観点から不当利得の返還請求が認められるという,民法248条と同様の規定であると考えられます。
- 民法422条の2の条文を素直に読めば,「同一の原因によって,…利益を取得したときは,…その受けた損害額の限度において,その権利の移転又はその利益の償還を請求できる」となっており,不当利得の規定そのものでしょう。
- 以上の理由に基づき,報告者が,「適用用範囲を狭くするために要件をなるべく厳格に解して…」履行不能について,「綿密な文言解釈が望ましい」とされるのとは反対に,民法422条の2(代償請求権)の規定は,履行不能を例示(履行拒絶,破産でもよい)とし,不当利得(侵害利得)の一つの規定(もっとも,権利の移転を認める場合は事務管理の規定)と位置付けるのが適切と思われるのですが,いかがでしょうか?
- 報告者の回答
- 「今回は,現行民法に影響を与えたドイツの学説を中心にが紹介をしました。現行民法422条の2の解釈論としては,以上の質問で述べられたような解釈論は成り立ちます。ドイツでもそのような説を唱える学説が存在します」との回答を得ることができました。
- 大分に帰ってからそのようなドイツの学説を調べて,私の説との比較を行う予定です。
- 第2部会:「ボランティア活動により受益者にもたらされた損害に対する責任判断の枠組み」
- 報告者の設例
- Xは,数年前から下肢の麻痺により車いすの利用を余儀なくされていたため,訴外Aが付き添ってB病院に来院していた。その際,Aは受付を済ませるため,『同病院で患者の案内・花壇の整備などを行うボランティア』を行っているYに声をかけ,受付を済ませる間Xを見ていて欲しいと告げ,Yもこれを了承した。
- ところが,受付が混雑していたため,AがXらのもとに戻ることができないでいたところ,XがYに対し,『トイレに付き添ってほしい旨を伝えた』。
- そこで,Yは車いすを押してXをトイレまで連れて行った。ところが,Xが車いすから降りて便座に移ろうとする際,『Yが車いすを押さえていなかったため』,Xは車いすごと転倒して身体を便座に打ち付け全治3か月の大けがを負った。
- 報告者が,この事件を契約の問題ではなく,事務管理の問題として処理しようと する試みを行ったため,フロアから異論が述べられました。
- 私の提案
- すべてを事務管理の問題と考えるのではなく,問題を第三者のためにする契約と事務管理の二つに分けて考察すると,より説得的になるのではないだろうか。
- 付添人A(要約者)とボランティアY(諾約者)との間における第三者のためにする契約
- 第1に,付き添い人AとボランティアYとの間には,「Aが受付を済ませる間Xを見て」おくという,第三者のためにする準委任契約が締結されていると考える。
- 第2に,受益者Xは,民法537条に基づき,ボランティアYに対して,「Aが受付を済ませて戻ってくるまで,見守ってほしい」ということを請求できる。
- しかし,Xの「トイレに付き添ってほしい」という申出については,AとYとの間の準委任契約の範囲を超えているため,Yは,民法539条に従って,「そこまでは依頼されていないので,私にはできません」という抗弁をもって対抗することができる。
- 患者XのためにするボランティアYの緊急事務管理
- 上記のように,Yは,契約上は,「トイレに付き添う」義務を有していない。
- しかし,Yは,Xの意思を尊重して,Xのために「トイレに付き添う」という緊急事務管理(民法698条)を行うことができる。
- そうすると,民法698条に従って,Yは,悪意又は重大な過失があるのでなければ,損害賠償責任を免れる。
- 以上のように考えれば,ボランティア活動における責任の問題を具体的妥当性を保持しつつ,理論的な説明が可能となるのではないだろうか。
- 報告者からは,第三者のためにする契約で構成することは予期していなかった。よく検討してみるとの回答を得ました。
- 拡大ワークショップ:B「法学教育改革と”楽しめる”動画教材開発」
- 法学教育改革と双方向性を持つメディアミックス教材の開発
- 日本の教育論から見た上記の教育方法の可能性
- 世界の教育論からみた上記の教育方法の可能性
- 私としては,学生が”楽しめる”ためには,教員ではなく,学生に教材を作らせるべきではないのかという観点から提言を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,820人)
- 2019年10月7日(月) 曇り
- 私法学会は,民法学者である私にとって年に一度の最大のイベントです。
- 第1日目のシンポジウム,第2日目の個別報告,および,拡大ワークショップに参加して,大いに議論を盛り上げることができました。また,久しぶりにお会いする先生方と昼食や夕食を共にすることで,楽しいひとときを過ごすことができました。
- 一昨日のシンポジウムの議論を振り返ってみて,「シンポジウムの本質」について,それを「パネリストとフロアとの間でのアクティブラーニング(反転授業)」として捉え直すことができるのではないかという着想を得ることができました。
- 事前教材:パネリストの報告要旨は,アクティブラーニング(反転授業)の「事前教材」として位置づけられます。
- 事前授業:シンポジウムの参加者は,その事前教材を前もって読み,予習を行います。これは,反転授業の「事前授業」として位置づけられます。
- 導入講義:シンポジウムの当日は,パネリストが導入報告として,事前教材の趣旨と内容について説明を行います。これは,「反転授業の導入部分」として位置づけられます。したがって(事前授業を前提としているので),この部分は短時間でよいと思います。
- 反転授業:フロアから,事前予習に基づいて,質問をし,パネリストとの間で議論を行います。これこそが,「アクティブラーニング(反転授業)の本番」として位置づけられる最重要部分です。
- 授業評価:各パネリストがフロアとの議論を踏まえて,議論によって得た誤りの修正,および,成果を報告します。そして,最後に,パネリストの一員である代表者が,シンポジウムの全体としての自己評価・成果を述べ,フロアの貢献に謝辞を述べます。これは,「授業の自己評価」,および,「事前教材の建設的破壊」として位置づけられます。事前教材がシンポジウムを通じてどの程度まで進化・発展したが重要です。
- 以上のようなプロセスを経るならば,シンポジウムは,「パネリストとフロアが共に学び合い教えあう」という理想の場となり,シナジーとしての次元の高い成果を生むことができるでしょう。
- 幸いなことに,雑誌『私法』(有斐閣)には,歴代のシンポジウムの速記録がすべて残っているのですから,これをアクティブラーニング(反転授業)の視点から分析し直すと,法教育改革のための実証研究が成立するように思います。誰か,科研費の研究テーマとしてやってみませんか?
- 来年度の私法学会は,大阪大学で開催され,民法シンポジウムでは,「消費者法と民法」に関連するテーマが取り上げられるとのことです。このテーマは,まさに,私の専門分野でもあるので,次回も大いに議論ができそうです。
- 来年度の私法学会のシンポジウムが,上記のように,「事前教材→事前学習→反転授業→シナジー効果」というプロセスとして運営されること,そのことによって,シンポジウムが「一方的な発表,および,一部の人々の議論を見学する」という旧来の「拝聴の場」という性格を脱することを願っています。
- すなわち,多くの学者が,私が実践しているように,きちんと予習(事前学習と質問事項の事前準備)を行って,質疑応答に積極的に参加しましょう。運営側も,報告時間よりも,質疑応答の時間の方を大切にするという方針転換を行いましょう。これらの前提に基づいて,来年度のシンポジウムが「学者間のアクティブラーニング(反転授業)の場」となることを願いつつ,今から楽しみにしています。
- 私法学会での議論を終えて,大分に帰ります。
- (HP訪問者の延べ人数:27,850人)
- 2019年10月8日(火) 曇り後晴れ
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
- 私法学会のシンポジウム・個別報告の復習として,読み残していた文献を読んで,得た知見をより正確なものへと改訂します。
- 日出ロータリークラブの例会に出席しました。
- 外来卓話のテーマは,「経営者に必要なもの(昨年度の続き:コーポレート・ガバナンスを中心に)」です。
- 所有(法人)と経営(機関)の分離に基づく利益相反とその調整から始めて,コーポレート・ガバナンスを①企業の収益力(時価総額等の企業価値)の強化と②不祥事の予防(コンプライアンス)と企業の社会的責任(CSR)にまとめられたのは,とても分かりやすかったと思います。
- 株式会社とは異なる企業形態,高齢化に伴う事業承継,経営者保証の問題にも議論が波及したので,私も議論に加わりました。
- (HP訪問者の延べ人数:27,890人)
- 2019年10月9日(水) 晴れ
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大澤昇平
『AI救国論』新潮新書
(2019/9/20) |
私法学会の会員から薦められた,大澤昇平『AI救国論』新潮新書(2019/9/20)を読み始めました(第1日目)
- 著者(31歳)は,本書で,わが国の失われた30年の原因は,日本企業の年功序列のせいではない。今や,若手は実は十分に優遇されている。それにもかかわらず,わが国にGAFAのようなIT企業が出現しないのは,「日本に実力のある若手がそもそも実在しない〔多分,著者自身は除く〕」(本書10頁)と断言しています。そして,日本衰退の原因は,国際的に通用しない偏差値に依存する日本の教育システムの欠陥にあると指摘しています(本書21-27頁)。論旨は実に明快です。
- 旧来の進化論(弱肉強食,勝者生存),市場万能主義(「どれだけカネを集められるか」だけが評価基準),水平思考(アブダクション)の説明にケプラーの考え方が欠落しているなど,根底となる考え方には,多少問題がありそうですが(本書52-58頁,100-110頁),問題の分析方法と結論としての提言には,傾聴すべき点が非常に多いので,楽しみながら熟読しています。
- (HP訪問者の延べ人数:27,920人)
- 2019年10月10日(木) 晴れ
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
- 私法学会の会員から薦められた,大澤昇平『AI救国論』新潮新書(2019/9/20)を読んでいます(第2日目)。
- 本書の核となる「文理融合型教育」ですが,文系のコンサルタントが理系のエンジニアよりもカネを稼ぐ力が強いのを是正するために筆者が強調している「水平思考」をわかりやすく解説した表「イノベーションは水平思考(革新的なアブダクション)の結果である」(本書107頁)に誤りと思われる個所があるのを見つけました。
-
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〔\〕 |
ゴール
G |
定説
H |
意外なファクト
F |
新しい仮説
H' |
〔追加すべき項目:H'の検証と法則化〕 |
本書の記述 |
地動説 |
自然法則の発見 |
太陽が地球の周りをまわっている(天動説) |
惑星の逆行運動 |
地球が太陽の周りを回っている(地動説) |
-
〔問題点の指摘:意外なファクト(F)に太陽と地球以外の「惑星」を例に出すのは場違いであり,論理が飛躍している〕 |
修正(案) |
ケプラーの法則 |
惑星の運動法則 |
地球を含むすべての惑星は,太陽を中心に円軌道を描いている(当時の地動説) |
火星の逆行運動(ティコ・ブラーエの観測記録) |
火星は太陽を焦点の一つとする楕円軌道を描いている(ケプラーの発見) |
すべての惑星は,太陽を焦点の一つとする楕円軌道を描いている(惑星の運動法則) |
- (HP訪問者の延べ人数:27,950人)
- 2019年10月11日(金) 曇り
- 明日に予定されている私情協の会議に出席するため,東京に出張する予定でしたが,台風19号が接近しており,会議が中止となったため,東京出張を取りやめました。
- 私法学会の会員から薦められた,大澤昇平『AI救国論』新潮新書(2019/9/20)を読み終わりました(第3日目)。
- 著者と私では,基本となっている考え方は180度異なるのですが(勝者生存⇔環境適正機能選択,収益第一主義⇔費用を賄って社会貢献),戦略や戦術については,賛同することが多く,楽しく読み終わることができました。
- 実際にベンチャービジネスを立ち上げるに際して要求されるスキルキットの表(本書221頁)は,大変参考になりました。ビジネスが軌道に乗ったら分業が可能だが,立ち上げの際には,文系と理系の二人が協力して運用を始めるという点は,特に参考になりました。その表を参照しつつ,私の考え方をまとめると,本書221頁の表とは少し異なりますが,文理融合型教育をさらに推し進めた以下のような表になるのではないかと思います。
-
創業期 |
役職名 |
統括領域 |
業務内容 |
CXO |
CEO |
CEO |
経営全般 |
ビジョン策定(革新的アブダクション)
ガバナンス,トップ営業,外部資金調達
プレゼン,メディア出演,啓発活動 |
CHRO |
人事 |
新規メンバーの獲得,転職のあっせん
内部チームの編成・改編
内部・国内・海外研修計画の立案と運用 |
COO |
実務 |
コンプライアンス(fail safe,fool proof)
業務フローの作成・運用
契約書(XML)の作成・改訂・運用 |
CMO |
マーケティング |
消費者心理(認知的不協和など)の把握
5フォーシズを考慮したマーケティングデザイン
顧客開拓,広報活動(DPOの任命を検討する) |
CTO |
CTO |
技術全般 |
テクノロジー(AI,ブロックチェーン)の理解
目的に応じたプラットフォームの開発研究
エンジニアチームの組織とリーダーシップ
専門知識の提供,啓蒙活動 |
CSO |
戦略 |
ミッション・ビジョンを戦略と戦術に具体化
数値目標策定
KPI(Key Performance Indicator)モニタリング |
CRMO |
リスク管理 |
危機管理体制の計画・実行
外部からの攻撃に関する防御・撃退
相談室の開設と運営 |
CFO |
財務 |
財務政策の策定
PL,BS計画の作成とモニタリング
DCF法による組織の現在価値の把握 |
- AI教育のためのカリキュラム編成は,上記の役職に要求されるすべての能力の養成とほぼ重なると思われますが,課題解決能力で良しとするか,その上で,理論的な説明能力をどこまで要求するかについては,今後の課題として検討する必要がありそうです。
- (HP訪問者の延べ人数:27,980人)
- 2019年10月12日(土) 曇り 台風19号が伊豆半島に上陸
- AIの専門家から薦められて,片山恭一『世界の中心でAIをさけぶ』新潮新書(2019/7/20)を読みました。
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片山恭一
『世界の中心でAIをさけぶ』 新潮新書(2019/7/20) |
「世界の中心で愛をさけぶ」を書いた作家による「AI世界の中心であるシアトル」への二人旅の中で「シンギュラリティ」を語るという面白い構成の本です。旅行記を読んでいるように,一気に読めます。
- 先日読んだ大澤昇平『AI救国論』新潮新書(2019/9/20)とは,思想的には全く反対ともいえる立場から書かれています。
- 著者は,資本と国家が溶け込んで,富豪たちがが公益事業の資金を提供するようになるというような,意表を突く予測をしています。例えば,国家では実現不可能とされてきたベーシック・インカムも,全人類の下位半分,すなわち36億人と同額の資産を有している世界のトップ62人の大富豪などが,その資産を使って実現することなるだろうと予測しています(本書42-46頁)。
- 本書は,その理由を以下のように述べています(本書45頁)。
- ベーシックインカムはきわめて現実的なのである。富と権力を手に入れた人たちが,誰よりもまず世界を安定させようとするからだ。
- 彼らはこれ以上の格差は望まない。自分たちの取り分を確保した上で,残りをできるだけ公平に分配しようとするだろう。極端な貧富の差は人々の怒りを煽り世界に混乱をもたらす。
- 富裕な人たちほどテロや戦争は望まないはずだ。できれば平和な世界で静かに暮らしたいと考える。
- また生態環境がオーバーヒートする子も避けようとするだろう。そのためには経済成長のスピードを緩める必要がある。
- 時々アクセルから足を離し,逆に少しずつブレーキを踏みながら,経済活動を持続可能なレベルにソフトランディングさせようとするだろう。
- そのほかにも,国家(本書75頁)も,資本主義(本書155-157頁)も,民主主義(127-128頁)も絶滅に瀕しているとの記述にも考えさせられます。
- いつの時代もそうだが,未来をアレンジするのは先見性のあるごく一部の人たちである。多数の人たちが思っていることは時代遅れになる。そうやって歴史は更新される。民主主義の限界はここにある。それは現にある世界をうまく動かくすためのシステムであっても,新しい世界を作り出す機能は備えていない。
- なぜなら民主主義の原則は多数決だからだ。多数によって決まるものは未来にはならない。多数を出し抜いた者たちが未来をつくるのである(本書127-128頁)。
- 倫理的な問いは未来からやってくる。未来の者たちにたいして責務を負っている,という意識・無意識の思いなしから倫理は生まれる。現在からは,本来の倫理も善も生まれない(本書155-156頁)。
- 『法と経営研究』の編集(査読等)を行います(第1日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:28,000人)
- 2019年10月13日(日) 晴れ
- 台風19号によって関東・東北の多くの河川で氾濫が生じ,甚大な被害が生じています。被害が余りに広範囲にわたっているため,救助が間に合わないことが理解できます。
人間といえども自然の節理には従わざるをえません。
- 温暖化による臨海都市の水没の問題が,河川の氾濫による非臨海都市の水没という同じ問題が生じていることが重要です。このことによって,水没可能性のある総ての土地の危機管理が問われることになるでしょう。
- これらは,温暖化による台風の巨大化がもたらした東日本への最初の一撃です。今後もわが国の経済成長の損益分岐点が右にシフトし続けるように思われます。これらの問題を先送りしたり,次の世代に付けを回すことがないように,温暖化対策に真剣に取り組むことが必要だと思います。
- ラグビーワールドカップで日本チームがスコットランドチームと対戦するのをテレビ観戦しました。
- 世界を相手にするとはどういうことなのか,どうすればよいのか,失敗から学ぶとはどういうことなのかを教えてもらいました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,020人)
- 2019年10月14日(月) 晴れ
- 久しぶりに日出町の図書館に行って,近刊書のコーナーで土屋信行『水害列島』文春新書(2019/7/20)を見つけて借りました。読んでみて,時宜を得た良書であることが分かったので,すぐに本書を購入しました。
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土屋信行『水害列島』
文春新書(2019/7/20) |
本書では,今回の台風19号による大洪水とは少し異なり,「地震洪水」に焦点が当てられています。しかし,台風と地震とは同時に起こりうるのですから,本書の警告・提言に耳を傾けるべきだと思います。
- 本書では,首都直下地震による発生する「地震洪水」を想定して,以下のような徹底したシミュレーションを行った上で(本書100-152頁),「事前防災」,すなわち,「事前復興」の必要性と,具体的な方法としての「命山(安全な高台)の建設」を提言しています(本書174-230頁)。
- 地震により堤防はどのように壊れるのか?
- 東京の周囲を取り巻く江戸川,新中川,中川,荒川,隅田川の河川堤防は,大半が,液状化地盤の上に建設されており,同時多発的に破壊される。特に荒川左岸堤防は,阪神淡路大震災時の淀川と同じ堤防形状をしており,約2km程度に渡って連続破壊沈下を起こす。その結果「地震洪水」の氾濫流は,ゼロメートル地帯を水没させる。
- 壊れた堤防から,洪水はどのように浸水するのか?
- 際限のない海水の侵入が始まり,流出は毎日2回,海の干満に合わせ繰り返される。浸水状態は14日以上継続する。
- 地震で損壊した建築物は,洪水でどうなるのか?
- 荒川沿いの地域は,地震による全壊率が高い上に「地震洪水」が加わり半壊,一部損壊建物が全快にまで至る。液状化地帯に造られた鉄筋コンクリート建築物や鉄骨建築物の中には,洪水氾濫流により破壊される物もある。
- 人々は地震の後,洪水の中を逃げられるのか?負傷者者は自力で,洪水の中を逃げられるのか?がれきに挟まった人々を,洪水の中で誰が助けるのか?
- 平らで低い土地では浮き続けるか,泳ぎ続けることができなければ死に至る。「地震洪水」の中で倒壊家屋からの救助は不可能となる。がれきに拘束された人が氾濫流で死に至る。けがをした人は自力で逃げられなくて死に至る。
- 地下鉄内に浸水した場合,逃げることはできるのか?
- 浸水到達時までに防水壁を閉じることができなければ,トンネル内に浸水が広がる。犠牲者の数は想定不可能。(23区内の移動者は約120万人,鉄道内滞留者は約28万7,000人)
- 首都直下地震による津波は,どのように襲ってくるのか?
- 荒川左岸(江戸川区)では,津波による浸水深は約4mで襲来する。
- 荒川右岸(江東区)では,津波による浸水深は約5.5mで襲来する。
- 最終的な死者・行方不明者は何人か?
- 死者・行方不明者:3万5,000人~8万1,000人
- 本書は,先に述べた提言(事前防災=事前復興としての命山(安全な高台)の建設)を踏まえた,以下のような訴えかけで結ばれています(本書253頁)。
- すでに,将来起こる災害のことを知ってしまった私たちが,後世の人々に,今のままの日本を手渡してよいのでしょうか。それは許される事ではありません。
- 私たちが先人から預かった故郷は,先人が受け取った時よりもはるかに美しく安全な故郷にして手渡されました。私達が自らの命を守り地域を守る事は,故郷を子々孫々の世代を超え,未来へと繋いで行く事なのです。私たちはこの故郷を昨日と同じまま将来に引き渡してはなりません。
- 土木技術を英語で表すとシビルエンジニアリング〔civi engeneering〕(市民の命を守る技術)といいます。今,様々な災害に対し,直ちに行動を起こすことが,土木技術者として責務と誇りと尊厳を守ることなのです。今こそ私たちは躊躇逡巡なく決断し,次の世代へ少しでも安全な「美しこの国」を引き渡したいと思うのです。それが今を生きる私たちの責務なのです。
- (HP訪問者の延べ人数:28,030人)
- 2019年10月15日(火) 晴れ
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
- 図書館に土屋信行『水害列島』文春新書(2019/7/20)を返すのに備えて,もう一度本書を読み返して,得た知見を私の視点(①多様性の尊重・個人の尊厳,②科学技術の制約と未来の展望,③誰にもあるバイアスとその克服,④事後処理より未然予防,⑤全体を学びつつ部分から実行するという視点)から整理してみました。
- 避難にも多様性がある。例えば,広域避難,事前避難,渡河避難,籠城避難などがある(本書54-82頁)。
- 私が現在住んでいるのは,海抜90メートルの丘の上にある敷地千坪(3反:33アール)の平地に建てられた鉄骨2階建て(地下室と別棟の倉庫あり)の家なので,2週間分の水と食料を余裕で備蓄できます。したがって,自宅にいる場合に災害が生じた場合には,「籠城避難」が適していると思います。また,設置済みの太陽光発電の容量増やすか,発電機を購入し,さらに,井戸を掘れ当てることができれば,多くの避難者を迎え入れることもできると思います。
- 唯一の例外は,阿蘇山のカルデラ噴火が生じる場合であり,その場合には,上記の広域避難では不十分であり,海外避難が必要です。それに備えて,台湾の方々と相互の避難契約を締結しています。
- 河川の堤防に,コンクリート造りは適さない(本書121-122頁)。
- 河川の堤防は基本的には土で造られることが原則になっています。なぜ,コンクリートや鉄で造らないのかというと,これらの材料は寿命がある材料だからです。鉄は錆びてぼろぼろになってしまいます。コンクリートも約50年の耐用年数で設計され造られています。寿命のあるコンクリートや鉄を使うことは後世の人々に50年ごとに堤防を作り直し続ける負担を押しつけることになるのです(本書121-122頁)。
- 避難を躊躇させる,誰にでも生じる「正常性バイアアス」(本書157-158頁)。
- そんな事は起こらない。←実は起こる。
- もし起こるとしても,私には起こらない。←実は,誰にでも起こる。
- もし起こるとしても,そして私に起こるとしても,それほど深刻な事態にはならない。←実は,経験則と科学が深刻な事態を予測している。
- もし起こるとしても,そして私に深刻な事態が起こるとしても,私にはそれを防ぐ術がない。←実は,避難するという方法がある。
- 事前防災・事前復興(命山(安全な高台による海の見える町など)の建設)が,事後復興に勝る(本書179頁)。
- 平成27(2015)年3月,第3回国連防災世界会議において「災害の発生後に行われる復旧や復興の費用は膨大であり,事前防災や事前復興に取り組む方がはるかに効果が高く,経済的にも安くできる」という「事前の防災投資」が提唱され,「仙台防災枠組み2015-2030」が採択されました。
- グローバルに考え,ローカルに行動せよ(本書159頁)。善は急げ(本書92-93頁),だが,急がば回れ(本書188-189頁)。
- 住民一人一人との個別面談会は常時開催されました。町民全員の個人カルテを作成し,100人いれば100通り,1,000人いれば1,000通りのまちづくりを目指しました。
- 当然この作業は大変ではありますが,まちづくり全体で考えれば,十分な話し合いと理解の下で工事に着手した方が,最終的にまちづくりにかかる工期が短いのが明らかなことは,これまでの土地区画整理事業の積み重ねの中で体験してきました。
- 事業当初において住民と施行者の認識に違いがあると結局時間がかかってしまい,最終的に住民も満足せず,住む意欲を持ち続けることができない町となってしまうのです。まさに「急がば回れ」です。
- (HP訪問者の延べ人数:28,050人)
- 2019年10月16日(水) 晴れ
- 日出町図書館に土屋信行『水害列島』文春新書(2019/7/20)を返却しました。 期限よりも早い3日目で返すのは,多くの人に読んでほしいからです。
- 図書館へ行く途中で,以前,私の母父と親交のあった婦夫お二人に偶然お会いし,立ち話をしました。毎週水曜日の午前中に中央公民館で開催されている英文(シャーロックホームズとか,マザーグースなど)を読む会(英語を読もう会)への参加を要請されました。
- 『法と経営研究』の編集(査読等)を行っています(第2日目)。
- 知財の適用範囲と不正競争防止法,フェアユースの適用範囲との関係をヴェン図で表現してみました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,070人)
- 2019年10月17日(木) 曇り後雨
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復しました。
- 『法と経営研究』の編集(査読等)を行っています(第3日目)。
- 日出町の中央公民館で行われている「英語を読もう会」に誘われたので,題材となっているというシャーロックホームズの冒険「赤毛連盟」を少しずつ読んでいます。
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コナン・ドイル
『赤毛連盟』
Kindle版 |
Kindle版のA.Conan Doyle, "The Red-Headed League"(大久保ゆう日英対訳・赤毛連盟)を購入してみました。Kindle版は,単語の意味を知るのに,いろいろな辞書(英日,英英,独日,仏日の辞書)をクリックするだけで引くことができるので,とても便利です。
- Kindle版には,読み上げデータもついており,早速,英文の全文を聴いてみました。私のヒアリング力では,まだ,意味を聞き取れるレベルではないので,ゆっくり読んでから聞き直すことにしました。
- ただし,全体を聴いてみて,2か所,英語ではない文章が出てきたので,まず,そこに注目しました。この二か所は,私の学習力が「英語を読もう会」の人たちの役に立ちそうだと思ったからです。
- 第1は,ラテン語です。"omne ignotrum pro magnifico,"
- 翻訳では,「未知なるものはすべて偉大なりと思われる。」となっています。
- この出典を知ろうと,学生時代に使っていた,田中秀央=落合太郎『ギリシャ・ラテン引用語辞典』岩波書店(1963)を取り出して引いてみました。すると,「すべての未知なるものは偉大なるものと考えられる」(Tacitus, Agricola, 30(タキトゥス『アグリコラ』第30節))というように,出典が明記されていました。そこで,タキトゥス『アグリコラ』第30節を確認しようと,アマゾンで購入を試みたのですが,アグリコラの翻訳本は高価だったので,今は年金暮らしの身であることを思い出し,今回は購入を見送ることにしました。
- 普通の人は,上記の『ギリシャ・ラテン引用語辞典』は持っていないだろうから,この点は,私の方が,インターネット世代に優るかなと思って,ググってみました。そして,驚きました。さすが,コナン・ドイルの名著の影響でしょう。インターネット(Wikibooks:ラテン語の語句/アーサー・コナン・ドイルによる引用句)には,ラテン語の文法の解説,原文の出典ばかりでなく,以下のように,タキトゥスのアグリコラの引用個所まで明示されています。
- 原文:nunc terminus Britanniae patet, atque omne ignotum pro magnifico est;
- 翻訳:今やブリタンニアの最果ての地も開けているが,知られざるすべてのものが大いなるものであるかのように見なされる。
- これで,先生方の苦労がよくわかりました。従来の学習方法によって,生徒・学生たちに蘊蓄を傾けようとしても,生徒・学生たちがググるだけで手に入れることのできる情報を超えることは,至難の業だからです。まことに,先生方の苦難の時代です。
- もちろん,『ギリシャ・ラテン引用語辞典』を引くと,次の個所に,以下のような例文が紹介されており,「未知なるもの」が常に,「偉大なもの」とみなされているわけではなく,むしろ,「卑しむべきもの」とか,「恐ろしいもの」とみなされることがあるので,注意することが必要です,というような蘊蓄を傾けることはできるかもしれませんが…。
- omne ignotum pro ignobili (すべて未知なるものは,卑しむべきものとして)
- onme ignotum pro terribili(あらゆる未知なるものを恐ろしきものとして)
- 第2は,フランス語です。≪L'homme c'est rien - l'œuvre c'est tout.≫
- 翻訳では,「本人などどうでもいい ― やったことがすべてなのだ。」となっています。
- この訳でも問題はないのですが,フランス語で「本人」を強調する場合には≪auteur≫が使われるので,この文脈での≪l'homme≫は,一般の人のことだと思います。したがって,この文章の訳は,「誰かはどうでもいい,(作品にしろ仕事にしろ)何が成し遂げられたかがすべてなのだ。」と訳した方が,応用範囲が広くて良いと思います。
- 例えば,聖徳太子(厩戸皇子・厩戸王)が実在の人物だったかどうかが,今なお争われています。しかし,彼が作成したといわれている「十七条の憲法」という「国のありかた」定めた作品は,日本書紀に残されているのですから,以下のように言うことができます。
- 十七条の憲法については,作ったのが「誰かはどうでもよい,何が成し遂げられたかがすべてなのだ。」
- そのほかにも,ある作家の品格が批判されている場合に,次のように言うこともできるでしょう。
- もっとも,私にとっては,世間の人物評価はどうでもよいのですが,その人の作品の熟読とか,その人の何気ない行動の観察とかを通じた評価に基づいて,結局は,その人を尊敬しています。
- (HP訪問者の延べ人数:28,100人)
- 2019年10月18日(金) 雨
- A.Conan Doyle, "The Red-Headed League"(大久保ゆう日英対訳・赤毛連盟)を読んでいます(第2日目)
- 注文していた下佐粉 昭=野間愛一郎=久保俊彦=高橋賢司『XML-DB開発実技コース』翔泳社(2008/4/16)が届いたので,読み始めました(第1日目)
- (HP訪問者の延べ人数:28,130人)
- 2019年10月19日(土) 曇り
- 本務校(吉備国際大学大学院知的財産学研究科)の教授会に出席するため,岡山に出張します。
- 『法と経営研究』の編集(査読等)を行います(第4日目)。
- A.Conan Doyle, "The Red-Headed League"(大久保ゆう日英対訳・赤毛連盟)を読んでいます(第3日目)
- 法律用語以外の単語力がないため,辞書を引きまくりながら,ストーリー展開の面白さと翻訳に助けられて,全文を読み終わりました。
- 先に述べた最後の個所以外に,フランス語がさらに1か所,出現していることに気づきました。
- ただし,この≪partie carrée≫ という熟語は,トランプゲーム以外での意味を上品に解説するのが難しいです。11月の第2週から参加する「英語を読もう会」が,この個所に進む前までに,名画を使うなどの上品な説明の方法を考える必要がありそうです。
- また,≪unnui≫などのような,英語に取り込まれているフランス語についても,解説すると参加者に喜ばれるかもしれません。
- (HP訪問者の延べ人数:28,150人)
- 2010年10月20日(日) 晴れ後曇り
- A.Conan Doyle, "The Red-Headed League"(大久保ゆう日英対訳・赤毛連盟)を読んでいます(第4日目)
- コナン・ドイルの一連の原作は,すでに,著作権が切れているので,英文の分析を遠慮なくすることできます。
- そこで,Al Sweigart(相川愛三訳)『退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング』オライリージャパン(2017/6/3)の付録D(日本語テキスト処理)に掲載されているプログラムを使って,"The
Red-Headed League(赤毛連盟)"全文の英単語を切り出し(2,020語),それぞれの単語の出現頻度を調べてみました。一番頻度が高い単語は,予想通り,冠詞の"The"でした。
- 数回以上出現してる単語は,ほとんど,私が知っている単語なので,1回か2回しか出現しない単語だけを抽出して,単語帳を作ってみることにしました。この単語帳を充実させながら,英文の読み方の新しい方法論を考えてみようと思います。
- 来月から出席する予定の日出町の「英語を読もう会」の会員には,学校の英語先生も参加されているとのことなので,『赤毛連盟』の表形式の英和対訳,および,『赤毛連盟』限定の重要単語帳(英和・和英),さらには,30~50人程度の学生の一人一人の試験問題がすべて違っているため,カンニングができない上に,採点も簡単にできるという試験問題の作り方を披露してあげたら,びっくりされるのではないかと,今から楽しみにしています。
- 発明に凝っている東京の友人が尋ねてきたので,街に出て,懇談しました。 試作品を見ながら,消費者の立場に立って,改善に向けてのアドバイスをすることができました。
- ラグビー・ワールドカップ本戦の「日本vs.南アフリカ」をテレビ観戦しました。まるで,一度「ローマ軍」を撃破した「ハンニバルが率いるカルタゴ軍」が,再度の戦いで「スキピオが率いるローマ軍」に撃滅される戦いが再現されているようでした。
- 〔前回ローマ軍に勝利したカルタゴ軍たる〕日本が,〔ローマ軍たる南アフリカに〕勝つためにはどうすればよいか。その点について,前日のテレビ解説で五郎丸氏は,「これまでの戦略を変えて,ボール支配率を相手に与えて相手を疲れさせ,自陣での領域支配率を保持しつつ,後半で勝機を見出すのが良い。」と言っていたのですが,その戦略を忠実に再現したのは,実は,〔失敗に学んだローマ軍のような〕南アフリカの選手たちでした。
- 試合である以上,勝つことを目的にするのは当然なのでしょうが,日本の選手たちは,失敗を恐れて,キックを多用しなかったように思います。フィジカルでは勝負にならない日本が勝機を見出すには,キックを多用してトライに持ち込むしかないと,素人ながらに思ったのですが,その戦術を取れなかったことが敗戦の要因のひとつだったのではないかと,私は思いました。
- 先週の日本vs.スコットランド戦と結果は逆だったのですが,先週書いたように,「世界を相手にするとはどういうことなのか,どうすればよいのか,失敗から学ぶとはどういうことなのか」を,今回は,失敗から学んだ南アフリカの選手たちの戦略・戦術を通じて教えてもらうことができました。
- なお,後日の出来事になりますが,2019年11月2日のワールドカップの決勝戦で南アフリカチームがイングランドチームを撃破して優勝しました。予想通りでしたが,日本チームとイングランドチームを破った南アフリカチームの健闘を称えたいと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:28,170人)
- 2019年10月21日(月) 曇り後晴れ
- 『法と経営研究』の編集(査読等)を行っています(第5日目)。
- 午前中に作業をまとめ,編集結果の一部を出版社に送りました。
- 日出町の社交ダンスの会(ソシアル)に参加してみました(第1回目)。
- 健康法として,65歳になってから,毎朝,欠かすことなく,「ストレッチ,および,腹筋・背筋・腸腰筋を中心としたの筋トレ」を続けているのですが,足の筋肉の強化のため,先月から,「ダンスのステップ」を取り入れる試みを開始しました。
- ダンスのステップは体重の移動がはっきりしているので,遅筋ばかりでなく,速筋の筋トレにも適しています。そこで,1か月前から,大好きな音楽をかけながら,毎朝,1時間ほどかけて,「ストレッチ,筋トレ,一人ダンス」を続けてきました。
- しかし,一人でダンスのステップを踏むも寂しいものなので,相手と練習ができれば楽しいかなと思っていたところ,日出ロータリークラブの会員が誘ってくれたので,私の家からあまり遠くない公民館で行われている社交ダンスの会に参加してみることにしました。71歳からの手習いです。
- ダンス教室は,土足厳禁だったので,まず革靴を購入し,会費を支払ってレッスンを受けてみました。今日の参加者は4名でした。
- いきなり,マンボから始まりました。先生と先輩方の踊りを見た後で,基本のステップを練習しました。次のジルバは,ステップだけは練習していたので,何とかついていくことができましたが,ルンバは,全く歯が立ちませんでした。最初なのだから仕方ありません。
- 最後は,「簡単ですよ」と言われて,ブルースの基本のステップ(クォーターターン,チェックバック)を教えてもらい,最初は先生と,次には,先輩とカップルを組んで踊りました。確かに,ブルースのステップは単純で,初心者の私でもついて行くことが出来ました。そして,なんとか先輩と会場を一周することができました。
- 先生から,「そこまで出来たら,もうどこで踊っていいですよ。カラオケの曲の多くは,ブルースで踊れますから,試してみて下さい」と励ましの言葉をいただきました。
- 人生で初めてのダンス・レッスンでしたが,なんといってもブルースが踊れるようになったのは収穫でした。毎朝の「ストレッチ,筋トレ,ダンス・ステップ」の時間に,早速ブルースのステップを取り込むことにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,190人)
- 2019年10月22日(火) 曇り時々晴れ
- 日出ロータリークラブ主催のクラブ旗争奪少年野球大会(黒岩公園)の運営に参加しました。
- 台風で延期される前の開催場所が,糸ケ浜グランドだったので,自転車で途中まで行ったところで,会場が変更されていることを知り,反対方向の黒岩公園に向かいました。
- 久しぶりに小学生の野球試合を観戦しました。男子生徒の中に女子生徒が混じって同等の力(投手力等)を発揮しているのを見て,時代が移り変わっていることを知るとともに,昔ながらの石灰を使ったライン引きの道具が使われているのを見て,時代が変わっても使い続けられている物が存在していることを再確認しました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,210人)
- 2019年10月23日(水) 晴れ 後曇り,夜になって雨
- ダンス教室で習ったブルースのステップの復習をします。
- YouTubeにブルースのステップを詳しく解説するサイトを見つけたので,復習をするとともに,ついでに,すべてのステップを少しずつ予習しておくことにします。
- 日出町の「英語を読もう会」に誘ってくれた妻夫がわが家を訪ねてくださいます(第1回目)。この夫婦とは,父が健在だったころから,お付き合いがあったとのことで,母とは久しぶりの再会となりました。
- 焼きたてのパンをサンドイッチにし,カフェオレと一緒にお出ししました。お土産に自家製の蜂蜜と手作りパンをいただきました。
- 来月から参加する予定の日出町の「英語を読もう会」で取り上げる英文教材と,読書会の運営方法について説明していただきました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,230人)
- 2019年10月24日(木) 雨
- 雨のため自転車が使えないので,送迎車に便乗させてもらって母のリハビリに付き添います。
- 『法と経営研究』の編集(査読等)を行っています(第6日目)。
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Mother Goose
Illustrations by Yoshi Kobayashi
講談社英語文庫(1984) |
来月から参加する日出町の「英語を読もう会」の教材に使われるマザーグースの英語教材(マザーグースの中から,54の詩を選択したもの)に適した本を注文していたのですが,それが届いたので,自炊して英文を取り出し,分析できるテキスト文に変換しました。
- コナン・ドイルの赤毛連盟と同様に,単語を切り出し,単語帳の作成と,英和対訳を作成するつもりです。
- マザーグースについては,Humpty Dumptyの詩しか知らなかったので,この分野で不足している教養を補うことができそうです。
- (HP訪問者の延べ人数:28,260人)
- 2019年10月25日(金) 曇り一時晴れ
- マザーグースの英語教材(講談社英語文庫)に収められた英単語(974語)を切り出し,英単語帳の元帳を作成しました。
- よく使われる単語が含まれているので,うまく編集すると,寺子屋ひじ塾の生徒用の単語集の基本台帳として使えるかもしれません。
- AI教育研究会(東京)に出席するため,東京に出張します。
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岩波 明
『誤解だらけの発達障害』
宝島社(2019/10/31) |
列車の中で,小倉の駅中の書店で購入した,岩波 明『誤解だらけの発達障害』宝島社(2019/10/31)を読みました。9月25日に読み終えた宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』新潮新書(2019/7/25)を補完する内容で,一気に読み終えることができました。
- 発達障害(ASD,ADHDなど)は,いわゆる病気ではなく,先天性のその人の個性なので,その人の個性がどのようなものかを診断し,その人の個性を活かせる環境を作り上げるすることが重要であり,そのような努力によってその人が職場等の環境に適応することも工夫次第で可能である。
- したがって,本人の環境への適応を妨げている要因(様々障害によって併発詩がちな病気等の治療を含めて)を一つ一つ取り除くことによって,本人がより生きやすくすることがその治療ということになる,というのが,本書の大雑把な概要だと思います。
- AI教育研究会では,1~2年生のAI教育において,基礎的な数学教育をどの程度まで掘り下げるのかについて議論を行い,1から2年制のAIを理解するための数学を中心としたAI教育のカリキュラム(案)をまとめることができました。
- これを基本にして,法学と経営学の基礎学力を養成するカリキュラムを数学を中心としたカリキュラムにどのように組み合わせるべきかを次の機会に議論することにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,280人)
- 2019年10月26日(土) 晴れ後 曇り
- 東京での仕事を終えて,1か月ぶりに中国語のレッスンを受けるため,京都に向かいました。
- 小倉駅の駅中書店で,田所雅之『入門 起業の科学』日経BP社(2019/3/4)を購入し,読み始めました(第1日目)。
- 起業に必要な考え方が具体的に示されているだけでなく,必要な作業をしながら読むという方法を採用しているため,読者は,その作業(例えば,リーンキャンバス(Lean
canvas)の作成,ペルソナの設定など)を通じて,起業の実践力をつけることができる仕組みになっていました。
- 経験豊かな著者でなければできないことであり,優れた本であることがわかりました。京都からの帰りの列車でも,読み続けようと思います。
- 改装を終えた京都(向日市)の家に備え付けるべき家電製品(コタツセット,冷蔵庫,掃除機,テレビ)を購入しました。
- 10月28日(月)には,電気・水道の契約,ガスの開栓もかねて,購入品の搬入の立会いをします。その日に,遮光カーテンのセット,ごみ箱,常備すべき日用品を購入する予定です。これで,次回からは,京都の出張の際のホテルの予約が不要になります。
- (HP訪問者の延べ人数:28,300人)
- 2019年10月27日(日) 曇り後晴れ
- 京大の留学生から,中国語会話のレッスンを受けます。第5課(牛肉麺真好吃)の続きです。
- 教科書を音読できる,一部の不注意を除いて,意味も取れるのですが,聞き取りが困難で,先生の質問にほとんど答えられない状態が続いています。ただし,何度も何度も質疑を繰り返していると,すこしずつ意味が取れるようになり,その場合に,質問にどのように答えるべきか,コツがつかめるようになってきました。少しずつですが,進歩しているようです。
- 今回から,会話練習の後に,教科書から離れて,メールの書き方を教えてもらうことにしました。自由作文に挑戦し,厳密なチェックをしてもらいます。
- 会員の論文「盗用」事件を契機として,研究会の方針に納得できなくなり,末川民事法研究会を脱会する決意をしたのですが,脱会届は,切りのいい年度末に提出することにして,今回からずっと欠席を続けることにしました。
- 京都の家に寄って,日常生活に支障をきたす不備がないかどうかチェックしたところ,電気も水道も使えるようになっていましたが,なぜか,エアコンが取り外されており,しかも,電灯がない部屋が2部屋あることがわかりました。明日,不動産業者を介して工事等を依頼することにします。
- (HP訪問者の延べ人数:28,320人)
- 2019年10月28日(月) 曇り後晴れ
- 京都の家の都市ガスの開栓に立会いました。試しに,風呂釜に湯を張って,実際に入浴してみました。温度設定が自由にできて快適でした。
- その後,不動産会社の社長の案内でニトリに出かけ,三方面の窓に適合するカーテン等を購入しました。次に,ホームセンターで調理に必要なガス台等を購入しました。また,エアコンの設置を依頼しました。
- 最後に,一昨日,購入の手続をした家電製品(コタツセット,冷蔵庫,掃除機,テレビ)受け取って,不具合がないかどうかをチェックし,すべての部屋の掃除をしました。
- これで,来月からは,中国語会話のレッスンを受けたり,民法学研究会に出席したりする際に,ホテルの予約が不要になり,年金が切り下げられた分を埋め合わすことができるように思います。
- 京都での仕事を終えて,大分に帰ります。
- 列車の中で,田所雅之『入門 起業の科学』日経BP社(2019/3/4)を読み続けます(2日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:28,340人)
- 2019年10月29日(火) 曇り後晴れ
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
- 田所雅之『入門 起業の科学』日経BP社(2019/3/4)を読み続けます(3日目)。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。
- (HP訪問者の延べ人数:28,350人)
- 2019年10月30日(水) 晴れ
- 日出ロータリークラブでの外来卓話をお願いしている日出町長と打ち合わせをします。
- 10月1日に行った私の卓話(PDF)をプリントアウトしたものを持参して,日出町と日出ロータリークラブとの連携を話題として取り入れてほしいことを依頼するとともに,昨年の外来卓話の際にお願いした海外での経験談を取り込んでいただくことになりました。
- 日出ロータリークラブとの連携については,慎重に検討していきたいとの返事だったので,外来卓話の1月前にもう一度,懇談の機会を設けていただくことになりました。
- 石川一郎『2020年からの新しい学力』SB新書(2019/9/15)を読みました。 文句なしの良書です。
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石川一郎
『2020年からの新しい学力』
SB新書(2019/9/15) |
2020年度(2021年1月~3月の受験期)から「大学入試センター試験」に代わって「大学入学共通テスト」が行われることになります。そこでは,知識だけでなく「思考力・判断力・表現力」を問う問題が出されるといわれています。それに連動して,「学習指導要領」が改訂され,大学入試に連動した以下の学力に重点を置く教育へと日本の教育が変わっていきます(以下は,新学習指導要領の3本柱です)。
- 実際の社会や社会の中で生きて働く「知識及び技能」
- 未知の状況にも対応できる「思考力,判断力,表現力」
- 学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力,人間性等」
- 本書は,このような教育改革の内容を首都圏模試センターが作成している「思考コード」を参照しながら,2020年度から始まる教育改革の内容と具体的な方法論を論じています。
- この「思考コード」を使えば,「○○校はC3問題を出すことがある」,「△△校はA1・A2問題が中心で,B1・B2問題はたまにしか出さない」といった分析ができるというのが,筆者の考え方です。
- このような「思考コード」を私なりに整理し直して,表にすると,以下のようになると思います(筆者が引用している首都圏模試センター「思考コード」を参照しつつ,筆者が作成した表を私流にまとめ直したものです)。
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A 知識・理解 |
B 応用・論理 |
C 批判・創造 |
"Who, What, When?" |
"If then... Why?" |
"If then... How would you do?" |
単純 |
手順操作 |
A1(〔ザビエル等の〕ある人の肖像画を見せて,これはだれですか?) |
B1(その人が来日した目的は何ですか?
50字以内で述べなさい。) |
C1(もし,あなたが,その人ををサポートしようとしたら,どのようなサポートをしますか?
200字以内で述べなさい。) |
カテゴライズ |
複雑操作 |
A2(その人がした仕事(選択肢)は何ですか?) |
B2(その人をサポートした人物を一人あげて,その人物は何をしたのですか?
100字以内で説明しなさい。) |
C2(もし,あなたが,その人だとしたら,何をしますか?
400字以内で根拠を示して述べなさい。) |
全体関係 |
変換操作 |
A3(その人がした仕事(選択肢)を年代順に並べ直しください。) |
B3(成し遂げられた仕事は,当時の日本にどのような影響を与えましたか?
200字以内で説明しなさい。) |
C3(もし,あなたが,その人のように知らない土地に行って,その土地の人びとに何かを伝えようとする場合,どのようなことをしますか。
600字以内で述べなさい) |
- 具体的には,筆者は,上記のC3の問題のような「創造的思考」を問う問題に答えることができるような能力を養成すべきだと考えています。
- 本書で何度も繰り返し出てくるC3レベルの問題とは,以下の通りです。
- 【問い】もしあなたが,ザビエルのように知らない土地に行って,その土地の人びとに何かを広めようとする場合,どのようなことをしますか。600字以内で答えなさい。
- 私は,運よく今まさに,田所雅之『入門 起業の科学』日経BP社(2019/3/4)を読んでいて,「お金を払ってでも,あるサービスを受けることを顧客に決意させる方法論」を学習したところなので,その起業方法論,および,孫氏の戦略論,ポーターのマーケティング理論を駆使して,なんとか答えることができるように思います。しかし,生徒や学生は大丈夫でしょうか。アシストすべき先生方のことも心配になります。
- 確かに,上記の問題が非常に良い問題であることは疑う余地がないとはいえ,これまでの教育を受けてきた生徒や学生たちが上記の問題に答えることは,相当に困難だと思います。
今回の教育改革が本物かどうかは,ほとんどの生徒や学生が,このような問題に答えることができるようになるかどうかにかかっているように思います。
- そして,筆者は結論として,「いまの子どもたちに痛切に求められているのはC軸の「創造的な思考」で,これこそが教育改革の謳う〔未知の状況にも対応できる〕「思考力・判断力・表現力」や「考える力」であり,勉強力・合格力・与えられた目標を期限内に達成する能力などとは大きく異なる”真に必要な学力”なのだ」と述べています。
- 難解な新学習指導要領を含めて,2020年度から教育改革の理念と具体的な方法論が展開されており,教育改革に取り組もうとしているすべての人に薦めたい良書です。
- (HP訪問者の延べ人数:28,370人)
- 2019年10月31日(木) 晴れ
- 研究会の友人に薦められて,野口悠紀雄『AI時代の「超」発想法』PHPビジネス新書(2019/10/2)を読んでいます(第1日目)。
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野口悠紀雄
『AI時代の「超」発想法』
PHPビジネス新書
(2019/10/1) |
本書の構成は以下の通りです。〔 〕は,筆者の提唱する発想法の「基本5原則」を私流に関連付けたものです。
- 序章 アイディアの価値が高まっている
- 第1章 発想はどのように行われるか → 〔第1法則:模倣なくして創造なし〕
- 第2章 どうすればアイディアを生み出せるか →〔第2法則:アイディアの組み替えは頭の中で行われる〕〔私の解釈では,集中した思考の後のレム睡眠状態が重要ということかも〕
- 第3章 発想のために考え続ける →〔第3法則:データを頭に詰め込む作業(勉強)がまず必要,アイデアのひらめきは偶然に生じるわけではない〕
- 第4章 発想のための対話と討論 →〔第4法則:環境が発想を左右する〕
- 第5章 AI時代の「超」発想法 →〔第5法則:強いモチベーションが必要〕
- 第6章 発想の敵たち →〔事大主義・権威主義,形式主義,先例主義,思い込み〕
- 第7章 間違った発想法 →〔初期段階での書面化・形式化,発想法のマニュアル化〕
- 第8章 「超」発想法の基本5法則
- 筆者の主張はよく理解できるし,そのほとんどをすでに実践している私としては,筆者の主張は,筆者の意図とは反対に,マニュアル化が可能だと思います。特に,筆者がマニュアル化のひとつとして批判しているマトリックス法は,筆者の主張する「超発想法」と矛盾するものではなく,その一つの方法として位置づけるべきだと思いました。
- 私は,この考え方(マトリックス法のひとつ)を,2004年に以下の論文として公表しています。
- そんなわけで,本書は,「創造的な仕事術のマニュアル化に初めて成功した優れた著作」であると,私は考えています。その理由,および,筆者が望んでいる本書に対する批判的考察は,本書を読み終える予定の明日に,詳しく述べることにします。
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復しました。
- 病院の帰りに,病院の近くのスーパーで買い物をして,母を乗せた送迎バスの先回りをするのですが,買物に時間を取られて,送迎バスと同時に家に到着しました。
- スーパーでたくさん買物をした後のレジでの会話です。
- 「朝晩,めっきり寒くなりましたね。」「そうですね。」「なんだか,今日はお疲れのようですね。」「そうじゃないんですが,今日でこのお店最後なんです。」「えっ,お店変わられるんですか。」「わたし派遣なので,次は,〇〇で勤務をします。」「そうですか。寂しくなりますね。」
- そういえば,今日は,10月最後の日でした。いろいろな職場で,人事異動が起こっているのでしょう。明日から11月です。
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- 2019年11月1日(金) 晴れ
- 野口悠紀雄『AI時代の「超」発想法』PHPビジネス新書(2019/10/2)を読み終えました(第2日目)
- 本書の目的と達成目標
- 筆者は,本書の「はじめに」において,「本書は,『どうしたら,新しいアイディアを生みだすことができるか?』についての方法論を述べた本です。」と述べています。
- しかも,筆者は,従来の方法のように,「例えば,カードに考えの断片を書いてそれを並べ替える〔KJ法〕,フローチャートを書く,マトリックスを書く,等々の方法」のように「一定の手続きにしたがって,その通りに作業を進めれば,必ずよいアイディアが出てくる」というわけにはいかない(「アイディアの組み替えは,頭の中で行われる(筆者の第2法則)」)と断言しています。
- 本書の方法論
- 第1に,本書は,過去に成功したモデルを新しい問題に応用するという「創造的剽窃行為」から出発すべきことを強調しています。つまり,「模倣なくして創造なし(筆者の第1法則)」です。
私も,この見解に賛同します。
- 第2に,新しいアディアは,偶然に閃くものではなく,発想のために集中して考え続ける中で,ボーとしていたり,別のことをしているときに閃くものであるから,何もせずに閃きを待つのではなく,発想のために考え続けること,とにかく仕事を開始し,それを続けることが大切だと述べています。つまり,「データを頭の中に詰め込む作業(勉強)が必要(筆者の第3法則)」ということです。
私も,その通りだと思います。
- 例えば,アルキメデスがふろ場で「浮力の原理」を発見をしたのも,風呂に入ったのは,きっかけに過ぎず,実は,アルキメデスは,その当時,王冠を破壊せずに金保有量を図る方法を求め続けていたからこそ,風呂に入ったことがきっかけとなって新しいアイディアを獲得することができたのです。
- ニュートンの万有引力の法則の発見も,リンゴが落ちるのを見たというのは,きっかけに過ぎず,「月はなぜ地球に落ちてこないのか」を考え続けていたからこそ,リンゴを落ちるのを見て,原理の発見に至ったということです。
- 第3に,新しいアイディアを得るとともに,独りよがりの思い込みを免れるためにも,対話と討論が重要な役割を果たすことが強調されています。つまり,「環境が発想を作用する(筆者の第4法則)」です。
- 重要なことは,対話の相手は,質の高い相手である必要があり,読書による自己との対話が有用であることが述べられています。 しかも,「黒板の役割」を強調している個所(黒板がない会議室の知的レベルは低い)は,先日読んだ,新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』,宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』の黒板の役割の重要性の点で共通しており,とても興味深く感じました。
- 第4に,アイディアは待っていてもやってこないので,どうしても何かを生み出したいという「強いインセンティヴとモチベーションがなければ,新しいアイディアを得るとができません(筆者の第5法則)」。
- 本書の評価
- この本の目的は,「はしがき」に書かれている通り,「どうしたら,新しいアイディアを生みだすことができるか,についての方法論」を明らかにすることなのです。ところが,筆者も述べている通り,筆者が提唱する方法を忠実に実行しても,確かに確率は高くなるが,「正直に言えば,『必ず生まれる』とは,断定しがたい」と述べています。つまり,アイディアが閃くかどうかは偶然に支配されるところがある(人事を尽くして天命を待つしかない)のです。
- そうすると,結局は,本書の「はしがき」の目的が達成されていないのですから,本書の評価としては,厳しいようですが,「新しいアイディアを生み出す方法論」としては,失敗しているといわざるをえません。
- しかしながら,本書の方法論を忠実に実行するならば,たとえ,新しいアイディアが閃かなかったとしても,その仕事に対して,世間の人々は,それが創造的な仕事であると高く評価すると思われます。
- このように考えると,本書は,「AI時代の『超』発想法」というよりは,「AI時代に評価される『超』仕事術」といった方が良いように思います。 というのも,良い成果を挙げた仕事について,それを導いたアイディアが,後になって,「良いアイディア」であると評価されるのであって,仕事から切り離された「良いアイディア」など存在しないと思われるからです。
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- 2019年11月2日(土) 曇り後晴れ
- 昨日読み終えた野口悠紀雄『AI時代の「超」発想法』PHPビジネス新書(2019/10/2)について,誤りではないかと思われる個所を指摘しておきます。
- 本書に以下のような記述があります。
- 従来の発想法のマニュアルが,「どんな場合にも全く役に立たない」というわけではありません。例えば,マトリックスを書いて分類を行い,隙間を埋めることは有用です。私自身,「見逃した点はないか」をチェックするために,しばしばそうしたことを行っています。
- ただし,これは「隙間」や「見落とし」の発見に過ぎません。所詮,「重箱の隅つつき」であり,「落穂拾い」なのです。また,簡単な場合なら,いちいち図や表に書き出さなくとも,頭の中だけで点検することができます。事実,これは多くのひとが無意識に行っていることです。
- この点については,私は,マトリックス法を擁護する立場から,本書の上記の個所について批判したいと思います。筆者自身が,批判をしてもらうことは,「自分では意識しにくい観点からの見方が得られる」ばかりでなく,「自分では気づかない誤りや新しい見方を指摘してもらえるのは,大変有難いことです」と述べておられるので,本書の上記の個所について,遠慮なく批判させていただきます。
- 本書の上記の点〔赤字部分〕は,本書における,数少ない,そして,最大の誤りであると思われます。
- 第1に,「創造」とは,今までにないものを作り出することであり,今あるものとは違うものや,今あるものの欠けている点を補うことに他なりません。したがって,「隙間」の発見や「見落とし」の補完は,立派な創造活動であり,発見・発明でしょう。
- 第2に,これまでの重要な発見・発明は,すべて,隙間等の補完と考えることができます。アルキメデスの発見は,物を破壊せずに体積を求める方法の発見ですが,それは,物を破壊して体積を求める方法の補完にほかなりません。地動説の発見も,惑星の不思議な動きを解明するために考え出された天体運動法則(ティコブラーエは,すでに,地球を除く惑星は太陽の周りを回っていると考えていた)の補完に過ぎません。
- 第3に,隙間を発見するためには,マトリックス法が最適であり,マトリックスの空白部分の発見とそれを埋める努力を続けることによって,確実に新たなアイディアが生まれてきます(空白を埋めることが創造だからです)。
- 第4に,マトリックス法では,まず,あるテーマの全体像を「行」によって具体例を並べ,次に,列によって,それらをうまく分類するという作業を行います。そうすると,従来の理論では,埋めらられていない空白が生じていることを見逃すことなく発見できます。そこで,その空白を埋めるために考え続けることになります。すると,その時は解決ができなくても,考えに考えを重ねた上で,ボーとしている瞬間(レム睡眠状態)に,良いアイディアが閃いて,マトリックスを完成することができるようになるのです。
- このように考えると,筆者の超発想法の重要な一部(すべてではありません)は,マトリックス法によってマニュアル化できることがわかります。そもそも,もしも,筆者が超発想法として発想の原理を明らかにしたならば,その瞬間に,それは,マニュアル化できるのであり,マニュアル化できないのであれば,その考え方は法則でも何でもないことになるように思われます。
- 今回,筆者は,自ら告白しているように,はしがきで述べた本書の目的実現できなかったのであり,だからこそ,マニュアル化もできなかったのです。つまり,厳しい言い方ですが,本書が提案する「超」発想法は,従来のマニュアルまがいの発想法に,同様なものを追加したに過ぎないというべきでしょう。
- 私情協の2019年度第2回「法律教育FD/ICT活用委員会と分野連携による合同会議」に出席するため東京に出張します。
- 列車の中で,石川一郎『2020年の大学入試問題』講談社現代新書(2016/2/20)を読んでいます。(第1日目)
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石川一郎
『2020年の大学入試問題』
講談社現代新書
(2016/2/20) |
先月(10月30日)読んだ,石川一郎『2020年からの新しい学力』SB新書(2019/9/15)が面白かったので,同じ著者による本書を注文してしまいました(年金生活者としては,贅沢すぎるのかもしれません)。昨日,それが届いたので,読み始めました。
- 2016年に出版されたにかかわらず,2020年のかなり正確な予測がなされており,感心しながら読み進めています。
- この本の表紙の帯に掲載されている入試問題(順天堂大学医学部(2015年1月)は以下の通りです。
- 「キングス・クロス駅の写真です。あなたの感じるところを800字以内で述べなさい。」
- キングス・クロス駅は,ハリーポッターで有名になったのですが,そのような知識は,この問題を解くのに必要とされていません。その知識にこだわると,むしろ,良い答案を作成するのを妨げる障害となるおそれがあります。
- この試験に合格した学生による解答例が本書(58-59頁)に掲載されていますので,お読みください。
- アクティブラーニングで鍛えられた生徒の学力は,まさにおそるべしです。
- このような問題は,従来の大学入試問題からは想像もつかない超難問です。このような入試問題が医学部以外の入試でも出されるようになったら,日本の未来も明るくなるのではないかと期待できます。
- この本を参考にしながら,理想的な①大学入学試験問題,②文理横断的な教育カリキュラム,③卒業認定試験問題という3点セットを考案してみようと思います。
- 私情協での議論を通じて,以下のような認識に達しました。
- 2020年に計画通りに大学入試が根本的に変われば,初等教育は改革される。
- しかし,大学では,卒業認定試験がいい加減なため,大学卒業生に教育改革の成果を期待することが困難である。
- 大学改革の鍵を握るのは,卒業認定試験の厳密な設計と規格化であり,それなしには,教育改革は中途半端なものに終わる。
- (HP訪問者の延べ人数:28,430人)
- 2019年11月3日(日) 曇り
- 私情協の2019年度第2回「法律教育FD/ICT活用委員会と分野連携による合同会議」での議論を終えて,大分に帰ります。
- 昨日の会議で,12月14日(土)に開催される私情協のアクティブラーニング対話集会(社会福祉・英語教育・法律学・社会学・教育学・統計学・統計学・国際関係学・コミュニケーション関係学グループ分野連携アクティブラーニング対話集会:日本大学通信教育部市ヶ谷キャンパス1号館81講堂)の前半部分,すなわち,開催趣旨の説明,および,アクティブラーニングの話題提供(社会福祉分野,法律分野,社会学分野,教育学分野,統計学分野,政治学分野)に関する司会進行役を任されたので,その準備を少しずつ進めることにします。
- 列車の中で,石川一郎『2020年の大学入試問題』講談社現代新書(2016/2/20)を読み終わりました。(第2日目)
- (HP訪問者の延べ人数:28,440人)
- 2019年11月4日(月) 晴れ
- 石川一郎『2020年からの教師問』ベスト新書(2017/1/20)を読み始めます(第1日目)
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石川一郎
『2020年からの教師問』
ベスト新書(2017/1/20) |
本書の構成は以下の通りです(なお,→〔 〕は私のメモです)。
- 第1章 センター試験廃止は教育改革の序章に過ぎない →〔センター入試の先にある教育改革(修得目標「3つの学力(ABC)」とは何か)〕
- 第2章 知識の「習得」から「活用」へ―変わる学校教育 →〔「正解のない問い」に対する自分軸の育成と最適解への挑戦〕
- 第3章 日本の学校教育に欠落しているものは何か →〔英米,フィンランド,フランスとの対比を通じて独自の独自の改革を〕
- 第4章 教師の精神性こそが弊害となる →〔教師は,主役とか指導者になってはいけない〕
- 第5章 教師の役割はもう「教えること」ではない →〔教えることからプロデューサーとして「教えさせる」ことを通じて「共に学ぶ」へ〕
- 本書(『2020年からの教師問題』)と,これまでに読んだ石川一郎の「2020年からの問題」シリーズ(『2020年の大学入試問題』,『2020年からの新しい学力』)を参考にして,来る12月14日(土)に,日本大学通信教育部市ヶ谷キャンパス1号館81講堂で開催される私情協のアクティブラーニング対話集会で私が参加者全員に対して説明する「開催趣旨」の内容を整理してみます。
- (HP訪問者の延べ人数:28,460人)
- 2019年11月5日(火) 晴れ
- 石川一郎『2020年からの教師問』ベスト新書(2017/1/20)を読み終わりました(第2日目) 。
- 著者が,2017年1月の段階で,2020年の教育改革(大学入試問題改革)にほぼ完ぺきに対応していることに頭が下がります。
- 私の本務校(順正学園・吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科)の建学の理念は,「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸ばし,社会に有為な人材を養成する」です。
- この建学の理念に則って教育を実践している私としては,本書の第5章(教師の役割はもう「教えること」ではない)で紹介されているジョハリの窓(本書163頁)が,「学生一人ひとりの能力を引き出す」のに重要な役割を果たすことに気づかされました(「ジョハリの窓」とは,1955年に心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリ・インガム (Harry Ingham) が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」のことをいいます。後に,二人の名前を合成して「ジョハリの窓(Johari
window)」と呼ぶようになったのだそうです。つまり,ジョハリというのは,単独人物の名ではありません)。
-
ジョハリの窓
|
自分は知っている |
自分は知らない |
他人は知っている |
Ⅰ開放の窓
(open self) |
Ⅱ盲点の窓
(blind self) |
他人は知らない |
Ⅲ秘密の窓
(hidden self) |
Ⅳ未知の窓
(unknown self) |
- アクティブラーニングを続けることによって,自分の知らないⅡの窓(盲点の窓)が開かれ,学習を通じてお互いの信頼関係が醸成されると,他人が知らない本人のⅢの窓(秘密の窓)が開かれることもありうる。ただし,Ⅲの窓(秘密の窓)はプライバシーが絡まる問題なので,その点を除くとしても,アクティブラーニングを継続しているうちに,何らかのきっかけで,「未知なる自分との出会い」であるジョハリの「第4の窓が開かれ」るようになることが,本当の意味での,「学生の一人ひとりのもつ能力を最大限に引出し引き伸ばす」ことになるのだろうと思います。
- 私自身,中学2年生の時に,夜更かしをした翌朝の目覚めのときに外から聞こえてきた「母と隣の主婦との会話」によって,私のⅡの窓(盲点の窓)が開かれたことを鮮明に覚えています。また,会話のレッスンを通じて,私のⅢ(秘密の窓)が開かれたこともあります。重要なのは,異文化交流の中での対話を通じて,私のⅣの窓(未知の窓)が開かれたという体験を有していることだと思います。これらの経験を踏まえるならば,学生の能力を引き出すために「ジョハリの窓」を意識的に活用するという上記の方法は有効だと思います。
- これから接するであろう,一人ひとりの学生のⅣ(未知の未知の窓)を本人自身が自覚できるように環境を調えることが私の使命だと自覚しました。
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復しました。
- 日出の「英語を読もう会」に誘ってくれたご婦夫がわが家を訪ねてくださいました(第2回目)。
- 前回と同様,自家製のパンで造ったサンドイッチとカフェオレで歓迎し,現在進行中の教育改革について,今まで読んできた本に従って,質疑をしながら詳しく説明しました。
- ご婦夫からは,今回も,おいしいお土産をいただきました。その上,近所の方が釣り上げたというサワラのおすそ分けを,お刺身にして再度持ってきていただきました。母と一緒に,感謝しながら,お刺身をいただきました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,480人)
- 2019年11月6日(水) 晴れ
- 石川一郎氏の教育改革シリーズ3部作(石川一郎『2020年の大学入試問題』講談社現代新書(2016/2/20),同『2020年からの教師問』ベスト新書(2017/1/20),同『2020年からの新しい学力』SB新書(2019/9/15))を読み終えて,大学改革の3ポリシーのうち,①アドミッションポリシーの考え方が明らかになったので,次に,②カリキュラムポリシーの考え方に基づく,教科書の選定戦略について考察します。
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中川裕志
『プライバシー保護入門
-法制度と数理的基礎-』
勁草書房(2016/2/20) |
折よく,文理融合を目指すのに適した本として,数学の先生から薦められていた,中川裕志『プライバシー保護入門-法制度と数理的基礎-』勁草書房(2016/2/20)が届いたので,読み始めました(第1日目,第4章まで読み終わりました)。
- 個人情報保護に関する「法制度と数理的基礎」というサブタイトルが,文理融合の養育を目指す者としては,魅力的です。確かに,5章以下は,数式のオンパレードです。
- 本書の構成は以下の通りです。(→〔 〕は,私のメモです)
- 第1章 序 →〔本書のねらいと問題となった事例の紹介〕
- 第2章 法制度と技術に関する基礎概念 →〔個人情報保護における文理融合の考え方〕
- 第3章 米国,EU,日本のプライバシー保護制度の原状 →〔特に,カブキアンの提唱するプライバシー・バイ・デザイン(PbD)の考え方が素晴らしい〕)
- 第4章 パーソナル・データ・エコシステム →〔データ主体と事業者とがwin-winの関係を実現できるシステムとして位置づけられている〕
- 第5章 リンク攻撃と拡大した疑似ID
- 第6章 k-匿名化をめぐる技術
- 第7章 差分プライバシー
- 第8章 質問監査
- 第9章 秘密計算
- 付 章 医療情報,遺伝子情報のプライバシー保護
- 数年前に,「法と経営学」研究科を立ち上げた時に,その入門の教科書として選定したのが,池井戸潤『空飛ぶタイヤ(上)(下)』講談社文庫(2009)でした。この経済小説で取り上げられている「製造物責任」問題,および,「銀行取引約定書の悪用による貸し剥がし」問題について,経営学の教授とタイアップして「法と経営学」の視点からゼミ形式で講義したのを懐かしく思い出しました。
- 個人情報保護に関する本書は,大まかにいうと,第1章~第4章までが法制度の解説,第5章~第9章がその数理的基礎の解説であり,全体を通して,法制度と技術の架け橋をめざすという構成を取っています。
- 本書を教科書として採用し,法律の専門家と数学の専門家とがタイアップしてゼミ形式の講義ができれば,AI教育のカリキュラムの具体例として理想的な教育ができるのではないかと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:28,500人)
- 2019年11月7日(木) 曇り時々晴れ
- 中川裕志『プライバシー保護入門-法制度と数理的基礎-』勁草書房(2016/2/20)を読んでいます(第2日目,第5章以下は,本書の指示に従って,最後まで読み飛ばしました)。
- 予想していた通り,5章以下は,数学的な基礎がないと理解できません。
- 本書では,5章以下においては,各章ごとに,「数学的な知識が必要となるので,先を急ぐ読者は飛ばしていただいてもよい」(122頁)とか,「以降の6.2から6.11節では,必要な数学的知識は最小限に抑え,直感的な説明を試みるが,理解困難い陥ったら先へスキップしていただきたい」(138頁)とか,「理解が困難な場合は,次の章へ進んでいただいて構わない」(180頁)とかの温かい言葉がわく囲みで書かれています。
- そこで,私は,「データベースの中の個人データの含まれるレコードの内容を攻撃者から保護しつつ,データベース全体に対する統計的解析を可能とする仕組み」の直感的理解(定性的理解)のみで満足し,定量的理解は,後日,数学の先生に特訓を受けるときまで先延ばしにすることにしました。そういうわけで,5章以下をどんどん読み飛ばすことによって,本書を読み終わりました。
- 私は,本書の内容のうち,第1章から第4章までしかクリアな理解はできませんでしたが,その中で出てくる技術については,本書の5章から9章までの直感的理解によって理解を補うことができるようになったので,個人情報保護法の理解が,これまでよりも一定程度深まったように思います。
- 本書を読んで,インターネット時代においては,プラバシーとか個人情報とかの保護を完璧に実現する方法はないことがわかりました。したがって,古くからなされてきた泥棒(窃盗)対策と同じように,完璧な強化策ではなく,近隣よりも少しだけ強化された対策(kの値やパラメータεの値を操作すること)が,最善の対策だということになるのでしょう。本書は,攻撃者からプライバシー(個人情報)の保護を通常よりも少しだけ強化するという方法(最適解)を定量的に明らかにした点に大きな価値があるのだと思います。
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
- (HP訪問者の延べ人数:28,520人)
- 2019年11月8日(金) 晴れ
- 今日から2日間にわたって開催されるロータリクラブの最大の行事である地区大会に参加するため,中津に出張しました。
- 中津文化会館で開催された会長・幹事・ガバナー補佐会議,地区指導者育成セミナー会議に,日出ロータリークラブの副会長として参加しました。
- 地区大会決議案のうち第1号「国際ロータリー会長の本年度目標に協力する件:マーク・ダニエル・マローニー国際ロータリー会長は,本年度目標"Rotary connects the world(ロータリーは世界をつなぐ)"をテーマとして示されました。我々はこのテーマの深い意味を理解し,身をもって実践,テーマの実現に努力することを決議します。」について,私は,「深い意味」とは何か,詳しく説明してほしいと質問しました。
- ガバナーは,質問に対して以下のように説明しました。
- マローニー会長の挙げた「ロータリーは世界をつなぐ」の具体例,すなわち,第1に,会員の拡大,第2に,家族と職業を大切にすること,第3に,内部改革を進めること,第4に,国連との協調を挙げて意味を説明し,結局のところ,既成概念にとらわれずに改革を進めようというのが,「深い意味を理解」することです。
- 私は,第1と第4の点は,「ロータリーは世界をつなぐ」の意味としてよく理解ができるが,第2点と第3点がなぜ,「ロータリーは世界をつなぐ」ということの深い意味に繋がるのか,まだよくわからないので,もう少し詳しく説明してほしいと,再質問しました。
- ガバナーは,この質問に対して,次のように説明しました。
- 第1や第4によってロータリーが世界とつながると,海外の多くのロータリークラブでは,家族や職業を大切にしていること,既成概念にとらわれずに,内部改革を進めていることに気づく。そうすると,わが国でも,そのような改革が進むようになるのではないだろうか。これが,「ロータリーは世界をつなぐ」の解釈です。
- 「ロータリーは世界をつなぐ」の意味を,世界をつなげる努力だけでなく,その結果として生じるであろう,ロータリー自身の改革の努力必要性をもって「深い意味」だとする,ガバナーの解説は,適切だと感心しました。
- 来る11月20日(水)に中津ロータリークラブから依頼された外来卓話「ロータリークラブの先人に学ぶ-日出のロータリアン大夢翁・土屋元作と中津との接点,そして,九州ロータリー新幹線の夢-」(仮題)の内容を詰める作業を開始します(第1日目)。
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日出ロータリークラブ編
『大夢翁 土屋元作』
日出ロータリークラブ(1996) |
日出ロータリークラブ編『大夢翁 土屋元作』日出ロータリークラブ(1996)を読み直します(第1日目)。
- 本書は,私が日出ロータリークラブに入会する直前に日出RCから贈っていただいた思い出深い本です。
- 本書の構成は以下の通りです。
- 第1章 ロータリアン土屋元作
- 第1節 ロータリアンとしての二宮尊徳
- 第2節 土屋元作という人
- 第3節 大阪ロータリークラブにおける土屋元作
- 第2章 シビリアン土屋元作
- 第1節 土屋元作という人
- 第2節 「夢中語」の序文
- 第3節 朝日新聞社時代の大夢翁
- 第4節 回想記
- 第5節 論説
- 第6節 著述の中から ←〔第1項:「萬里先生の事業と学問」が白眉〕
- 第3章 土屋元作の生立ち
- 年譜
- 参考文献
- 初版
- 再刊の言葉
- 中津ロータリークラブの外来卓話「ロータリークラブの先人に学ぶ-日出のロータリアン大夢翁・土屋元作と中津との接点,そして,九州ロータリー新幹線の夢-」(仮題)として,本書を参考にして,以下の3点をトピックにしたいと思います。
- 第1に,土屋元作(1866-1932)がその著作の中で取り上げている日出町が誇る偉人帆足万里(1778-1852)を中心に置くと,その弟子としての中津藩の福沢百助(福沢諭吉の父親(1792-1836))を介して,本書の土屋元作(帆足万里の孫弟子)との接点が生まれるばかりでなく,福沢諭吉(1835-1901)が「回り回って」土屋元作を取り立てた背景も見えてきます。中津と日出はもともと結びつきが強いのであって,今後も睦び付き(ロータリーソング「我らの生業」を引用)を密にしましょうと訴えたいと思います。
- 第2に,「回り回って」ということから,ロータリーが地球の自転(rotation),環境の循環(circulation),経済循環(モノ・カネ・情報・ヒトの循環)とつながっており,「何事も停滞させてはいけない」ということに話題を持っていきたいと思います。交通も同じで,停滞している東九州の地方創生の切り札としての「九州ロータリー新幹線」について,夢を語りたいと思います(小夢爺・加賀山)。
- 第3に,それでは,何でも回せばよいかというとそうではない。大切なことは,将来を託す次世代に対して,借金の付けを回してはならない(先送りしてはいけない)。むしろ,次世代がAIによって職を奪われないように,AI時代の教育のあり方を展望し,我々の世代の責務として,「AIに負けない子どもを育てる教育環境」を整えるべきことを自覚しあうべきではないのか。以上の3点をもって,私の卓話を閉めたいと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:28,540人)
- 2019年11月9日(土) 晴れ
- 国際ロータリー第2720地区2019-2020年度地区大会の本会議(中津市文化会館)に参加しました。
- どちらかというと,上から目線でIRの方針を伝達するために開催されるという傾向のあった地区大会のあり方を改革し,「ロータリークラブの『会員の会員による会員のための』地区大会にする」という今期のガバナーの発案で,第1に,RI会長代理は呼ばない,第2に,大会の初めに,地区のRCの紹介を兼ねて「ガバナー補佐・会長の入場行進」をする,第3に,記念講演では,講師とフロアとの間の議論の時間を取るという新しい方式が実現された,記念すべき地区大会でした。
- 最初の入場行進は,まさに,甲子園の高校野球の入場式の方式を取り入れ,ガバナー補佐とクラブ代表にスポットライトをあてつつ,各地区の会員を紹介するという初めての試みが行われました。もっとも,女性の代表が軽やかな足取りで入場行進を行ったの対して,男性の代表の足取りはどこかぎこちなく,健康増進を兼ねて,行進の練習が必要だと感じました。次回からは,時間の短縮を含めて,行進の演出に一工夫が必要でしょう。
- お仕着せ的な挨拶をしがちなRI会長代理を呼ばないのは一つの見識だと思いますが,その代わりに,地区大会の決議(案)についての説明と議論は必要です。前日のガバナー補佐・会長・幹事会議で決議案に関して十分な説明と議論がなされたとはいえ(もちろん,私は,突っ込んだ質問をして議論を盛り上げましたが),本会議でも,決議案の説明と議論の簡略な紹介は必須であり,説明もなしにシャンシャン決議にしてしまったのは良くないと思いました。また,前日の地区指導者育成セミナーで議論の時間を,予告終了時間前であるにもかかわらず途中で打ち切ったのも,問題だと思いました(私は,パネリストを務めた若い人達に,先輩を見習って上を目指すだけでなく,従来のやり方についての批判的な考え方にも注目すべきではないかとの観点から,国連での16歳のグレタさんの発言についての感想を聞こうと思ったのですが,かないませんでした)。
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国際ロータリー第2720地区 2019-2020年度
地区大会 会場(中津市文化会館) |
立命館アジア太平洋大学・学長による記念講演「変態が改革する多様性社会」は,ゆっくりとした口調で会場の全員に語りかけるというやり方であり,しかも,歴史(たて)と各国との比較(よこ)を数字と図表を使って重要な問題点について論証していくというもので,会場の会員は,一人も寝ることなく,しかも,考え込んで静まりかえるというほどの素晴らしいものでした。講演を早めに切り上げ,質疑の時間を十分に取ったのにも感心しました。
- 私は,講演内容(日本企業が,①偏差値が程々で(大学では単位を取るだけの勉強しかしない),②上司のいうことをよく聞く素直な(面従腹背のことが多いが),③協調性のある学生ばかり採用していたのでは,(1)勉強熱心で,(2)個性(多様性)豊かで,(3)自己主張ができる人材を採用しているGAFAのようなグローバル企業にアイディア勝負で負け続けることは必至である。このままでは,日本に未来はない…など)のほとんどに賛成でしたが,多様性を強調する割りには,自身のAPU(アジア太平洋大学)が定年制という年齢差別を行っているのはおかしいと感じ,「おっしゃっていることと,やっていることにギャップがありませんか。」と,率直な質問をしました。
- 講師は,「私も定年制には反対しているが,理事会マターの問題であり,力及ばずの状態です」と回答されました。講演のときの素晴らしい論理展開,すなわち,定年制についての「歴史的展開,海外諸国の脱・定年制から導くことができる結論」を聞きたかったのですが,それは期待しすぎだったようです。
- 改革には,反対がつきものです。従来通りの地区大会の運営を望む人もいるのでしょうが,むしろ,ガバナーが意図する改革をさらに推し進め,地区大会をプレゼンと議論の場,すなわち,会員の対話集会(アクティブラーニングの場)への改革を加速すべきだと思いました。
- 来る11月20日(水)に中津ロータリークラブから依頼された外来卓話「ロータリークラブの先人に学ぶ-日出のロータリアン大夢翁・土屋元作中津との接点,そして,九州ロータリー新幹線の夢-」(仮題)の内容を詰める作業を続けます(第2日目)。
- 日出ロータリークラブ編『大夢翁 土屋元作』日出ロータリークラブ(1996)を読み直しています(第2日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:28,560人)
- 2019年11月10日(日) 晴れ
- 来る11月20日(水)に中津ロータリークラブから依頼された外来卓話「ロータリークラブの先人に学ぶ-日出のロータリアン大夢翁・土屋元作中津との接点,そして,九州ロータリー新幹線の夢-」(仮題)の内容を詰める作業を続けます(第3日目)。
- 日出ロータリークラブ編『大夢翁 土屋元作』日出ロータリークラブ(1996)を読み直しています(第3日目)。
- 母が愛用してきたミル付きの小型ミキサーの重要な部品が摩耗して動かなくなったので,日出の町の家電量販店で,ミル付きミキサーを購入しました。新しいミキサーは,刃の性能がよく,野菜の繊維も細かく粉砕してくれるので,口当たりよく食べることができるというのが,母の感想です。
- (HP訪問者の延べ人数:28,580人)
- 2019年11月11日(月) 曇り後晴れ
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中津ロータリークラブでの外来卓話のレジュメ(表紙) |
来る11月20日(水)に中津ロータリークラブでの外来卓話 「ロータリークラブの先人に学ぶ-日出のロータリアン大夢翁・土屋元作中津との接点,そして,九州ロータリー新幹線の夢-」 の内容を詰める作業を続けていましたが(第4日目),やっとレジメが完成し,中津ロータリークラブに送りました。
- その概要は以下の通りです。
- 自己紹介(小夢爺⇔大夢翁)
- 日出藩と中津藩との密接な関係と今後の協力関係
- Rotaryの多様な意味
- 回すべきもの
- 地球規模の循環,経済循環,人事交流
- 九州ロータリー新幹線の構想
- 回すべきでないもの (次世代への付け回し)
- 2030年の未来予測
- 確実に起こる現在の職業の消滅と交替
- 大学教育改革と連動する小学校からのAI教育
- 大学入試問題も例えば,次のように改革される
- 次世代の自立のための教育をサポートしよう
- 自立のための教育とは何か?(マズローの欲求5段階説に即して)
- 自立のために要求される能力とは?
- ロータリアンが未来の世代に奉仕できることは何か?
- 2019年11月12日(火) 晴れ
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
- リハビリの効果が出てきたようで,以前と同じくらいに歩けるようになってきました。ありがたいことです。
- ロータリアンである病院長から,土屋元作に関連する資料のコピーをいただきました。中津での外来卓話の質疑応答に利用できそうです。
- 日出ロータリークラブの例会に出席しました。
- 今回の例会は,黒沼グラウンドに集まって行われました。例会の後,近隣のロータリークラブの対抗ソフトボール大会に備えての練習試合が開催され,日出ロータリークラブの職場の若い人たちの助けを借りて,2チームでの練習試合が行われました。
- 私は,球技は苦手なので,おとなしく応援に回っていたのですが,最後にバッターに駆り出されました。仕方なくバッターボックスに入りましたが,空振りの連続で,三球三振に倒れました(以後は野球とかソフトボールの試合に駆り出されることはなさそうです)。
- (HP訪問者の延べ人数:28,620人)
- 2019年11月13日(水) 晴れ後曇り
- 日出町の中央公民館で開催される「英語を読もう会」に参加しました(第1回目)。
- 入会を勧めてくれた方の話では,日出町で英語の好きな仲間(8名)が集まって,担当者が選んだ英文(シャーロックホームズの冒険,マザー・グースなど)を読んだり,会話を楽しむ会だとのことでした。
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谷川俊太郎(訳)=
和田誠(絵)=平野敬一(監修)
『マザー・グース』①
講談社文庫(1981) |
今回は,担当者の関係で,マザー・グース(Mother Goose)を読むということですが,教材については,詳細が分からないので,私が購入したマザー・グースの本(谷川俊太郎(訳)=和田誠(絵)=平野敬一(監修)『マザー・グース』①~④講談社文庫(1981))を持参して,様子を見ることにしました。
- 最初に取り上げられたのは以下の詩(つむじ曲がりのメアリさん)でした。担当者の朗読に併せて全員が詩を読み,担当者が詩の意味を解説しました。
- Mistress Mary, quite contrary,
How does your garden grow?
With silver bells and cockle shells,
And pretty maids all in a row.
- silver bellsについて,樹木の名前なのか,祭鈴(Sanctus bells)なのかで解釈が分かれましが,Maryの歴史的解釈も紹介され,担当者がよく勉強されているのがわかりました。
- 2つ目は,ねこ ねこ こねこ どこにいた?(Pussy cat, pussy cat, where have you been?)の原型である以下の詩(お嬢さん,お嬢さん,どこに行っていたの?)でした。ただし,上記の本には収録されていませんでした。
- Little girl, little girl, where have you been?
Gathering roses to give to the queen.
Little girl, little girl, what gave she you?
She gave me a diamond as big as my shoe.
- 3つ目は,以下の詩(おほしさま おほしさま)でした。
- Star light, star bright,
First star I see tonight,
I wish I may, I wish I might,
Have the wish I wish tonight.
- 「3行目のwishは,すべて動詞ですが,4行目の最初のwishは,最後の節(I wish tonight)が修飾節となる名詞であり,4行目全体で,『今夜のお願いがかなえられますように』と解釈できます」という担当者の説明は,見事でした。
- 4つ目は,以下の詩(ばあさん ひとり)でした。
- There was an old woman
Lived under a hill,
And if she's not gone
She lived there still.
- 担当者は,従来の解釈を踏まえて,「『どっかに行っていなければ今もいる』という当たり前のことを言っているようです」と説明したのですが,会員から「死んでしまっていなければ(If
she's gone),今でも生きている(She lived)」とも解釈できるのではないかとの疑問が出ました。
- 私は法律家の視点から,「この詩は,法律の観点から見ると,『いったん権利等の発生(出生による権利能力の発生を含む)が証明されると,その消滅(死亡による権利能力の喪失を含む)が証明されるまでは,存在(生存)するということが推定される』という,『存在証明』に関する重要な法則を述べており,深い意味を持つ詩だと思います。ただし,詩の中で描かれている状況としては,一人暮らしのおばあさんに,ご機嫌伺いに行こうという場合にいおいて,その行動を説得的(論理的)に促がしているのではないでしょうか」と発言して,「面白いことをいう人だ」と,皆さんに喜んでもらうことができました。
- 5つ目は,以下の詩(ゴータムむらの おりこうさん)ですが,時間が来たので,朗読だけにして,解釈は次回にすることになりました。
- Three wise men of Gotham,
They went to sea in a bowl,
And if the bowl had been stronger
My song had been longer.
- その後,英会話の時間にレストランでの食事が終わった後の支払いとチップの扱いを取り上げた以下の会話練習を行って,今回の「英語を読もう会」は,定刻通りに終了しました。
- A: I'd like to pay by credit card.
B: Sure. Would you like to leave a tip?
A: OK. How much is usual?
B: About 15%.
A: Sure. Add that to the check.
B: Thank you very much.
- 私としては,初めての参加だったのですが,会員の方々がとても親切で,楽しいひとときを過ごすことができました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,640人)
- 2019年11月14日(木) 曇り後晴れ
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復しました。
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園部逸男=藤原静雄(編)
『個人情報保護法の解説』
ぎょうせい(2018/2/15) |
園部逸男=藤原静雄(編)個人情報保護法制研究会『個人情報保護法の解説』〔第二次改訂版〕ぎょうせい(2018/2/15)を読み始めました(第1日目)
- 本書の構成は,以下の通りです。
- 第1編 個人情報保護法の意義と法改正〔平成27(2015)年〕の意義
- 第2編 個人情報保護法の立案から改正に至る経緯
- 第3編 逐条解説〔第1条~第88条,附則〕
- 第4編 EUの個人情報保護法制の動向-ヨーロッパデータ保護一般規則(GDPR)の概要
- 第5編 参考資料
- 「個人情報の保護に関する法律」関係
- 国際的な取組みの動向
- 公的分野における個人情報の保護
- 平成27年改正法の概要(①個人情報の定義の明確化及び本人の同意を得ない第三者提供の特例(オプトアウト)の原則禁止,②匿名加工情報という概念の創設,③データベース提供罪の新設,④個人情報保護委員会の新設など)が,詳しく説明されており,AI教育においても,この改正の要点であるビッグデータの利活用の制限を理解させることが必須となると思います。
- (HP訪問者の延べ人数:28,650人)
- 2019年11月15日(金) 晴れ
- 医学,薬学の臨床教育の現場を見学して総合的なAI教育のあり方を探るため,延岡と宮崎に出張します。
- 園部逸男=藤原静雄(編)個人情報保護法制研究会『個人情報保護法の解説』〔第二次改訂版〕ぎょうせい(2018/2/15)を読み続けています(第2日目)
- (HP訪問者の延べ人数:28,670人)
- 2019年11月16日(土) 晴れ
- 明治学院大学・消費者法研究会に出席するため,東京に出張します。
- 園部逸男=藤原静雄(編)個人情報保護法制研究会『個人情報保護法の解説』〔第二次改訂版〕ぎょうせい(2018/2/15)を読み続けています(第3日目)
- 田所雅之『入門 起業の科学』日経BP社(2019/3/4)を読み終わります(第4日目)。
- 寺子屋ひじ塾でAI教育を実施する場合のリーンキャンバスを作成してみます。
- (HP訪問者の延べ人数:28,700人)
- 2019年11月17日(日) 晴れ
- 宮崎・東京・京都のへの出張を終えて,大分に帰ります。
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黒川伊保子『夫のトリセツ』
講談社+α新書(2019/10/17) |
列車の中で,駅中の書店で衝動買いした黒川伊保子『夫のトリセツ』講談社+α新書(2019/10/17)を読みました。 - 以前,同じ著者の『妻のトリセツ』講談社+α新書(2018/10/20)を読んだときは,その前に,名著である織田隼人『妻の相談にのってはいけない』学習研究社 (2009/07)を読んでいたので,あまり新規性を感じなかったのですが,今回の『夫のトリセツ』は,女性だからこそ書けるのだろうなという点で,とても読みごたえがありました。
- トリセツ(取扱説明書)というと,ヒトをモノ扱いしているようですが,以下の点で,なかなか意味深な命名方法だと思います。
- 第1に,機能が単純な機械なら,トリセツを読まずに操作しても失敗しないかもしれませんが,妻や夫のトリセツを読まずに操作すれば確実に失敗します(妻は傷つき,夫は壊れます)。
- 第2に,どんな複雑な機械でも,従来の機械なら,トリセツをしっかり読めば,うまく操作ができました。しかし妻や夫は,ヒトなので,チューニング(教育)次第で,トリセツの対象の機能自体が進歩したり退歩したりします。したがって,妻や夫のトリセツは,近未来の「AIロボット」のトリセツと同じように考えたら良いことがわかります。トリセツを読んだだけでは不十分で,機能を高めていくためには,試行錯誤を重ねなければなりません。
- そのように考えると,妻や夫のトリセツをよく読まず,チューニングを怠って失敗しているのが,うまくいっていない多くの婦夫の実態であるように思います。したがって,若い人たちは,結婚する前に,名著である織田隼人『妻の相談にのってはいけない』学習研究社
(2009/07),または,黒川伊保子『妻のトリセツ』講談社+α新書(2018/10/20),並びに,本書(黒川伊保子『夫のトリセツ』講談社+α新書(2019/10/17))を読んでおくことが,幸せな結婚生活を送るうえで重要であるように思います。
- 本書は,日本の夫を世界水準に引き上げるための以下のような長期的な戦略(お手本と説明と訓練)を提言している点でも,お薦めの本です(本書39-40頁,44頁)。
- 母親が息子にかけることばが「宿題やったの?」「早く,お風呂に入って」「グズグズいない!」なんていう目的指向のことばだけだったら,対話法が成熟しないまま大人になってしまう。しかし,多くの日本の善良な家庭が,そうしている。
- 親が子どもに,「お母さん,こんなことがあってさぁ。なんだか,釈然としないわけ」とか,「アメリカの貿易戦争,悩ましいわね,トランプ大統領,どう思う?」なんて,話しかけたりしないお国柄なのだ。一緒に映画を観ても,「私はここが心に響いたわ。あなたは?」なんて聞かないし,同じファンタジーやミステリーを読んで感想を言い合うこともない。
- 家族と,「腹減った」「のど渇いた」「宿題やりなさい」「弁当箱出しなさい」くらいしかことばを交わさないものだとしたら,男の子は,どうやって対話術を身に着けるの?
- 夫のこともなんとかしなきゃいけないが,息子のいる方は,息子のことを考えよう。
- 幼児のうちから,彼を「一人前」と見なして「あなた,どう思う?」と聞いてやるといい。私自身は,離乳食を出すときも「お口に合うかしら?」と話しかけていたくらいだ。将来,対話のできる母と子になるために。未来の彼の妻のために。
- 本書の帯には,キャッチフレーズとして,「話が通じない,思いやりがない,わかってくれない,とにかく気が利かない…それでも,夫をあきらめない。夫婦70年時代のバイブル!」と書かれています。それもいいのですが,私なら,以下のように書きたいところです。
- 【危険】このトリセツを読まないと,夫の機能を十分に引き出せません。それどころか,妻は傷つき,夫は壊れます。
- 【効用】このトリセツをよく読むと,夫はもちろんのこと,息子も孫息子も,すべての身近な男(舅を含む)を「話が通じ,思いやりがあり,分かりあえて,しかも,よく気が付く」という「世界標準の夫」に育て上げることができます。
- 本書には,著者自身の経験談が,失敗例も成功例も含めて紹介されていて,楽しめます。離婚の危機を乗り越えた際のエピソード(本書47-49頁),男の上司から受けた最高のアドバイス(本書74頁)など,ゆっくり味わうべき個所が沢山あります。私の好きな「著者の自慢話」は以下の通りです(本書56-57頁)。皆さんも,息子さんや孫息子さんに試してみましょう。
- わが家の息子は,小学2年生から,ファミレスだって,我先に座ることがない。すべての年上の女性が無事に座ったのを確かめてから座る。階段を昇り降りするときは,その場で一番年上の女性を気遣い,エレベータに乗るときはボタンを押して,その場のすべての女性を通す。ビルのドアは,当然開けたまま,後ろの他人まで通してあげる。
- …とはいえ,わが家の息子も素直に従ったわけじゃない。小学生のとき,「ママ,世界中の男がこれをしているって言ったけど,台東区じゃ違うみたいだよ」と言ってきたことがあった。私は,慌てず,騒がず,こう諭した。「あなたは世界に出ていく男でしょう?台東区で一生過ごすの?」
- 息子は,2秒ほど考えて,「世界と一緒でいい」とうなずいた。
- 園部逸男=藤原静雄(編)個人情報保護法制研究会『個人情報保護法の解説』〔第二次改訂版〕ぎょうせい(2018/2/15)を読み続けています(第4日目)
- 本書で最も難解と思われる第4章(個人情報取扱事業者の義務等)第2節(匿名加工情報取扱事業者の義務:第36条~39条)を読み終わりました。先に,中川裕志『プライバシー保護入門-法制度と数理的基礎-』勁草書房(2016/2/20)を読んでいたおかげで,具体的内容を理解しながら読むことができました。
- 来年の最初の明治学院大学・消費者法研究会で,中川裕志『プライバシー保護入門-法制度と数理的基礎-』勁草書房(2016/2/20)を題材にして,情報の専門家に匿名加工の数理的基礎について,解説をおねがいできることになったので,今から楽しみにしています。
- (HP訪問者の延べ人数:28,710人)
- 2019年11月18日(月) 晴れ後雨後曇り
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黒川伊保子『妻のトリセツ』
講談社+α新書(2018/10/20) |
黒川伊保子『夫のトリセツ』講談社+α新書(2019/10/17)がとても面白かったので,以前読んだことのある黒川伊保子『妻のトリセツ』講談社+α新書(2018/10/20)を読み直しました。
- 本書の表紙の帯には,「理不尽な妻との上手な付き合い方」と書かれています。トリセツだからそれでも良いのですが,すべてのトリセツと同様に,本書には,第1に,「してはいけないこと」(それをすると,取り扱う人(夫)を傷つける恐れがあるばかりでなく,本体(妻)を壊してしまう危険があること),第2に,トリセツを読むと,本体(妻)の「素晴らしい機能を余すことなく発揮できる」ようになることが書かれているのですから,トリセツに即した帯にする方が良かったように思います。なぜなら,本訴の構成は,以下のように,従来のトリセツと同じ構造を有しているからです。
- 第1章 辛い記憶「ネガティブトリガー」を作らない ~妻に嫌な思いをさせる発言と行動を知っておこう~
- 第2章 ポジティブトリガーの作り方 ~笑顔の妻が戻ってくる,意外に簡単な方法~
- したがって,『夫のトリセツ』の場合と同様に,『妻のトリセツ』にいおいても,以下のような帯がわかりやすいと思います。
- 【警告】このトリセツを読まないと,夫は大けがをし,妻も傷つきます。
- 【効用】このトリセツをよく読むと,実は意外に簡単な方法で「妻の笑顔」が戻ってくるようになることがわかります。
- 本書は,妻の笑顔を取り戻したい夫にとって,必読の図書だと思います。できれば,男が書いた,織田隼人『妻の相談にのってはいけない』学習研究社 (2009/07)も,妻には内緒で,読んでおきましょう。脳科学的な知識を仕込んで,毎日実行するだけで,人生は変わります。早すぎることも,遅すぎることもありませんので,ご心配なく。
- (HP訪問者の延べ人数:28,730人)
- 2019年11月19日(火) 曇り後晴れ
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
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落合陽一『2030年の世界地図帳
-あたらしい経済とSDGs,未来への展望-』
SBクリエイティブ(2019/11/22) |
落合陽一『2030年の世界地図帳-あたらしい経済とSDGs,未来への展望-』SBクリエイティブ(2019/11/22)を読み始めました。
- 本書は,2030年(SDGsの達成期限)に焦点を当てた未来予測の本ですが,地政学(世界地図帳),テクノロジー(AIなど),データ(人口統計など)を駆使した未来予測なので,興味をそそられて予約購入し,出版予定日よりも早く読み始めました。
- 「良いことか悪いことか」は,次世代の人たちのことを考えて判断すべきだと思いますので,信頼性の高い未来予測データに基づいて論理を展開している本書は,人を説得する際に参照すべき本だと思います。
- 本書の構成は以下の通りです。各章末の対談が興味深いので,構成に追加しておきます。
- 第1章 2030年の未来と4つのデジタル・イデオロギー 〔-アメリカン・デジタル,チャイニーズ・デジタル,ヨーロピアン・デジタル,サードウェーブ・デジタル-〕
- 落合陽一×安田洋祐対談(持続可能な経済発展は,そもそも可能か))
- 第2章 「貧困」「格差」は解決できるのか? -サードウェーブ・デジタルと個人の可能性-
- 落合陽一×池上彰対談①(アフリカの貧困地域のために何ができるか)
- 第3章 地球と人間の関係が変わる時代の「環境」問題 -GAFAMは「環境」と「資本主義」の対立を超えるか-
- 落合陽一×宇留賀敬一対談(エネルギーと地球温暖化について今世紀で起こっていること)
- 第4章 SDGsとヨーロッパの時代 -これからの日本の居場所を考える-
- 落合陽一×池上彰対談②(なぜ,世界の問題は解決できないのか)
- 地政学的な考察を踏まえた上で,最後の対談では,SDGsの批判的考察もきちんとなされていますので,精読したいと思います。
- (HP訪問者の延べ人数:28,740人)
- 2019年11月20日(水) 晴れ
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Arthur Conan Doyle,
"The Adventures of Sherlock Holmes"
講談社英語文庫(1944/4/15) |
中津のロータリークラブへ行く前に,日出町中央公民館で開催されている「英語を読もう会」に1時間だけ参加しました(第2回目)。シャーロックホームズの冒険のテキスト(Arthur Conan Dype,"The Adventures of Sherlock Holmes")を購入することができて,学習に励みが付きました。
- ところで,今回は,思わぬところで,議論が深まりました。本文の赤毛連盟への応募条件としての,"above the age of twinty-one
years"(テキストの13頁13行目)が,「21歳以上」なのか,「22歳以上」なのかという議論です。
- 日本語には,ある数よりも少ない場合については,age≦21(21歳以下),age<21(21歳未満),というように,微妙な違いを示す良い言葉があります。ところがこれとは反対に,age≧21(21歳以上)という言葉はありますが,age>21に対応する日本語がありません。もちろん,「21歳超」という言い方は存在するものの,日常語として使われることはありません。
- したがって,"above 21years"とか,"over 21 years"とかを日本語に訳すのはむつかしいわけです。「21歳超」とは言わないわけですから。
- この「英語を読もう会」のすごいところは,次のような質問が出るところです。
- 「年齢は連続的だから,21歳になった次の1秒以後は21歳を超える。したがって,above 21yearsは,22歳以上ではなくて,21歳以上と訳してよのではないか?」
- 帰宅後,ググってみたら,"above 7"には,7は含まれないが,7.1は"above 7"に含まれると記述されていました。
- つまり,"above the age of twinty-one years"には,21歳1カ月の人が含まれるわけですから,この訳は,「21歳以上」で正しいということになります。年齢は連続数であり,小数点をも考慮に入れる必要があるからです。
- 中津ロータリークラブから依頼されていた外来卓話「ロータリークラブの先人に学ぶ-日出のロータリアン大夢翁・土屋元作中津との接点,そして,九州ロータリー新幹線の夢-」(PowerPoint,PDF)をグランプラザ中津ホテルで行いました。
- 日出ロータリークラブ以外のロータリークラブの例会にゲストとして出席するのは初めてで,例会の運営について,参考になる点をたくさん見つけることができました(配布される『ロータリーの友』について,係の人が事前に読み込んで,前に出て説明するなど)。
- 落合陽一『2030年の世界地図帳-あたらしい経済とSDGs,未来への展望-』SBクリエイティブ(2019/11/22)を読んでいます(第2日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:28,770人)
- 2019年11月21日(木) 晴れ
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
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≪4層の産業構造≫
落合陽一『2030年の世界地図帳
-あたらしい経済とSDGs,未来への展望-』
SBクリエイティブ(2019/11/22)291頁 |
落合陽一『2030年の世界地図帳-あたらしい経済とSDGs,未来への展望-』SBクリエイティブ(2019/11/22)を読み終わりました(第3日目)。
- 2030年を考える上で,さまざまな新しい知見を得ることができました。
- 右の図のように産業構造を地政学的な以下の4つの視点でとらえると,世界の動きがよくわかります(本書291頁)。
- 第4層:法と倫理の層 …ヨーロッパ主導の法の支配
- 第3層:情報の層 ………アメリカと中国が激突
- 第2層:工業の層 ………中国による世界の工場
- 第1層:資源の層 ………中東およびアフリカ
- また,SDGsを支えるESG(Environment, Social, Governance)も,暴走しがちな市場経済を法と倫理によってコントロールし,そこから新しい価値を引き出そうとする方法と捉えると,よく理解できます(本書292頁)。
- さらに,行き過ぎの感のあるGDPR(General Data Protection Regulation)も,以下の記述を読むとその背後にある思想を理解することができます(本書298頁)。
- ヨーロッパがこれほど個人情報の保護に強くこだわる理由のひとつには,歴史的な背景が挙げられるでしょう。
- 第二次世界大戦中,ナチスドイツはデータベース化された個人情報を迫害に利用していました。当時,まだ電子計算機はありませんでしたが,パンチカードによるデータ処理機器を製造していたデホマグ社(当時のIBMの子会社)がナチスドイツに提供した技術によって,ドイツ国民の個人情報はデータベース化され,そこからユダヤ人やロマ人,同性愛者らがデータとひもづけられていった悲しい歴史があるのです。
- 本書の結論のひとつは,以下の通りです(本書313頁)。
- SDGsのもたらす理念の傘の下で,そのサスティナブルな生態系に最適化された独自技術〔省エネ性能など〕を見極めていく。SDGsに「乗る」というより,地政学的な条件に合わせてむしろ「使っていく」というスタイルは,我々日本にとって効果的な戦略になりうるでしょう。
- 人類が絶対に起こしてはいけないAIロボットとの戦争がですが,もしも,人類vs.AIロボット戦争が勃発したときに,人類が生き残れる唯一の道は,すべての電源を破壊し,電気のない社会に復帰することだと思います。それを実現しつつ「高度で循環型の産業社会を実現していた江戸時代」の文化を引き継ぐことが,本書が提唱する日本の復権へのもう一つのヒントになるのではないかと,私は考えています。
- (HP訪問者の延べ人数:28,790人)
- 2019年11月22日(金) 曇り
- 10月21日に初めて参加して以来,用務の都合で参加できなかった日出町保健福祉センターで開催されるダンス教室(ソシアル)に,久しぶりに参加します(第2回目)。
- マンボ,ルンバ,ジルバ,ブルースに続いて,待望のワルツの練習が追加されました。
- 初心者なので,初めの1ステップずつですが,少しずつマスターしていきたいと思います。
- 民法学研究会に参加して議論を盛り上げるため,京都に出張します。
- (HP訪問者の延べ人数:28,810人)
- 2019年11月23日(土) 晴れ
- 京都の家に泊まってみて,気づいた点(台所の水はけ,郵便受けの仏語運土)を不動産屋に報告して,修理してもらいました。
- 民法学研究会に参加して議論を盛り上げました。
- 報告:「『お布施』の法的意味ー消費者の視点から」
- 一方の当事者がある行為(読経など)を受けたことに対して,義務なくして任意の金銭を相手方に給付する行為(喜捨)というのが建前となっている「お布施」の法的性質についての報告でした。
- ただし,「お布施」の現実は,建前とは異なり,給付すべき金額が給付者の自由意思によって決められるのではなく,相手方によって決められたり,慣習上の相場によって決定されており,義務のない行為ではなく,贈与契約,請負契約,準委任契約のいずれか,または,複合的な契約に基づく義務の履行行為とも考えらるのではないのかというのが,結論を保留した報告者からの問題提起でした。
- 私としては,読経の対価として支払われるお布施は,私たち法律専門家が,講演によって主催者から給付される対価と同じようなものであり,準委任契約と考えるのが妥当ではないかとの問いかけをして,議論を盛り上げました。
- 他の会員からは,地方における「お布施」の事例,すなわち,建前とは異なる慣習上の義務となっている事例が詳しく紹介されて,議論がさらに盛り上がりました。
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エジソンランプの再現 |
京都旅行愛好会のメンバーから誘われて,洛西の京料理店「筍亭(じゅんてい)」で,筍の懐石料理をご馳走になりました。紅葉と竹のコントラストが美しい素敵な料亭で,おいしい料理とお酒をいただきました。
- 食事の後で,広い部屋に一角に飾られていた不思議な電球に目が留まりました。私は,これは,ひょっとすると,エジソンが電球を発明する際にフィラメントとして利用したといわれている伝説の「京都の竹を素材とした電球」ではないかと思い立ち,担当者に尋ねてみました。すると,まさに,それを再現した「エジソンの電球です」との説明を受けました。
- そして,担当者が部屋の明かりを消して,その電灯に電気を通すと,暗闇の中で電灯がほのかに輝き,紅葉と竹の外の景色が浮き上がってきて,まさに,幻想的な世界が出現し,メンバーから感嘆の声が上がりました。
- 「電球を見ただけで,よくエジソンの電球を連想できましたね。」と,京都旅行愛好会のメンバーからお褒めをいただき,メンバーと一緒に,しばし「洛西のかくれ里」の幻想的な夜景を楽しみました。
- その後,1994年に世界遺産に登録され,夜景が評判の「東寺」に移動して,ライトに照らされた美しい景色を鑑賞しました。
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ライトアップされた東寺 |
東京が寒波に見舞われているのとは正反対に,京都は,昨日以来とても暖かく,しかも,風のない晴天という好条件が重なって,東寺の美しい夜景を満喫することができました。 - 今日の民法学研究会で「お布施」の法的性質について議論したところだったので,ライトアップの拝観料としての1,000円が,観光客の任意の「喜捨」となっているかどうか,京都旅行愛好会のメンバーと意見を交わしました。
- 今日の天気,池に映った美しい東寺の写真,弘法大師の業績を拝見した気持ちとしては,1,000円を喜捨ということに,結果的には,異存はありませんでした。
- しかし,一律の料金を設定して前払いさせておいて,それを喜捨といえるかどうかは,なお,疑問の余地がありそうだと,私は考えました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,830人)
- 2019年11月24日(日) 晴れ後曇り
- 京大の留学生から,中国語会話のレッスンを受けます。第5課(牛肉麺真好吃)の続きです。
- いつもながら,文章の意味は取れても,聞き取りはむつかしいという状態が続いています。そして,今日は,以下の三つの単語の聞き取りと発音を徹底的に練習しました。非常によく使われる用語ですが,日本語にはない発音なのできちんと区別できるように練習を続けます。
- 你做 什麼(shénme)?………………What do you do?
- 這麼(zhème) 好!…………………What good!
- 你的甜點做得 怎麼(zěnme)樣? …How good do you make dessert?
- 先生も考え込むような以下の文章も出てきてレッスンがとても楽しくなってきました。
- 他做甜點做得不好。………He does not make desserts well.
- 他的咖啡賣得不好。………His coffee does not sell well.
- 最初の文章は,彼の能力に関わっている。つまり,彼はデザートをうまく作れない。しかし,次の文章は,たしかに,「彼のコーヒーはあまりよく売れない」のだが,それは,彼の売り方が悪いのか(他賣咖啡賣得不好),それとも,コーヒー自体がおいしくない(他的咖啡不好)から売れないのか,どちらともとれる。中国語のあいまいさではないのかというのが,先生の意見でした。
- 中国語を前に,ネイティブの先生が考え込まれたのが興味深かったです。この点は,中国語だけでなく,日本語も,英語も同じように二通りの解釈が可能になるのではないかと,私は思いました。
- 余りにも興味深かったため,さらに考察をつつけていくうちに,実は,最初の文についても,彼にその能力がないために,「彼はデザートがうまく作れない」という場合だけでなく,デザートのレシピとか材料とがよくないために,「彼はデザートががうまく作れない」という場合も含まれるのではないかと思うようになりました。
- つまり「V+得+C」の構文は,Cという結果・状況を客観的に表現するだけで,必ずしも,主語の能力を問題にしているわけではないのではないかと,初心者ながら考えるに至ったわけです。私は,聞き取りも発音もからっきしダメだけれど,文法だけは,結果はともあれ,大好きなんだなと自覚しました。
- 京都駅近くの行きつけの居酒屋で開催される民法学者のつどいに参加して,議論を行いました。
- 一部の参加者から末川民事法研究会に復帰するよう促されましたが,年金生活者に交通費をを支給してくれる人がいたら考えるねと,かわしておきました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,850人)
- 2019年11月25日(月) 曇り一時雨
- 民法学研究会への出席,および,中国語のレッスン,並びに京都(洛西,東寺)の秋景色を満喫して,大分に帰ります。
- 列車の中で,園部逸男=藤原静雄(編)個人情報保護法制研究会『個人情報保護法の解説』〔第二次改訂版〕ぎょうせい(2018/2/15)を読みつづけ,終わりました(第5日目)
- 本務校で担当している民法要論(第3回)のレポートの添削を行いました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,860人)
- 2019年11月26日(火) 曇り
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
- 日出ロータリークラブの例会(今回に限り昼例会)に出席しました。
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安部徹也
『最強の「イノベーション理論」
集中講義』
日本実業出版社
(2015/1/29) |
ゲストで外来卓話「イノベーション」をしてくださった日出町の町会議員(50歳代前半)は,九州大学卒で銀行に就職した後,アメリカのビジネススクールでMBAを取得した努力家で,卓話の内容もしっかりしていました。卓話の概要は以下の通りです。
なお,講師は,『最強の「イノベーション理論」集中講義』日本実業出版社(2015/1/29)という本を公刊されています。
- イノベーションとは何か
- イノベーションとは,私たちの生活を一変させ,世の中をより豊かに便利にするために重要なものです。またその経済的な成功のことをいいます。インターネットやiPone(スマートフォン)がその例です。イノベーションは,5つの分野(製品・サービス,生産方法,販路,原料の供給源,組織)の革新に及びます。地方でイノベーションを起こすときは,大掛かりなイノベーションを考えず,身近なイノベーションを掘り下げていくのが良いでしょう。
- 地方でのイノベーションとして,アルファリゾート・トマムの変革の例を取り上げます。
- バブル絶頂期に計画された北海道のアルファリゾート・トマムは,バブル崩壊とともに経営が行き詰まりました。
- そこで,星野リゾート経営を請け負い,資金をあまりかけずに再建築策を実施して成功を収めました。その方法とは?
- 冬には,厳しい寒さを利用し得て,カマクラや氷の建物をいくつも作り,「アイスビレッジ」と名付けて,冬の観光の目玉としました。
- 夏には,雲海ができるのを利用して,雲海を眺めながら食事ができる「雲海カフェ」夏の期間限定でオープンして,観光客の人気を博しました。
- このように,大切なことは,「考えること」です。事業の成功はお金がすべてではありません。お金があれば,かえって成功の妨げになることがあります。お金があると,失敗の可能性を深く考えることなく実行することが出来てしまうからです。しかし,深く考えずに実行すると大抵は失敗します。
- 「地方は都会と違って何もない,新しい価値など生み出すことはできない」と最初からあきらめないことです。地方には地方の素晴らしさがあります。イノベーションは新たなことへの挑戦です。難しい問題の解決によって,〔みんなのためになる〕豊かな生活に繋がっていくのです。
- どのような人物がイノベーションを起こすことができるのか?
- 常識にとらわれた思考,常識にとらわれた行動しかできない企業や経営者に決してイノベーションを成し遂げることはできません。重要なのは,視界の鋭さ,独立独歩の能力を持ち合わせ,それを,それを特殊に結び付けていく〔新結合〕能力であって,それこそが大切です。
- イノベーションを成し遂げた人たちは,世間的には変わった人(スティーブ・ジョブスなど)人が多く,自分の好むこと,夢中になれるものに取り組んだ人たちです。
- イノベーションを成功に導く心構えとは?
- アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームスは,以下のように,心構えを変えるだけで人生が大きく変わることにつながると主張しています。
- 心が変われば態度が変わる。→態度が変われば行動が変わる。→行動が変われば習慣が変わる。→習慣が変われば人格が変わる。→人格が変われば運命が変わる。→運命が変われば自制が変わる。
- このように人生をかえるほど重要な心構えですが,イノベーションを成功に導く心構えとは,実は,「諦めずに努力し続ける」ということなのです。
- 「自分の努力の方向は本当に正しいのか?」,つまり「真実かどうか?」と常に自問自答しながら正しい努力をすれば,時間はかかるかもしれませんが,いつか,夢は必ずかなうのです。
- ただし,正しい方向かどうかを見極めることは困難なことが多く,何度も決断を迫られる場面に出くわすことになります。その時の指針は,「迷ったらより難しい道,困難な道を選べ」です。多くの人は効率性を言い訳にして安易な道を選ぶから失敗するのです。困難な道を選んで,苦労することがその人の人間的な成長を加速させるのです。
- 成功しても,慢心してはいけません。成功を持続させることが必要です。これまでと同じ行動をとっていたのでは,成功を持続させることはできません〔イノベーションのジレンマ〕。成功を持続させる秘訣は,ダーウィンの進化論から学ぶことができます。
- 最も強いものが生き残るのか?……いや,そうではない〔最強の恐竜は絶滅したではないか〕。
- 最も賢いものが生き延びるのか?…いや,そうではない〔知恵者はかえって策に溺れるではないか〕。
- 唯一生き残るのは,変化できるものである。
- 近年は特に,私たちを取り巻く環境が急変する可能性が高くなっています。常に情報感度を高めて環境の変化に敏感にならなければ,厳しい状況に追い込まれることになります。常に進化=成長を心がけることが必要です。
- 最後に,進化=成長を続けるためには,自己投資が重要です。投資するお金がないという人でも,お金を書けない「時間の投資」を考えることが重要です。一日ではわずかな違いでも,自己投資をする人としない人とでは,5年,10年,20年と経つと大きな差になります。
- 会員からは,素晴らしい卓話のお礼と,今回話題となったトマムの施設を以前に利用したときの体験談とコメントがなされました。また,卓話の講師と会員との間で以下のような質疑応答が行われました。
- 質問:講師は,心理学者ウィリアム・ジェームスの言葉を引用して,「心が変われば態度が変わり,態度が変われば行動が変わり,行動が変われば習慣が変わり,習慣が変われば人格が変わり,人格が変われば運命が変わり,運命が変われば人生が変わる」とされました。しかし,これは,少しばかり安易に思われます。心構えを変えても,態度も行動も習慣も変わらない人が多いのが現実です。たとえば,「タバコ(酒)を止める」と重大決心しても,ほとんどが三日坊主で終わっています。ですから,この点は,むしろ,逆に言った方がよくはないでしょうか。つまり,「心構えを変えても,行動を変えなければ意味がない。行動を変え,それを習慣づけることができれば,人格が変わり,人生も変わる」といった方が説得的ではないでしょうか。
- 回答:確かに行動とその習慣づけは重要ですが,心構えを変えることが出発点なので,その点は揺るがないと思います。
- 質問:ダーウィンの進化論を引用するのであれば,「変化できるものだけが生き残る」とするのではなく,「環境の変化に適応して変化できるものだけが生き残る」とした方がわかりやすいのではないでしょうか。
- 回答:その通りですね。「適者生存」の考え方を明示しつつ,「変化」を強調するのが良いと思います。
- 今後は,日出ロータリークラブクラブと町議会との連携を考えると良いと思いました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,890人)
- 2019年11月27日(水) 曇り
- 日出町中央公民館で開催される「英語を読もう会」に出席しました(第3回目)。
- 今日は,時事英語の回でした。担当者が,周到な準備の下に,Peter Sharpの活動(Global Revolution of Kindness | TEDxPerth | Peter Sharp)に焦点を当てて,インターネットを駆使して解説を行ってくださまいした。(https://www.youtube.com/watch?v=K63XuRRw29o)
- 〔1〕Song : "Somewhere Over The Rainbow"
- 〔2〕I couldn't help but wonder what effect focusing on the negative news
stories had on the general pubic. Instead of getting angry and upset about
this negative focus, I thought I'll just create my own story.
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Peter Sharp, blindfolded in Spain
I trust you.
Do you trust me?
Let's hug ! |
〔3〕So, I went into a very busy public plaza with a few friends and I blindfolded myself with a sign at my feet. ≪I trust you. Do you trust me? Give me a hug.≫ "What am I doing here in this public space?" I was terrified. --- 15 seconds later --- An woman approaches, she asks "Why are you doing this?" I said, "I'm giving people opportunities to rebuild a sense of trust in pubic." She said, "All right." - 〔4〕I put that video on line a week later. And, before long it went completely viral.
(1) "I'm a Muslim. I trust you. Do you trust me? Let's hug."
(2) by an indigenous girl
So I knew now that this was no longer just a story at the end of the newscast. This
story was travelling by itself and was inspiring people to take action.
- 〔5〕A: I found my passion. I know why I'm here.
B: That's great. But when do you get serious about
life?
A: I'm serious. I've never been more serious in
my life.
--- (A:Peter Sharp,
B: His parents) - 〔6〕( ) the flags, ( ) the languages, ( ) the political preferences, ( ) the skin color, there is this humanitarian thread within us all, and
it desires, it wants to connect and find ways to feel like, it's a part
of the same human family, and that's exactly what we provided the people
on the 15th of October(in 2015).
- ... to be continued
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日本の最高裁にある正義の女神像
公正・無私を意味する「目隠し」をせず,
権力の象徴である「剣」を
振りかざしている(世界でも珍しい) |
私は,上記の文章を味わいながら(目隠しをしたテミス像を思い浮かべながら),わが国においては,国民に与えられた最高裁判所の裁判官の国民審査の権利(憲法79条2項~4項),すなわち,説明責任を果たさない専門家(権力者)を素人が罷免することができる権利を実質的に行使する運動をPeter Sharpが行った上記のような方法で行うことができればよいなと思いました。
- なお,最後の〔6〕の( )の答えは,次回のお楽しみということでしたが,「~とは無関係に(Independent of)」という意味で,「Neither nor ですか」と,担当者に尋ねてみたところ,「残念ですが,( )内の単語すべて,同じ単語で,しかも前置詞です」ということでした。私は,Beforeかな,Underかなと,いろいろ考えましたが,どれもハズレでした。
- 帰宅後,上記のTEDのヒアリングをしてみて,答えはわかりました。なんと,その答えは,最初に習った"The Wizard of Oz"の中で謳われている"Somewhere over the Rainbow"の歌詞にも出ていたのですね。担当者の教材作成の緻密さ・周到さには頭が下がります。次回(同じ担当の回は来月)が楽しみです。来週は,『シャーロックホームズの冒険』の続きです。
- 会話練習は,今回は簡単でした。トイレの表現がbathroomとか,restroomとかで,toilet(英語では,通常,便器の意味らしい)でない点が注意点でした。
- フランス語では,toilette は,化粧の意味で,日本でも,化粧水=オード・トワレ(eau de toilette)として認知されています。フランスでは,トイレの場合も,toilettes
と,複数形にして普通に使える(Où sont les toilettes? :トイレはどこですか?)ので,英仏の微妙な違いが実感できました。
- A: Excuseme, where's the bathroom?
- B: It's the second door on the right.
- A: Thank you.
- B: No problem.
- A: Excuse me, I'm going to the restroom. Could you keep an eye on my bags?
- B: Sure.
- A: Thanks. I won't be long.
- 午後に,日出町社協の責任者が来宅されました。
- これまで,朝の野菜ジュースと野菜のスムージーは,ヘルパーさんに来てもらって作っていただいたのですが,人手不足ということで,来月からは,私が出張する日だけヘルパーさんに来てもらうことになりました。
- その他の日は私と母とが分担して,野菜ジュースと,野菜のスムージーを作ることになりました。母も張り切っているので,一緒に作れば,何とかなりそうです。お出汁のきいた野菜中心の煮込みは,私がいつも作っているのですから。
- 人手不足は,日出町においても深刻な問題となっているようです。
- (HP訪問者の延べ人数:28,910人)
- 2019年11月28日(木) 雨後曇り
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,いつもは,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復するのですが,今日は雨で,自転車が使えないため,送迎車に一緒の乗せてもらい,買物と列車の予約等は,雨がやむ明日にすることにしました。
- 日出ロータリークラブの事務局から,前回の外来卓話のプレゼンファイルを基にして週報の記事をまとめるのが大変だという話があったので,外来卓話の概要をまとめてあげ,事務局にお送りしました。事務局の担当者に大いに喜んでいただきました。
- (HP訪問者の延べ人数:28,930人)
- 2019年11月29日(金) 晴れ
- 来る12月2日(月)に東京で開催されるAIカリキュラム検討会議に出席するため,列車および宿泊の予約をします。
- スーパーマーケットで買物していたら,先月退職された派遣の方も買物に来られており,声をかけられたのですが,普段着だったので私は気が付かず,数秒後にやっと気が付いて,久しぶりの会話を楽しみしました。
- 「わが国の文化・経済の発展を阻害する『同一性保持権』(著作権法第20条)の制限解釈について-法学分野の著作における創作性の厳格基準の必要性-」の改定を行います(第1日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:28,960人)
- 2019年11月30日(土)
- 「わが国の文化・経済の発展を阻害する『同一性保持権』(著作権法第20条)の制限解釈について-法学分野の著作における創作性の厳格基準の必要性-」の改定を行います(第2日目)。
- ダンス教室が休みなので,You Tubeで,ステップの復習をしました。
- 初心者の私にとって,絶望的とも思えるほどに難しいルンバのステップの基礎の基礎を復習しました。 You Tubeで見てみても,ステップだけでなく,腰の動きが難しい上に,その動きが余りにセクシーすぎて(自分の姿を想像するだけでおぞましい!),私にはなじめませんでした。
そこで,ルンバとマンボは諦めて,ひとまず,ジルバとブルースに集中しようかなと思いました。
- しかし,この腰の動きは,ひょっとして,阿波踊りの腰の動きを「腰を落とさずに,そして,足を曲げずにしているのかな?」と思ったとたんに,四国生まれの私は,その動きを少しばかり身近に感じることができました。
- もっとも,このような考え方は大間違いかもしれないので,次回(12月13日),私流の動きをしてみて,ダンスの先生のコメントをいただくことにしました。
- NHKスペシャル「ボクの自学ノート~7年間の小さな大冒険~」を観ました。「社会では通用しない」「変わった子」の落胤にもめげず,「自学ノート」作りを陰でサポートし続けた母親の涙が印象的でした。
- (HP訪問者の延べ人数:28,980人)
- 2019年12月1日(日) 晴れ後曇り後雨
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応接間に設置した本棚 |
朝早くからアルバイトの人が来てくれたので,1階の応接室の模様替えをしました。
- 小型テレビを大型テレビに入れ替え,来客時に,パソコンでのプレゼンテーションを大画面で行うことができるように設定しました。
- 本棚を運び込んで,私の著作物のほか,名画の解説本,栄養学・生物学の入門書,AIの入門書,その他,話題になっている本を並べて,お客との会話に対応した本を見てもらえるように,また,希望に応じて貸し出しもできるように,本の整理をしました。
- 荷物を運んでいるときに,腰に鈍痛を感じ,「えっ,ぎっくり腰か?」と焦りましたが,痛みは一瞬で収まり,そのまま仕事ができたので,安心しました。明日は東京に出張することになっているので,湿布をし,座り続けないようにして(勉強をお休みにして),腰をいたわることにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,000人)
- 2019年12月2日(月) 雨後曇り一時晴れ
- AIのカリキュラム検討のため,東京に出張します(腰の痛みはなくなりました)。
- 今回は,中川裕志『プライバシー保護入門-法制度と数理的基礎-』勁草書房(2016/2/20)を題材として,個人情報保護法の数学的基礎をどこまで学習の対象とするのかを中心に検討しました(第1回目)。
- 情報の専門家との意見交換を通じて,以下の点を確認しました。
- 理科系の学生に対して,情報共有の法的課題を理解させるためには,「会社は誰のものか」という伝統的な理論を辿ることを通じて,「個人情報は誰のものか」という問題についての様々な考え方の違い,および,今後の方向性を深めていくことが可能となる。
- このように考えると,情報の「広義の共有(狭義の共有,合有(組合),総有(社団等)を含む)」という法的視点から,個人情報の作成者の著作性,情報主体のキャラクター性(知財の課題)を統一的に理解することが可能となるのではないだろうか。
- 個人情報の保護と,個人情報の利活用とのせめぎあいについては,経営学的視点によるトレード・オフと数理的な視点による最適化との両面から考察すると,理解が早まるのではないか。
- 文科系の学生に対して,数理的基礎を理解させるためには,具体的な計算式を支えている情報理論の基本的な考え方を理解させることが重要である。
- プライバシーの匿名化における数理的基礎の数式において,log関数が頻繁に出てくるのは,有為な情報は構造化されており,それが,例えば,完全二分木で構成されている場合には,ある階層の情報の数は,2N,構造の深さはlog2Nで表現される。このことを理解していると,個人情報保護の数理的基礎にアプローチしやすくなる。
- 個人情報の匿名化については,上記の教科書には書かれていないが,クロード・シャノン(Claude Shannon)(1916年- 2001年)の情報理論の考え方(通信の基本的課題は,ノイズがある状態でも,ある地点で選択されたメッセージを正確または近似的に別の地点で再生することである)が基礎となっているので,その考え方,および,その妨害方法の概略を学習すると,暗号理論の理解も深められるので,文理を隔てている壁を乗り越えられるようになるのではないか。
- これらの問題については,具体的なカリキュラムに落とし込むことができるようになるまで,次回以降も検討を続ける予定です。
- その後,法と経営研究の査読を行いました。
- 査読を受けた結果を1週間後に返却すること,その後の再査読で査読を完結する,期限が守れない場合には,掲載は次号回しとすることにしました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,020人)
- 2019年12月3日(火) 晴れ
- AIカリキュラムの検討会議,および,『法と経営研究』の応募原稿の査読を終えて,大分に帰りました。
- 列車の中で,岩尻かおり『文系プログラマーのためのPythonde学び直す高校数学』日経BP(2019/3/18)を読み始めました(第1日目)。
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岩尻かおり
『文系プログラマーのための
Pythonde学び直す高校数学』
日経BP(2019/3/18) |
本書の構成は,以下の通りです。
- 第1章 コンピュータと「数」
- 位取り記数法,基数変換,負の数,2の補数,実数と浮動小数点数,実数誤差,文字や色の使い方
- 第2章 コンピュータの「演算」
- 算術演算,複合演算子,シフト演算,ビット演算,マスクとフラグ,論理演算,真理値表,論理積,論理和
- 第3章 方程式で図形を描く
- matplotlibでグラフ,方程式,関数,直線の方程式,比例式と三角比,三平方の定理,円の方程式
- 第4章 ベクトル
- ベクトルの演算,ベクトル方程式,内積,コサイン類似度,外積,ベクトルで面積を計算
- 第5章 行列
- 行列の演算,逆行列と連立方程式,図形の一次変換(移動,回転,拡大縮小),一次変換の組み合わせ,同次座標
- 第6章 集合と確率
- 集合とデータベース,試行と事象,順列と組み合わせ,重複順列,数学的確率と統計的確率,モンテカルト法と円周率
- 第7章 統計と乱数
- 母集団と標本,代表値,分散と標準偏差,共分散と相関係数,移動平均,回帰直線,乱数の注意点
- 第8章 微分・積分
- 差分と微分,変化率,導関数,極値,定積分と不定積分,原始関数,積分定数,曲線の接線,輪郭の抽出,円周と円の面積,球の体積と表面積
- Appendix ソフトウェア導入ガイド
- 第1章から第3章まで読み進めたところ,方程式のグラフを簡単に描けるとの記述に従って,"matplotbib"というモジュールをインストールして使ってみました。方程式が驚くほど簡単にグラフに変換されました。学生の頃にこんなソフトが利用できていたら,数学が好きになっていたと思います。
- この調子でゆっくり読み進めていけば,苦手な数学の良い復習になりそうです。
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日出RCの職場例会で作成した
クリスマスのスクエア |
日出ロータリークラブの職場例会に出席しました。
- 今日は,職場例会のため,日出ロータリークラブのメンバーがフラワーショップ「花精」の事務所に集まりました。そこで,通常通りの例会を開催した後,クリスマスのデコレーションのひとつとして,メンバー全員が,花精の主人の指導の下で,白樺の枠組みに飾り付けをして「スクエア」を制作しました。
- 花精側で,前もって,白樺の枠組みと飾りのもみの木などの品々が用意されていることもあって,和やかな雰囲気の中で全員が個性豊かなスクエアを完成させて,集会を終了しました。
- 例会の後に非公式の集まりがあり,現執行部から私に対して,次期の日出ロータリークラブの会長就任への打診があたので,内諾しました。
- 現会長の車で,自宅まで送ってもらい,出来上がった「スクエア」を応接間に飾りました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,040人)
- 2019年12月4日(水) 晴れ
- 日出町中央公民館で開催される「英語を読もう会」に出席しました(第4回目)。
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"What on earth does this mean?"
I (Watson) ejaculated. |
今回は,『シャーロックホームズの冒険』の「赤毛連盟」の続きです。シャーロックホームズを訪ねてきた赤毛のJabez Wilson氏が取り出した新聞記事をDr.
Watosonが読み上げ,その記事を紹介した使用人のVinent Spauldingの給料(市価の半額)と働きぶり(よく働くが写真狂)とについてコメントする個所です(Arthur
Conan Doyle, "The Adventures of Sherlock Holmes" 講談社英語文庫(1944/4/15)13-14頁)。
- 赤毛のWilson氏は,質屋(pawnbroker)を営んでいます。ここで,私は,法律家として,質(pawn)と抵当(mortgage)の関係を説明することにしました。抵当としてのモーゲージ(mortgage)をよく理解すれば,質と抵当との関係を簡単に理解できますという,興味深いと思われる話です。
- 質:目的物(動産が主流)を債権者が取り上げて融資する。質物を債権者が占有していることが命。質物を返してしまうと,質権は消滅する。
- 抵当:債権者は目的物(不動産)を取り上げず,債務者の下に置いたまま,融資をする。質の視点から考えると,フランス語では,死んだ(mort)質(gage) ということになる(mort + gage)。
- フランス語のmort(モール:死)は,英語のmortal(死すべき)と関連付けるとわかりやすい。フランス語のgage(ガージュ:質)は,英語のen_gage_ment(約束,婚約)と関連付けるとわかりやすいでしょう。
- つまり,モーゲージ(mortgage)という英単語の語源(死んだ(mort:目的物を取り上げない)質(gage) = 抵当(mortgage))さえ理解すれば,大学生でも間違えやすい「質」と「抵当」の区別が一挙にマスターできるというわけです。
- 今日は,会話の練習が休みとなり,時間が少し余ったので,and と or の法律上の厳密な区別について,追加して解説しました。
- and の翻訳(法律の場合)
- A , B and C ……… (訳)A,B 及び C
- (A and B) and C … (訳)A 及び B 並びに C
- A and (B and C) … (訳)A 並びに B 及び C
- or の翻訳(法律の場合)
- A, B or C ………… (訳):A, B 又は C
- (A or B) or C …… (訳):A 若しくは B 又は C
- A or (B or C) …… (訳):A 又は B 若しくは C
- 会員からは,具体例で説明してほしいとの質問がありました。
- 法律の実例だと内容が複雑すぎるので,次回,法律の入門書として定評のある吉田利宏『元法制局キャリアが教える法律を読む技術・学ぶ技術』〔改訂3版〕ダイヤモンド社(2016/5/26)66頁の例で解説することにしました。
- 問題1:空欄の一部に「又は」か「若しくは」を入れて文章を完成させてください。
- このチケットで飲み物( ) ハンバーガー ( ) チーズバーガーと交換することができます。
- 問題2:空欄の一部に「及び」か「並びに」を入れて文章を完成させてください。
- TVに2組の双子,おすぎ ( ) ピーコ ( ) まな ( ) かな が登場した。
- 上記の問題の解答と解説は,次回に行うことにします。
- (HP訪問者の延べ人数:29,070人)
- 2019年12月5日(木) 晴れ後曇り
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車で自宅と病院を往復します。
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日出ロータリークラブの目的
「求むるところは,和らぎ・睦び
努むるところは, 向上・ 奉仕」 |
日出ロータリークラブの事務局から来週開催される年次総会の議事次第が送られてきて,私に,次期会長の就任受諾演説の原稿の執筆を依頼されました。そこで,以下のような骨子の原稿を執筆しました。
- 次期会長として選出していただいた会員へのお礼
- 次期会長受諾の経緯
- ロータリー歴1年半という経験不足を克服するための会員各位への協力要請
- 会員各位の期待に応えるための次期会長としての抱負
- 会長の時間のスピーチ
- ロータリークラブの目的への立ち返り・奉仕活動の重視
- 日出町の次世代が自立できるように,学校等と協力して,生活設計能力の育成
- 地方創生のための大学の誘致活動 で日出町を大学のある町へ
- 日出町の発展のためのJRに対する署名活動,九州ロータリー新幹線の夢
- 結語(お金をかけずにアイディア勝負)
- (HP訪問者の延べ人数:29,090人)
- 2019年12月6日(金) 曇り
- ダンス教室が休みなので,You Tubeで,ステップの復習をします。
- 岩尻かおり『文系プログラマーのためのPythonde学び直す高校数学』日経BP(2019/3/18)を読み続けています(第2日目)。
- 第4章(ベクトル)を読みました。
- ベクトルの応用として,ベクトル方程式の空間図形の応用,ベクトルの内積の貢献度の測定への応用,ベクトルの外積の求面積への応用が興味深かったです。
- 注文していた茶谷直人『アリストテレスと目的論-自然・魂・幸福-』晃洋書房(2019/9/10)が届いたので,読み始めました(第1日目)。AI研究で難問とされる目的論の原点に立ち返るためです。
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茶谷直人
『アリストテレスと目的論
-自然・魂・幸福-』
晃洋書房(2019/9/10) |
- 本書の構成は以下の通りです。
- 第一部 自然
- 第1章 「自然の目的論」と機械論的自然観 (生成の設計図としての目的因)
- 第2章 自然と技術のアナロジー (「自然の目的論」の様式と適用範囲)
- 第3章 目的論と自然美 (目的論と知的快楽)
- 第二部 魂
- 第4章 『デ・アニマ』における魂の定義 (アリストテレスの身体理解)
- 第5章 アリストテレスは機能主義者か? (アリストテレス流機能主義と現代機能主義)
- 第三部 幸福
- 第6章 善のイデア説批判―善の帰一的多義性 (善のアナロギアと幸福論としての倫理学)
- 第7章 三つの愛―愛の帰一性 (善と愛の帰一的構造と幸福論)
- 第8章 快の種的差異―J・S・ミルと比較しながら (ミルの尊厳テーゼとしての快とアリストテレスの優れた快)
- (HP訪問者の延べ人数:29,110人)
- 2019年12月7日(土) 曇り 一時晴れ
- 茶谷直人『アリストテレスと目的論-自然・魂・幸福-』晃洋書房(2019/9/10)を読み続けています(第2日目) 。
- 第1部(自然)としての第1章(「自然の目的論」と機械論的自然観),第2章(自然と技術のアナロジー),第3章(目的論と自然美)を読み終わりました。
- AIが,人間の脳の模倣から出発しつつ,それを超える機能を有するようななったとしても,生きている人間のように,部分が全体のために機能し,脳と身体とが有機的に連携しているわけではないAIが,目的論的な思考になかなかたどり着けない理由が,かなり明確になったように思います。
- 岩尻かおり『文系プログラマーのためのPythonde学び直す高校数学』日経BP(2019/3/18)を読み続けています(第3日目)。
- 第5章(行列)を読んでいます。
- 私の高校時代には,数学の学習範囲に「行列」は入っていませんでした。大学に入ってから参考書で読んだ時も,手計算では手間がかかるだけで,何のありがたみも感じませんでした。その当時,コンピュータといえば,大型計算機のことをいい,入力はパンチカードを使い,繰り返し命令を間違ってしまうと,山のような無駄なプリンタ出力がなされるという時代でした。
- 今回,Pythonのモジュールを使うと,行列の掛け算も,ある行列を単位行列に変換する逆行列も簡単に算出できることがわかりました。そして,左辺の逆行列と右辺の行列の掛け算を使うと,連立方程式の解が簡単に求められることがわかりました。この原理が分かったので,行列の計算がとても身近に感じられるようになりました。
- 例えば,以下の左のような連立方程式の解を求めるとします。PythonのモジュールNumPyをインポートすると,それを以下の右のように表現できます。
- 5x + 3y = 9 left_sides = numpy.matrix([[5, 3], [2, 1]])
2x + y = 4 right_sides = numpy.matrix([[9],[4]])
- ここで,左辺の逆行列を求め,>>>以下のように,その逆行列に右辺を掛け合わせると,解(x = 3, y = -2)が算定されます。
- inverse_left_sides = numpy.linalg.inv(left_sides)
>>> inverse_left_sides * right_sides
matrix([[3.],
[-2.]])
- さらに,単位行列に似た変換行列を使うと図形の移動や変換が,matplotlib.pyplotモジュールを併用することによって,簡単にできることも分かりました。高校数学で「行列」を習わなかった世代ですが,行列による連立方程式の自動計算,および,簡単な図形の変換ができるようになって,コンピュータグラフィック(CG)世代とのギャップが少しだけ埋まったような気がします。
- (HP訪問者の延べ人数:29,140人)
- 2019年12月8日(日) 曇り後晴れ
- アルバイトの人が来てくれたので,客間に,本棚を1台追加し,白板を設置し,大型テレビででプレゼンテーションをしながら,白板を使った議論ができるようにしました。
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客間の模様替え。白板と書棚を追加しました。
プレゼンをしながら白板で議論ができるようになりました。 |
- 右の写真の反対側の場所に追加して設置した5段の本棚には,私がこれまで読んだ本で,しかも,来客に薦めることができる本を収納しました。 今後,貸出簿を用意して,返却の際に感想などを書いてもらうようにすると,良い記念になりそうです。
- パソコンの画面を常時大型TVで見ることができるように,TVの右側にパソコンを2台置ける操作台を追加し,配線にも工夫をしました。これで,ソファに腰かけた来客がプレゼンテーションの画面をはっきり見ることができるようになりました。
- 白板には,議論のプロセスを書き出すつもりです。試みとして,現在検討中の日出町の発展プロジェクトの概要を箇条書きにしてみました。
- これで,来訪者と精緻な議論をすることができるようになりました。 議論の経過は,スマホで撮影して,記録に残すことができます。
- 茶谷直人『アリストテレスと目的論-自然・魂・幸福-』晃洋書房(2019/9/10)を読み続けています(第3日目) 。
- 第2部(魂)のうち,第4章(『デ・アニマ』における魂の定義),第5章(アリストテレスは機能主義者か?)を読みます。
- この部分は,アリストテレスのテキストに関する注釈学派間の不毛な論争を彷彿とさせるものであり,現代生物学の観点からは,得るべきものがほとんどなかったように思われます。
- もっとも,本書を読みながら,「魂」については,筆者が本書でアリストテレスの考え方を詳細に検討し,今に引き継ごうとしているそのアリストテレス考え方の総体が,まさに,「魂」と呼べるものではないかと考えさせられました。そのことを確認できたことは,本書のこの個所を読んでみて良かったことだと思っています。
- (HP訪問者の延べ人数:29,160人)
- 2019年12月9日(月) 晴れ
- 茶谷直人『アリストテレスと目的論-自然・魂・幸福-』晃洋書房(2019/9/10)を読み続けています(第4日目) 。
- 第3部(幸福)のうち,第6章(善のイデア説批判―善の帰一的多義性),第7章(三つの愛―愛の帰一性),第8章(快の種的差異―J・S・ミルと比較しながら)を読み,本書を読み終えました。
- 生物学をかじっていたのが幸いして,本書の第3部は,よく理解できたように思います。
- 以前から,アリストテレス全集を読んでみたいとは思いつつも,量に圧倒されて諦めていたのですが,本書を読んで,アリストテレスの著作への興味が倍増したので,アリストテレス全集(全17巻)を研究費で購入することにしました。
- 明日の日出ロータリークラブ年次総会での「会長就任受諾の挨拶」の原稿を完成させて,事務局に送りました。
- 空気が乾燥しているせいか,右目の血管が切れて出血し,結膜の一部が真っ赤になってしまいました。読書のし過ぎかもしれません。目を休めることにします。
- (HP訪問者の延べ人数:29,180人)
- 2019年12月10日(火) 晴れ
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3年間愛用の電動アシスト自転車
バッテリーが壊れ,今は普通の重い自転車 |
日出町の丘にある家に引っ越してきてから,10km以上ある街に買物に出るのにいちいちタクシーを使っていたのでは,身が持たないので,引越しの時に持って来た自転車(ママチャリ)を使ってみました。しかし,自宅は海抜90メートル,買物先の町は海抜10メートルのところにあるため,途中は,坂道だらけです。このため,「行きは良い良い,帰りは怖い」となって息が切れます。そこで,電動アシスト自転車(15万円)を購入して,それ以来,坂道をスイスイと乗り越えてきました。
- ところが,購入から3年目の今日にして,ついに頼みのバッテリー(話題のリチウムイオンバッテリー)が壊れてしまいました。
- 仕方がないので,バッテリーを外して,街まで買い物に行ってみたのですが,電動アシスト自転車は発電装置が内蔵されている分,非常に重く,少しの坂道でも,こぐのが大変です。行きは良くても,帰りは,自転車から降りて,坂を上がるしかなく,大変でした。
- そこで,電動アシスト自転車を使うのを諦め,軽い自転車を注文しました。ところが,軽い自転車が届くまでに,1週間以上かかるとのことです。仕方なく,「電気のない生活(AIに負けない生活)」の体験のひとつとして,注文した軽い自転車が届くまでは,バッテリーを抜いた重い自転車で,街に買い物に行くことにしました。ものすごい筋トレだと思って,しばらく間耐えることにしました。
- 予想通りとはいえ,買物から帰ったら,冬なのに汗びっしょりです。直ぐにお風呂に入って足のマッサージをしました。この筋トレ生活がしばらく続きます。
- 日出ロータリークラブの年次総会に出席し,「次期会長の就任受諾の挨拶」をしました。 その後,不ラブの忘年会が開催され,次期執行部に期待することについて,アンケート用紙を配布しておきました。会員の要望に即したクラブ運営をするためです。
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奉仕を鼓舞する人になろう |
日出ロータリークラブ次期会長就任 受諾の挨拶の骨子は,以下の通りです。
- 1.次期会長として選出していただいた会員へのお礼
2.次期会長の受諾の経緯
3.ロータリー歴1年半という経験不足を克服するための会員各位への協力要請
4.会員各位の期待に応えるための次期会長としての抱負
(1) 「会長の時間」のスピーチ
(2) 「奉仕活動」の重視
(3) 学校・教育委員会との連携
(4) 日出町を「大学のある町」へ
(5) 「九州ロータリー新幹線」の夢
5.結語
- (HP訪問者の延べ人数:29,200人)
- 2019年12月11日(水) 曇り時々晴れ
- 令和元年 大分冬の交通事故ゼロ運動(7:30~8:00)に参加しました。
- 日出町長,日出町の生活課の職員と話す機会がありました。帰りに暘谷駅で福祉課の職員にも出会いました。
- 日出町中央公民館で開催される「英語を読もう会」に出席しました(第5回目)。
- 今回は,Peter Sharpの活動(Global Revolution of Kindness | TEDxPerth | Peter Sharp)の担当者による解説の続きです。
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今回は,World's Biggest Eye Contact Experiment (Global Video) に焦点を当てた解説が行われました。
- 〔7〕 WHERE HAS HUMANCONNECTON GONE ?
→ SHARE ONE MINUTE OF EYE CONTACT TO FIND OUT
- このWebサイトには,多くのコメントが寄せられており,そのうちの8件を検討しました。
- Watch 100,000 people share a minutes eye contact with strangers in public to find out! More than 156 cities participated in this inspiring shift of human connection on the 15th of October, 2015. More info can be found at the official website http://eyecontactexperiment.com http://theliberators.org
Share this message or create your own experiment to inspire global connection. The event took over a month working closely with local global hosts, videographers, photographers, volunteers and participants. We are eternally grateful for the MAGIC that has been created! Opening shot is from 13 seconds in is from Bangladesh
- 4年前 It's amazing how a simple thing like eye contact can make me feel so
warmed, I understand why they were crying, it made me cry too. In that
one.minute you actually start realize how is connection between people
important, but in today life it's harder and harder, when we're hiding
behind phones and computers. It's a really nice video.
- 3年前 i cried watching this, i have not cried in 10 years, but for some reason
this hit me in all the right spots to make me weep like a child.
We are not meant to hurt each other, it go's against our nature to do so, and when you break it down, we are naturally meant to love one another.
- 4年前 The world today needs healing so very badly. I love this. We need more
of this. Thank you for sharing!
- 4年前 In day to day life, I'm quite sure I wouldn't be able to hold eye contact
longer than 5 seconds, it just gets awkward. But this, I'd be down to try.
Wouldn't surprise me if I cry too!
- 3年前 Why did I start tearing up while watching this....
- 4年前 I cannot remember the people I've met any more than the meals I have
eaten, even so, they have made me.
- 4年前 Why do so many of them start crying? As someone who isn't a normie I simply
don't understand this video.
- 3年前 Why did tears run down my Face while watching this? Thank you for this
moment of humanity in our cold world... Pray for peace!
- 7番目のコメントが,他ののコメントと違って,ネガティブなコメントだったので,それを検討しました。
- 〔8〕上記のWorld's Biggest Eye Contact Experiment (Global Video) に出てきた国や都市の名前の発音練習をしました。
- 〔9〕最後は,以下の文章の穴埋め問題です。
- "We are like ( ) in the sea, separate on the surface, but connected in the deep."
~William James ~ (1842~1910, U.S.A, philosopher)"
- 会話練習の教材(次回以降も利用する)は以下の通りです。
- Part2-29
- A: Coke, please.
B: What size? Small, medium, or large?
A: Medium.
B: Do you want ice or lemon?
A: Ice, but no lemon.
B: In a glass or a takeout cup?
A: A glass, please.
- Part2-30
- A: Two burgers and two colas, please.
B: For two dollars more you can go extra-large.
A: No, thanks you.
B: For here or to go?
A: To go.
B: Here's your receipt. Please wait.
- Part3-1
- A: A hamberger, please.
B: Ketchup and mustard?
A: Ketchap. No mustard.
B: Anything to drink?
A: A coke, please.
B: What size? Small, regular or large?
A: Small, please.
- Part3-2
- A: Where should I get off for the art gallery?
B: Houston Street.
A: Could you let me know when we're on Houston Street?
B: Sure. Just sit near the front.
A: OK. Thank you very much.
- 帰りには,街で買い物をして,荷物でさらに重くなった電動アシスト自転車(バッテリーが故障したため,バッテリーなし)を押して,坂道の途中で何度も休憩しながら,家に帰りました。このため,今日も汗びっしょりのハードな筋トレを行うことができました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,220人)
- 2019年12月12日(木) 晴れたり曇ったり
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車(バッテリーが壊れたため,電動アシストがない重い自転車)で自宅と病院との間を往復しました。
今日も,ハードな筋トレ生活でした。
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アシストのない自転車を押しながら,
長く続く坂道を登って帰宅しました(自撮り)。 |
今まで,電動アシスト自転車に乗って,急こう配の坂をスイスイと超えていたのが,夢のように思われる毎日です。
- 車体が重いため,少しの上り勾配でも3段ギアをトップに切り替えないと進めません。何か所もある急勾配となれば,自転車を降りて,手で押し進むよりほかに手段はありません。
- 帰りの急な坂を何度も休憩しながら,自宅にたどり着いたときは,汗びっしょりでした。
- 電気製品は環境にやさしいとはいえ,充電には,火力発電所のお世話になっています。私は,自宅に太陽光発電機を設置して,電動アシスト自転車の充電は,それを使ってきましたが,太陽光発電の装置も,元をただせば,すべて石油製品です。
- 夏目漱石は,『草枕』で,山道を登りながら,「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」と述べています。私は,坂道を,バッテリーが壊れた電動アシスト自転車を手で押しながら,妄想に浸りました。
- AIとの戦争に負けない生活とか,環境にやさしい生活とは,脱石炭,脱石油,さらには,脱電気の生活ということになります。すなわち,私の大好きなコンピュータの代わりに,「紙と筆とソロバン」の生活へ,車の代わりに,「徒歩や牛馬」を使うという江戸時代の生活に逆戻りしなければなりません。
- というのも,電気は環境にやさしいというけれど,電気の供給源を石油とか,石油製品に頼っていたのでは,根本的な解決にはならないからです。
- しかし,電気に頼らない(空気,水,土,生物,火および金属だけに頼る)生活というのは,本当に体力がいります。その上,何をするにも時間が今の倍以上かかります。結局,考え方を改めて,江戸時代のような,ゆったりとした生活に戻るほか,環境問題の本当の解決はないのではないかと,買い物かごを積んだ自転車を手で押して,坂道を登りながら考えました。「とかく電気のない生活は暮らしにくい。」
- (HP訪問者の延べ人数:29,250人)
- 2019年12月13日(金) 晴れ後曇り
- 日出町保健福祉センターで開催されるダンス教室(ソシアル)に参加しました(第3回目)。
- ジルバの基本のステップにおける足の向き,クイックの軸足の位置を動かさない点について,詳しいアドバイスをいただき,改善することができました。その上で,第2段階に進むことができました。
- ブルースでは,第1回目のターンと第2回目のターンのの歩幅の違いについて,アドバイスをいただき,スムーズに動けるようになりました。その上で,第2段階に進むことができました。
- ブルースは,私の提起した阿波踊りの腰の動きとの比較検討で会員同士が盛り上がりました。先生からは,両者の違いについて,アドバイスを受けました。
- 明日の私情協「アクティブラーニング対話集会」(社会福祉・英語教育・法律学・社会学・教育学・統計学・統計学・国際関係学・コミュニケーション関係学グループ分野連携アクティブラーニング対話集会に出席して,「趣旨説明」と,最後の「まとめ」をするため,東京に出張します。
- 列車の中で,アンドレアス・シュライヒャー(著),OECD(編),ベネッセコーポレーション(企画・政策),鈴木寛=秋田喜代美(監訳),小村俊平=平石年弘=桑原敏典=下郡啓夫=花井渉=藤原誠之=生咲美奈子=宮美和子(訳)『教育のワールドクラス-21世紀の学校システムをつくる』明石書店(2019/9/8)を読み始めました。(第1日目)
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アンドレアス・シュライヒャー
『教育のワールドクラス
-21世紀の学校システムをつくる』
明石書店(2019/9/8) |
- 本書の構成の概略は以下の通りです。
- 第1章 科学者の視点から見た教育
- 第2章 幾つかの神話を暴く
- 1 貧しい子どもは成績が悪い。これは運命なのか
2 移民は学校システムのパフォーマンスを低下させるのか
3 より多くのお金を使えば教育は成功するのか
4 クラス規模が小さいほど成績が良くなるのか
5 学習時間が多いほど成績が良くなるのか
6 持って生まれた才能で教育の成功が決まるのか
7 文化的背景は教育に大きな影響を及ぼすのか
8 成績の良い生徒が将来教員になるべきか
9 能力別クラスで成績が良くなるのか
- 第3章 優れた学校システムは何が違うのか
- 第4章 なぜ教育の公平性はわかりにくいのか
- 第5章 教育改革の実現
- 第6章 今何をするか
- 第1章を読んだところですが,本書の立場は以下のように明瞭です。
- 教育の目標は,本来的には,過去の意義や重要性を伝えるとともに,次世代の若者が未来の課題に備えられるようにすることである。
- ところが,現在の学校制度は,産業化時代に生み出されたものであるため,個々の若者が未来の課題に備えられるようにすることよりも,画一化と規則遵守が重んじられ,生徒を集団で教育し,教員を在職期間中にただ一度だけ訓練するのが効果的かつ効率的とされてきた。
- しかし,インターネット社会の到来,特に,AI技術の発展によって,画一的で簡単に教えられるようなことは,容易にデジタル化,自動化され,現在の生徒が卒業する時には,従来の職業はその6割が消滅するとされている。そうだとすると,これまでの職業を前提にして,そこに就職できるように教育を行ってきた教師の役割はもとより,画一的な学校教育の意義は薄れてきている。
- したがって,これからの学校(大学を含む)は,まだ存在しない将来の仕事のために学び,想像しえない社会の課題に取り組み,まだ発明されていない技術を活用する準備のため,生徒(学生を含む)がかつてない急速な変化への準備をする場とならなければならない(本書40頁)。
- また,学校は,生徒が相互につながり合う世界で,異なる視点や世界観を理解し,他者を尊重して互いによくかかわりあい,持続可能で集団的複利のために責任を持って行動する準備の場とならなければならない。
- さらに,現代の社会は,様々な知識分野を統合し,以前は関係ないと思われたような考え方を結びつけることによって価値を創造するのであるから,生徒たちが,様々な分野の知識に精通し,受容する場としなければならない。
- 岩尻かおり『文系プログラマーのためのPythonde学び直す高校数学』日経BP(2019/3/18)を読み続けています(第4日目)。
- (HP訪問者の延べ人数:29,260人)
- 2019年12月14日(土) 晴れ後曇り
- 私情協「アクティブラーニング対話集会」(社会福祉・英語教育・法律学・社会学・教育学・統計学・統計学・国際関係学・コミュニケーション関係学グループ分野連携アクティブラーニング対話集会に出席して,「趣旨説明」と,最後の「まとめ」をします。
- 対話集会開催の趣旨説明
- 昨年度の振り返り
- 昨年度の対話集会では,知識習得型の授業から問題発見・解決型授業への転換について理解の共有を行いました。
- そもそも,教育には,①過去の知識を伝達するとともに,②次世代の若者が想像を超える未来の課題に備えられるようにする準備させるという2つの側面があります。
- ところが,従来の教育は,①知識の習得に重点が置かれ,②個々の学生が想像もつかない未来の課題に備えられるようにするということについては,後回しにされてきました。従来は,それでも,何とかなってきたのです。
- しかし,インターネット社会,特に,AIが人間の職業を脅かし,例えば,以前は花形だった銀行員は近々絶滅危惧種になるとか,現在の小学生が大学を卒業するころには,現在の職業の半数以上が,消滅しているとの予測がなされるようになった現在においては,これまでの職業を前提にして,それに適合するような知識の伝授を行っていたのでは,時代に適合しないことが明らかです。
- そこで,これからの大学は,(a)まだ存在しない将来の仕事のために学び,(b)想像しえない社会の課題に取り組み,(c)まだ発明されていない技術を活用する準備のため,学生がかつてない急速な変化への準備をする場とならなければなりません。
- そのようなわけで,昨年度の対話集会では,知識習得型の授業から問題発見・解決型授業への転換について共通理解が共有されました。
- その共通理解の具体的な内容は,例えば,SDGs(持続的な開発目標)の課題のように,「答えの定まらない社会的問題を取り上げる」,自立のための「時間や場所を越えた学びのプラットフォームの構築」,教育環境を整備するための「教員間及び教職員間との学習支援の連携体制」など,留意すべき課題を確認しました。
- さらには,現代社会は,従来の専門的で分析的なアプローチだけでなく,様々な知識分野を統合し,以前は関係ないと思われてような考えを結びつけることによって価値を創造していることにも留意しなければなりません。
- それらを考慮した上で,産業界,地域社会と連携した実践知を組み入れた教育のオープンイノベーションの重要性,思考力の向上を目指した分野横断フォーラム型授業の必要性,外部者のビデオ試問による思考力等の到達度点検・評価の必要性について理解を深めました。
- 今年度の検討課題
- そこで本年度は,これからの教育方法のあり方として避けて通ることができないPBL(問題発見・解決型教育)の推進に向けて,検討しておくべき教育体制及び教育方法等について論点を整理するとともに,学修環境としての学びのプラットフォームとファシリテータによる支援体制,ビデオ試問による思考力等の到達度点検・評価・助言の仕組みについて,意見交換を通じて実現可能性を探求することにします。
- 結語
- 参加される皆様方は,この対話集会が,まさに,アクティブラーニングの場であるとの認識の下,すべての参加者がアクティブラーニングを行っている学生の立場に立ち返って,この対話集会に積極的に参加し,発言し,この集会を意義あるものにしていただきたいと思います。
- 話題提供
- 話題提供(1)法律学…「ICTを活用した分野横断法政策フォーラム型授業」の実践と改善Ⅱ-実証実験から本格的運用をめざして」
- 話題提供(2)統計学…「価値創造型データサイエンス教育の取組み」
- 話題提供(3)社会学…「伝統文化の継承を図る調査演習(PBL)にICTを活用する授業改善の取組み」
- 話題提供(4)国際関係学…「映像制作を通じ,批判的思考力,想像力,倫理観,共生力を育成する授業改善の取組み」
- 話題提供(5)政治学…「SDGsの視点からICTを活用して国内外の課題解決を考察する授業改善の取組み」
- 話題提供(6)社会福祉学…「貧困,ホームレス問題の解決策を考察するPBLのの必要性と教育実践」
- 意見交流
- 意見交流(1):地域社会及びSDGsの課題解決を訓練するPBLの必要性と教育方法
- 意見交流(2):知の創造を目指すICT活用の分野横断フォーラム型授業の進め方と課題
- 意見交流(3):学びのプラットフォームづくりとファシリテータによる支援体制
- 意見交流(4):外部者のビデオ試問による思考力等の点検・評価・助言モデルの仕組みと導入に向けた準備,課題
- まとめ
- 私学会館あるアディアで,『法と経営研究』第3号の編集会議を開催しました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,290人)
- 2019年12月15日(日) 晴れ
- 私情協「アクティブラーニング対話集会」(社会福祉・英語教育・法律学・社会学・教育学・統計学・統計学・国際関係学・コミュニケーション関係学グループ分野連携アクティブラーニング対話集会での「趣旨説明」,討論,および,最後の「まとめ」を無事終了し,さらに,『法と経営研究』の編集会議を終えて,大分に帰ります。
- 列車に乗る前に,行きつけの理髪店(QBハウス)で,髪をカットしてもらいました。いつもお願いしている店員さんが風邪でお休みだったので,別のスタイリストさん(店長さん?)にカットしてもらいました。
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QBハウスで,
イノベーションのジレンマ
について話し合う |
- 顧客:余計な機能をカットして,値段を安くしていただくのは助かります。でもイノベーションは常に進化させていかないと,競争相手に負ける危険性があるので,レッドオーシャンにならない工夫が常に必要ですね。
客の立場で,技術的に改善すべき点を指摘させていただくならば,エアウォッシャー(掃除機)の音がうるさいので,低音の機種に変更するか,「QBイアフォン」とかのかっこよいヘッドフォンを準備して,お客さんに装着してもらうといいのではないでしょうか。
- 店長:今日,本社の人と意見交換する機会があるので,そのことを本社の人に提案してみます。
- 顧客:客の要望を聞いていただけると嬉しいですね。
- 店長:先日も,来店されたお医者さんが,「カットした髪を廃棄しているのはもったいない。私だったら,頭髪を失った人の医療用に使うというアイディアがあるんだが。」といっておられました。いつも,ごみ袋に何杯ものカットした髪を捨てていますから。
- 顧客:確かに,カットした髪を再利用できれば,「ゴミを出さないQB・Ecoハウス」というキャッチコピーが使えますね。頭髪は優秀な蛋白質ですから,処理をすれば,肥料にも再生できるし,シルクとかウールとかのように,吸湿性と発散性を兼ね備えた繊維にも再生できるのではないですかね。
- 店長:髪も蛋白質なんですね。
- 顧客:髪は,シルクやウールと同じく,動物繊維です。シルクやウールは,吸湿性だけでなく発散性が良いので,靴下にすると,足が蒸れなくていいですよ。カットした髪を原料にして繊維に再生するというのも一つのアイディアかもしれません。それでもうけが出れば,カット料金を値上げしなくて済みますね。
- 店長:ところで,私は,吸湿性がいいと思って,いつも「綿の靴下」をはいているのですが,足が蒸れるのはそのせいですか?
- 顧客:話がわき道に入ってしまいましたが,「綿」は,吸水・吸湿性はいいんですが,発散性が低いので,「綿の靴下」は足が蒸れやすいんです。ウールのたくさん入った混紡の靴下に替えてみて下さい。足が蒸れなくなりますよ。
- 店長:それは助かります。良い情報をありがとうございました。来月もお待ちしております。
良いお年をお迎えください。
- 帰りの列車の中で,アンドレアス・シュライヒャー(著),OECD(編),ベネッセコーポレーション(企画・政策),鈴木寛=秋田喜代美(監訳),小村俊平=平石年弘=桑原敏典=下郡啓夫=花井渉=藤原誠之=生咲美奈子=宮美和子(訳)『教育のワールドクラス-21世紀の学校システムをつくる』明石書店(2019/9/8)を読んでいます。(第2日目)
- 第3章(優れた学校システムは何が違うのか)を読み終わりました。
- 優れた学校かどうかは,以下の質問でわかるというのが印象的でした。
- 教職の地位はどれくらいか?
- 同程度の教育水準の他の職業に比べて教員の給与はどれくらいか?
- 自分の子どもを教員にしたいと思うか?
- メディアは学校や学校教育をどれくらい報道しているか?
- その学校で教育を受けると,すべての生徒が高い水準に達することができると信じられているか?
- その理由は,単純明快です。「学校システムの質が教員の質を上回ることはない」からです。
- さらに,「教員が生涯学習者にならない限り,生徒もそのようにはならない」という理由で,教員は,「定年」という「不条理な差別」を受けることなく,生涯にわたって学習をする権利と義務とを有することになります。
- 母がリハビリでお世話になっている病院の忘年会に参加しました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,310人)
- 2019年12月16日(月) 晴れ後曇り
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冠雪した富士山(車窓から) |
「 」の設立準備会に出席するため,東京に出張します。
- 法と経営学会の定款の第2バージョンを作成し,設立時理事・幹事の数だけコピーして準備を整えました。
- 列車の中で,アンドレアス・シュライヒャー(著),OECD(編),ベネッセコーポレーション(企画・政策),鈴木寛=秋田喜代美(監訳),小村俊平=平石年弘=桑原敏典=下郡啓夫=花井渉=藤原誠之=生咲美奈子=宮美和子(訳)『教育のワールドクラス-21世紀の学校システムをつくる』明石書店(2019/9/8)を読んでいます。(第3日目)
- 第4章(なぜ教育の公平性はわかりにくいのか)を読み始めました(第1日目)
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(HP訪問者の延べ人数:29,320人)
- 2019年12月17日(火) 雨時々曇り
- 「法と経営学会」の設立準備会を終えて,大分に帰ります。
- 列車の中で,アンドレアス・シュライヒャー(著),OECD(編),ベネッセコーポレーション(企画・政策),鈴木寛=秋田喜代美(監訳),小村俊平=平石年弘=桑原敏典=下郡啓夫=花井渉=藤原誠之=生咲美奈子=宮美和子(訳)『教育のワールドクラス-21世紀の学校システムをつくる』明石書店(2019/9/8)を読んでいます。(第4日目)
- 第4章(なぜ教育の公平性はわかりにくいのか)を読み続け(第2日目) ,この章を読み終わりました。
- 人の資産を形成する無体資産(特に技能)の特色について,考えさせられました。
- 命に係わる「泳げるという技能」,生活に役立つ,「自転車に乗れる技能」は,学習によってのみ習得可能です。しかも,これらの技能は,一度習得すると,長期間にわたって全く使わなくても,プロセス記憶なので,忘れるということがありません。
- いったん泳ぐ技能を習得すると,誤って池や川などに落ちても,とっさに泳ぐことができます。自転車に何年も乗っていなくても,いざという時にはちゃんと乗ることができます。この点が,使わないと忘れてしまう通常の「知識」と身につけた「技能」との差です。
- しかも,これらの技能は,有形資産(例えばお金)とは違って,他人に与えるとなくなるということもありません。他人にその技能を伝授しても,自分の技能が増える(より洗練される)ことはあっても,減ることは決してなく,しかも,伝授された相手は喜びます。その意味で,技能は,盗まれることもありません。失うことがないので,惜しみなく与えることができるのが技能なのです。
- コマを回したことのない甥っ子に,コマの回し方を教えたことを思い出しました。全くコマを回したことのない甥が少しずつまわし方のコツを習得し,回せるようになった時のうれしそうな顔を今でも覚えています。技能を教えるということ,教育の核心とは,そういうことなのだと改めて実感しました。
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マズローの欲求5階層説 |
マズローの欲求5階層説を考慮しつつ整理するならば,自立のための技能の伝授は,以下のプロセスを踏むように設計することができそうです。
- ①命に係わる技能(水泳,護身術,避難術など)の伝授
- ②健康に生きていくための技能(栄養学に基づく調理法,筋トレ法など)の伝授
- ③文化的な生活を送るための技能(生活設計技能,読書法,楽器の演奏技能など)の伝授
- ④平和を実現するためのコミュニケーション技能(礼儀作法,それをあえて外して人を笑わすことのできる技能,話を聴く技能,議論の技能(ソクラテス,アリストテレス~トゥールミンの議論の技法)など)の伝授
- ⑤人に尊敬されたり,自己実現をするための技能(一般教養,専門的技能,ユーモアの技能,論文の書き方・博士号の取り方など)の伝授
- これらの技能を修得させて,どんな時代になっても自立できる人を育てるのが,教育の目標なのでしょう。
- 本書を読みながら,私はそれらの教育技能をすでに習得していること,しかも,あくなき挑戦としての生涯学習(論文の執筆,カラオケ曲の暗唱,古典・中国語の学習,Pythonプログラミング技法の学習,高校数学の学び直し,ダンス教室でのステップの学習)を続けていることを確認することができました。
- 定年制という差別的な制度によって,このような有能な高齢者(上記の技能を取得している団塊の世代など)を,大学教育から追放している国立大学法人とか,ひいては,定年制を合法化している日本という国は,大損をしていることに,そろそろ気づくべきではないでしょうか。
- 日出ロータリークラブの例会に出席します。今回は前期の反省会です。
- クラブ細則の改正を細則第16条に則ってやり直すことを提案して,了承を得ました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,350人)
- 2019年12月18日(水) 雨後曇り後晴れ
- 日出町中央公民館で開催される「英語を読もう会」に出席しました(第6回目)。
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Mr. Jabez Wilson (left) &
Mr. Vincent Spaulding (right) |
今回は,『シャーロックホームズの冒険』の「赤毛連盟」の続きです。シャーロックホームズを訪ねてきた赤毛のJabez Wilson氏が自己紹介をして,使用人のVinent
Spauldingの給料(市価の半額)と働きぶり(よく働くが写真狂)とについてコメントする個所です(Arthur Conan Doyle, "The
Adventures of Sherlock Holmes" 講談社英語文庫(1944/4/15)14-15頁)。
- employer(使用者:雇い主)とemployee(被用者:労働者)との対比が出てくるので,雇用契約における民法の用語法(使用者 vs. 労働者(民法642条)又は被用者(民法715条))の使い分けについてコメントします。
- それに関連して,offeror(申込者)の反対語は,offeree(被申込者)であって,なぜ,承諾者(acceptor=手形引受人)ではないのかについて,時間があれば解説します(次回以降)。
- 最後は,一般的にはあまり区別されずに「欠点」と訳されている,fault(人の行為に対する悪い評価:故意または過失,ここでは問題行動)とvice(人や物の性質とか状態に対する悪い評価:欠陥,ここでは,悪い性向)との違いです。一般的には,この区別は分かりにくいかもしれませんが,あえて解説してみました。
- “Oh, he has his faults, too,” said Mr. Wilson. (「いや,実は,彼には欠点もありまして……」ウィルソン氏は次のように言った。)
- “Never was such a fellow for photography. Snapping away with a camera when
he ought to be improving his mind, and then diving down into the cellar
like a rabbit into its hole to develop his pictures. (「あれほど写真の世界につかりきった男はおりません。あれは見習い修業をすべきときにも,カメラを持ち出して,パチパチとやっては,その後,ウサギが穴に入るように地下室へ潜り込んで,写真を現像してるんです。)
- That is his main fault, but on the whole he's a good worker. There's no vice in him.”(それが彼の主な欠点なのですが,全体的にはいい仕事をしとります。悪いやつでもありません。)
- 次回の担当が私に回ってきたので,年が明けたら,続きの訳と解説の準備をしなければなりません。
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バッテリーの壊れた電動アシスト自転車の代わりに
街への買物に使い始めた,普通の軽量自転車 |
電動アシスト自転車のバッテリーが壊れたため,バッテリーを使わない普通の自転車(軽量のママチャリ)を注文していたのですが,それが届いたので,「英語を読もう会」とその後の買物に使ってみました。
- 電動アシスト自転車と比較すると,重量が半分以下の上に,変速ギアが倍の6段なので,座ったままペタルを踏んで,急な坂道を越えることができました。買物かごにたくさんの買物をつんでも,坂道を登るのが苦にならなかったので,まずは合格です。
- 電気を使わずに暮らすというのが,私の理想なので,しばらくの間,この自転車で,街に買物に行くことにします。
- 将来的には,広い庭(1千坪のミカン畑)の中に井戸を掘り,つるべか,手動ポンプを使って水を汲み上げて水道水の代わりとし,畑の一部に,麦とさつま芋と野菜を栽培して食料を確保し,薪になるどんぐりの木を育てて,料理をしたり,暖を取ったり,五右衛門風呂に入ったりするという生活を夢見ています。
- 少なくとも,災害で数か月にわたって停電と断水が続いても,普段の暮らしができるように備えるというのが,当面の課題です。
- (HP訪問者の延べ人数:29,370人)
- 2019年12月19日(木)
- 設立準備中の法と経営学会の監事が正式に決まりました。これで,定款の必要項目がすべて決定されたことになります。
- 母のリハビリの付き添いを勤めるため,送迎車とは別に,自転車(新しく購入した電動アシストのついていない,普通の軽量自転車)で自宅と病院との間を往復しました。
- 日出町保健福祉センターで開催されるダンス教室(ソシアル)に参加しました(第4回目)。
- 自宅から目的地まで行く中間地点で,ダンス用のシューズを持参するのを忘れたことに気づき,やむなく自宅に引き返しました。坂を下りたところだったので,自宅への「坂道を登りながら考える」ことができました。自宅でシューズをカバンに入れて,保健福祉センターに向かったため,4回目にして,初めて遅刻しました。ダンスをする前に,ふた汗(冷や汗と普通の汗)かきました。
- 今日は,マンボ,ジルバ,ルンバ,ブルースのステップの復習です。先生からステップ問題点の指摘を受けながらも,足の運びがかなりスムーズになってきました。そして,ワルツのステップも第2段階に進むことができました。徐々に先輩たちに追いつけるように努力しています。
- アンドレアス・シュライヒャー(著),OECD(編),ベネッセコーポレーション(企画・政策),鈴木寛=秋田喜代美(監訳),小村俊平=平石年弘=桑原敏典=下郡啓夫=花井渉=藤原誠之=生咲美奈子=宮美和子(訳)『教育のワールドクラス-21世紀の学校システムをつくる』明石書店(2019/9/8)を読み終わりました。(第5日目)
- 現在力を入れて研究中のAI教育のカリキュラムの構成ばかりでなく,大学教育のあり方全体についても,多くの知見を得ることができました。
- 読み終えたとはいえ,本書の内容は多岐にわたっており未だ消化不良の個所があるので,機会を見つけて,もう一度読み直すつもりです。
- (HP訪問者の延べ人数:29,400人)
- 2019年12月20日(金)
- 日出ロータリークラブのクラブ細則の「改正案と改正理由」を前回の年次総会の議論を踏まえて修正し,会長および事務局に送りました。
- 令和元年 大分冬の交通事故ゼロ運動(7:30~8:00)に参加しましました。
- 今日は様々な都合で,日出RCの会員の参加が少なく,わずか3名でした。寒さが厳しく,防寒が十分でない人に手袋を貸しました。
- 本務校の民法要論の定期試験の問題を作成し,教務課に送りました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,420人)
- 2019年12月21日(土) 曇り一時晴れ
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の教授会に出席するため,岡山に出張します。
- 列車の中で,明日の中国語のレッスンに向けて,これまでの復習と予習を行いました。
- 教授会では,研究科の募集停止を受けて,来年度から,一部の実務家教員について,専任から非常勤への変更が決定されました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,450人)
- 2019年12月22日(日) 曇り後雨
- 京大の留学生から,中国語会話のレッスンを受けるため,京都に向かいました。
- 今日は,第5課(牛肉麺真好吃)の続きを終えて,第6回(我們学校在山上)に入り,位置関係(遠近;傍辺,付近),方角(前面,後面;裡面,外面)に関する表現を学びました。
- 明日からAI教育に関して九州大学のデータサイエンスの専門家に対する聞き取り調査(1泊2日)を行いますが,その準備のため,大分に帰りました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,470人)
- 2019年12月23日(月) 晴れ
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九州大学理学部 |
AI教育に関して九州大学のデータサイエンスの専門家に対する聞き取り調査(1泊2日)のため,福岡に出張しました。
- こちら側で準備したAI教育のあり方(文理融合),学習方法(アクティブラーニング),カリキュラム構成(基礎編,応用演習編),学習到達度の評価方法,起業を含めたキャリアパスについて説明し,データサイエンティストからの感想,批判をいただき,それぞれの問題について,改善案を議論しました。
- AI教育の中で,法教育の果たすべき役割についても,議論が白熱しました。法律家の思考方法としてのアイラック(IRAC),議論の方法としてのトゥールミンの議論法技法については,データサイエンスの立場からも,非常に興味深いとの評価をいただきました。そして,個人情報保護法の匿名化の問題,著作権法と起業との関係について,トゥールミンの議論の図式を白板に描きながら突っ込んだ議論を行うことができました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,490人)
- 2019年12月24日(火) 晴れ
- AI教育に関して九州大学のデータサイエンスの専門家に対する聞き取り調査を継続します。(第2日目)
- 昨日の議論を踏まえて,AI教育の中で,データサイエンスの果たすべき役割,具体的なカリキュラムについて,聞き取り調査を行いました。
- 深層学習,データマイニング,機械学習,統計学,数学基礎,レトリック,AIと人間等のカリキュラムについて,どこまでの理解が求められているのか,教材をどのように作成すべきかについて,議論を行いました。
- 聞き取り調査を終えて,大分に帰ります。
- 途中で,京都の家に寄って,戸締り等の確認をし,不動産屋さんに年末の挨拶をしました。
- 帰りの列車の中で,2日間の会議の内容を議事録にまとめました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,510人)
- 2019年12月25日(水) 晴れ後曇り後雨
- 「英語を読もう会」に参加しようと,日出町の中央公民館に出かけたところ,今日は,年末で休会でした(うっかり忘れていました)。せっかくなので,公民館の係の人に,「寺子屋ひじ塾」の開設を準備している状況を話して,施設を借りる手続について尋ねたところ,担当者が他の行事で出払っているとのことだったので,名刺だけ渡して,詳しい話等は,次回を期すことにしました。
- 買物をする前に,お花屋さんに寄って,京都のお土産を手渡しました。
- 午後から,私を「英語を読もう会」に誘ってくださった方がご婦夫で,自宅を訪問してくださるとの連絡が入りました。
- そこで,先日(12月8日),お客が来られた時に会話が快適にできるように準備をしておいた応接間で,室内の設備・庭の環境をを整えてからは「初めてのお客」になっていただいて,母を交えて楽しく歓談しました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,530人)
- 2019年12月26日(木) 雨後曇り後雨
- 2019年12月27日(金) 晴れ
- 今年(2019年)の業績を振り返り,このページの最後に「2019年の業績」としてまとめました。
- 日出ロータリークラブの外来卓話について,卓話候補者の推薦人と懇談しました。
- 約束の懇談の場所に行ってみると,オリンピック種目となるため,各地で設立が行われているダンススポーツ連盟の事務局長の候補者として,ダンス教室の経営者の方も来られており,三人で,「日出町ダンススポーツ連盟」の設立の準備を行うことになりました。
- 日出町保健福祉センターで開催されるダンス教室(ソシアル)に参加します(第5回目)。
- ダンス教室の先生の先生に当たる著名なダンサーに飛び入り指導をしてもらうことができて,みんなで大いに盛り上がりました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,580人)
- 2019年12月28日(土) 晴れ
- 福岡在住の妹(元判事,現在公証人)が訪ねて来てくれたので,二人で相続関係の後始末を検討しました。
- その後で,私の手作りパンを使ったトマトとチーズのサンドイッチと,私の手捏ねのうどんを使った鍋料理を作って,母親と妹と私と三人で一緒に昼食会をしました。
私が,今年作った料理のうち,たぶん,一番出来が良いものに仕上がったように思います。二人とも喜んで完食してくれました。
- 「法と経営学会」の設立準備のための書面一式(定款認証の際の委任状,一般社団法人法と経営学会定款,設立登記申請書,設立時代表理事及び理事並びに監事の就任承諾書,設立時代表理事選定書,決議書,別紙)を作成して,公証手続と登記手続きを代行してくれる副会長に送付ました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,600人)
- 2019年12月29日(日) 曇り後雨
- 書斎の大掃除をします。特に,机の上に溜まった書類等のうち,一部を廃棄し,その他をスキャンします(第1日目)
- 日出町のゴミ袋(大)の2袋の書類を廃棄し,スキャンすべき書類と名刺を選別しています。
- やりがいのある仕事に専念するあまり,各種の郵便物や書類の整理にたがまわらず,書類に埋もれていた二つの机が,かなりすっきりしてきました。あと2日で,机の書類を全て片付けるつもりです。
- 書斎の片づけをしながら,ダンス教室で練習するステップのうち,教室のはじめに練習するステップなのに,納得できていないマンボのステップを書斎の狭いスペースで,YouTubeでの解説ビデオを見ながら,一人でステップが踏めるまで練習をしました。
- マンボのステップが理解出来なかった原因は,一番最初に理解したジルバやブルースの基本のステップが,Slow,Slow,Quick,Quickだったのに,マンボの基本のステップは,それとは逆のQuick,Quick,Slowであり,最初のQuick,Quickのリズムに身体がついていけなかったことだったことが分かりました。これで気分がすっきりしました。
- (HP訪問者の延べ人数:29,610人)
- 2019年12月30日(月) 雨後曇り
- 書斎の大掃除をします。特に,机の上に溜まった書類等のうち,一部を廃棄し,その他をスキャンします(第2日目)
- 日出町のゴミ袋(大)の1袋の書類を廃棄し,残りの書類と名刺のスキャンを開始しました。
- あと1日で,人に見せることもできるように整理された書斎へと復活できそうです。
- (HP訪問者の延べ人数:29,630人)
- 2019/12/31(火) 晴れ一時曇り
- 書斎の大掃除をします。特に,机の上に溜まった書類等のうち,一部を廃棄し,その他をスキャンします(第3日目)
- 1年を振り返り,今年の総括を行います。よいお年をお過ごしください。
- (HP訪問者の延べ人数:29,650人)
- 2019年全体の振り返り
- Pythonプログラミング
- 2019年3月9日(土),本屋で山積みされていたコーリー・アルソフ『独学プログラマー』日経BP(2018/2/26)を購入したのがきっかけとなって,Pythonのプログラミングを開始しました。
- 民法典のXML化
- Pythonのデータ構造のうち,「辞書」の機能を突き詰めていくうちに,2019年4月13日(土),法情報学の専門家から,XMLにより構造化を勧められ,現行民法と改正民法をXMLで表現することに成功しました。
- その成果を,以下の論文,および,解説記事で公表するとともに,明治学院大学法学部の共同研究会で報告しました。
- 『法と経営研究』第3号の編集,「法と経営学会」の設立準備
- 毎月,東京で編集会議を開催し,『法と経営研究』第3号を出版する準備を整えることができました。来年1月に発刊予定です。
- 『法と経営研究』の共同編集者の尽力で,2019年12月16日,「一般社団法人法と経営学会」の設立の準備が整いました。理事5名,監事1名で,来年からスタートします。私が設立時の代表理事(会長)となることを引き受けました。
- 著作権法革命
- 吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科の特任教授として,民法と著作権法の講義を担当しています。
- インターネット社会の到来によって,すべての人が著作者になりつつある現代において,著作者を特別に保護すること,特に,著作者人格権を強化することは,わが国の伝統的な物価である本歌取りとか,パロディとかを制限することになります。これでは,著作権法の目的である文化の発展に寄与することにはならず,文化の発展を阻害することになるばかりでなく,産業の発展をも阻害することなることに気づき,「著作者第一主義から,著作利用者第一主義へ」とパラダイムを転換すべきことを提言する論文を2本執筆しました。
- 加賀山茂「著作権法革命-著作者第一主義から著作利用者第一主義への転換」『吉備国際大学大学院知的財産学研究科10周年記念論文集』(2020/1)出版予定
- 加賀山茂「わが国の文化・経済の発展を阻害する『同一性保持権』(著作権法第20条)の制限解釈について-法学分野の著作における創作性の厳格基準の必要性-」『法と経営研究』信山社(2020/1)出版予定
- AI教育
- AIのプログラミングの多くがPythonで書かれていることを知って,AI教育の研究を開始しました。
- AI教育に関する科研費のプロジェクトを立ち上げるため,理系4名,文系4名の研究者を結集することができました。来年度の申請に向けて準備を始めています。
- 日出町での活動
- 日出ロータリークラブの役員へ
- 今年度は7月1日から,副会長を勤めています。そして,2019年12月10日,年次大会での決議を経て,次期会長への就任を許諾するスピーチを行いました。私の次期会長の任期は,2020年7月1日~2021年6月30日です。
- 外来卓話の人選を任されているので,日出町の発展のために協力してくださる人々に外来卓話を依頼して,会員のインスピレーションを鼓舞しています。
- 「英語を読もう会」に入会
- 2019年10月16日(水),両親とお付き合いのある方と偶然に出会い,それをを契機に,11月から日出町の中央公民館で毎週水曜日に開催されている「英語を読もう会」(会員8名)に入会し,毎週参加しています。
私は,読んでいる英文(Arthur Conan Doyle,"The Adventures of Sherlock Holmes"など)に出てくる法律英語,および,フランス語の解説を担当しています。
- ダンス教室に入会
- 日出ロータリークラブの会員から,「紳士たるもの,ジルバ,ルンバ,ブルース,ワルツくらいは踊れないとダメですよ」といわれ,日出町のダンス教室を紹介してもらって入会することにしました。
教室では,毎回,マンボ,ルンバ,ジルバ,ブルース,ワルツの順序で練習を行っています。先生の他に先輩が4名おられ,教室の練習では貴重な体験をさせていただいています。
もっとも,教室での練習だけでは,それぞれのステップをマスターできないので,毎朝,ストレッチ,筋トレに続いて,ダンスのステップの復習を続けています。
- ダンススポーツ(ブレイクダンス)が次期オリンピックから正式種目になることを受けて,日出町でも,ダンススポーツの市区町村連盟を立ち上げる話が持ち上がり,別府市ダンススポーツ連盟会長の指導の下で,「日出町ダンススポーツ連盟」を設立することになりました。
- 公刊済みのもの
- 著書
- 加賀山茂『求められる改正民法の教え方』信山社(2019/4/15)100頁
- 論文
- 解説記事
- 講義等のレジュメ
- 加賀山茂「AIに負けない消費者教育-自立能力の育成という観点から-」(PDF,PowerPoint)明治学院大学・消費者法研究会での報告(2019年4月6日)
- 加賀山茂「法情報教育の最前線-日本の進むべき将来像を模索する」(PDF,PowerPoint)明治学院大学・消費者法研究会での報告(2019年5月11日,)
- 加賀山茂「法学とリーダーシップ-各国のリーダーに法学部出身者が多いのはなぜか?-」 (PowerPoint,PDF)学習院女子大学での講義(2019年6月11日)
- 加賀山茂「民法体系XML(Ver.2)」明治学院大学法学部での集中講義(2019年8月2日~8日)
- 加賀山茂「修士論文の書き方(Ver.2)」(PDF)吉備国際大学大学院(通信制)知的財産学研究科スクーリングでの講義 (XML)(2019年9月1日)
- 加賀山茂「2030年の世界-ジャック・アタリの未来予測を参考にしてこれから10年で何をすべきかを考える-」日出ロータリークラブでの卓話(PDF) 要約版(PDF)(2019年10月1日)
- 未公刊のもの(執筆完了・出版待ち)
- 論文
- 加賀山茂「著作権法革命-著作者第一主義から著作利用者第一主義への転換」『吉備国際大学大学院知的財産学研究科10周年記念論文集』(2020/1)出版予定
- 加賀山茂「わが国の文化・経済の発展を阻害する『同一性保持権』(著作権法第20条)の制限解釈について-法学分野の著作における創作性の厳格基準の必要性-」『法と経営研究』信山社(2020/1)出版予定
- 加賀山茂「民法(債権関係)改正で削除された条文の死と生-動的平衡(dynamic equilibrium)理論の視点から-」 『生と死の法』弘文堂(2020)出版予定
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